ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
イメージ
MONTHLY COLUMN 父から子どもたちへ。
キャビンの棚 世界に誇る日本の海を知ろう「瀬戸内海辞典」
船厨 この真っ黒な液体をうまいと発見したのは誰か「イカスミのリゾット」
海の博物誌 鮫に勝つ!
Salty Who's Who 何もできない人より、何かできる人になろう
YAMAHA NEWS 「第25回全国児童 水辺の風景画コンテスト」 /ボート免許説明会(参加無料)のご案内 /ヤマハマリンクラブ・シースタイルジェット。会員募集中! /ボート免許更新お知らせサービス(無料)のご案内
8月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

MONTHLY COLUMN
イメージ
 決して自分を海外かぶれなどとは思っていないが、オーストラリアにしてもニュージーランドにしても、ボートが盛んだと言われる国では、子どもを乗せているボートを見る機会がやはり多い。
 以前におとずれたオーストラリアのある離島では、クルージングにやってきたのだろうか、親子二人で小さなボートを港に着けるシーンに出会った。子どもが器用に舫ロープを扱うシーンを見てカルチャーショックを受けたものだ。
 タヒチではセーリングクルーザーでクルージング途中の家族に出会った。テンダーボートに乗って遊ぶ子どもたちの姿は可愛らしいが、それ以上に逞しく見える。
 スロベニアのマリーナで、ユーゴ時代から美しいアドリア海でボーティングを満喫しているひとりの男に話を聞いたことがある。
イメージ
イメージ
 彼が言うには、スロベニアが社会主義国であった独立前もその後も、そのボートライフは変わらない。子どもの頃から父親と海に出てはボーティングを楽しみ、いまは自分の愛妻・愛娘と、父親がそうしてきたように海を楽しんでいるという。毎年、夏にはクロアチアの方までクルージングを楽しむ。この美しい海岸線をボートから眺めては感嘆し、いくつもの港に立ち寄り、その都度、はしゃぎまわる子どもたちの姿が目に浮かぶ。
 つい先日訪れたモスクワでは、父親とマリンジェットを楽しむ子どもの姿を目にした。ロシアではマリンスポーツの指導員と一緒であれば、特定水域に限って子どももマリンジェットを操縦できるそうだ。9歳にしてその子はスタンディングタイプのジェットをやすやすと乗りこなしていた。もちろん野放しにしているわけではなく、地元水域の安全監視の役をになう父親は充分に安全に気を配っている。マリンジェットを楽しむ子どもの振る舞いから、頼もしい父親に絶対の信頼を置き、安心しきり、そして尊敬していることが伝わってきた。水にひるむ様子は微塵もない。何をしたら危険なのか、いざというときにどうすればいいのか、わかっているように見えた。
 父から子へ、そしてまたその子らへ。海を楽しむ術、シーマンシップはあちこちの国々でしっかりと受け継がれている。
 残念ながら、日本でヨットやボートに父親と乗る子どもたちを見ることは希だ。それどころか、最近では海水浴すら経験したことのない小学生の割合が増えているのだという。夏休み真っ盛りだ。野球やサッカーも楽しいけれど、ぜひ、子どもたちに本当の海を見せてあげて欲しいと思う。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
イメージ
「瀬戸内海辞典」
発行:南々社
編集委員:北川建次、高橋衞、印南敏秀、関太郎、佐竹昭
定価:¥3,800(税別)
 教養は遊びを数倍楽しくしてくれる、というのはソルティライフ編集部の信条だ。美術館や博物館に行く前に予習をすれば数段楽しくなるのと似ている。例えばクルージング一つとっても、空を飛ぶ鳥の名前や青空に浮かぶ雲の種類や特徴、さらには目的地の港の名産や歴史のことなど、それらを知っておくのと知らないままでいるのとでは、経験値に数倍もの差が出ると思われる。
 さて「瀬戸内海辞典」。歴史はもちろんのこと、自然や環境、衣食住にいたる人々の暮らしのことなど、瀬戸内海のことなら何でもわかる。この本は、クルージングで訪れた瀬戸内海のあるマリーナでたまたま書棚にあったのを編集部員が見つけた。ぱらぱらとページをめくりながら、瀬戸内海に来る前にこの本を読んでおけば良かったと少しばかり後悔したものである。
 地元の人は意識することは少ないかもしれないが、瀬戸内海は日本が世界に誇ることのできるクルージングエリアだ。江戸時代に日本に訪れた医学者のシーボルトや地理学者のリヒトホーフェンらが「こんなに美しい景色は見たことがない」と絶賛したことも知られている。瀬戸内海を知ることは日本のシーマンの義務ともいえるのではないかとさえ思える。日本の海を愛するすべての人にお勧めの辞典だ。



