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その他網漁

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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鮭定置網漁

北海道羅臼町

本線と運搬船の距離を縮めて網を起こす

晩夏から晩秋にかけて秋鮭の最盛期を迎える北海道羅臼町には、33軒分の定置網が設置され、早朝はシロザケを運ぶ船が次々と港に入り、岸壁では選別作業に追われています。今回はこの羅臼の漁場でヤマハ漁船を使用する木切別漁業の水揚げに同行しました。

 丘の番屋から双眼鏡を片手に網を見つめる山内豊さん(62歳)は、船頭として20年間この羅臼の海と向き合っています。
 「今では網屋でも相当のいい網をつくるけど、うちらが船頭になった頃は自分で作るのが当たり前のことで、私なんかは、自分の思い通りに網を作ってみたくて船頭になったもんだよ」
 山内さんが船頭を務める木切別漁業は乗組員が9名、船はDX-90-0Aを本船として、DX-120-0Aを運搬船に使用し、漁期となる9月から10月末まで休む間もなく、網起こし(水揚げ)を行います。
 「アキアジ(鮭)の漁期は9月からですが、私たちは夏網(トキシラズ)もしますので5月末ぐらいから網の準備に入って、漁の後片付けも入れて終わるのは11月末ぐらいになります。最盛期は10月の1ヶ月間。ここでどれだけ水揚げがあるかがこの漁の醍醐味だね」
 羅臼町に33カ所設置されている定置網の場所は固定され、木切別漁業の定置網は知床半島の知円別岳の東側に位置し、陸に近い順から丘網、中網、沖網というように3カ所に定置網が設けられています。基本的には鮭の回遊を待つという漁ですが、だからこそ誘い込むための道筋が魚に合っていなければ網に入る量も少ないといいます。
 この日の出航は午前2時50分。漁場に向かうこと20分で最初の網に取りかかり、丘、中、沖それぞれの網を起こして、羅臼の港に戻ったのは午前6時前でした。
 「鮭を捕るためには、鮭が来る環境を作ることも大切なこと。稚魚を放流することで、その魚が戻ってくるようにね。そうした環境にも目を向けながら、これからもいい鮭を捕っていきたいですね」
 船頭として満恵丸の指揮を執る山内さん。豊富な経験を持つその眼差しは常に漁場に向けられていました。

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定置網の中でも金庫と呼ばれる部分。その名の通り鮭が貯まっている

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運搬船に積まれた鮭。この日は2000本弱の水揚げとなった

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水揚げは雄雌の他、等級毎に10種以上に選別される

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幻の魚と呼ばれる鮭児。1尾2万円以上の値がつく

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木切別漁業のみなさん。右端が船頭の山内豊さん

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水揚げを支える第八十八満栄丸<DX-90-0A>

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