ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 海と食事と体重の微妙な関係
キャビンの棚 夏のジャズを愉しむ「return to forever」チック・コリア
船厨 ポルトガル生まれのシーフード・イタリアン
「干し鱈とじゃがいものオーブン焼き」
海の博物誌 大航海時代に生まれた星座
YAMAHA NEWS 「海の思いでアルバム2006」/「マリーナ百景」更新/「カジキ釣り講座」更新/季刊誌「キャプテンズワールド」のご案内/ヤマハ船外機「コマンドリンク・システム」のご紹介/「32コンバーチブル」のムービー公開
8月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

MONTHLY COLUMN
 海で仕事をするようになってから驚いたことはいくつもありますが、今でも強烈に覚えているのが、乗船前の買い出しです。飲み物と弁当ぐらいなら驚きはしませんが、わずか5時間ばかりの乗船にもかかわらず、チョコレートや飴などのお菓子、ビールにつまみなどなど、ここぞとばかりに買い込むのです。よく山に登る人たちが携帯用の非常食として飴やチョコレートといった甘味料を持つことは知られていますが、ボートに乗るときに、何を食料として持ち込むのかという話しは、少なくともボートに乗った経験がなければ想像もつきません。なぜこのようなことを強烈に覚えているかというと、下船時には飲み物以外の食料がほとんど無くなっていたからなのです。記憶が確かならヨットレースの取材で撮影もあり記録もありという船上でしたが、先輩諸氏は仕事をそつなくこなしながらもしっかり酒と食事を取っていたのを覚えています。

 さて、この船上での食事ですがよほどの長距離や釣行ではない限り、船上で食事を作るという機会はありません。ギャレーや電源が付いていないボートでは、デッキで食事を作るという発想もなかなか湧いてくるものではありません。でもそんな状況だからこそ手作りの料理を食べた時には、どんな料理にもふだん感じることのないおいしさを覚えるものです。

 つい先日、漁船に乗る機会がありアワビとサザエの潜り漁に同行したのですが、ここで出されたのがご飯とアブラコとアラメのみそ汁というもの。最近では漁師さんの食事もコンビニ化が進んでいますが、4、5人の乗組員を抱える船や沖合で操業する船は、未だに釣った魚をおかずにした食事を取ることが多く、素朴な味付けながらも活きの良い魚を食べることができます。当然私もガツガツと食べようとしたのですが、揺れる船でのこと思い通りに箸を運ぶことができません。それに引き換え、漁師さんや潜り手の人たちは揺れる船上も何のその、どんぶり山盛りのご飯を平らげて、自分の持ち場へと戻っていきます。まさしくプロフェッショナルなるものどんな場所でも食事を取るという光景を目の当たりにしたわけですが、そんな姿を見ていると海で働く者に食が細い人はいないなとつくづくと思い知らされました。海に出るといつも以上に食欲が湧く。そう自覚があるなら、あなたも海のある生活にどっぷりと浸かっているかもしれません。ちなみに私も海で仕事をするようになってから5キロほど増えています。まあ、そのほとんどが海ではなく居酒屋の安酒とそのアテだったりしますが.......。


山口 克夫●やまぐち かつお
北は稚内から南は与那国島まで。3000m級の稜線から水深50mクラスのディープウォーターまでをフィールドに執筆活動を続ける。海よりも港の酒場が 好きな1972年、東京生まれ。



キャビンの棚
 夏にジャズを聴く。海辺に行けない週末には、夏の酒、ジンベースの酒でも作り、潮の香りのするジャケットのジャズを選ぶ。
 水面をカモメが飛ぶ、爽やかな写真がジャケットを装う「return to forever」は、内容も爽やか。1972年、若きチック・コリアの新しい感性が、それまでのジャズに新たな潮風を吹き込んだ。1972年の「スイングジャーナル」誌のディスク大賞で金賞を獲るなどした名盤でもある。
 繊細な優しさ、知的なメロディーライン、アコースティックサウンドとエレクトリックサウンドが解け合って描かれた美しい水彩画のような音楽だ。
 マイルス・デイヴィスの時もそうだったが、アコースティックからエレクトリックへ、コアなジャズからいわゆるフュージョンへと、新しい音に踏み出すとき、ファンは多かれ少なかれ動揺する。が、偉大なミュージシャンはそんな動揺を確実に鎮めてくれるし、結局はますます引きつける。そしていつまでも聴き継がれるのだ。
 「return to forever」も例外ではなく、30年たった今もその音は、色褪せていない。

「return to forever」
チック・コリア
ユニバーサルミュージック
定価:1,995円(税込)