船厨
イメージ
 いつからか、イカ釣りがブームとなり、餌木を使うことからエギングなどと言う珍妙な言葉が生まれ、しかし、それもしっかり定着して、今や圧倒的なファンを抱える釣りとなった。ある男は「イカ釣りは面白い。いろいろな釣りをしてきたが、カジキを釣るよりも面白いと思っている」と言った。別のある男はイカ釣りは「釣りではない」と言い張る。「だいたいIGFAの記録対象魚になっていないではないか。俺は魚釣りは好きだが、魚ではないイカは釣りたくないのだ」と。
 くだらないこだわりのようだが、それはそれでいいのではないかと思ってしまう。
 ただ、その反イカ釣り派の男もイカの美味さは十分知っている。だって根っからの日本人なのだから。
 日本は言わずと知れたイカの一大消費国である。何と世界の消費量の半分なのだとか。軟骨以外は、頭の先から足の先までほとんど口にする。もちろんワタも大好き。そしてスミも。いつだれがあんな真っ黒い液体がうまいと発見したのか、というのは誰しもが思う素朴な疑問だろう。そしてそんなことを考えながら、イカから丁寧にスミの入った袋をひとつひとつはがしていくという、面倒な作業を楽しむわけだ。
 イカスミのリゾットを作った。反イカ釣り派の男の大好物である。

「イカスミのリゾット」のつくり方
■材料(4人分)
イカ2杯、米2カップ、たまねぎ1個、ニンニク2片、オリーブオイル適宜、コンソメ 2個、塩とコショウ適宜、白ワイン大さじ1、イカスミ適宜
■作り方
1)たまねぎをみじん切りにする
2)イカのわたを取り墨袋を取る。
3)墨袋からそっとスミを出し少量の白ワインでのばす。
4)イカは食べやすい大きさにスライスする。
5)フライパンでオリーブオイルを熱し半分に切ったニンニクを入れ香が立ったら取り出しイカを軽く炒めておく。
6)厚手の鍋でオリーブオイルを熱したまねぎを炒める。
7)たまねぎがしんなりしたら米を研がずにそのまま入れて炒める。
8)米が透明になるまで中火でよく炒め3のイカスミを加えてまぜる。
9)湯800ccでコンソメを溶かし、8の鍋に3~4回に分けて加え、しずかにまぜ中火で米の芯が無くなる程度の固さまで煮る
10)5のイカを加え塩コショウして味を整える。

※イカスミが少ない場合は市販のイカスミペーストを足しても良い。




海の博物誌
 船にいる時やシャークフィッシングを楽しんでいる時ならいざ知らず、泳いでいたり、潜っている時にもしも鮫に出会ったら、なんて思うとぞっとする。ある世代の人にとって、映画「ジョーズ」の印象はあまりにも強烈だ。アレは船に乗っていても襲ってくる。
 さて、鮫に出会ったらどうすればいいのか。熊に出会ったら死んだふりをする、というのに似て、鮫に出会ったら、まずは落ち着くことが肝腎。間に合えば、静かに、かつ速やかにボートに上がる。パニックになって水をバシャバシャしていると鮫も興奮して襲いかかってくる。
 実は鮫はそれほど人肉を好むものではないらしい。またジョーズのように執拗な攻撃性を持っているものは希で、割と淡泊なのだとか。それで鮫に襲われたら、次は闘うしかない。何か堅いものを持っていれば、鼻先を叩く。持っていなければ素手で叩く。目つぶしも有効な手段であると、ものの本にあった。
 健闘を祈る。



