ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN ふたたび、海の安全のこと。
キャビンの棚 漁師修業─都会から瀬戸内海の小島へ。「漁師志願!」
船厨 無骨のようでいて上品な味わい「鯖の船場汁」
海の博物誌 ダッフルコートとピーコート
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MONTHLY COLUMN
海上保安庁で2006年に作成した安全啓発のためのポスター。映画「海猿2」から伊藤英明さん、加藤あいさんの場面を利用している(同庁ホームページより)
 以前にも書いたが、このところ、シーマンがライフジャケットを身につけているシーンを多く見かけるようになった。ひと昔前までライフジャケットといえば、むさ苦しくて動きにくくて、おまけに船酔いを誘発するような気もして、「こんなモノ着てヨットに乗れるかい」と思ったりもしたけれど、いまでは様々なタイプのライフジャケットが市販されていて、それなりにファッショナブル、とまではいかなくても、見た目も良くなって、何よりも動きやすくなっている。シーバスフィッシングによく出かけるが、最近のライフジャケットはキャスト中も苦にならず、まことに都合がよろしいのである。
 とはいえ、ボートに乗るとき、多くの方がそうであると思うのだが、自身の落水の可能性を考えたことは、ほとんどない。いわば、ライフジャケットを身につけることは多くのシーマンにとって習慣となってきているのだろう。
 このほど海上保安庁が平成19年の海難および人身事故の発生と救助状況について速報をまとめ、発表した。

実際にライフジャケットを着て風波のあるプールに飛び込む。ライフジャケットがないとかなり不安だろう
 それによると、平成19年の海難船舶隻数は2575隻で、前年に比べ31隻増加したものの、死者・行方不明者は87人で21人減少した。また、海中転落者のライフジャケット着用率は52%で、前年に比べ9ポイント上昇しているという。以前、この項で同様のことを書いたのだが、プレジャーボート愛好者のライフジャケット着用率は、データを見てもここ数年で着実にあがっていることがわかる。
 同庁では「命を守る3つのポイント」として「ライフジャケットの常時着用!」「防水パックを使用した携帯電話の携行」「海のもしもは118番!!!」を積極的に広報してきた。2000年、明石海峡において、家族5人が乗ったプレジャーボートから6才男の子が落水、それを助けようと父親、母親が相次いで海中に飛び込んで行方不明となり、残された女の子が自力でボートを操船して帰ってくるという痛ましく悲しい事故があったが、この事故を契機に海上保安庁ではライフジャケットの常時着用を積極的に呼びかけはじめた。また時を同じくして、多くのシーマンがライフジャケットの有効性について真剣に考えるようになったのではないだろうか。
 昨年の夏、横浜にある第三管区海上保安部の防災センターで、マスコミ向けのライフジャケットの着用体験会が開かれ、参加する機会があった。人口で風波を作り出す装置のついたプールに実際に服の上からライフジャケットを着用して入水してみる。風が強く波の高い海では、たとえライフジャケットを着ていても苦労するが、それでも着ているのと着ていないのでは雲泥の差があることを実感した。
 お役所から物言われると何かと反発したくなる、といったタイプの人が、筆者の周りにもちらほらいるのだが、同庁の提唱する3つのポイントは誠に理にかなっていると思う。「ライフジャケットの常時着用!」「防水パックを使用した携帯電話の携行」「海のもしもは118番!!!」をシーマンシップとの一部として身体にたたき込みたい。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 「漁師募集! 瀬戸内海での鯛の養殖 経験不問。十八歳から二十五歳までの頑丈で真面目な男子。期間三ヵ月から三年間......」こんな求人広告が、ふと目に止まったらどうしますか? 海好きなら思わず考えてしまうような求人広告ですが、本著「漁師志願!」では、この求人広告を見た二人の青年が、漁師に雇われて都会から瀬戸内海の小島に移り住み、鯛の養殖作業を覚えながら、地域の人々との交流を深めて、少しずつ成長していく様子を描いています。
 大学卒業後バイトで生計を立てていた智志と寿司屋で板前の修業をしていた真二。生い立ちの異なる二人が「漁師募集」に応募して漁師生活を始めるのですが、お調子者の智志と実直な性格の真二という正反対のキャラクターが物語の展開にリズム感を与え、瀬戸内海の小島という場所が海ならではの表裏のない、すがすがしさを演出しています。ジャンルが青春小説となっているので、かろやかな物語を想像しますが、読了後にふと読者に昔の記憶を思い起こさせる著者の筆力は秀逸です。
 午後の日だまりの中デッキでくつろぎなら読んでも、寝る前のリラックスした時間に読んでも、すんなりと物語に入れるので、キャビンの棚に入れておけばゲストがついつい手にとって読んでしまう重宝な一冊になることは間違いなでしょう。 
 著者/山下 篤
 発行/新潮社
 定価/1680円(税込み)



