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沖縄本島の西に浮かぶ宝石のような美しい島々、慶良間列島。座間味島は、その中の一つで、とても好きな島の一つである。
那覇から高速船で1時間ほど。観光地として人気だが、豪華なリゾートや賑やかな町があるわけではなく、美しい海こそがその島の観光地としての魅力を高めている。以前行われていた、長距離外洋ヨットレース「沖縄~東京レース」ではその前哨戦として那覇をスタートとする座間味レースが行われ、レース艇はこの座間味から東京を目指した。そのことも、わずかながら潮気を残す者として、親近感をいだく理由となっているのかもしれない。
東京を目指すレースは中止になって久しいが、座間味レースは今も行われており、沖縄のセイラーの楽しみの一つだ。6月、本土より一足先に梅雨の明けたその直後に行われている。フィニッシュ後は座間味の港に面した公園を会場に表彰式とアフターレース・パーティーが賑やかに行われる。この表彰式は、もう一つ、別のイベントの前夜祭を兼ねている。それが「サバニ帆走レース」で、レース艇は翌朝スタートするサバニの伴走係を務めるなどし、海人(うみんちゅ)の文化を守ろう、残そうと心意気を見せているのだ。
このサバニレースは沖縄に古くから伝わる伝統船「帆かきサバニ」を復元し、日本と海との関わりを見つめなおそうと企画された。沖縄の海人は1300年のころから、サバニを駆って、中国、インドの沖にまで世界を航海したと伝えられる。そこで発達した航海術は、アジアの航海術の源となったといわれてもいる。
そうした日本人が誇るべき船造り、航海術、海への畏れや感謝の気持ち、古の海人が持っていたそれらのスピリットを、今ならばサバニを知っている世代から直に受け継ぐことができる。
サバニレースは参加者も年々増えて、沖縄ではすっかり定着したイベントとなった。6回目を迎える今年のスタートは6月26日の予定だ。 |
田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、某プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。 |
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ジャマイカにおいて、アフリカの影響を受けた素朴なダンスミュージックがアメリカ音楽の影響を受け、そこからスカやロック・ステディが生まれ、さらにメッセージ性を強く含んだ音楽へと発展したのがレゲエだと言われている。
さて、あるジャマイカ人が「これがレゲエの最高傑作だ」とプレゼントしてくれた1枚のCDがこの「EXODUS 」であった。レゲエの神様、ボブ・マーリーの音楽は反体制的、政治的なメッセージを含む曲が多いかもしれないが、それだけでなく、普遍的な愛をテーマにした曲も数多い。アルバムタイトルでもある「EXODUS」は新天地を求めたバビロン(ラスタファリにおける邪悪の象徴)からの脱出を歌い、その一方、たとえば「ONE LOVE」では「ひとつの愛、ひとつの心、みんな団結して幸せになろう」と歌う。
そして何より、こうした理屈ではなく、どこかしっくりと身体になじむ独特のリズムがボブ・マーリーの、レゲエの魅力の大きなファクターであると思う。暑い夏の夜(EXODUSは昼より夜が合う!)に備えて、キャビンの棚に忍ばせておきたい。 |
「EXODUS」
BOB MARLEY & THE WAILERS
ユニバーサルインターナショナル
定価/1,835円(税込) |
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メイン州のペノブスコット湾の小島に住んでいた絵本作家、ロバート・マックロスキーは、名作「海辺のあさ」の中で、主人公サリーの父親に、自宅のそばの海岸でハマグリを掘らせた。それはサリーのママの得意料理の材料を調達するため。その得意料理が「クラムチャウダー」だった。もちろんこれは本人のライフスタイルを描いた物で、彼が妻の得意料理・クラムチャウダーにありつくため、時折、家の側の海岸でハマグリを掘っていたことを伺わせる。そしてクラムチャウダーが、東海岸の海辺に住む人々に代々伝わる家庭料理であったことも。
本来、クラムチャウダーといえばハマグリを使うのが正統派なのだが、我が国では乱開発による環境変化のためだろうか東京湾ばかりか、全国的にハマグリの漁獲は激減していると聞いた。そういえば潮干狩りでもなかなかお目にかかれない高級品となっている。
そこで、というわけでもないのだが、ハマグリの代用として潮干狩りでたっぷりとせしめたアサリを使ってチャウダーを作る。アサリ以外にも素材としてはベーコンに拘ると、味わいが一層豊かになる。これを機会にこの潮気たっぷりのメニューを我らの得意料理にしてしまおう。 |
「アサリのチャウダー」作り方 |
●材料
あさり40~50粒、たまねぎ1コ、じゃがいも1コ、ベーコン100g、白ワイン200cc、牛乳300cc、小麦粉大さじ5、生クリーム100cc、ローリエ2枚、セロリ1/2本、水500cc、コンソメ1コ、バター20g、塩、コショウ、タイム、パセリ
●作り方
1)砂をはかせたあさりは5分程茹で、殻から身を外し、ゆで汁と身を別にしておく
2)ベーコン、たまねぎ、じゃがいもはそれぞれ1cm角切りにする
3)牛乳に小麦粉を混ぜ合わせておく
4)なべを熱しバターでベーコンをさっと炒めたまねぎとじゃがいもを加え、しんなりするまで炒める
5)白ワイン、水、ゆで汁(200cc位)、コンソメ、ローリエ、セロリを加え、野菜が柔らかくなるまで煮る
6)セロリ、ローリエを取り出し、(3)の牛乳を入れ、だまにならないようによく混ぜる
7)あさりの身を入れ、塩、コショウ、タイム少々で味を整える。生クリームを入れ、パセリのみじん切りをふる |
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船舶が航海や停泊するためになくてはならない物の一つに、「水路図誌」がある。いわば、陸上における交通案内マップと同じ物で、この「水路図誌」は「海図」と「水路書誌」に大きく分けられ、これらは国土交通省の外局の海上保安水路部で刊行されている。
海図を一言で言うなら、海の案内図といえる。航海者には必要不可欠の道しるべであり、使用目的により種々に分類され、一般に航海用に使用される図:狭義の海図(Nautical Charts)と航海参考用に使用される図(Miscellaneous Charts)とに分けられる。
一方、水路書誌には水路誌(Sailing Directions)と水路特殊書誌(Special Publications)に分けられ、水路誌は海上の諸現象、航路、港湾、漁港、泊地、沿岸の状況等を詳細に記述した物からなっており、水路特殊書誌は航路誌、灯台表、距離表、ロラン・テーブル、天測歴、潮汐表、水路要報等からなっている。
潮気に充ち満ちていた一昔前のヨットやボートには、海図や水路誌、灯台表、潮汐表ぐらいは当たり前のように積んであった物だが、最近はどうだろう。高性能で小型のGPS が普及し、チャートさえ不要だとする向きもあるようだが、やはり、せめて、チャートぐらいは揃え、海の男(女)として読みこなしたいものである。 |
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【編集航記】
潮気ということばを以前ほど耳にしなくなった。親愛なる読者のみなさまを前に、マリンライフを産業という側面で見るのもいかがなものかと思うが、業界に今一つ元気がないように思えるのは、かつての海の男たちが発散していた「潮気」の消失に関係があるように思われてならない。温故知新というが、オールドセーラー、またボーターたちが持っていたあの潮気を、業界人も、遊ぶ者たちも学び、また取り戻すべきだと、最近、考えるようになっている。真のソルティライフに憧れつつ。(編集部・ま) |
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