ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 海洋冒険小説を彷彿とさせる魅惑のショータイム
キャビンの棚 アメリカ西海岸からの贈り物「ギフト・パック」ザ・ビーチ・ボーイズ
船厨 生命に感謝しつつ「アサリとズッキーニのパスタ」
海の博物誌 「氷山の一角」に気をつけて
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MONTHLY COLUMN
 もう20年も前のことだが、読了せずに挫折した長編が二つある。おもしろくなかったわけじゃない。どちらかといえば夢中になって読んでいたと思う。
 それなのに、なぜ途中で投げ出してしまったのか?
 ひとことで言えば難しい漢字が多すぎるのだ。地名が読めず、登場人物すら覚えられず、やっと覚えたと思ったらすぐに殺されてしまう。するとどこからか新たな怪人物や快人物が現れるのだが、彼らもまた名前を覚える間もなく殺られてしまう――の繰り返し。漢字の洪水に溺れながらの4,000頁。そうこうするうちに本屋で若手作家のライトな新作を見つけたりしたら、ええ、もう苦行なんかには戻れません。嗚呼、手ごわき「水滸伝」! 手ごわき「三国志」!
 さて。今春、ちょうど映画「レッドクリフPart2 ―未来への最終決戦―」が封切られた頃に、三国志の重要な舞台の一つである中国・河南省を訪ねる機会があった。所用を終えて、遅い昼飯のために連れて行ってもらった先は、北宋時代(960~1126年)に世界最大級の都市として栄えた東京(Dongjing)の町並みを再現したテーマパーク。運河の横のテーブルで坦々麺をすすっていたら、いきなり中国語の野太いがなり声がスピーカーから流れてきた。どうやら運河を舞台にした歴史アトラクションが始まったらしい。
 中国語がわからない上に歴史に詳しいわけでもないので、ここからは目で見たものを観光気分の日本人が勝手に解釈したものという前提で読んでいただきたい。まず、運河の西側から兵糧を満載したオンボロの輸送船が登場。それを待ち伏せていたのが、いかにも怪しげな取締官を名乗る3人組。「ここに米を置いていけ」と言うニセ取締官と輸送船の乗組員たちが揉めているうちに、立派な髭をたくわえた正義の官吏が登場し、軽やかに悪者たちの船に飛び移ったかと思うと、あれよあれよといううちに青龍刀でやっつけてしまうという他愛もないストーリーだ。
 それでも農村から観光ツアーでやってきたと思しきご老人たちは手を叩いて喜んでいたが、私がつい反応してしまったのはアトラクションに登場した大小の軍船や輸送船。いささか時代にギャップはあるのだろうが、白石一郎の「海狼伝」に登場する無敵のジャンクの如き帆船の勇姿に心が躍った。竜骨(キール)を用いず四角い木箱をいくつもつなぎ合わせたような船体構造、そして龍やら鳳凰やらの派手な装飾、さらに艶やかな色彩の複雑な紋様やペイント。それらはこれまで歴史冒険小説で読み、妄想を膨らませてきた海賊や密輸商の悪者ジャンクそのものだった。すげえ。かっこいい。かっこよすぎる!
 菱垣船に代表される江戸以前の和船も、ジャンクと同じように竜骨を持たないフラットな船底構造だった。しかし、それは鎖国の世で日本沿岸を港伝いに航行するための船だ。鎖国をするまでは琉球を経て東南アジアまで足を伸ばす船もあったというが、ジャンクの実力はもっとすごい。明代の武将が1400年頃に遠洋航海にチャレンジし、なんとアフリカ大陸に到達したという記録も残っている。目の前に海が開けていて、そこに冒険心を持つ者がいれば船は鍛えられる。和船の開発史において、それを閉ざした鎖国の罪はあまりにも重い。
 坦々麺をたいらげて、さあ帰ろうと立ち上がったところへ、日本への留学経験を持つという体の大きな青年が笑いながら声をかけてきた。「東京ディズニーシーとそっくりでしょ? お城のかたちが違いますけどね」。なるほど、言われてみればその通り。