船厨
 日本の食卓でおなじみの鱈は、欧米人の嫌いな生臭さがないことから世界中でよく食される魚の一つ。一般的に太平洋と大西洋の鱈とでは別種とされているが、世界の総生産量のうち、ヨーロッパ各国の占める割合は半数以上と高い。ノルウェーやイギリス、スペイン、フランス、デンマークなどで、盛んに獲られている。世界三大漁場の一つ、ヨーロッパの北海は、鱈の好漁場としても知られている。
 日常的に魚が食卓を飾ること多いポルトガでも、鱈はポピュラーな魚だ。リスボンのフィッシュ・マーケットには、特大サイズの干鱈が山積みされていて、壮観。家庭料理にしばしば使われるのだ。
 この「干鱈とじゃがいものオーブン焼き」は、冬のイタリアの家庭料理の一つなのだが、ベースはポルトガルから伝わった料理なのだとか。クローブの香りが、夏でも食欲をそそる。
干し鱈とじゃがいものオーブン焼き
●材料(4人分)
すき身鱈(干し鱈)200g、じゃがいも3コ、プチトマト10コ、エシャロット3束、黒オリーブ20粒、白ワイン50cc、赤唐辛子 1/2本、オリーブオイル、パルメザンチーズ、塩、クローブ、ハーブソルト各適宜

●作り方
1)すき身鱈は水に漬け1日に5回位水を変えて塩抜きをし、柔らかくなったら骨を取り除きながら一口大に裂き水気を取る
2)じゃがいもは茹でて皮を剥き5ミリ程度の厚さに切る
3)プチトマト、黒オリーブはそれぞれ半分に切る。赤唐辛子はみじん切り、エシャロットは縦に薄切りにする
4)スキレットにオリーブオイルを入れエシャロットを透き通るまで炒め、黒オリーブ、プチトマトを加えて炒め白ワインを入れアルコールをとばす
5)深めのオーブン皿にオーブンシートを敷き、じゃがいもを重ならないように並べその上に鱈を並べ、さらに4を重ね、ハーブソルト、クローブ、塩、赤唐辛子、パルメザンチーズをかける
6)これを何度か繰り返し、オーブンシートで包む
7)240度のオーブンで30分ほど焼く


海の博物誌
 夏の夜のナイトクルージング。コックピットから見上げた夜空に輝く星の美しさといったら…。山で見る星の美しさもさることながら、360度が水平線となる海の上で見る星はまた格別。思わず星と星をつなぎ合わせ自分なりの星座を作ってみたくなる。そもそも星座は、歴史をさかのぼること今から5000年前、古代オリエントのメソポタミア地方の牧羊民族が─暇つぶしか、寂しさを紛らわすためかは定かではないが─作り出したもの。以降、ローマやギリシャの詩人たちの著作によって、今日の星座にまつわる神話が語り継がれてきた。
 14世紀になると新たな星座が追加されるようになる。大航海時代に入り、多くの航海者たちが南半球に乗り入れ、それまでヨーロッパでは見られなかった南極付近の天体を目にしたからだ。かのマゼランに同行したイタリア人、A. ピガフェッタの手記には南十字星の記録があるし、その後、ドイツのJ. バイヤーはオランダ人航海者P. テオドリの手記にしたがって、初めて南天の星座に命名し、孔雀、カジキ、カメレオンなど南方系の動物名を多く用いた12星座を設定した。
 星座というと、ついついギリシャ神話を思い起こすが、夏の夜空の星座を眺めながら、大航海時代の海の男たちに思い馳せるのも悪くない。



ヤマハニュース

「海の思いでアルバム2006」
海で見つけた思い出のシーン。写真、エピソードを大募集!

「マリーナ百景」
今回はボーティング+αが楽しめる「和歌山マリーナ」をご紹介します。

「カジキ釣り講座」
カジキ釣りの基本的なノウハウを連載中。今回は「リーダーマンのアクションについて」アドバイスします。

季刊誌「キャプテンズワールド」年4回無料でお届けします。
国内外の海洋文化や歴史、リゾートライフ、海と人の幸福な関係など、より豊かなマリンライフを過ごすための情報誌です。

ヤマハ船外機「コマンドリンク・システム」のご紹介

「32コンバーチブル」のムービー公開



今月の壁紙
『SALTY LIFE』読者限定
8月の壁紙カレンダーはこちらからダウンロードできます。


バックナンバー
『SALTY LIFE』のバックナンバーはこちらからご覧になれます。


【編集航記】
関東地方の長引いた梅雨もようやく明けました。異常気象といわれる昨今、もしかしたらこのまま、雨続きの夏になるのではと心配しましたが、中期予報によれば、今年は平年並の夏日が続くとのこと、海原での愉悦をもくろむわたしたちは、胸をなで下ろしたところです。さて、今年の夏、海という青い無垢のキャンバスに皆さんはどんな航跡を描くのでしょう。(編集部・ま)

■ 『SALTY LIFE 』について
 メールマガジン配信サービスにご登録いただいているお客様に定期的に配信するマリン情報マガジンです。
■ お問い合わせに関するご案内
 『SALTY LIFE』は送信専用のアドレスより配信しております。
「配信の停止」についてはhttps://www2.yamaha-motor.co.jp/Mail/Saltylife/をご参照下さい。
※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。
ページトップへ
『SALTY LIFE』
〒438-0016 静岡県磐田市岩井2000-1
発行:ヤマハ発動機販売株式会社


Copyright(C) 2006 Yamaha Motor CO.,LTD. All rights reserved.
掲載文章および写真の無断転載を禁じます。