ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN さすらいのおんな釣り師
キャビンの棚 いかなるレースにもそこには情熱があり、夢がある。映画「モーニング・ライト」
船厨 この小さな魚にかける漁師たちがいるのだな
「シラスごはん」
海の博物誌 最悪の暴れ者「トルネード」
YAMAHA NEWS 類似画像検索「Image Search」公開/「マリーナ百景」更新!/「大漁ネット」更新!/ボートの艤装例
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MONTHLY COLUMN
 タイトルに「さすらいの」とつけたけれど、ちょっと語呂が良かったので使ってみただけで、別に彼女はさすらっているわけではない。しっかりと信念を持って、地に足をつけた釣りを、大いに楽しんでいる。そんな彼女と、釣りのデートを楽しんだ。
 横浜の港内でボートを走らせていると「そういえば先週、○○さんとフネ出したんですけど、△△のあたりでけっこうあがりましたよ」「昨日、実はテストをかねて行ってきたんですけど、全然だめだったですね」「先週、□□さんと、、、」
 ちょっと待て。お前はいったい週に何回ボートフィッシングをしているのだ。
 知る人ぞ知る彼女は、2009年6月2日の時点で、5つのIGFAレコードを持つ。
「スズキは日本だけの魚だから、日本記録がそのまま世界記録になるんですよ」と教えてくれたが、それでも世界記録保持者とこうしてサシで釣りを楽しむことなんて滅多にないから、根掘り葉掘り、彼女の釣りに対する考え方みたいなものを聞いてきた。
 現在彼女が保持している記録は30lbテストクラスのクロカワカジキ170kg、20lbでのスズキ3.88kg、20lbでのツノザメ7.9kg、12lbでマカジキ44kg、16lbで同じくマカジキ62.8kg、である。12lbでカジキ? 12lbテストラインといったら、ブラックバスのトーナメントでふつーに使われているラインではないか。
 彼女が釣りを始めたのは大学卒業後。「就職先のマリンショップでお客さんと釣りの話をするケースが出てきまして、想像だけでお話しするのもどうかと思って」というのがきっかけだった。まず虜になったのはカジキだ。「カジキの場合、アングラーとして名前が記録に残るけれど、実際にはチームで釣り上げた魚なんですよね。板子一枚下はなんとかっていうじゃないですか。ボートにのってチームで力を合わせて魚を釣るっていうのが、何ともいえないんですよ」
 今の彼女の目標は「スピニングタックルでクロカワカジキを釣ってタグ&リリースをする」こと。釣行の際はオーナーに頼んでスピニングを一本流してもらっているのだとか。
 そういえば彼女はシーバスを釣るときもポンピングを入れる。これはカジキ釣りをスピニングで釣るための練習だ。
 話に出た「タグ&リリース」も彼女のこだわっているアイテムのひとつである。そもそもカジキ釣りを始めてから「わたしのファーストマーリンはタグ&リリース」と心に決めていたそうだ。
 「聞いてください。以前、わたしが川崎の扇島で釣ったスズキが、その2ヶ月後に横須賀の津久井浜の沖で再補されたんですよ。もし日本で釣ってタグを打ってリリースしたカジキがハワイで再補されたらと思うと、わくわくしませんか? ロマンですよ~」
 この日、彼女はタグは持ってこなかったけれども、釣った魚は優しく海に帰している。
 帰り際、「今日はどーもありがとうございました。なんだかわたしばっかり楽しんじゃって」との屈託ないあいさつに、僕の心は少々傷ついた。この日は圧倒的に彼女のタックルの方が忙しかった。そういえば、以前、バス・プロの並木敏成が言っていたな。
 「子どものころから仲間と同じ場所で同じようなルアーを使って釣りをしていて、周りのみんなが釣れなくてもどういうワケか僕は釣れた」
 彼女もそんな天賦の才のようなものがあるのかもしれない。そう考えてみると、彼女が日本の近海で釣ったカジキが、ハワイで釣り上げられるなんて夢のようなハナシが近いうちに聞けるかもしれない。
 頑張ってくれ、マスミちゃん。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚

