ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN ライフジャケットはお嫌いですか。
キャビンの棚 江戸前の魚介に敬意を表し「剣客商売 包丁ごよみ」
船厨 シンプルでいて深い味わい「アサリ」の酒蒸し
海の博物誌 スターボードとポートの語源
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MONTHLY COLUMN
 3月に横浜で開かれたジャパンインターナショナルボートショーでマリンジャーナリスト会議の一員としてお手伝いさせていただいた。地の利を生かしたフローティング展示や体験乗船会、華やかな海上イベントが行われ、盛況だったボートショーだが、その中でも、海上保安庁が一般公開した「ひりゅう」には多くの人々が詰めかけて、私たちが配布していた整理券はあっという間になくなってしまった。お気づきの方もいらっしゃるだろうが、漫画を原作とし、ドラマや映画で大ヒットした「海猿」の影響で、今や海上保安庁は、若者に大人気である。私の高一になる息子も茶の間でテレビを見ながら「海上保安庁って、かっけえ!」と感心しきりであった。
 誠に失礼を承知で言うが、20年以上も前、小生が海で遊び始めた頃は、プレジャーボートを取り締まる存在として、海上保安庁は間違いなくボーターやセーラーから煙たがられていた。今でもその習性が抜けずに、白いハルにブルーのラインが入ったボートを沖で見かけると、ちょっと落ち着かなくなったりする。ところが微力ながらもマリンレジャーの普及という意識を持って、ものを書いたり、写真をとったりという仕事をするうちに、海上保安庁への見方は確実に変わってきて、プレジャーボートが健全に発展するためにはなくてはならない存在なのだと、おべんちゃらを言うのではなく、心から、そう思うのである。
 さて先日、海上保安庁の警備救難課の職に当たる保安官の方に、昨年の海難の実態についてお話を伺う機会があった。
 それによると、昨年の海難隻数は2,544隻(内プレジャーボートは852隻)で、その数はここ数年ほぼ横ばいとなっているそうだ。ところが、死者・行方不明者は、108名で、これは昭和23年に同庁が統計を開始して以来、最低なのだという。昨年は10月に異常に発達した低気圧の影響で一挙に30名もの方が命を落とされたが、それを考慮すると、大幅な減少と言えるのだそうだ。これはライフジャケット着用のキャンペーンを中心とする、同庁が主体となって進めてきた安全への啓発活動の効果と認められるだろう。もちろんボートメーカーによる安全啓発や着用しやすい膨張式ライフジャケットをはじめとする救難具の進化などもこの傾向に拍車をかけたに違いない。
 今では当たり前のこととなっているが、ちょっと前までのボートのカタログでは、乗船者のモデルはライフジャケットなど身につけていなかったのだ。かくいう自分だって、マイ・ライジャケを持ってボートに乗るようになったのは、ここ数年のことである。
 様々な海難の事例についてもお話ししてくださったが、ライフジャケットを身につけるだけで、相当数の死亡事故が防げるはずなのだ。膨張式ばかりでなく、腰に巻くタイプの救命胴衣など、ライフジャケットも多様化している。ぜひ、ボートやヨットに乗るときは、面倒くさらずにライフジャケットを身につけていただきたい。
 冒頭からお堅い話になってしまい、読者の皆様には恐縮の限りだが、本格的なマリンシーズンを目前に控えたいま、海を安心して大いに楽しむためにも、一度、安全について振り返っていただくとともに、海上保安庁の活動にもぜひご理解いただきたいと願う次第だ。
 ちなみに海難救助要請の最たる原因は機関トラブルなのだとか。その多くは、ガス欠も含め、日頃のメンテナンスを怠っているために起こっている、ということも付け加えておきたい。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 春、東京湾でシーバス・フィッシングをしていたら、お目当てのシーバスにまざって、まるまると太った大きなアイナメが釣れてきた。こんな「外道」ならば大歓迎である。釣趣を楽しむより食い意地が勝って、キャストしているうちに、この高価な外道を待ち望むようになってしまった。見渡す限りコンクリートに囲まれた陸地を海から眺めると、時に絶望的な気持ちになってしまうのも事実だが、このカタカナ改め鮎魚女、鱸や鰈、鱚や穴子など、江戸前の魚たちは元気そのものだ。江戸時代の海は見る影もないが、これらの魚たちは、今も生き続けていることを思うと、ほっとする。
 池波正太郎ファンには「今更」なハナシだが、剣客商売や鬼平犯科帳、藤枝梅按の仕掛け人シリーズの魅力のひとつに「料理」がある。小説に出てくる江戸の町並みや人情を今に復元することは難しいかもしれないが、素朴だが粋で、旨そうな素材を使った料理の数々は、今でも健在なのだ。前述したシーバス釣りの経験と少しばかり似通った感慨がある。
 「剣客商売 包丁ごよみ」は池波正太郎の人気シリーズ「剣客商売」に登場する料理の数々を、著者自身の企画により料理人が実際に再現し、そのレシピを写真入りでまとめた書。「烏賊の木の芽和え」「いさきの刺身」「白魚と豆腐の煮付け」などなど、剣客・小杉小兵衛が愛した江戸の味の数々が四季ごとに登場する。熟達のペンもさることながら著者自身による挿絵も料理に劣らない「あじ」がある。

