ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN ヨット部を救え!
キャビンの棚 美しい映像と音楽に時を忘れて引き込まれる
V-Music 「海中遊泳」
船厨 西の春告げ魚「鰆と野菜の蒸し焼き」
海の博物誌 酉舵、卯面舵
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MONTHLY COLUMN
 先日全国紙のスポーツ欄をめくっていたら「コン・カマ」という見出しの文字が目に飛び込んできた。スペインで行われていた国際レースの途中経過の速報で、北京五輪470級女子代表の近藤愛・鎌田奈緒子の組が2位につけているという内容だった。「コン・カマ」かあ。これまでヨットの選手がこんなニックネームで呼ばれ、国際レースとはいえ、オリンピック以外のレースの、しかも途中経過が全国紙に取り上げられたことは無かったような気がする。それだけに「コン・カマ」ブームは、セーリング・ファンにとって嬉しい限りだ。
 鎌田奈緒子選手の父、祥一さんを取材したことがある。祥一さんは、ヨットで遊んでいたら知人であるヨットスクールのコーチにマリーナで出会い、誘われたので当時小学生だった奈緒子選手に聞いたところ、本人が「やってみたい」というのでスクールに入れたそうだ。
 少し時間がたつと、海に行くのを嫌がったりもしたが、祥一さんは「自分からやりたいと言いだしたことだからやめさせなかった」そうだ。そのうち操船技術が身につき、仲間が増えると、ヨットも楽しくなっていったそうで、ぐんぐんと伸びていった。

 祥一さんはその後、ヨットスクールのコーチとなり、今でもシーズン中は葉山の海に通い、コーチを続けている。「子供たちは成長するのが早く、それを見ているのがとても楽しいのだ」という。そして、「スポーツだけでなく子供たちの人間的な成長をも大切にしたい」と言葉をつなぐ。「“おはようございます”に始まって“ありがとうございました”に終わる」「練習を休むときは親御さんでなく自分で連絡をさせる」。人によっては古くさいと感じるかもしれないが、礼節や責任感といったものに無感覚な若者が増殖する今の世の中にあって、実は大切なことかもしれない。そしてそれは、コーチだけでなく「海」が教えてくれることなのかもしれない。
 近藤・鎌田の両選手は、そのあたりのことが身についているからこそマスコミにも受ける。
 3月のある日曜日、神奈川県の葉山マリーナを会場に外洋レースの学生日本選手権が開催された。出場校は慶応大学、甲南大学、神戸大学(旧・神戸商船大学)、東京大学、日本大学、防衛大学、武蔵工業大学、明治学院大学の8校。それぞれ日本では数少ない、外洋ヨットで活動するヨット部、または同好会だ。競技一辺倒のディンギーとは異なり、夏にはロングクルージングにも挑戦する、魅力的なクラブだと思える。ところがそのうち、いくつかの大学のヨット部は現在、深刻な部員減少に直面している。
 若者の体育会離れは前から聞く話だし、スポーツやレジャーも多様化しているからわからなくもないが、なぜこんなにも魅力的な世界に若者たちが入ってこないのか、もったいないなあと思う。
 レース後に学生たちにヨットの魅力などについてインタビューをした。「仲間の大切さを知った」「自然との一体感がいい」「自分たちの力、風の力で遠くへ行ける」。答えは平凡でいかにも優等生然としていたが、その内容よりも、彼らの目つきや態度、言葉の選び方ひとつひとつに、いわゆる「今どきの大学生」にはないものを感じる。ある学生は「ヨットをやってきて視野が広がった。ヨットで起こることに比べれば日常で何が起きても対処できると思います」と遠慮がちに胸を張った。
 彼らが入部したての一年生の頃を知っていたので、3年間でここまで人間的に成長するものかと、なおさら感動した。そして、それは海、ヨットだからこそ成せることなのかもしれないとも。
 廃部の危機に直面している、ある大学ヨット部の20代から70代にいたるOBたちは、忙しい仕事の合間を縫ってはあらゆる形で学生と関わりを持ち、自分たちのヨットを試乗会に動員したりと、部員獲得のために動いている。自分たちの人生の中でヨット部で過ごした時間がどれほど重要だったか、輝いていたかを忘れてはいないのだ。
 学生のヨット部を日本の海から無くしてはならない。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れたの大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 ハイビジョン映像と豪華アーティストによる音楽のコラボレーションとして今年からリリースされたDVD「V-Music」シリーズ。「海中遊泳」はその最新作だ。
 最初に映し出されるのは小笠原の海の映像。10ccの「I'm not in Love」が流れる。冒頭からその美しい映像と音楽に思わず唸る。
 映像は沖縄・宮古島、パラオ、コスタリカ、北マリアナ諸島、モントレー湾、高知・柏島、西オーストラリアのニンガルーリーフへと移り変わる。エアプレイや鈴木重子、小野リサ、カシオペアなど、アーティストたちによるサウンドもベストマッチ。ただ美しい映像に感動するだけでなく、生命の美しさや尊さにまで想いが深められていく。
 イルカやクジラ、ジンベイザメ、マンタ、アザラシ、ウミガメの赤ちゃんなど抑えどころも秀逸だ。海好きならずとも、素晴らしいBGVになること請け合い。
 本シリーズ、海中遊泳の他「海」もすでにリリースされている。こちらも見逃せない。
 V-Music 「海中遊泳」
 制作・発行/NHKサービスセンター
 発売・販売元/BMG JAPAN
 定価/3,255円(税込み)