船厨
 江戸時代の大坂三郷、大阪の商業の中心地・船場は、大阪城下の船着き場だったことからその名がついた。もともと太閤秀吉の時代に栄えた商業地だが、江戸時代、幕府によって復興、整備され、いわゆる天下の台所として発展した。
 野菜と魚をふんだんに用いた船場汁は、ここで重宝され、愛食された。18世紀には船場煮の名で料理本にも紹介されている。
 さて、鯖を1尾まるまる使って船場汁を作ってみた。「秋鯖は嫁に食わすな」との格言(?)があるように、鯖は秋が旬ではあるけれど、通年美味しくいただける魚として、食卓に上る。サンマと同じく、大量にとれるので、何より安価であるが、味は決して低俗ではなく、むしろ上品なのではないか。
 特にこの船場汁、昆布だしに酒を少し入れ、長ネギと胡椒を振りかけただけの至ってシンプルな料理だが、鯖の風味が汁に行き渡り、素材のうまさがとても引き立つ。魚好きには堪らない一品だ。
 冬の海でもきっと身体を美味しく優しく暖めてくれるに違いない。
鯖の船場汁
●材料
鯖1尾、だし昆布10、ねぎ1本、塩/粗びき胡椒各適宜、酒おおさじ1
●作り方
1)鯖は頭とはらわたを取り、骨付きのままぶつ切りにする
2)鍋にだし昆布を敷き鯖を入れ、かぶる位の水を入れて沸騰させないように静かに煮る
丁寧にアクを取りながら鯖のだしが出てくるまで煮る
3)酒と塩を加え味を整え器に盛り、小口切りにしたねぎをたっぷりのせ胡椒をふる(ねぎは白髪ねぎでも万能ねぎでもお好みで)



海の博物誌
 軍隊の服は直接生死に関わるから、保温・保護の機能は不可欠である。しかも、軍用品だから素材は潤沢。というわけで、昔から軍服は一般用としても利用されてきた。なかでもデザインのよいダッフルコートは、一般の衣料としてすっかり定着している。
 ダッフルコートは、英国海軍の男性が着ていたもので、腰までの長さが一般的だが、膝までくるタイプもある。フードもついたりつかなかったりだが、前あきをとめる大きな飾りボタンとループは共通している。第二次世界大戦の後、他の品物と一緒に放出されてから一般市民に親しまれるようになった。
 生地の厚さ、暖かさでダッフルコートとよく似ているのがピーコート。正しくはピージャケットというが、こちらは、船乗り、漁師、労働者の上着だった。
 厚い生地で、ダブルで、長さは腰まで。いかにも武骨な感じだが、これをファッショナブルだとして流行らせたのは、なんとあのココ・シャネルだった。



ヤマハニュース

ディンギーヨットを安全に楽しむために
必要な基本知識・技術を修得しディンギーヨットを安全に楽しんでください。

「カジキ釣り講座」 壁紙更新!
オフショアフィッシングの醍醐味。ボートでのカジキ釣りをご紹介します。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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【編集航記】
 オーストラリアのメルボルンで開催されていた今年の470級世界選手権は北京五輪の日本代表の最終選考を兼ねていましたが、その中で鎌田奈緒子・近藤愛のペアが代表の座を獲得しました。鎌田・近藤組は男女混合で行われる470級の全日本選手権で、昨年、男子を抑えて総合優勝したほどのセーリングセンスの持ち主。今回の世界選手権での成績は奮わなかったものの、オリンピックでの活躍に大いに期待したいものです。ちなみに、鎌田選手はヤマハのジュニアヨットスクールの出身です。身内びいきで恐縮ですが、ぜひ注目、応援をお願いします。(編集部・ま)

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