ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 「風は誰にも見えない」か。
キャビンの棚 海辺の雨を楽しくしてくれる
「WATER COLORS」パット・メセニー
船厨 鯖とワインの妙「鯖とジャガイモのマスタード焼き」
海の博物誌 スポーツウェアの代名詞「ジャージー」は漁師がルーツ
YAMAHA NEWS 「マリンジェット2008年モデル」登場!/フィッシングクルーザー「FR-32」製品情報公開!/「カジキ釣り講座」壁紙更新/「マリン体験レポート」公開中!/「大漁ネット」更新
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MONTHLY COLUMN
 日本視覚障害者セーリング協会の10周年の記念文集の誌名「風は誰にも見えない」は、もともと、初めて日本にブラインドセーリングが紹介されたドキュメンタリー番組のタイトルとして使われたものだ。そのタイトルの名付け親でもある映像プロデューサーのS女史らと、先日、静岡県の浜名湖で行われた「第8回全日本ブラインドセーリング選手権大会」の会場にお邪魔した。
 いったい、視力のない人たちが、どのようにしてヨットを操るのか、ヨット経験者ならずとも興味のあるところだと思うが、実際にその現場を見て感じたのは、ヨットという乗り物のすばらしさ─、これにつきた。
 この大会では1チーム4人の構成となっている。舵を引くヘルムスマンとメインシートトリマーがブラインド(視覚障害者)、ジブトリマーと、スキッパーがサイテッド(晴眼者)となっている。ブラインドのヘルムスマンはサイテッドスキッパーの指示に従い舵を引くわけだが、この二人のコミュニケーションが絶妙だ。
 「はい、ちょっとベア(風下に向ける)しようか、もうちょういベア、もうちょい、ちょっと、落としすぎ。はい、OK、OK。そのまま、そのまま」これをレース中、休む間なく続ける。ヨット経験者からすると、スキッパーに要求されるこの集中力は並大抵ではないと思う。
 一方のブラインドであるヘルムスマンも同様に、この指示を聞き逃すまいと集中し、さらに、風や波のコンディション、他艇の位置、マークの位置などを、頬に当たる風、舵に伝わる波の感触、そして耳に入る音から情報を脳内で集約し、ヨットを動かしていく。通常、マストトップについた風見や、セールのテルテール、コンパス、海面の波紋、マークの位置などヘルムスマンはレース中、視覚を総動員して、情報を得る。しかし、彼らは視覚を除いた四感によって、これらを処理するのだ。果たして、望遠レンズを通してあるチームのヘルムスマンの姿を観察していたら、彼は、全神経を集中させるかのごとく、下を向きながら舵を引いていた。私たちが持ち得ない「第六感」があるのではないだろうか。不謹慎を承知で言えば、その姿はとてつもなく「かっこいい」のだった。それはヘルムスマンに限ったことでなく、メインシートトリマーについても同様だ。
 生まれてまもなく病気で視力を失った川添由紀さんという女性セーラーに、話を聞いた。
 「こんなに大きな乗り物が風で動くなんてすごいなあと思う。そして、クルマは運転できないけれどヨットなら自分で動かせる。本当に楽しいです」
 さらにセーリングを始めたきっかけを聞いたとき、彼女は「海外のブラインドセーリングを紹介したテレビを見て、私もやってみたいと思った」といった。彼女は確かに「見た」といったのだ。晴眼者とは方法が異なるかもしれないが、彼らは、見ることができるのだと、目を通して情報を得ることはできても実は何も見えていない自分に、静かな驚きを与えた。「風は誰にも見えない」というけれど、もしかしたら彼らには「風が見える」のではないか。
 絶好のウインドコンディションに恵まれ2日間の大会は終わった。ブラインドの人たちにとって、広い海や湖の上でヨットを走らせることの喜びの大きさは想像に難くない。と同時に、晴眼者のセーラーにとっても、このブラインドセーリングは、セーリングすることの新たな喜びをもたらしてくれる競技なのだと、2日間の取材を通して実感することができた。

※ヤマハ発動機のホームページでお送りするネットTV 「Captain's TV」において「全日本ブラインドセーリング選手権 大会」の模様を10月中旬にお届けします。ご期待ください。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/life/net-tv/


