ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 日本に近い南半球・ケアンズの釣り
キャビンの棚 海の大好きな写真家がとらえた我らのフィールド「海の本」
船厨 「干物」。天日干しか乾燥機か、どちらが旨い?
海の博物誌 ゆらゆらと海に浮かぶクラゲのはなし
YAMAHA NEWS 「Marine Club Sea-Style」法人会員システムがスタート!/「マリーナ百景」更新/「カジキ釣り講座」更新/季刊誌「キャプテンズワールド」のご案内/ネットTV「魅惑の水上都市・カンポン・アイール」
7月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

MONTHLY COLUMN
 旅慣れたプロのアングラーに「とにかく心ゆくまで釣りをするとしたらどこがオススメか」と尋ねたら、「そりゃあ、オーストラリアでしょう」との答えが返ってきた。「カジキ、キハダ、ジャイアントトレバリー(GT)、イソマグロ。河に入ってバランマンディ、ターポン……、最高だ」と。そういえばブリスベンを拠点にフィッシングガイドを営むある日本人も、オーストラリアでの釣りがめっぽう気に入って、国籍まで取得して永住を決め込んだっけ。オーストラリアは、それほど釣り人を狂わせる国なのか。
 中でもケアンズは、ボートやガイドもしっかりしているので充実した釣りが楽しめる。短い休暇をとり、まる2日間、ケアンズの釣りを楽しんだ。まずトライしたのは、バラマンディ。ガイドの案内でアルミボートをトレーラーに積み、ケアンズ近郊を流れるラッセル・リバーへ向かった。ボートランプからさっさとアルミボートを降ろすと早速戦闘開始。実は少々季節はずれで、食いは渋かった。バラマンディは小型のが1本。そのほか河口付近からジャングルへとあちらこちらへポイントを移動するが小型のクイーンフィッシュがよくかかる。ルアーを投げるその先の岸辺にクロコダイルが居眠りしていた、なんてこともしばしば。まさに世界遺産にふさわしい(?)大自然の中での釣りは、日常を忘れさせる。

 2日目はスポーツフィッシャーマンをチャーターして海に出た。 二日酔い気味だったのと、カジキ釣りには少々時期が早かったということもあって、釣りにはそれほどムキになるまいと割り切った。ケアンズ沖に浮かぶ無人島近くにアンカリングして泳いだり、水面を飛び交うアジサシを蹴散らしながらテンダーで島へ上陸したりと、日がな一日楽しむのだ。
 少しの間、申し訳程度にルアーを流すとサワラが釣れた。再び島のそばにアンカリングし、早速メイトがサワラを調理。デッキに広げたテーブルにちょっとした料理と用意してきたサンドウィッチが広げられた。ほどよく冷えたフォスタービールで乾杯。至福の時…。

 日本人観光客が多いという理由で、ハワイやケアンズを軽視する人がいる。気持ちはわからぬでもない。が、以前、ワイキキに住む老人から、「せっかくこんなに遠くまでやってきて日本人同士が出会っているのに、あなたがたはなぜ無視しあうのか。そんな民族は見たことがない」と叱られた。確かに日本人が日本人を避けるのはどこか滑稽で寂しくもある。以来、日本人が多いという理由でそれらの観光地を嫌うことが逆に格好悪いことと思うようになった。
 話がそれてしまったが、ケアンズに日本人の新婚のカップルや団体客が多いことは、飛行機でわずか6時間という距離を考えれば、当然だ。その近さにかかわらず、日本ではなかなかお目にかかれない大自然の中でのボートフィッシングを楽しむことができるのだから、魅力は大きい。
 ケアンズは人口13万人ほどの小さな田舎町。1980年の百科事典を調べたら人口約3万人と出ている。この20年間ほどで10万人も人口が増加、観光地として脚光を浴びていることが伺える。なるほど町自体はとても小さい。ホテルやショッピングセンター、おみやげ物屋が立ち並ぶ。確かに異国情緒は感じずらい町かもしれぬ。しかし、ひとたび、ボートに乗ればそこには日本とは隔絶の感が漂う、豊饒の海や川がある。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 本書の巻末に吉野雄輔さん本人による文章が掲載されている。
 「海は不思議だ。ただ前に座ってながめているだけで、すごくうれしい」
 この「すごくうれしい」という表現が、くせ者で、いかにも吉野さんらしいと感じる。
 本メールマガジン「ソルティライフ」の兄貴分ともいえる「キャプテンズ・ワールド」誌で、一時期「海の仲間たち」という連載があり、吉野さんには毎回、美しい海の世界を水中写真を中心に届けていただいた。そこに毎回表現されていたのは吉野さんの、海の仲間たちへの友達感覚の「愛」と、海にいると「すごくうれしい」というシンプルな感動だった。本書は「写真集」というよりも、美しい「辞典」に近い企画となっているが、その中にも、吉野さんの海への愛が余すところなく表されている。
 1954年生まれの吉野さんは1982年からフリーのカメラマンとして活動を開始。これまでに80カ国以上の海を水中カメラを抱えて旅してきたという。今でも一年の半分以上を海で過ごしている。いったい、人生のうちのどれだけ「うれしい」と感じているのだろう。

「海の本」
企画・写真/吉野雄輔
発行/角川書店
定価/2200円(税別)



