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ヤマハ発動機株式会社

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大田尾選手インタビュー

大田尾選手の海外での日々や日本選抜合宿で得た経験と、夏合宿に向けた意気込みをお伝えします。

大田尾選手インタビュー
バイスキャプテンとして3年目の大田尾選手。今シーズンの春は、ニュージーランドにて海外研修を行いました。帰国後すぐに日本選抜メンバーに選出され、勝利に貢献。海外での日々や日本選抜合宿で得た経験と、夏合宿に向けた意気込みをお伝えします。
―― まず、最近の試合から。7月10日、国立競技場にておこなわれた日本選抜対フランス大学選抜戦について
大田尾選手 久しぶりの国立で、久しぶりに日本選抜としてプレーした試合は、集中できる要素があり、非常に充実した80分間でした。ナイトゲームといえ後半は、暑さの中で少し疲れを感じましたが僕自身、研修先のニュージーランドで11試合やってきたこともあって、他の選手達より試合勘やメンタル面の状態がよかったと思います。前半のトライは、狙っていたわけではありませんけどいいタイミングで取れて嬉しかったです。ATQは、若い選手も多くなかなか大きな舞台において力を出し切れないことがあります。でも、今回はトップリーグの選手や、薫田監督が盛上げてくれ、非常にいい雰囲気でした。参加メンバーの年齢が幅広く、僕は比較的上の方でしたが、バックスに関して言えば、実力のある選手が多くて年齢差というものは、さほど感じませんでした。
大田尾選手

―― では改めてニュージーランド研修についてお聞きします。6月の中旬に帰国したばかりですが、この研修を決断したいきさつは
大田尾選手 昨シーズン後半のパフォーマンスに自分自身が納得いかず、どこかでレベルアップできる環境を求めていました。大きくはこの2点。そういう思いの中、チームから行ってこないかと言われ、いいチャンスと思い決めました。

―― 海外研修を終えた感想は
大田尾選手 現地では、僕より年齢の若い選手達がラグビーを職業にしているハングリーさを持っていて、非常に刺激を受けました。また、ニュージーランドの土壌やラグビーを取り巻く環境を体験できたことは、自分自身プラスになりました。例えば日本では、やっている側と見ている側に多少なりとも熱の差を感じますが、ニュージーランドはそこが限りなく近い。真剣勝負をみんなが楽しんでいる、街全体にそういう空気を感じました。

―― 思い出に残っている試合は
大田尾選手 印象に残っているのは初戦と9試合目ぐらいのタウランガ戦。初戦は、緊張というより不安の方が大きくて。でもその不安は、試合において自分の役割を果たし、払拭できました。とはいえ順風満帆だったわけではなく、その後しばらく悩みました。

―― 試合はどのような形でおこなわれたのですか
大田尾選手 試合は普段、3試合。最初にBチーム、次に20歳以下のコルツと呼ばれるチーム、そして最後のメインでAチームのシニアという順番です。僕は、シニアチームで12試合中、11試合に出場しました。もうひとつの印象に残っているタウランガ戦。この時は色々と重なり、行われたのはシニアの1試合だけ。おまけに天候もあまりよくなかった。でもすごく観客が入り、そこにいるみんなが自分の街のチームを応援している。ごく自然で当たり前の風景の中で進んだ試合は、隣町同士の対戦だったこともありダービー的な雰囲気。それを体験できたことは、とてもいい経験になりました。また自分自身がようやく、本当に手応えを感じるプレーが出来始めたし、タウランガはその時のリーグ戦首位チーム。そこに勝ったこともあって、スタジアムがひとつになるという一体感を強く感じました。

―― 9試合目で手応えを掴み、もう少しニュージーランドでプレーしたいと思いませんでしたか
大田尾選手 実は悩みました。堀川監督に相談した時、半年ぐらい学ぶこともチャンスだからと言われ、もう少し残ってそのままヤマハのニュージーランド合宿へ合流しようかとも考えました。ただ、僕は暑いところが苦手なタイプ。合宿から帰国し、残り2週間ぐらいの短い期間で日本の暑さに果たしてフィットできるのか、また新ルールもやっていなかったという不安要素も、いくつかあった。他にはニュージーランドの環境が全てよかったわけではなく、あくまでも自分がプレーをするのは日本でありヤマハだということ。練習環境において、オーガナイズされ、しっかりメニューが組まれているのは、ヤマハで練習をするプラスの面。向こうは流動的でしたから。いろいろと悩みましたが、チームとのコミュニケーション、あと自分はヤマハでどうしてもやらなければいけないと、感じていましたから。日本選抜のメンバーに入っているとも聞いていたし、国立で試合ができた。暑い中、帰国してよかったと今は思っています。

