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DFR-36 実釣レポート

DFR-36の実釣レポートをご紹介します。

“夢をかなえる”ことができるボート
DFRで狙う大阪湾のドラゴン級タチウオ

全長36フィート、ディーゼル船内機1基掛けというプロフィールからは、ボート釣りの経験を積んだベテラン向け……とも受け取られるDFRだが、離着岸をサポートするバウスラスターを標準装備(スターンスラスターもオプション設定)し、経験の浅いオーナーにとっても十分に選択肢に入るモデルである。免許を取ってすぐ、DFRにひと目ぼれして購入を決めたというオーナーを取材した。

雑誌で見たDFRのスタイルにひかれて

大阪府在住のATRNさん。2014年4月に1級のボート免許を取得し、すぐに初めてのマイボートとなるYF-24(FSR仕様)を購入。そして15年6月に、現在のDFR(EX仕様)が進水した。「そもそもは、琵琶湖でレンタルボートを借りて、子どもと一緒に乗ろ思たんですよね。そのために免許を取って……でも、取得したらやっぱり欲しくなりますよ、自分のフネが」

雑誌に掲載されていたDFRを見て、「これや!」と思ったという。

「一番のポイントは、やっぱりこのスタイルですわ。フィッシングボートにしては釣り船っぽくないっていうか。これなら、釣りのほかにも、ブラッと四国を回る航海に行ったりもできるかな、と思いました」

しかし、当時発売されたばかりのDFRは人気も高く、注文しても1年待ちという状況。いったんはあきらめて購入したのが、同じヤマハのYF-24である。そのYF-24で、大阪・淀川河口にあるホームポートから香川県まで金比羅(こんぴら)詣でクルージングをするなど、それなりに楽しんでいたが、やはりDFRが欲しいと、しばらく待つのを覚悟であらためて注文した。そして15年になって念願かない、DFRを手に入れたのである。

ATRNさんがボートを購入したマリン大阪は、オリジナル艤装を得意とする販売店として有名だ。最初のYF-24も、日除けのハードオーニングにソーラーパネルを設置し、バッテリーを3基積んでマリンエアコンを装備。さらに、レーダー、オートパイロット、エンジンのハンディーリモコンなど、ギッシリと艤装が施されていたが、このDFRも、ほぼフル装備のオプションに加え、5キロワット発電機を搭載し、マリンエアコンや通信カラオケ、サーチライトソナー、パノラマプロッター、ワイヤレスのボートコントロールシステムなどを装備。レーダーゲートは、ATRNさんが気に入っている船首からハードトップにかけての流れるラインを崩さないように、形状にこだわった特注品だ。

「ゲートの角度を決めるのが大変やったんですよ。また、ルーフ内側に補強を入れるなど、目に見えないところでも苦労しました」と、マリン大阪・営業部長の中島俊生さん。艤装工事は3カ月間に及んだという。

真剣な釣りはセカンド艇でDFRではクルージングも

実はATRNさんは、DFRのほかにもう1艇、16フィートの船外機艇を所有し、同じマリーナに保管している。DFRの少し前に手に入れた、ヤマハ・ベイスポーツ16CCだ。

チヌ(クロダイ)の落とし込み釣りにかけてはキャリア25年のベテラン。ベイスポーツには、GPS機能を持つバウモーター、「ミンコタ・アイパイロット」を取り付け、自ら開拓したポイントでチヌをバンバン釣っている。「10尾以上は絶対釣れます。子どもでもわかるようなアタリばっかりですわ、警戒心なしにズルッといきますから。昨日も大阪の北港エリアに行っとったんですけど、5分に1尾ぐらいのペースで釣れましたよ」

一方のDFRは、クルージングのほかにタチウオやカワハギの釣りに使っていくつもりだという(青ものなどの釣りはあまりやらないそうだ)。
これまでに何度か釣行しているが、今のところ、出航回数はベイスポーツのほうが多いとのこと。そりゃあ、そんなにチヌが釣れればそっちが楽しくてしかたないでしょう。
2艇のホームポートから海に出る際には狭い水門を通る必要があり、小さいフネのほうが出入りが楽、という理由もあるようだ。とはいえ、DFRに標準装備のバウスラスターに加え、工場オプションのスターンスラスターも装備しているから、36フィート艇でも向きを細かくコントロールできる。そして海に出てしまえば、ボートは大きいほうがいいに決まっている。

「小さいボートだと、これぐらいの波やったら叩きながら走りますもんね。DFRは波当たりが柔らかくて、楽です。」

この日はタチウオ釣り。マリーナ仲間や飲み仲間、マリン大阪の中島さんも同乗して、船内は賑やかだ。1時間ほど走って、明石沖の釣り場に到着。

ATRN艇はスパンカーも装備しているが、前述の水門をくぐる際に当たってしまうので、現在は取り外してある。ATRNさん自身、スパンカーの効果は十分に知っているからできれば使いたいというが、とりあえずこの日は、風に任せてドテラで流す。スーパースローリモコンは単に微速装置(ボルボの電子トローリングシステム)として使い、時折シフトを入れて艇の向きを修正しながら流す。ただ、風が弱いこともあってその頻度はとても少なく、全員がほとんど釣りに専念できる。

大阪湾のタチウオシーズンは始まったばかり。7人のうち1人はジギング、あとの6人は冷凍イワシエサのタチウオテンヤ仕掛け。水深は約60メートル。

「チヌやったらメチャクチャ自信あるんですけど、今日のタチウオは釣れるかどうかわからないですよ。でも、この人らはうまいですから」

ATRNさんの言う通り、ほどなくしてまずは1本。タナをつかむと、その後もポツポツと釣れてくる。女性ゲストも含め、ほぼ全員がタチウオの顔を見ると、「さあ、歌ってくださいよ!」

船内ではカラオケが始まった。釣ったタチウオは刺身になり、もう、お座敷船の様相である。ストイックなボート釣りからはほど遠い、こんな遊び方もあるのだ。
なんだかんだで15本を釣り、午前中に釣りを切り上げて、淡路島・岩屋港に向かう。昼食は名物のハモ尽くしを堪能した。
セカンドボートのベイスポーツ16CCと、理想的な使い分けでDFRを活用しているATRNさん。YF-24では1泊2日の金比羅詣でクルージングをしているが、このDFRでは沖縄まで、「ひめゆりの塔」を訪ねる航海をしてみたいという。“このフネで、こんなことをやってみたい”というオーナーの思いを膨らませてくれる、そんな魅力を持ったボートなのである。

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