船厨
 サワラの語源は「狭腹」で、細い体型からこの名がついた。地方によっては狭腰、柳などと呼ばれるが、いずれもその体型からくるネーミングである。そのサワラ、一般にはさかなへんに「春」の字をつけて「鰆」と書く。瀬戸内海では連休を過ぎると本格的なサワラ漁が始まり、5月から6月にかけて関西地方にに多く出回るため、そのような書き方になったのだろう。メバルと同じく、関西地方では「春告げ魚」として定着している。
 ところが、東京の魚河岸ではサワラの旬は1月から2月。この時期のサワラが身が締まり、一番旨いとされている。4月に出まわる腹に卵を持つサワラは身が柔らかすぎて味が落ちるというわけだ。東の春告げ魚と言えば「メバル」になる。
 漁獲シーズンや食文化の違いで、魚の旬も西と東では変わってくる。
 サワラといえば味噌煮や西京焼きが有名で、いずれも味噌を使った料理だ。割と淡泊な味なので味噌はよく合う。今回はたっぷりと野菜を使い、味噌仕立てで鋳鉄のスキレットを使って蒸し焼きにした。春らしい一品となった。
鰆と野菜の蒸し焼き
●材料(2人分)
鰆2切れ、春キャベツ3~4枚、玉葱1個、カラーピーマン3個、サラダ油適宜、味噌大さじ3、酒大さじ4、すりごま大さじ1
●作り方
1)キャベツはざく切り
2)玉葱はくし形に、カラーピーマンは一口大にそれぞれ大きめに切る
3)味噌にすりごまと酒大さじ2を入れてよく混ぜる
4)プレヒートしたスキレットに鰆を入れてざく切りにした野菜をまわりに並べ3の味噌を鰆に塗り、野菜にもところどころ乗せる
5)酒(大さじ2)を全体にふり蓋をして中火で7分程蒸し焼きにする



海の博物誌
 「とりかじいっぱい」「おもかじいっぱい」
 テレビゲーム育ちの最近の子どもはともかく、昔の子どもはこんなことを言って遊んだものである。
 とりかじは、漢字で酉舵、おもかじは卯面舵と書く。昔は方位を表すのに干支を当てていたので、北が子(ね)、東が卯(う)、南が午(うま)、西が酉(とり)だった。
ただし、昔の和船が使っていた磁石は「裏針」と呼ばれるもので、西洋式とは異なり、方位の西側と東側をひっくり返して、南北線(子と午を結ぶ線)を、船の船首と船尾を結ぶ線に固定したものだった。
 こうすると、磁石の針は、逆さまになった方位図の上で、船首が向いている方位を常に指すことになる。とりかじは、逆さまになった方位図の酉の方へ、つまり右舷側へ舵棒を引く(すると、船首は左に向く)、おもかじは卯の方、つまり左舷側へ引く(船首は右へ)、とりかじ=ボート、おもかじ=スターボードである。
 この言葉は海軍を経て海上自衛隊、海上保安庁に引き継がれている。たまたま昔の方位表がひっくり返っていたおかげで、そうおかしくないが、古来の用法からすると実は逆なのである。



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【編集航記】
 先月、ヤマハスポーツ振興財団が主催するジュニアとユースのヨットレースの会場を訪ねました。編集子にとっては久しぶりのディンギーレースの取材。小学生や高校生の姿を見ながら、「若いっていいなあ」とうらやむと同時に、「俺でもまだやれるのではないか」などと思い立ち、いつもの「欲しい欲しい病」が発症。いま、一人乗りのヨット「シーホッパー」が欲しくてたまりません。(編集部・ま)

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