―― コニュニケーションの部分で苦労した点はありますか
大田尾選手 苦労しましたね。英語で綺麗に話さないといけない、完全でないと駄目、そう思っていました。でも、考えてみたらヤマハへ来た外国人選手に日本語で全てを求めているか、といえばそうじゃない。何かしら伝われば、わかればいい。たとえ伝わっていなくても、自分が伝えようとする意識が大切じゃないかということに気がつきました。自分の殻に閉じこもるのではなく、自ら殻を破っていかないと前へは進めない。それからというもの、大きな声ではっきりと、わからなければ何度でも聞く姿勢にしたら、どんどん周りに馴染むことができ、自分が心を開くことが大切だったと、ようやく気づきました。こうなるまで、現地へ到着してからおおよそ2ヶ月ぐらい。ちょうど、プレーが上昇しはじめたのと同じ時期です。内に入らず、自分から動き出す。これも、研修したからこそわかったこと。本当にいい経験をさせてもらい、支えてくれた周りに感謝しています。

―― ニュージーランドでの地域密着も体験しました
大田尾選手 勝っても負けてもいいプレーには拍手を送る、応援することを楽しんでいる点は、少し文化の違いを感じました。最近のヤマハも、練習試合で多くの方が足を運んでくださっていて、実はその試合にものすごく有名な選手がプレーしている。それが当たり前のように楽しめる雰囲気、そういう文化もあるんだと、新鮮な気持ちでした。

―― 帰国した大田尾選手の目に映った、今年のチームの印象は
大田尾選手 中垣さんや岡であったり、越村であったり、去年出場機会に恵まれず悔しい思いをした選手達が気持ちを新たにやっているという良い面と、その反面まだまだ変われていないという悪い面の両方が目につきました。新外国人選手がチームにフィットするにはもう少し時間が必要かなという印象。とはいえ、ルーベンやダンカンといった有名で非常に実力のある選手達の実力を僕らが引き出せるよう、積極的にコミュニケーションをとりたい。中でも、ニュージーランドの目が肥えたファンから愛されていたルーベンのような選手とやれることはそう滅多にない。これからが楽しみです。

―― 今シーズンでバイスキャプテン3年目となりました
大田尾選手 昨シーズンまでは、木曽さんがキャプテンとしてみんなをまとめてくれていた。バイスキャプテンの僕は、その中で気が付いたことを言う立場でした。でも今シーズンは役割が若干違うと思います。キャプテンの亮(山村選手)は、高校からずっと努力し続けここまで上がってきた選手。ポジションはフロントロー、そして理論派というよりどちらかといえば口数が少なく背中で引っ張っていくタイプ。だから、僕自身はもっともっと全体を見ていかなければ、と感じています。亮、そしてポジションリーダーとともに、お互いが足りなかったり出来ないことを補いつつ、チームに貢献していきたいです。

―― 今シーズン、一緒にプレーする仲間へのメッセージは
大田尾選手 今シーズンは、これまで以上にポジション争いが激しく、自分も含め誰が試合へ出るのか分からない状態。その中で僕が大切だと思うことは、いろんな練習において絶対にあきらめない。チームの心がひとつであれば苦しいと思う練習も必ず乗り越えられる。そして、常に目線や意識を外に向ける。それは、ヤマハでレギュラーをとることに満足するのではなく、今のプレーが決勝の舞台で通用するか。そういう高い志をシーズンの最後まで持ち続けること。そうすれば、必ず強くなれるから。

―― ファンへのメッセージをお願いします
大田尾選手 僕が入団した時より、確実に応援していただいている方々の数はうなぎのぼりで、大久保グラウンドの練習や試合、ヤマハスタジアムへも多くの方が足を運んでくれています。もちろん優勝も大事。でもどれだけおもしろいゲームをするのか、見ていて楽しいラグビーをするのか、そこを期待してくれているはず。それに応えるプレーや熱を感じていただけるよう、これからも頑張りますので、応援をよろしくお願いします。
文:清水良枝

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