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2007玉田誠のMotoGPライダーレポート

玉田誠選手によるMotoGPレポートをご紹介します。

2007玉田誠のMotoGPライダーレポート
No.8 カタルーニャGPレポート TOPページへ戻る
いつもと違う12位

 第7戦カタルーニャGPは、前戦イタリアGPからの2週連続開催。今シーズン初の2連戦です。第6戦ではトスカーナ地方山間部の不安定な天候に翻弄され、結果的には苦しいレースになってしまいました。しかし、その一方で着実に前進している手応えも感じ始めているのも事実。というわけで、気持ちの切り替えの素早さでは、誰にもひけをとりません。ここは心機一転、今回こそやってやるぜ! と気合いを入れてバルセロナ入りしたのでした。
 そんな気合いが天に通じたのか、今回は3日間通してスッキリとした快晴に恵まれました。しかも、今シーズン一番の暑っつ〜いレースウィーク。連日、気温は27〜28度、路面温度は40度越えという状態です。やっぱ、初夏のヨーロッパはこうでなくっちゃね、ってくらいのいい天気。
 「……んん〜〜、ちょっと待てよ……」と、ここで勘のいい人なら思うかもしれません。「ダンロップ勢にとって、高い路面温度は天敵じゃなかったの?」ってね。しかし、そうじゃないんです。今回は路面温度が高かった事が、僕たちにとってプラス材料になったのでした。冒頭で「着実に前進している」といったのは、そういう事なんです!
 結果は12位。数字だけを見る限りではいつもと同じようなリザルトですが、今回の第7戦は、今シーズンで一番、走っていてフィーリングの良いレースでした。というわけで、いったい何が良かったのか、どこがどう進歩してきたのか、という事をこれからお話しします。

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浮上のきっかけを掴んだ玉田。次回のレースが楽しみ
路面温度はもう大丈夫!

 土曜日の予選を終えて、僕たちのグリッドは6列目16番手。タイムアタックで何度かミスをした事もあり、いつもと同じようなポジションでのスタートとなってしまいました。ただ、金曜と土曜のセッションを通じて、前回から使い始めた16インチのフロントタイヤが、なかなかいい感触。レースシミュレーションを実施しても、充分にもってくれそうなのです。このフロントに関しては、リム幅が細いものと太いもの2種類を比較しました。細い方がハンドリングはいいけど、しっかりと安定するのは太い方、と一長一短で、どっちにしようか悩みました。カタルーニャサーキットは、ストレートが長いから馬力勝負のコースのように思われがちですが、実は大小様々なコーナーで構成されているので、旋回性の良さが重要なポイントになるんです。なので、最終的に細いリム幅で決勝に臨む事にしました。
 リアタイヤについても、今回ダンロップさんが新たに持ってきてくれたものを使用したのですが、以前よりも明らかにライフが長くなっていると実感できました。ただ、正直な事を告白すると、日曜日午前のウォームアップ走行ではグリップ感が得られず、少し不安もあったんです。でも、「温度が上がってくれば大丈夫」というチームスタッフやダンロップのエンジニアさんたちの言葉を信じ、決勝のグリッドにつきました。

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毎戦新しい事にトライし、確実に前進を遂げるチーム
次の目標はシングルフィニッシュ!

 16番手からのレーススタートだったのですが、スタートを失敗… 1コーナーでの位置取りをミスしてしまいました。こっちにいかなきゃよかった、という方向へいってしまい、1周目を終えて最後尾から2番目。あっちゃ〜、という状態です。その後、ひとり、またひとりと抜きながら少しずつ前に出て10周が過ぎ、チームメイトのシルバンの直後につけた頃には、全周回の約半分にあたる12周目。で、いつもの僕たちなら、これくらいの頃になるとタイヤが摩耗してスピニングをはじめるのですが、今回のリアタイヤはスピニングしてもコントロールができます。すべりながらでも、しっかりとスロットルを開けていく事ができるんです。だから、シルバンをパスした中盤以降は、2秒ほど前を走るコーリンも視界に捉えながら、オーバーテイクのチャンスを狙っていました。
 しかし、ラスト10周ほどになると、今度はチャタリングが発生! それさえなければコーリンやその前を走るニッキーにも食らいつけたかもしれませんが、残念ながら2秒の差は最後まで詰まらず、ニッキーの背後でチェッカーを受けました。
 リザルトは最初に言ったとおり12位。しかし、タイヤが確実に進歩している事や、それに応じて前後のサスペンションもセットアップしやすくなり、自分が乗りやすいマシンを作れるようになってきた事、その結果、最後まで少しずつ前に出て、最後はコーリンやニッキーを視野に入れながらチェッカーを受ける事ができ、好感触や好材料など、収穫の多いレースとなりました。なにより、高い路面温度で苦しんだ今までのレースと違い、今回は路面温度が上昇した方がプラスに働いたという事が最大のポイントです。
 というわけで、単に数字だけで比較すれば、9位で終わった第5戦のルマンの方が上位フィニッシュですが、内容的には今回の方がはるかに良かったのです。「今シーズンで最も充実したレース」、といってもいいでしょう。その意味では、開幕時に宣言した12位フィニッシュという目標は、これで達成できたといえるかもしれません。
 次の第8戦イギリスGPの開催地、ドニントンパークは、天候も不安定で路面温度が上がりにくい場所です。ライバル陣営は少なからず苦労するサーキットなので、その面で僕たちダンロップ勢が優位に立てる要素もあります。マシンのセットアップも、徐々に好みの方向で進められるようになってきました。
 次の目標はシングルフィニッシュ。少しずつ目標を高くしながら、チーム全員で一丸となって着実に前へ進んでいきます。ドニントン〜アッセンと続く次の2連戦も、引き続き応援よろしくお願いします!

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16インチのフロントと新しいリアタイヤが機能!
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世界チャンピオンのヘイデンや同じYZR-M1を駆るエドワーズにも後一歩まで迫った

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