ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 釣りの言葉
キャビンの棚 青い写真とやさしい言葉の化学反応
「Blue Journey―南の島へ」
船厨 これは果たして“たたき”か。
「カツオのたたき~オリーブオイル風味」
海の博物誌 お天気ミステリー
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MONTHLY COLUMN
 マリンクラブシースタイルでボートを利用する際、申し込み書の項目の「目的」の欄でいつも手が止まってしまう。わたしの場合、ほとんど「釣り」が目的なのだが、そこにある選択項目のうち、たしか釣りには「キャスティング」と「底釣り」のふたつがあって、そこで迷うのである。いつもシーバスを狙うのだがルアーを「キャスト」することもあれば、ジグをバーチカルに「落とし込む」こともある。ジグはキャスティングなのか、底釣りなのか。結局「キャスティング」に印をつけて出航するのだが、わたしの頭の中には、砂浜でかっこよくジェット天秤を遠投(キャスト)してシロギスを釣っていた親父の若かったころの姿が、沖に出てもこびりついたままだ。
 ボートフィッシングの世界には何となくイメージで使われている言葉がいろいろあって、それも釣りのジャンルや個人によって使い方がさまざまだ。特にカタカナ言葉は、具体的にどういうことか説明のつかないまま使われていることが多い。
 その代表的な言葉のひとつに「ゲームフィッシング」がある。わたしは以前、アメリカの釣り事情に詳しい先輩編集者から「これは誤用である」と教えられた。もともと、日本には「ビッグゲームフィッシング」という言葉が伝わったのだろう。ここでいう「ゲーム」とは狩猟などでの「獲物」を指す言葉であって、けっして「スゴロク」や「ゲーセン」のゲームでのことではない。つまりビッグゲームフィッシングとは「大物釣り」の意味であって、釣りの「駆け引きなどを楽しむゲーム性」を指すものではないのである。ちなみに米国の検索サイトで「Game Fishing」を検索すると、ほとんど単独で使われていない言葉であることがわかる。
 もうひとつ、「ライトタックル」はどうだろう。これは文字通りに理解すればよい。もともとの対象魚に使われていた「釣り道具」に比べ、ライン、ロッド、リールを軽く(非力に)して楽しむ釣りのことである。たとえばカジキの場合、50、80、130lbテストのラインとヘビータックルを使ってルアーを流し、かかればチェアに座ってラインを巻き取るといった釣りが主流だったと思うが、最近ではこれが「ライトタックル」化して、30lb以下のラインや、スピニングリールを使ってスタンディングポジション、といった釣りに流れが傾いている。どちらかというと多くの人が誤用している「ゲームフィッシング」のイメージはこちらに近いのではないだろうか。
 もうひとつ代表的な言葉である「スポーツフィッシング」。これはいわゆる「コマーシャルフィッシング(漁業)」の対局にあって、レジャーの釣り全般を指す言葉である。わたしには「釣りの方法に貴賤はない」との考えがある。しかし「スポーツ」というと日本ではスポ根漫画や部活の影響か「ルールに則って」「正々堂々と」といったイメージが定着している。結局、何だかよくわからないまま、お洒落で(これもかなり主体的なイメージの問題)、スマートな、自然をいたわり、ルアーを使って魚と対等に楽しむ釣りの総称として使われるようになっている。ただし言っておくが、ルアーを使うことで魚と対等になるなんてとんでもないハナシだ。ルアーは魚食性の魚を釣るにはコスト、その準備の面で、生き餌よりも格段に有利だ。店先で美しく輝くいかにも釣れそうなルアーを発見したとき、私は殺傷力抜群の弾丸を手にしたハンターと同じように、してやったりといった気持ちになる(実際にハンターのことはよく知りませんが)。
 と、ここまで独善的に書いてきて不安になったので、JGFA(ジャパンゲームフィッシュ協会)の事務局長・若林務さんに、用語の見解を聞いてみることにした(ちなみに同団体名の“ゲームフィッシュ”も「釣魚」の意味」)。
 「ゲームフィッシングが誤用というのはその通りです。競技の釣りはトーナメントフィッシングといいますからね。ライトタックルというのはあくまでも相対的なものですから定義というものはありません。JGFAのメンバーをみると最近は沖釣りの愛好者たちの間でもライトタックルへと流れている傾向があります。スポーツフィッシングもおっしゃるとおりです。IGFA(国際ゲームフィッシュ協会)の場合はロッドとリールとラインを使った釣りと定義しています。だからIGFAの解釈では手釣りはスポーツフィッシングではありませんが、ルアーか餌かは問題ではありません」と、概ね同意の見解をいただいた。ただし……。
 「スポーツフィッシングは釣った魚を食べちゃいけないだとか、餌は使ってはいけないといった誤解は困りますが、ルールやマナーのある釣りというイメージがあるのなら、これはこれでいいのではないですか。“スポーツフィッシング”という言葉をきっかっけに、節度とマナーのある釣りについて一人でも多くの釣り人が考え、楽しんでもらえるなら、誤解も大歓迎ですけどね」
 なるほど。まったくその通だ。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 1年の半分以上の期間を海の撮影に費やす水中写真家の吉野雄輔氏と、癒しや心の領域に焦点を当てて執筆活動を続ける秋月菜央氏がコラボレーションした心温まるフォトブック。
 「Blue Journey」のタイトルそのままに、バハマやモルディブで撮影された真っ青な海や空の写真が真っ先に目を引くが、それらの風景とは別に訴えかけてくるのは、少し疲れた人にまるで「大丈夫」と囁くかのようなやさしいメッセージ。嫌なことがあっても修行だと思えば苦にならないはずだというメッセージが込められた「今日も修行」や、好きなことがあるだけでも幸せだと説く「好きなことのある幸せ」など、誰もが頷いてしまうぐらいにスーッとそれらの言葉に引き込まれていくだろう。もちろん、同時に視線に入る青い写真も勇気や元気をそっと与えてくれる。
 豊かな情報量やそこへの容易なアクセスが当然のこととしてある今日、写真が見る人の気持ちを揺さぶるような作品として成り立つには主に2つの要素がなくてはならないと言われている。「誰も見たことがないもの」と「普段は誰も気にしないこと」。このフォトブックにある世界の海の写真は、そういう観点からいえば特に珍しいものではないかも知れない。しかし、癒しのメッセージとともに一つの作品として見ると、まるで化学反応を起こしたかのように説得力があって、まさに心が揺さぶられるような気持ちになる。
 それから、ジメジメした梅雨のこの時期、夏を待ち遠しく思う気持ちの表れだろうか、この本の表紙を眺めているだけでワクワクしてくる。
 「Blue Journey―南の島へ」
 著者/写真:吉野雄輔、文:秋月菜央
 発行/株式会社経済界
 定価/¥1,100(税別)