船厨
「干物の薫製」

●作り方
1)鉄鍋かスキレットにアルミ箔を敷き、その上にスモークチップを適量まぶし、強火で火にかける。
2)煙が出始めたらスモークの上に網を置き、その上に皮を上にして干物をのせ、ふたをする。
3)5~10分すればできあがり。
 海辺にいることを実感させてくれる風景というものはいろいろで、人それぞれだろう。空飛ぶ鴎やその鳴き声であったり、ずらりと並んだ漁船とそれにぶら下がる、きれいな陽を写すガラス製の集魚灯であったり。街道沿いに並ぶ定食屋や、防波堤の際に無造作に積み上げられた漁網。
 小さな漁港のスロープを上ったところにある、ちょっとした広場に天日で干された網の上の魚もまた、海辺を感じさせるもののひとつである。
 日本人にとっては馴染みの深いこの「干物」、古くから保存食として重宝された。古代日本では「からもの」と呼ばれ、平安京では新鮮な魚介類が少ないがために副食物として重宝されていたらしい。水分を蒸発させ、細菌類の繁殖を抑えることで保存食たる機能を有するのだが、それだけでなく、日に干すことで独特の旨味成分が醸成される。
 一般的に天日干しが旨いとされるが、一説によれば天日の場合は太陽の照り方や、湿度、温度が毎日異なり、安定しないために、干物の味を決定づける重要な条件が変わってしまう。実は乾燥機で干したものの方が上質な干物ができるのだともいう。
 たかが干物。されど干物。奥が深いのである。ともあれ、焼いたり、スモークにしてみたり、食べ方はいろいろ。今回は鉄鍋でキンメダイとイトヨリの干物をスモークにしてみた。ビールや焼酎、日本酒のつまみに最高だ。



海の博物誌
 海水浴シーズンになるとクラゲに刺されたという話をよく聞く。日本沿岸には約300~400種にものぼるクラゲがいるが、意外とその生態は知られていない。多くのクラゲは、イソギンチャクのような着床生活と、海に漂う一般的イメージの浮遊生活とを繰り返し、世代交代している。なかには、着床生活だけのアサガオクラゲや、浮遊生活だけのツリガネクラゲなど、数は少ないが環境に適応するクラゲもいる。
 浜辺や港など悠々自適に泳ぐクラゲの姿は時として心休まるものがあるが、うねりの高い海ではどこに行ってしまったのか、ぱったりとその姿を隠してしまう。これはクラゲが海水の急激な攪拌をキャッチすると、自ら体の比重を重くして海底に潜る、という浮沈機能を持っているから。ちなみに傘をパフパフさせるのは泳ぐためではなく体液や栄養を体に送る運動だそうだ。最も身近な存在にもかかわらず科学が発達した現在でもいまだに多くの謎に包まれているのがクラゲかもしれない。
 また「盆を過ぎるとクラゲが多くなる」というのは、ちょうどこの頃にアンドンクラゲが増え、さらに多くの人々が海水浴を楽しむ時期が重なって生まれたもので、クラゲ全体の急激な増加ではなく、あくまでも人とのかかわり合いが多い時期から生まれた言葉だという。



ヤマハニュース

「Marine Club Sea-Style」法人会員システムがスタート!
全国のマリーナでボートレンタルが楽しめるクラブに、法人会員システムがスタートしました。

「マリーナ百景」
都会ならではのアーバンクルーズを楽しめる「ニューポート江戸川」をご紹介します。

「カジキ釣り講座」
カジキ釣りの基本的なノウハウを連載中。今回は「ロッドの選択について」アドバイスします。

季刊誌「キャプテンズワールド」年4回無料でお届けします。
国内外の海洋文化や歴史、リゾートライフ、海と人の幸福な関係など、より豊かなマリンライフを過ごすための情報誌です。

ネットTV「魅惑の水上都市・カンポン・アイール」
マリンレジャーやマリン文化をテーマに最新の映像でレポートするネットTV「Captain’s World TV 」公開中!



今月の壁紙
『SALTY LIFE』読者限定
7月の壁紙カレンダーはこちらからダウンロードできます。


バックナンバー
『SALTY LIFE』のバックナンバーはこちらからご覧になれます。


【編集航記】
カジキ釣りシーズンの到来だ。今週末には紀伊勝浦をベースに「勝浦ビルフィッシュトーナメント」が開催され、15日からはJGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)主催の「下田国際カジキ釣り大会」が行われる。今年は何でも下田が開港150周年にあたるそうで、地元ではこの時期に合わせて「マリンフェスタ下田」を開催するのだとか。「海上パレード」「地元小学生対象のボランティアクルージング」「夜景を演出するボートイルミネーション」などなど様々なイベントが予定されているという。エントリーされない方も、覗いてみてはいかがだろう。(編集部・ま)

■ 『SALTY LIFE 』について
 メールマガジン配信サービスにご登録いただいているお客様に定期的に配信するマリン情報マガジンです。
■ お問い合わせに関するご案内
 『SALTY LIFE』は送信専用のアドレスより配信しております。
「配信の停止」についてはhttps://www2.yamaha-motor.co.jp/Mail/Saltylife/をご参照下さい。
※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。
ページトップへ
『SALTY LIFE』
〒438-0016 静岡県磐田市岩井2000-1
発行:ヤマハ発動機販売株式会社


Copyright(C) 2006 Yamaha Motor CO.,LTD. All rights reserved.
掲載文章および写真の無断転載を禁じます。