Copyright(C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
映画「モーニング・ライト」
●考案&製作:ロイ・E.ディズニー/レスリー・デミューズ
●脚本/監督:マーク・モンロー
●配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
〈6月13日ロードショー(3週間限定公開)〉
東京都/新宿ミラノ/03-3202-1189
千葉県/シネマイクスピアリ/047-305-3855
※上映スケジュールは、変更される場合があります。お出かけの前にご確認下さい。
オフィシャルサイト http://www.disney.co.jp/movies/morninglight/
 アメリカのロサンゼルスをスタートし、ハワイのホノルルを目指す、素敵なヨットレースがある。「ロサンゼルス-ホノルル・トランスパシフィック・ヨット・レース」、日本では「トランスパック」として馴染み深いこのレースの歴史は意外と古い。1886年にハワイのカラカウア王が自分の誕生日を記念してサンフランシスコからのヨットレース開催を模索したのがきっかけになったという。結局実現したのは1906年の6月で、カラカウア王の死後、ハワイがアメリカに合併された後のことだった。
 このレースは、4120キロという長丁場のレースにもかかわらず、半袖短パンで通せる。何しろ目的地がハワイだというのがいい。そしてその長い歴史の中でレース中の事故による死者が発生したことがなく、比較的安全なレースだともいわれている。そんなわけで、けっこうこのレースに憧れ半分、遊び半分、実際、お気楽な気分で参加するセーラーもいるようだ。
 でも、この映画を見たあと、決して気楽なオフショアレースなどこの世にないのだと、今さらながら反省する。
 ウォルト・ディズニー・カンパニーのロイ・ディズニーが次世代の若者たちにチャンスを与えようと、彼が所有する「モーニング・ライト」のクルーを公募、2007年に開催された「トランスパック」にエントリーした。15人の若手セーラーをテストで選び、最終的には11人に絞り込む。4ヶ月間にわたるトレーニング、そしてレース・スタート、ライバル艇との駆け引き、ホノルルでのフィニッシュ。映画「モーニング・ライト」はレースに挑む若者たちの熱意、友情を追い綴ったドキュメンタリーだ。
 世間ではアメリカズカップやボルボオーシャンレースなどプロセーラーによる壮大なレースばかりが注目される。けれども、どのようなレースにも、そこにはセーラーたちの情熱があり、夢がある。「モーニング・ライト」はそんなことを思い知らされる美しい映画だ。もちろん映像美も特筆。海好きなら、ぜひ劇場に足を運んでみたい。



船厨
 シラスといってもウナギやアユなどの稚魚など、いろいろあるのだが、一般的に食材として我々が普段口にしているのはカタクチイワシの稚魚である。ヤマハの本拠地・静岡県の遠州灘一帯はそのシラス漁が盛んだ。漁期は毎年3月21日から翌年1月14日まで。
 一度、磐田市の南、福田のシラス漁船に乗せてもらったことがある。遠州灘での漁法は二艘引きといわれるものが主流だが、とにかく鮮度を何よりも大切にしているのは全国各地共通なのではないか。たとえば、二艘引きの場合、実際に漁をする二艘の他に、運搬船が用意され、実際には3隻が一組になって漁をしている。運搬船は網ですくったシラスを鮮度が落ちないうちに、すぐさま港へと運ぶのだ。その間、二艘は次の漁を始める。会社組織にしているような大きな漁家になると、捕ったシラスは自前で加工する。詳細は省くが、漁師たちは自分の捕った魚の価値を少しでも高めるために、様々な工夫を凝らしている。普段何の気はなしに口にしている大衆魚も同じだ。日本の沿岸漁業は、水揚げ高に関わらず、世界一だと思える。
 あつあつのご飯に釜揚げシラス、またはシラス干しでもいい、「改まった気持ちで」(これが大切)、ひとつのメニューとして意識しながらご飯に思いっきり盛ってみよう。日本の漁師たちの偉大さをしみじみと感じることができるはずだ。
シラスごはん
●材料
あつあつのご飯、シラス(釜揚げ、または日干し)
●作り方
1)炊きたてのご飯にシラスを好きなだけ盛る
2)好みで小ネギ、大根おろしなど、薬味を乗せる



海の博物誌
 台風(ハリケーン、サイクロン)の破壊力は、ときに数十万人の命を奪うほど大きなものだが、瞬間的な破壊力及び風速という点では、アメリカのトルネード(竜巻)が最悪である。
 ときに海上で発生して水を吸い上げ、水竜巻となって船に襲いかかる。暴れる範囲は小さく時間も短いが、進行速度が速く、すさまじい力なので、どのような船もなすすべがない。
 トルネードの風速については、その通り道にあった風速計がすべて壊れてしまうので、公認の記録はなく、遠方からのレーダーで測定できたものとしては300km/hが最高。破壊程度からの推計では、少なくとも550km/hとか、780km/h、1200km/hなどという途方もない数字が出ている。
 この風に飛ばされた物は、非常に大きなエネルギーを持っているため、麦の茎が木の幹に突き刺さった、鉄の橋桁を松の板が貫通した、漆喰壁にろうそくが刺さった、などという信じがたい例がたくさん報告されている。
なお、台風・トルネードを除いた地上の瞬間風速世界一は、アメリカ東部・アパラチア山脈で観測された時速371km。



ヤマハニュース

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「マリーナ百景」広島ベイマリーナ
全国に点在するさまざまなマリーナを紹介します。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」今月は設計室だよりより
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

ボートの艤装例
マリンライフを快適にする艤装の数々をご紹介します。


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【編集航記】
 6月の第三日曜日は父の日です。もともとはアメリカで始まった行事で、あるご婦人が男手ひとつで育ててくれた父のために、 誕生日に記念礼拝を行ったのがことのはじめでした。その後、母の日があるのだから父の日があってもいいじゃないかと、まあ、そんな理由で父の日が定着したそうです。母の日にはカーネーション送るけど、父の日はバラ。ありがいたいですけど、どうしても「母の日」のおまけみたいに感じてしまうのは、ひがみですかね。(編集部・ま)

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