高梨 篤史●たかなし あつし
旅と読書と釣りとスポーツを愛するPR誌編集者。1965年、千葉生まれ。



キャビンの棚
 誰もが一度はその曲を聴いたことがあるであろうビーチ・ボーイズ。曲もさることながら、いたって覚えやすい「ビーチ・ボーイズ」という名前の由来はドラムスのデニス・ウィルソンがサーファーだったことがきっかけだそうだ。1961年に結成され、ビートルズにならぶこの伝説のロックバンドは世界で初めて自分たちの作曲で演奏、レコーディングし、成功までしたグループ。
 乾いたギターサウンドが奏でるシンプルでキャッチーなメロディーと、そこに波が押し寄せるかのように重なるコーラスからなる心地よい曲の数々は、現代においてはBGMにもってこいかも知れない。潮の香りがする場所での特別な時間だけではなく、カヴァー曲ではあるが「California Dreaming」などはしっとりとしたメロディーで、一人で過ごす夏の夜にもまた一花添えてくれるだろう。
 このアルバムは2007年11月に発売となった限定盤(解説/歌詞対訳付きは2008年12月発売)。2005年発売の『サウンズ・オブ・サマー』、2007年発売の『ウォームス・オブ・ザ・サン ザ・ヴェリー・べスト・オブ・ビーチ・ボーイズVol.2』と、2005年に発売されたDVDがセットになっている。
 オリジナルメンバーのうち2名はすでに故人となりつつも、結成から50年を迎えようとしている彼らは実は正式に解散宣言をしていない。現在ではブライアン・ウィルソンがソロで活動しているため、なんとかリアルタイムで「ビーチ・ボーイズ」の片鱗には触れることができるかもしれない。また、伝説のバンドともなれば多くのアーティストが曲をカヴァーしているため、オリジナルとは異なるテイストで堪能することもできることが嬉しい。2004年には槇原敬之や大黒摩季ら複数のJ-POP系アーティストが彼らの曲をカヴァーしたアルバムが発売されている。
 「ギフトパック」ザ・ビーチボーイズ
 発売/EMIミュージック・ジャパン
 定価/¥3,980(税込)



船厨
 春を思わせる代表的な食材のひとつにアサリがある。昔はよく「アサリやさん」が町にやってきて売っていた(筆者の歳がばれる?)ものだ。「あさりぃ~、しじみぃっ」のかけ声が「あっさり死んじめえ」に聞こえるとかいう小話だか、落語の枕を聞いたことがあるが、アサリは立派な健康食。
 タンパク質などは魚などのシーフードに比べると少ないが、鉄分を多く含み、貧血によく効く。シジミと並んで妊婦にはとても良いのだといわれている。「死んじめえ」どころか「命の誕生」にとても関わりのある食材なのである。
 春らしいメニューを考えていてアサリを使いたくなった。貝特有のうまみ成分がたっぷりで、あっさりめだけれど、こくのあるアサリをパスタに絡める。意外といっては何だが、とても旨い。ズッキーニの彩りがますます春らしさを演出してくれる。
アサリとズッキーニのパスタ
●材料(4人分)
パスタ(ペルチャテリーニ、または太めのスパゲッティで代用)400g、あさり400g、たまねぎ1こ、ズッキーニ2本、ニンニク2片、オリーブオイル大6、塩コショウ 適宜、イタリアンシーズニング適宜

●作り方
1)ニンニク、たまねぎは粗みじん切り、ズッキーニは千切りにする
2)プレヒートしたスキレットにオリーブオイル大2を入れ弱火でニンニクを炒める
3)香りが立ったらあさりを入れ蓋をして貝が開くまで蒸す
4)他のフライパンにオリーブオイル大4入れ、たまねぎを透き通るまで弱火で炒める
5)ズッキーニを加えイタリアンシーズニングを振り入れて炒める
6)火が通ったら 3)のスープを入れ塩コショウで味を調え、アルデンテに茹でたパスタとあさりを加えて混ぜあわせる



海の博物誌
 世界一周レースなどでしばしば難所として立ちはだかる南氷洋。国際水路局では、独立した海洋として南氷洋(南極海)というものを設定していないが、一般的には南半球の各大陸の南端を結んだ線より南の海域をそう呼んでいる。この海域を通過する船乗りにとって鯨と並んで気をつけなければならないのが氷山だ。
 氷山は氷河や大陸の氷の塊が海に押し出されて流れ出した氷塊だが、その大きなものには海面からの高さが100メートル、幅が150キロメートルに及ぶものがある。また、海面下には実際に見える体積の6~7倍もの体積が隠れているので、ちょっとした大きさの氷山に接触しただけでも船にとっては大きなダメージとなるわけだ。
 また、たちの悪いことに氷山は一般の暗礁の様にチャートに記されているわけでもなく、海流に乗って動き回るので、船乗りにとってはますます脅威である。
 1912年豪華客船『タイタニック号』が大西洋横断の処女航海中、北極の氷山に座礁して沈没した。それ以来、国際氷山監視隊が活動しているほか、最近では人工衛星を使った監視も行われている。



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【編集航記】
 ニュージーランドの海が好きです。シティ・オブ・セールと呼ばれるオークランド。美しい自然に囲まれたベイ・オブ・アイランズ。それらの海のありようはニュージーランドの人々の海への愛、自然への接し方が表れている──、先住民族のマオリが何よりも大切にした「海」がニュージーランドにはそのまま残されているような気がするのです。さて、ヤマハにはラグビー部があって、今期、ニュージーランドからモセ・トゥイアリイという“グレート”な選手が加入しました。彼はマオリなのですが、ヤマハラグビー部には彼の他にもうひとり、マレ・サウというマオリがいます。二人に共通しているのは、その、破壊力のあるラグビースタイルからは想像もできないほど、ほんわか、おっとり、素朴、というイメージがあること。彼らを見ていると、ニュージーランドの海が素敵な理由がわかる気がしたのでした。(編集部・ま)

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