Salty One Day Boating
ライフセーバー
飯沼誠司
イメージ
 ライフセーバーの代名詞ともいえる黄色と赤のパトロールウェアをとおして、厚い胸板、鍛え上げた体躯は容易に分かる。千葉県・館山市の北条海岸のパトロールステーションで、双眼鏡を持って沖に目を凝らす。日に焼けた端正な横顔からは、危険の僅かな兆しも見逃さないという集中が感じ取れる。
 飯沼誠司さん38歳。日本人ライフセーバーとして初めてのプロ契約を成し、全日本選手権アイアンマンレースで5連覇を成し遂げるなど、アスリートとしての活躍や、テレビ番組への出演、水泳やライフセービング関係の著作出版に加え、教育の場にもその活動領域を広げている。
 「これまでも、これからも私たちは海の恩恵を受けて生きていくはずですし、もっともっとその恩恵を享受したいと思います。その反面、たくさんの危険も潜んでいるのが海です。その危険をできるだけ多く、広く、深く学んで回避する、あるいは危険な場面に遭遇し、事故のあった時に最善の対処ができるように準備しておく。他者を助けるというレスキューだけではなく、自分を守る、助けるというセルフレスキューという技術や思考を普及させたい」と話す飯島誠司さん。その目標を実現するためには、学校教育にライフセービングを取り入れてもらうことも必要であると感じている。2006年にその活動母体となる<館山サーフクラブ>を設立した。
 「そんなに簡単に行くはずはないと思いますから、まずは自分のホームグランドであるこの館山の海の安全を守る活動の中で、本場オーストラリアの育成方法を手本にして子どもたちとの接点を持ち、自分の海で学び、守る技術を身につけることを原点に置きました」
 館山市や地元企業の理解、協賛も得て、小学生から始めた子どもが中学生になり、ライフセービングジュニア全日本大会の中学生の部での優勝を獲得した。さらに"Lifesaving Spirit 世田谷スイミングアカデミー"での指導、この夏は福島の高校で先生を対象とした講義を実施したり、ライフセービングのユース日本代表の監督を務めるなど、多角的に、そして着実にライフセービングの普及の歩みを進めている。
 7月21日、北条海岸にはパトロール専用のパーソナルウォータークラフト(PWC)が配備された。日本財団、PW安全協会等4団体共同による「シーバードジャパンプロジェクト」の認定を受け、提供されたものだ。ライフセービングの活動にPWCの導入は飯沼さんの願いでもあった。
 「館山には船形から平砂浦まで8カ所の海水浴場があって、環境が違い、それぞれの魅力があります。ライフセーバーにとっては個性、表情の違う海に対応するということは、自分の力量が試され、とてもやりがいがあることです。それが8年前にこの館山を拠点にした理由ではあるのですが、ライフセーバーの機材であるレスキューボードでは時間がかかってしまう水域があります。そこで、館山市の承認を得てPWCの導入ができたのが5年前です。もともとPWCは認められていなかったのですが、ジェット推進や機動力の有効性が認識されて実現しました」
 導入当時は中古艇でエンジンがかからずつらい思いもしたことがある。
 「ジェットは危ないものというのは、一般の人がなんとなく抱いているイメージだと思うのですが、人を守ることに使われている、活躍しているという実感を持っていただければと思います。自分たちの町の自分たちの海岸で、人の命を守るライフセービングに必要不可欠な道具の一つとしてPWCがあるという構図です。ライフセーバーがいる安全、安心な海岸、さらにシーバードが配備されているからという理由で選ばれる海岸になるよう取り組みます」
 PWCがいち早く取り入れられているというハワイのライフセービングの活動にも多く学んで、海岸との距離や気象海象の条件によって、レスキューボードとPWCという道具を使い分け、いっそう有効な体制の確立を思い描く。
 飯沼さんは多忙な日々を送りながら、時折立ち止まって繰り返し自分にも言い聞かせる言葉がある。「いざという時にあわてて何もできない人より、何かできる人になろう!」はるか沖に目を凝らし、PWCでのパトロールの準備をしながら話す飯沼さん。それは年齢等には関係なく、理想の姿を追い求め、いつでも挑戦を続ける飯沼さんの生き方そのもののように思えた。



ヤマハニュース

「第25回全国児童 水辺の風景画コンテスト」
海や水辺に出かけて「思い出に残る発見や体験」をしよう!
http://www.ymfs.jp/project/support/contest/

ボート免許説明会(参加無料)のご案内
木曜日の仕事帰りにお気軽にお越しください。大阪、名古屋で開催します
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/briefing/

ヤマハマリンクラブ・シースタイルジェット。会員募集中!
マリンジェットのみのレンタルなら月々1575円です
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/jet/

ボート免許更新お知らせサービス(無料)のご案内
更新日の1年前、および3ヶ月前にお知らせするサービスです
https://www2.yamaha-motor.jp/marine/license/announce/



今月の壁紙
『SALTY LIFE』読者限定
8月の壁紙カレンダーはこちらからダウンロードできます。
イメージ


バックナンバー
『SALTY LIFE』のバックナンバーはこちらからご覧になれます。


【編集航記】
ある博覧会の会場で水辺を歩くコースと花壇のそばを歩くコースの二手に分かれる道を観察していると、水辺を歩く人が圧倒的に多いという話を聞いたことがあります。本当に人は水が好きなのだなあと感じます。人を水辺から遠ざけるという発想には無理があります。水の事故が起こりやすい季節です。川や海で遊ぶ時はお子さんにライフジャケットの着用をおすすめします。たとえ海水浴でも、です。ライフジャケットは救命ツールとしてではなく遊び道具としても楽しいと思うのですが、いかがでしょう。
(編集部・ま)
ソルティライフ公式Facebookページ 「Yamaha Motor Nautical Mile」

■ 『SALTY LIFE 』について
メールマガジン配信サービスにご登録いただいているお客様に定期的に配信するマリン情報マガジンです。
■ お問い合わせに関するご案内
『SALTY LIFE』は送信専用のアドレスより配信しております。
「配信の停止」についてはhttps://www2.yamaha-motor.co.jp/Mail/Saltylife/をご参照ください。
お問い合わせに関しては、marine_webmaster@yamaha-motor.co.jpまでご返信ください。
※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。
ページトップへ
『SALTY LIFE』
〒438-8501 静岡県磐田市新貝2500
発行:ヤマハ発動機株式会社


Copyright(C) 2013 Yamaha Motor CO.,LTD. All rights reserved.
掲載文章および写真の無断転載を禁じます。