イラスト・高橋唯美
感動の海 オーランドの釣りはテーマパークのアトラクション
キャビンの棚 ヨットを描き続ける画家にとっての海
「Oiaue 画描き夫婦51年のアルバム」
船厨 クールな夏のカクテル「フローズン・マルガリータ」
海の博物誌 台風シーズン到来
YAMAHA NEWS 「海の思い出アルバム2005」/「マリンジグソーパズル」/「係船マニュアル」/「スーパーフロート」/「出動!レンタルボート釣査隊」/「マリーナ百景」/「カジキ釣り講座」
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 アメリカのフロリダには3000もの湖沼があり、その十分の一にあたる300はオーランド周辺に集中している。ディズニー・ワールドをはじめとする多くのテーマパークを擁し、日本人にもおなじみの観光地となっているオーランドだが、実はバスフィッシングでもテーマパークで体験するような興奮を味わい、楽しい思い出を作ることができる。日本では難しい立場に置かれつつあるバスではあるが、生まれ故郷ではスポーツフィッシングのターゲットとして不動の地位を築いている。
 地元のフィッシングガイドたちのホームページをのぞいてみると、70センチクラスの丸々と太ったポットベリーの写真がこれでもかといわんばかりにアップされている。そんなホームページの一つから、あるガイドに予約を入れた。
 約束の日の朝6時、彼はホテルの玄関口までシボレーのバンでやってきた。トレーラーに載っているボートは13年前に買ったスキーターのスターライナーで、エンジンは同じく13年前に買ったというヤマハ150馬力だった。
 「スパークプラグとポンプを何回か交換したけど、この13年間一度もトラブルはないね。これからどれだけ働いてくれるか、楽しみだよ」
 あと2~3年で還暦を迎えるという気のいいオヤジの名はボブ・バーク。13年前にそれまで勤めていた電力会社を辞めて今の仕事をはじめたのだという。
 ボブに案内されたレイク・ダウンは湖としてはそれほど広くはない。しかし、いくつかの湖がカナルで結ばれていて、ボートでも行き来ができる。だから、これらの湖の総称を、中心となる湖の名を取って「バトラー・チェーン・オブ・レイクス」と呼ぶ。周囲には美しい森とその間に住宅が建つ。桟橋とボートがない家はまず見当たらない。ポンツーン・ボートも多く見受けられた。
 東の空が明るくなり始め、青と橙の層が鮮やかに映し出されたころ、メロンウォーターカラーのビッググラブをテキサスリグにセットして、水通しのよさそうなカナルの出入り口の脇にファーストキャスト。底をとったその瞬間にバイトだ。フロリダでの初バスは45cmほどだっただろうか。
 その後の釣果はアングラーの腕以上にはならなかったが、それはそれは楽しい一日を過ごすことができた。静かな湖の有り様もその理由だったが、この釣りを面白くしたのはボブの存在によるところが大きい。釣れないなら釣れないなりの楽しませ方があるのだと言わんばかりに、楽しいおしゃべりの連発で、デッキの上は笑いが絶えることがなかった。
 「とにかくお客さんにはハッピーになってほしいからね。魚釣りに釣れない時があるのは仕方ないこと。せっかくオーランドに来て一緒に釣りをするのだから、楽しく過ごして欲しい。お客さんの楽しそうな姿を見るのが生き甲斐だね」
 それがボブの釣りに対する考え方だ。眉間にしわを寄せて魚を釣るのは彼にとっては大きなルール違反なのである。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、某プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



 海とヨットを愛する画家・柏村勲さんが絵画100点以上を収録した自伝を上梓された。「Oiaue」(オイアウエ)とは南太平洋にあるトンガ王国の人々が驚いたときなどにしばしば使う言葉なのだそうだ。驚いたとき、嬉しいとき、ときに人が死んだときにも使われる。どっこいしょ、というような使われ方もあるという。柏村さんと奥さんとの51年間の夫婦としての生活も、日々「オイアウエ」の連続だったのだそうだ。
 手作り感覚の本で、100点の絵画の収録、というのも本書の魅力だが、海とヨットを描き続けた画伯の、その海との付き合い方、向き合い方がどのような感性によるものだったか、うかがい知ることができる。
 奥さんを亡くした後、パラオでの太平洋芸術祭に参加した際に書かれた何気ない一言が心に残った。
 「私は由利子の遺骨を胡麻塩のビンに入れて、どこかに行くときはいつもポケットに忍ばせてある。彼女の思い出のために。ビーチのどこかに少しお骨をまいてやろう。きっと彼女も喜ぶに違いない。」
 柏村さんの海の絵に見え隠れする優しさの秘密がおぼろげながら解ったような気がした。
 「Oiaue 画描き夫婦51年のアルバム」

