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EXUP(エグザップ)

2011年11月16日

排気脈動の最適化でトルク特性を改善するデバイス

  背 景  

二輪車用の高出力・高回転型のエンジンでは、吸気バルブと排気バルブが開いている時間が重なりあう期間が通常、長く設計されています。
これをバルブのオーバーラップ、と呼んでいます。これは、吸気排気の流れを滑らかにする狙いがあります。
ただ、このとき排気ガスがマフラー内で反射して排気バルブ付近に戻ってくると、それにより燃焼済みのガスが掃き出されにくくなる現象が生じ、「吹き返し現象」と呼ばれるこの現象の改善が技術テーマとなっていました。

  仕組み・特徴  

ヤマハ独創のEXUPはマフラー内に可変式のバルブ(絞り)を設け、エンジンの回転数などの条件に合わせて、排気管内の断面積を変え、オーバーラップ時の排気圧力波を抑制するシステムです。排気バルブ付近の排気の流れを最適化し、排吸気の効率を高め「吹き返し」によるロスを低減。'87年型の「FZR400R」で実用化して以後、熟成を重ね、4気筒から2気筒まで最新の数々の4ストロークモデルに投入しています。
「YZF-R1」('04年型以降)では小型設計のEXUPを採用。4本の排気マフラーそれぞれにバルブを設けていた従来式に対し、4本のエキパイが2本に集合した部分にEXUPバルブを設け、左側の2気筒、右側2気筒、それぞれを合流させた後に脈動を制御する方式として小型化。バルブの駆動はエンジン回転数、速度、スロットル開度、スロットル開閉速度、使用ギアなどの情報をフィードバックして制御され、また点火時期制御との効果も加わり優れたトルク特性を引き出しています。
また近年ではVツインエンジンにも採用しています。

2011年11月16日

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