ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 東京の運河が楽しい
キャビンの棚 マージービートの伝説「 LOVE」The Beatles
船厨 冬の鍋と言えば……アンコウをあえてイタリアンに
「アンコウのアクア・パッツァ」
海の博物誌 海のジャンパー
YAMAHA NEWS 「マリーナ百景」横浜八景島シーパラダイス/「カジキ釣講座」更新/漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」更新/ネットTV「Captain’s World TV 」
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MONTHLY COLUMN
 私が幼少の頃、今から35年ほど前の話だが、亡くなった祖父母は東京・足立区の千住に暮らしていた。遊びに行くと隅田川のほとりの公園に連れていてもらったものだが、祖父母はよく「隅田川で泳いで遊んだ」と昔話を披露した。もちろん、にわかには信じることのできない話であった。そんな話を聞かされた当時の隅田川は、こどもの目には「巨大などぶ川」としか写らなかったのだ。しかし、それが30年ほどで見事に浄化した。さすがに泳ぐ人は見かけないが、川面には観光船が行き交い、多くの人が気持ちよさそうにデッキで寛いでいる。花見のシーズンになるとマイボートも多く見かける。とてもいい兆しに思える。
 隅田川はもちろん、江戸は古くから水上交通が盛んで「水の都」であった。人々は舟で物を運び、移動し、遊んでいた。そんな当時の活気のある水辺の姿を復活させようと、東京都では今、「運河ルネッサンス」として、隅田川や運河など、東京の水辺空間を観光・景観・回遊性などを重視した、新たな魅力ある都市空間づくりに取り組んでいる。具体的には品川浦・天王洲地区、芝浦地区、晴海地区が指定を受け、遊歩道が整備されたり、様々なイベントが水辺で行われ、またこどもや家族連れを対象にしたボートやカヤックの体験試乗会が行われるなど、水辺が徐々にではあるが、活気づいてきた。
 また、今年の2月には品川浦・天王洲地区に桟橋付きの水上レストランがオープンした。これも運河ルネッサンスの一環で、水域占用の規制緩和による初めての施設として注目されている(写真)。
 これまでにもマリン専門誌等で取り上げられてきたが、東京の運河や河川はちょっとしたクルージングにはもってこいの、魅力あるマリンフィールドなのだ。
 今後も東京都では「水上マーケットや水辺サロンなど、新しいにぎわいスポットの創出」「カヌーやボートなどによる運河下り」 「観光さん橋や水上バスの発着所など、新たな水上交通の拠点を形成」などを推進する計画だ。
 東京が自他共に「水の都」と呼ばれる日は案外と近いのかもしれない。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 11月にビートルズのニューアルバム「 LOVE」が発売された。リンゴとポール、そしてオノ・ヨーコ、オリヴィア・ハリスンの4人から依頼され、ビートルズの伝説的プロデューサーだったジョージ・マーティンとその息子が、全音源を各パートのトラックごとに解体し、組み合わせ再構築した音楽である。オリジナルを愛してやまないファンからすれば違和感があろうが、「ビートルズのニューアルバム」が発売されたことをファンとしては素直に喜びたい。
 イングランドの北西部にあるリバプールはもともと小さな港町だったということだが、今ではイングランドの中でも主要貿易港として知られる。産業革命後の工場の煙突が立ち並ぶ風景や、リバプール・マンチェスター鉄道を走る蒸気機関車を連想してしまい、なんとなく息苦しく、冬の寒々しさ、リバプール(濁った水たまりの意味)という地名からしても、実際に行ったことのない者からすると、どことなく薄暗いイメージがつきまとう。この港町は奴隷貿易で潤ったという過去も持つ。そして多くのアイルランド移民と貧困にあえぐ労働者がリバプールを経由し、新天地アメリカへと旅立っていった。この港町には多くの希望や夢がうごめき、そして夢は海を越えて飛び立っていった。
 音楽もそうだ。町を流れる河の名を取ってリバプールの音楽はマージービートと呼ばれた。1962年に生まれたビートルズは、この町から羽ばたくことに成功した。4人のうち2人のメンバーを欠いたが、21世紀になっても飛び続けていることは奇跡である。

「LOVE」
The Beatles
東芝 EMI
定価:2800円(税込)



