ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 「ちばりよ~! アイちゃん、ナオちゃん。」
五輪セーラーを育てた南島からの声援
キャビンの棚 いくつ「結び方」を知っていますか。
「THE HANDBOOK OF KNOTS」
船厨 嗚呼、この国民食のなんと奥深いことよ。
「カジキとキノコのカレーライス」
海の博物誌 羅針盤ではなく、うねりで方角を知る
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MONTHLY COLUMN
 1月の終わりにオーストラリアのメルボルンで開催された470級ヨットの世界選手権大会は、北京オリンピックの日本代表を目指す選手たちにとってはその最終選考の場でもありました。その中で、最近、世界のレースでも常に上位に名を連ねていた日本の女子セーラーたちは大いに注目を集めていたようです。世界選手権では五輪選考というプレッシャーからか、どの選手も本領を発揮することはできませんでしたが、五輪代表の座はチーム・アビームの近藤愛・鎌田奈緒子の二人が獲得しました。
 そんなニュースを遠く離れた沖縄でとても喜んでいた人たちがいます。沖縄本島・那覇から南西へ約40kmの洋上に浮かぶ座間味の島の人たちです。近藤・鎌田を筆頭に、チーム・アビームのメンバーたちは、かつて「ミスター470」と呼ばれていた小松一憲コーチの元、毎年12月から3月にかけて、のべ3週間ほどの合宿を行っていたのです。彼女たちは座間味を「小松道場」なんて呼んでいて、厳しくも、楽しみながら充実したトレーニングを積んできました。
 座間味の浮かぶ慶良間列島には世界に誇れる透明度を持つ美しい海があります。夏場のシュノーケリングやダイビング、シーカヤックなどのマリンスポーツはもちろんのこと、冬にはザトウクジラが回遊し、ホエールウォッチングのベースとしても人気があります。自然という素晴らしい資源を持つ島ですが、セーリングに適している海があるとは、実は「目から鱗」のような話です。
 慶良間の海は、西高東低の気圧配置となる冬場は大陸からの季節風を受けますが、黒潮流れる海面を経て吹く風はパワーこそあれ、冷たくはなく、海水温は真冬でも22度ほど。また、海に浮かぶいくつもの島の影響で、さまざまな練習エリアの確保が可能です。波高のある強風下での練習はもちろん、沖の風が強すぎるようだったら島影に移動してフラットな海面での練習を行うなど、バリエーション豊富なコンディション下でのトレーニングが行えるのです。

 そんな「小松道場」の噂を聞きつけた北海道のヨット連盟でコーチを務める菊地透は、早速、この1月に中高生を中心とするジュニアセーラーの合宿地として座間味を選び、充実したトレーニングを積んできました。セーリング以外の面でも、こどもたちにとっては貴重な体験となったことでしょう。
 2003年のアメリカズカップで、チームニュージーランドのチェアマンをつとめていた友人のロス・ブラックマンがこんなことを言っていました。
 「ニュージーランド(という小国)でオリンピックを開催することは難しいかもしれない。けれど(同じくビッグイベントの)アメリカズカップなら、開催することができる。この素晴らしい海という会場には特別なお金をかける必要はないからね」
 座間味も同様で、人口1000人ほどの小さな村ですが、この素晴らしい環境の海は、アメリカズカップとはいかないまでも、さまざまな可能性を秘めているように思えます。まさに「ケラマの海は島人(しまんちゅう)の宝」です。
 14世紀の中頃、琉球の察度王が明国と朝貢関係を結び、進貢船が中国へわたっていたころ、座間味はその中継点として要衝をなしていました。人々はいにしえから海洋思想に富んでおり、進貢船の船頭も数名ですが輩出していました。そして、こうした歴史背景もあって毎年夏には、帆かけサバニを復元して那覇までのレースを行う魅力的なイベントも行われています。
 座間味で練習を積んだ近藤、鎌田の両選手が中国の青島に乗り込んでいくことになった──。これも進貢船の歴史を持つ島の人々にとっては、刺激的なできごとでなのです。ぜひ、二人には、島からもらった「海人(うみんちゅう)パワー」を発揮して、青島で堂々たるレースを披露して欲しいものです。


添畑 薫●そえはた かおる
日本大学芸術学部写真学科中退後、富士写真フイルム宣伝部を経て、77年に独立。「アメリカズカップ」をはじめとする世界中のヨットシーンを撮り続けている。92年には「ヨッティング&海洋」写真家6人のひとりとして世界の中から選ばれるなど、世界をフィールドとした日本を代表する海洋カメラマン。1948年神奈川県生まれ。