 画・文・写真/柏村勲
 発行/舵社
 定価/3,000円(税込)



「フローズンマルガリータ」

●材料
テキーラ30ml、ホワイト・キュラソー15ml、レモンジュース(またはライムジュース)15ml、クラッシュド・アイス 1cup、好みで砂糖1tsp

●作り方
材料をミキサーにかけシャンパングラスに移すだけ。凝り性の方ならスノースタイルにしてからどうぞ。フローズンカクテルに使う二本のストローは恋人と一緒に飲むための物ではなく、氷が詰まってしまったときのための予備だとか。

 カクテルを頼むのが気恥ずかしいという方もいるようだが、上手く年をとった人ほど、カクテルグラスを違和感なく手にしている、気がする。
 さて、夏のカクテルといえばフローズン・スタイル。あまりにも暑い夏、普通の氷ではすぐに解けてしまうからと考案された南国ならではのスタイルだ。
 映画「カクテル」の中で、ジャマイカのモンティゴ・ベイのビーチ・バーでトム・クルーズがブライアン・ブラウンに作ったのはフローズン・ダイキリ。ヘミング・ウェイも愛したラム・ベースのカクテルだ。
 さて、カリブ海を渡ってユカタン半島のカンクンへ。メキシコの酒と言えば、もちろんテキーラ。ダイキリとほぼ同様のレシピで、うまいテキーラをベースにフローズ・ンマルガリータを作る。マルガリータとはロサンゼルスのあるレストランのバーテンダーの、若き日の恋人の名前。彼が事故でなくなったマルガリータを偲んで作り出したというエピソードはあまりにも有名だ。
 どちらも暑い夏には最高の飲み物。プールサイドのバーで、マリーナのクラブハウスで、それとも愛艇のデッキで楽しくやりたい。




 次々と熱帯地方で発生しては日本列島を縦断していく台風。毎年わが国に何らかの被害をもたらすが、またクルージングを愛するボートマン、ヨットマンにとっても厄介で、気になる存在である。
 熱帯地方で発生する低気圧を熱帯低気圧と呼ぶが、赤道以北、東経180以西の西太平洋で中心最大風速17m/sになったものを台風としている。
 さて、天気予報などで「非常に大きい大型の台風」などと表現される台風であるが、強さと大きさにはそれぞれ階級に基準があり、天気予報などではそれらを元に分類し表現されている。
 強さとは最大風速を表し、「強い 」が 33m/s以上~44m/s未満、「非常に強い」が 44m/s以上~54m/s未満、「猛烈な」が54m/s以上、となる。また大きさは平均風速15m/s以上の範囲を半径で表したもので、「大型(大きい)」が500km以上~800km未満、「超大型(非常に大きい) 」800km以上となる。
 つまり「大型で強い台風」といえば、500kmから800kmの範囲で15m/sの強風が吹き最大風速が33m/s以上~44m/s未満の規模の台風ということになる。ちなみに最大風速17.2m/s未満のものは以前、「弱い台風」となどと呼ばれたが、今は単に「熱帯低気圧」と呼ぶまた、「並の台風」と言う呼称も廃止され、単に「台風」と呼ぶことになっている。




「海の思い出アルバム2005」作品募集!
海で見つけた思い出のシーン「写真&エピソード」大募集。

夏休みは「マリンジグソーパズル」
マリンの美しい画像をジグソーパズルにしました。タイムアタックにも挑戦!

愛艇を守ろう!「係船マニュアル」公開
係船中の事故を未然に防ぐ、係船のノウハウをご紹介します。

「スーパーフロート」安心・快適・便利を実現!
目指したのは最高レベルの不沈性!ヤマハのニューテクノロジーをご紹介します。

「出動!レンタルボート釣査隊」
今回は広島湾のメバルのフィッシングレポートです。

「マリーナ百景」今回は男鹿マリーナ
魚影の濃い男鹿半島を釣り尽くし、ボートフィッシングを存分に楽しむマリーナをご紹介。

「カジキ釣り講座」
今月はタックルのメンテナンス講座です。オフショアフィッシングの醍醐味。ルアーでカジキを釣るための基礎講座を連載していきます。


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【編集航記】
遙か以前、毎週のように通っていたヨットーハーバーを久しぶりに訪れた。自然の美しい湾を利用し、ヨットのほとんどは沖のポンツーンに舫われ、利用する際はテンダーを漕いで渡る。夕暮れに仲間とヨットのデッキで酒を酌み交わした。時折聞こえてくるのは鳥の声、魚が時たま跳ねる音、そして同じく宴を楽しむヨットからの楽しそうな話し声だ。都会のマリーナの便利さも良いが、この美しさと静寂は捨てがたい。(編集部・ま)

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