船厨
 「西のフグちり、東のアンコウ鍋」の言葉からわかるように、関東以東の食いしん坊にとって、アンコウは冬の楽しみのひとつとなる。中でも茨城や福島でとれる常磐産が名高い。産卵期を控えたアンコウはたっぷりと栄養を蓄え、脂ものる。
 元来アンコウは泳ぎも上手くなく動きも鈍いため、ほとんどが海底でじっとしておりダイバーでも遭遇するのは希有だとか。
 このナマケモノのアンコウが他の魚達と大きく異なるのは、ルアー(疑似餌)を持っていること。口に近い背びれの先が竿状になって、先端についているルアーを近寄ってきた獲物たちにちらつかせ、タモである口でパックリとひと飲みにしてしまう。両顎には大小の鋭い歯が内側に倒れるように並んでいて、口に入った獲物は逃げることができない。これがアングラーフィッシュと呼ばれるアンコウの本来の姿で「魚のなかの釣り師」といわれる所以である。
 さて、待ちに待ったアンコウのシーズン。アンコウ鍋もいいけれど、初物はブイヤベースの材料に使った。トマト風味のアクア・パッツァである。しっかり煮込んだら、骨以外はとろとろ。しゃぶりつくようにいただく。
 スープが余ったら、アンコウ鍋では雑炊にするところだが、代わりにリゾットをつくろう。米を煮込んで最期にパルミジャーノを削って混ぜる。お試しあれ。
アンコウのアクア・パッツァ
●材料(4人分)
エビ16尾、イカ1パイ、その他タコ、白身魚、アサリ、ムール貝など各適宜、白ワイン100cc、水200cc、ホールトマト水煮缶1缶、ニンニク2かけ、赤唐辛子1本(輪切り)、ローリエ1枚、タイム少々、塩胡椒、エクストラバージンオリーブオイル各適宜

●作り方
1)それぞれの具は食べやすい大きさに切る。エビは殻つきのまま背を割って背わたを取る
2)鍋にEXバージンオリーブオイルを入れて温め、ニンニク・赤唐辛子を入れる
3)香りがたってきたら、具の魚介類を火の通りにくい物から順に入れ、炒める
4)3)に白ワインと水200ccを加え、ホールトマトを潰して入れる。ローリエとタイムも加え、ふたをして弱火で煮る
5)最期に塩胡椒で味をととのえる。ムール貝を使用した場合は、海水の塩が効くので塩はほとんど不要


海の博物誌
 注目されるウインタースポーツのひとつ、スキージャンプ。毎年、日本選手の活躍が注目されている。さて、魚の世界のKing of Jumperといえば、もちろん「飛び魚」のことを指す。飛び魚の飛行は尾ビレと胸ビレが激しく海面を叩くことによって生まれ、その速さは時速60~70km、飛行距離は100~150m、風に乗れば500mも飛ぶと言われている。
 飛び魚だけがフライフィッシュのように思われるが、もっと身近な「ボラ」や「イワシ」なども採餌や敵から身を守るために飛ぶことが知られている。また、淡水では手斧の異名を持つ「ハチェット」という羽ばたく魚が有名だ。多くの飛ぶ魚は「飛び魚」に代表されるように尾ビレや尻ビレを使い飛ぶのだが、この「ハチェット」は体長5、6センチという大きさにもかかわらず、大きく張りだした胸ビレとそれを支える骨と筋肉によって羽ばたくことができるのだそうだ。ただし高く飛ぶことはなく水面をすれすれに、滑るように飛ぶと言われている。高く遠くに飛ぶ「飛び魚」があの原田選手なら、「ハチェット」は飛型のきれいな船木選手といったところだろうか。



ヤマハニュース

「マリーナ百景」 横浜八景島シーパラダイス
休日のエンターテイメントが楽しめるマリーナをご紹介します。

「カジキ釣講座」更新
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漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」更新
漁法紹介更新。東京・新島で行われるキンメダイ一本釣り漁の紹介です。

ネットTV「Captain’s World TV 」
アメリカズカップに挑戦する日本人を紹介します。マリンレジャーやマリン文化をテーマに最新の映像でレポートしています。


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【編集航記】
 「キャビンの棚」でご紹介したビートルズの「LOVE」は、「ビートルズを冒涜する行為だ」と一部の熱狂的なファンが非難しているらしいですね。気持ちはわかるような気もします。さて、これはどうでしょう。「THE BEATMAS」の「X'MAS」。ノルウェーのロックバンドがビートルズ・ナンバーの曲調を取り入れ、アレンジしたクリスマスソングのスタンダードが12曲。いずれもリバプールのキャバーンクラブから流れてきそうなサウンドで結構楽しめます。ジャケットではサンタに扮したBEATMASが「HELP! 」をパロっています。船上パーティーのBGMにいかが? ただし寛容なビートルズファン限定ですが。(編集部・ま)

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