キャビンの棚
 筆者のなかでは、ロープワークは「シーマンシップ」のなかでもかなり重要な位置を占めており、そしてまた、その熟練度において「潮気」の度合いが計られる。その昔、日のとっぷりと暮れたハーバーに置き泊めしたヨットのキャビンで、ウィスキー、またはバーボンをプラスチックのカップへついだのを無精髭に覆われた口にちびちびと運びながら、舫ロープにバックスプライスを施していた先輩は、それはそれは潮気に溢れていたなあ。
 便利になった船具や係船施設のおかげで、普通にボートを楽しんでいる分には、ボート免許の試験に出てくる結び方さえ覚えておけば、何とかなるということに気づく。だが、それと同時に、潮気のほうもさっぱり薄れていくような気がするのである。かつては、時化でステーが切断されたり、もしもマストが折れたりしたら、ロープだけで立て直し、帆走してやろうというぐらいの気概はあった(ような気がする)のに。
 で、ちょっと焦りを感じながら本棚を探していたら、こんな本が出てきた。なんでも著者のデズ・ポースンは、ロープワークの世界的な権威なんだそうで、さまざまなロープワークをカラフルな図説とともにわかりやすくまとめてある。これをキャビンに置いておくだけで潮気を取り戻せるような……。本末転倒でした。
 「THE HANDBOOK OF KNOTS」
 (洋書)
 著者/デズ・ポースン
 (Des Pawson)
 発行/DK PUBLISHING
 参考価格/3390円



船厨
 カレーライスは寿司やラーメンとともに国民的な料理のひとつだ。世界の国別カレー粉消費量は、インドがトップなことは言うまでもないが、2位はなんと日本である。人口の差こそあれ、スリランカなど本場の国を抜いて2位とは、いかに日本人がカレー好きかがよくわかる。
 手元の百科事典によると、日本のカレーは明治の初期にイギリスから入ってきたという。これをご飯と組み合わせた独特の料理(確かにインドのカレーとは異なりますね)が生まれたらしい。当時は「ライスカレー」と呼ばれていたが、英語では「Crry and rice」、または「Curried rice」なんだそうで、昭和初期頃から「ライスカレー」という言葉に変わって「カレーライス」が一般的になっていくのである。確かに最近、「ライスカレー」ということばはなかなか聞かなくなった。
 日本人のカレー談義はつきない。ネットのフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」やヱスビー食品の「スパイス&ハーブ総合研究所」などでカレーについての記述を読んでいると、いやはや、実にたくさんのうんちくに溢れていて楽しくなるのと同時に、日本人にとってカレーがいかに大切か、というか大好きか、というか……、とにかく旨いんだ! ということを認識できる。
 ちなみにここにご紹介する料理、最初は「ライスカレー」と呼んでいたのだけど、ネットサーフィンでカレーの旅をしているうち、何でもその昔、海軍では「カレーライス」、陸軍では「ライスカレー」と称していたことを発見。結局ソルティライフとしては、海軍の呼び名を尊重し「カジキとキノコのカレーライス」と命名させていただいた次第です。
カジキとキノコのカレーライス
●材料(6人分)
カジキ4切れ、玉葱1コ、ニンニク1片、エリンギ2本、しめじ1株、バター大さじ1、カレールー、ローリエ1枚
●作り方
1)カジキは大きめの1口大に切り、塩コショウする
2)プレヒートした鍋にオリーブオイルを入れ、潰したニンニクと薄切りにした玉葱を入れ中火でじっくり炒める
3)2)に700ccの水とローリエを加え、沸騰したら弱火にし、市販のカレールー6皿分を加えよく混ぜて溶かし煮る
4)プレヒートしたフライパンにオリーブオイルを入れ、薄切りにしたエリンギとしめじを炒め、3)の鍋に入れる
5)4)にオリーブオイルを足して、かじきの両面を中火でこんがりと焼き、3)の鍋に入れて煮る
6)仕上げにバターを加える



海の博物誌
 日本で「うねり」というと、土用波とかシケを連想してしまって、マイナスイメージが強いが、うねりを羅針盤代わりに使う人々もいる。
 大洋の波のほとんどは風によって起きる。その波に慣性がついて、水の上下運動をはるか遠くまで伝えるようになったものがうねりである。つまり、ある所でいつも同じうねりが見られるとすると、その元にはうねりを起こす風、たとえば貿易風や偏西風があるわけで、うねりを見ることによって方角がわかる。さらに、種類の違ううねりがあれば、その組み合せで、より正確な方角が割り出せる。
 ポリネシアの人たちは、数千年来この航法を使っており、クック船長の水先案内人だったトゥパイア曾長は、故郷のタヒチを1万km離れても、計器や星の位置に頼ることなく、方角を示すことができたという。
 彼らはこのうねりを体で覚える。初心者は身近な海に入り、あおむけになってプカプカ浮かぶ。それでうねりの感じを覚えると、低気圧などで変形したうねりでも判別できるという。



ヤマハニュース

明日開幕!「ジャパンインターナショナルボートショー2008 イン 横浜」
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NEWモデル「EXULT(イグザルト)45 CONVERTIBLE」新発売
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漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」更新!
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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【編集航記】
 いよいよ、明日からジャパンインターナショナルボートショーが開幕します。船を購入する予定がたとえなくとも、このボートショーは毎回わくわくしますね。ヤマハでは新たなコンセプトのもと開発されたスピードボートが屋内で、発表されたばかりの45フィートのプレミアム・コンバーチブルがフローティング会場に係留展示されるなど、今年も魅力的なブースを展開するようです。ぜひ、足をお運びください。(編集部・ま)

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