江戸前の魚介に敬意を表し
「剣客商売 包丁ごよみ」
発行/新潮文庫
定価:667円(税別)



船厨
 春の潮干狩りシーズン。この季節、ご近所に潮干狩りに行った家庭があると、だいたいお裾分けが回ってきて、とてもありがたい。もちろん自分でやっても気合いが入りすぎ、腰が痛くなるほどしゃがみ続け、大量のアサリを捕ってきてはご近所に配る。かわいそうになるような小魚を配って歩く稚拙な釣り師のお裾分けに比べると、調理方法も様々だし、うきうきする。
 以前、同じような季節に凝りに凝ってアサリのリゾットを作ったが、今回はシンプルに「アサリの酒蒸し」をご紹介する。作り方は簡単だが、ここはひとつ、鋳鉄製のスキレットを使ってみた。充分に熱してアサリを入れ、日本酒を多めに振りかける。スキレットを揺すりながら、貝が開くのを待つ。食べ頃は、貝が開いた、そのときだ。ふっくらと蒸し上がったアサリの旨いことといったらない。まさしく、春の味がする。ただし大量に作ると、それだけ大量に日本酒が進んでしまうことは、次の日になって頭痛とともに気づいた。
アサリの酒蒸し
●材料(4人分)
アサリ600g、日本酒適宜、塩適宜、万能ネギ適宜
●作り方
1)アサリは濃いめの塩水につけておき、充分に砂を吐かせる
2)スキレットをプレヒートしてからアサリを入れる
3)アサリが浸るぐらいに日本酒を注ぎかける
4)一気に沸騰させ、蓋をする
5)貝が開いたら塩少々と小口切りにした万能ネギを振りかけてできあがり



海の博物誌
 ヨットの用語は英語をカタカナにしたものが多く、実際に操船でもしない限り、ややこしくてなかなか覚えられるものではない。そのなかのひとつ、何かにつけて登場するのがレースなどでも使われている「スターボード」と「ポート」ということば。
 「スターボード」は「Starboard」で、もとは「Steer(舵を取る)Board(舷側)」だった。昔、北欧の船は右側に舵がついていたから、舵のついている側、つまり右側、という意味である。
 いっぽうの「ポート」は港を意味する「Port」で、船を接岸する際、右側についている舵を傷めないように、常に左側をつけていたから左側を意味するようになった。
 この二つの言葉は、船の部分を指すと同時に、舵を切る方向も指す。現在、スターボードといえば、船首を右に曲げる、ポートは左に曲げる、という意味にもなる。
 ところが、かつてイギリスおよびアメリカでは、スターボードは舵棒を右へ(すると船は左へ曲がる)という意味で使っていた。全く逆の意味で使っていたのだから、事故が起きないわけがない。大きな犠牲を払った後、現在の用法に統一されたのだという。



ヤマハニュース

「マリーナ百景」 神奈川県の湘南サニーサイドマリーナ
相模湾に面し三浦半島の中央に位置するマリーナの紹介です。

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日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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【編集航記】
いよいよ、アメリカズカップの予選レース「ルイヴィトン・カップ」がスペインのバレンシアで開幕しました。よく言われる譬えですが、この偉大なヨットレースのきっかけとなったワイト島一周レースが行われたのは1851年。日本では黒船が来港する2年前ですから、西洋のセーリングスポーツの歴史の重みがわかります。日本のヨットクラブとしてはニッポンヨットクラブが「ニッポンチャレンジアメリカ杯」のシンジケート名で三度挑戦していますが、最後に参戦してからすでに7年がたちました。でも当時チームに参加していたセーラーや技術者は、わずかではあるけれど今回もニュージーランドやアメリカなどいくつかのシンジケートのメンバーとして挑戦を続けています。いつか再び日本のどこかのヨットクラブが参戦することを祈りつつ、今回のレースを楽しみたいと思います(編集部・ま)

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