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「イタリアっていうのは、もともと今の州自体が国だったから、すごく地域性が強いんだ。ミラノや北部の人間はナポリより南はイタリアだとは思ってもいないし、南部の人にしてみても北部の人に対して同じことを言うよ。だから旅行者はイタリアが面白いって言うんだ。場所によって全然違うってね。ここは昔から港町だから、客船から商船、ヨットやボートで来る人も他の町に比べれば圧倒的に多いんだ。コロンブスが生まれて、ここから旅に出たっていえば、イメージがつくだろう」
とはジェノバでのツーリストインフォメーションの説明。ポルトフィーノまでの行程を決める時にも、いろいろな雑談が入る。そのジェノバの港からチャーターしたボートに乗ると1時間弱でサンタ・マルゲリータ・リグレについた。東リビエラのなかでも庶民的なリゾートとして知られているが、それでもイタリアンに言わせれば「あそこは物価が高いから滅多なことじゃ泊まらないよ」である。
そのサンタ・マルゲリータ・リグレから乗り合いの船に乗ること20分。深い入り江の先に、まるで隠れ家のような港が見えてきた。それが今回の目的地、ポルトフィーノの街だ。
カフェでチンクエテッレを頼むとスタッフの若い女性がポルトフィーノはどう? と聞いてくる。
「私が産まれる前の話よ。お金持ちの人とか有名なスターとかがこの街に来て、次々と別荘を買ってね。彼らは自分たちのボートでこの港に来るの。すぐに分かるわよ。今泊まっているボートは小さいのしかないけど、客船のような船でやってくるから」
かつては小さな港町だったそうだが、戦後ベネチアの喧噪を嫌った富豪や著名人たちがこの港町に現れ、やがて社交場となり、現在でもバカンスシーズンになればセレブリティがクルーザーに乗り、別荘にやってくる場所として知られている。
「なんにもない場所だけど、あなたのような観光客がたくさん来るの。でも長くいても一日ね。泊まる場所も見る場所も限られているし。みんなカフェで休んでからサンジョルジュ城を見学して帰っていくわ。本当はボートやヨットを沖に止めて、のんびり過ごすのが一番いいんだけどね」
波の音、テラスでくつろぐ人々。舫を解いて小舟を走らせるエンジンの音。ミラノやローマの喧噪を目にした後にこのポルトフィーノに来ると、同じ国とは思えないほどの静寂さと優美さを備えていることに気付く。
時の流れを楽しめる人。そう、それこそがこの小さな港町『ポルトフィーノ』の居心地の良さを理解できる人だろう。 |
山口 克夫●やまぐち かつお
北は稚内から南は与那国島まで。3000m級の稜線から水深50mクラスのディープウォーターまでをフィールドに執筆活動を続ける。海よりも港の酒場が
好きな1972年、東京生まれ。 |
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フランスのブルターニュ地方の海岸線は「コート・ソバージュ」(野性の海岸)と呼ばれるている。複雑に入り組んだ海岸のところどろに情緒ある小さな漁港が点在するが、フランスの代表的なリゾートエリアでもあり、人々は海の恵みで舌を喜ばせ、またボートやセイリングを愉しむ。その一方、冬になると西からの強い風に吹き付けられ、厳しい自然にさらされる。
ディディエ・スキバンはそのブルターニュに生まれたピアニストである。本人が言うように、彼の創作のインスピレーションはブルターニュの海から生まれた。確かに起伏の美しいきらめく旋律は、ブルターニュ地方の複雑な美しさから生まれたものなのかもしれない。
ご紹介する「バラッド~海辺のピアニスト」は日本における彼のデビューアルバム。本人曰く、「皆さんを心の散歩に誘う」というように、1曲目でマラケシュからイスタンブール、2曲目でクロゾン半島へ、3曲目では地球一周、インドネシアから中国、そしてブルターニュの主題が隣り合う長い旅へと誘う。
安易なヒーリングミュージックのジャンルでくくられがちな近代のピアノジャズではない。その旋律はブルターニュに始まり、世界の海への航海に導いてくれる。 |
BALLADES
バラッド~海辺のピアニスト
DIDIER SQUIBAN
エイベックス イオ
ASIN: B0001HDK9A
定価/3,150円(税込) |
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「鰺の漬け丼」
●材料(4人分):アジ4尾、海苔、大葉、生姜、万能ネギ、漬け汁(醤油大さじ2、酒大さじ1、みりん大さじ1、生姜の絞り汁大さじ1/2)
●作り方
1)アジは三枚におろし、骨を取りのぞき、7ミリ幅ぐらいに切る。
2)漬け汁に10~15分ぐらいアジの切り身を浸す。
3)温かいご飯に海苔、大葉を好みで敷き、漬けておいたアジの切り身をたっぷり載せる。
4)生姜の千切り、万能ネギの小口切りを載せる(好みで白ごま、わさびなどを付けてもおいしい)。 |
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ニュージーランドの知人が別荘に招待してくれ、美味い鰺を振る舞ってくれた。
「この海にはたくさんの魚がいる。また陸には様々な実がなる。ここで生きていけないのは、怠け者の証拠なのだ」
そんなことをマオリ族の老婆に教わったと、知人は鰺をさばきながら語った。そのアジも、目の前の海で釣ってきたばかりの新鮮な魚だった。
日本でももちろん、アジは庶民になじみの深い魚である。時と場所を選ばぬ魚だ、と思う。たまたま中型が出そろうから「夏が旬」といわれるが、実はアジは一年中美味い。産卵期といわれるものがないことと関係があるといわれる。
また、日本中、どこででも釣れる魚である。以前は、関東地方では「小田原のアジが美味い」といわれていたが、これは、比較的東京都近い産地であったから。つまり、近海物で、鮮度のよいアジなら、まず間違いなく美味いのだと、以前魚屋さんが書いた本で読んだことがある。
ぷるぷると新鮮なアジをあついご飯と共にかみしめながら、子どものころの情景を思い出す。防波堤から、さびきを使って、たくさん釣れた。時合いにはまれば、品のない言葉だが、まさに「爆釣」というやつだった。あのころは、「自給自足も夢ではない」と本気で考えていたものだが。 |
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オリンピック選手の色鮮やかな上着から高校生のグレーの制服まで、今ではいろいろな使われ方、着方をされるブレザー。英語のblazeは炎・きらめきなどの意味で、Blazerとなると、強烈に光り輝くもの・運動選手が着る色の派手なコートなどの意味になる。
なぜ「炎・きらめき」から洋服の「ブレザー」という言葉が生まれたか。これには諸説あるが、有力なのは1870年ころ、イギリスのケンブリッジ大学とオックスフォード大学の対抗ボートレースで、ケンブリッジの代表チームが着た真紅の上着から、というもの。燃えるような赤の上着を見た観客が「Oh, Blazer」と叫んだところ、それがその上着の名前になったという。
そのほか、イギリスの軍艦「ブレザー号」の水兵が着ていたという説。軍人の赤い制服がもとになっているという説もある。いずれにしても、海や船と関わりの深いファッションであることは確かなようである。 |
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【編集航記】
東京では桜の開花の知らせが届きました。この号が届くころには、満開も近く、各地で賑やかなお花見が行われていることと思います。ソルティとしては、喧噪を離れ、海からのんびり美しい桜を眺めたいもの。次の休日には、あまり人に知られていないチェリー・ウォッチングのポイントを求め、湾奥を徘徊するつもりです。(編集部・ま) |
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