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 明るく爽やかで歯切れよく、しかも深みがあり、海によく似合うこの音楽も、そのルーツは60年代のジャズ喫茶の暗く澱んだ空気の中にある。死にかけたジャズから生まれたフュージョン。
 60年代、ロックの大輪が一斉に花開いた時代に、ジャズはバド・バウェルやコルトレーンの死と共に瀕死の状態にあった。そんな中からマイルス・デイビスの「マイルス・イン・ザ・スカイ」のリリース、クィンシー・ジョーンズの登場によってフュージョンが誕生した。
 そして、ウェザー・リポート、リターン・トゥ・フォーエバー、ハービー・ハンコックなどのビッグネームを経て、フュージョンは確実に人気を得るようになった。
 しかし80年代に入って、フュージョンは海辺のイージー・リスニングといった中味のないものになってくる。こんな時パット・メセニーは着実に実力を磨き、70年後半から現在に至るまで、フュージョンのトップ・グループとしての地位を保ち続けている。
 このアルバムは、77年に発表された2枚目のリーダー・アルバムであり、彼のグループでの第1作というまさに彼の音楽の出発点として、ファン必聴のディスクといえる。
 既に6弦、12弦ギター、15弦ハーブギターを弾き別け、アルバム・タイトルにもなった第一曲の「ウォーター・カラー」つまり水彩画のような、透明感のある味わい深い色彩の世界を創りだしている。
 全曲が彼のオリジナルで、「アイス・ファイター」「オアシス」「レイクス」「リヴァー・キー」。「組曲」の中の「湖の伝説」「海の歌」と、その名も爽やかな曲が続く。
 秋の長雨。雨の海辺も、良い音楽があれば、またいいものだ。(K.H)

「WATER COLORS」
パット・メセニー
定価:2178 円(税込)
輸入盤



船厨
 「鯖の生き腐れ」という言葉があるが、その名が示すように鮮度の低下が早く、それ故、なかなか生で食べる機会がないだけに、関鯖のような、鮮度の高い刺身を味わったら、虜になること間違いない。とはいえ、やはり、刺身で口にされることは、なかなかな希少なのが鯖の実情である。
 もちろん、刺身以外にも絶妙な料理は山ほどあって、しめさば、味噌煮、塩焼き、船場汁、洋酒煮、網焼き、フライなど、いとまはない。
 ポルトガルでは魚の網焼きとジャガイモ、パンとワインという組み合わせが素晴らしく、一度味わうとやみつきになる。鯖も例に漏れず、ワインをベースに料理法を考えても面白いだろう。
 鯖とジャガイモのマスタード焼き。美味しいパンと一緒に召し上がれ。
鯖とジャガイモのマスタード焼き
●材料
鯖1尾、ジャガイモ3個、粒マスタード大さじ3、オリーブオイ大さじ5、バター小さじ1、塩コショ適宜、パン粉大さじ4、粉チーズ大さじ3
●作り方
1)鯖は3枚におろし小骨を抜き取り、塩コショウをして1センチ弱の厚さのそぎ切りにする
2)ジャガイモは薄切りにし軽く茹でて水気を切る
3)オリーブオイルと粒マスタードを混ぜ合わせる
4)オーブン皿にバターを塗り、鯖とジャガイモを交互に重ねて並べる
5)3を全体にかけ、パン粉と粉チーズをまぶす
6)180度のオーブンで約20分焼く



海の博物誌
 フランスのノルマンジー半島は、パリの北西にあるが、そこから50kmも離れていない沖合に、イギリス領のチャネル諸島がある。イギリス領なのに、ブリテン島とはイギリス海峡で隔てられているし、島民はフランス語を話すという妙な島々である。
 そのなかの一番大きな島がジャージー島。ここで生まれたのがジャージー、柔軟で伸縮性のあるニット地である。日本語ではメリヤス。今や、その国のファッション性は、ジャージーの衣類がどれだけ着られているかでわかるといわれるほど重要な素材になっている。
 さて、ジャージーは元々漁師が着ていた厚手のセーターのことで、19世紀後半になってこの島で初めてスポーツウェアや普通の衣料に使われるようになった。
その後この素材が世間に普及していった陰には、この島出身の女優、リリー・ラングトリー(人妻で、エドワード7世の愛人だった)の存在がある。彼女が着ていた絹やウールの繊細なニット・ドレスが好評で、大いに流行ったからである。
 なお、乳牛のジャージー種もこの島の原産である。



ヤマハニュース

「マリンジェット2008年モデル」登場!
新開発1.8リッターエンジン、新しいフラッグシップモデルMJ-FX Cruiser SHOをご覧ください

フィッシングクルーザー「FR-32」製品情報公開!
釣りを極めてきたアングラーたちの熱く、深い想いに応えるフィッシングボート。

「カジキ釣り講座」壁紙更新。ラインの結び方も実演中!
オフショアフィッシングの醍醐味。ボートでのカジキ釣りをご紹介します。

「マリン体験レポート」公開中! 今回はヤマハニューモデルフェア潜入。
ボート、マリンジェットの遊びや免許体験など様々なレポートをお届けします。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。今回は、青森県横浜町のホタテ養殖。


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【編集航記】
 渓流シーズンが終わり、多くのフライフィッシャーは海外でも行かない限り、冬眠の時期になるのでしょう。さて、東京湾ではまたまたシーバスのデーゲームの最盛期を迎えました。今シーズンの私のテーマは「フライ」です。といってもド素人なのですが、神奈川県にあるシースタイルのホームマリーナの某Y氏に勧められてトライしたものの、玉砕の経験がある私です。この秋はぜひとも1本、釣ってみたいと思います。(編集部・ま)

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