船厨
 魚の“たたき”という料理が、よくわからない。ふつうに考えれば、魚の身を包丁の背で叩いたものを指すのだろうが、たとえば「カツオのたたき」はどうか。カツオを節におろして皮のついたまま藁火で表面をあぶり、冷水で冷やした料理だ。ネギやニンニク、生姜をまぶしたあとに叩くことがあるというが、叩かなくても“たたき”として出てくる。実は室町時代にも「カツオのたたき」というものがあって、これは骨ごと身を細かく叩いた塩辛のような料理だったそうだが。
 もっとわからないのは「アジのたたき」だ。これは単に細作りにしたアジの刺身である。叩きはしない。もとは漁師が捕った魚をめちゃくちゃ叩いて味噌を和えた「たたきなます」の変形というけれど、変形過ぎはしないか。
 オリーブオイルでカツオの表面を焼きながら、一回も叩くことなく、「カツオのたたき」を作ったのだが、果たしてこれを“たたき”と呼んでいいのかどうか、大いに悩んだ。
 それにしても旬のカツオを使ったこの料理、素晴らしい出来映えではないか。これだけうまけりゃ、呼び名はどうでもいいか。
カツオのたたき~オリーブオイル風味
●材料
カツオの切り身1ブロック、塩適宜、オリーブオイル適宜、ニンニク1かけ、小ネギ
●作り方
1)カツオに塩を少々をふりかけ下味をつける
2)フライパンを熱し、オリーブオイルをひく
3)スライスしたニンニクを入れ香りが立ったら、取り出す
4)鰹のブロックの表面を少し焦げ目がつくまでフライパンでまんべんなく焼く
5)焼き上げた鰹をスライスし盛りつけ、3)で取り出したニンニクと小ネギを振りかける
6)好みでポン酢などをつけて召し上がれ
※ご飯のおかずとしてもよし。ポン酢等をつけなければ洋風の料理として楽しめます。



海の博物誌
 梅雨になるとウットーしくなったり、古傷が痛んだり、気候が人間に及ぼす影響にはさまざまなものがある。
 たとえば、気温と犯罪の関係。ニューヨークでは、気温と犯罪件数が比例するという報告があり、あるアジアの国では、これまでの主な暴動は現地の最も不快な気候の4月と8月に起きているという。
 あるいは気圧、湿度と気力の関係。気圧が下がり、湿度が上がると人は無気力になり、イライラする。逆に気圧が上がり湿度が下がると快活さが戻るという調査結果がある。別の研究では、気圧が下がり湿度が上がると関節炎が痛みだすことがわかっている。
 また、ハリケーンのときに行った知能テストの平均点は、普段よりずっと高かったという報告もある。これは大気の乱れが刺激剤になったのだろうと見られている。
 そのほか陽イオンが人を不機嫌・憂鬱にさせ、陰イオンは人を活発・快活にさせる、風は風自身の音を持っている、などさまざまなものがある。



ヤマハニュース

「マリンクラブ・シースタイル」WEB入会サマーキャンペーン!(7/10まで)
抽選で5人に1人の方の入会金が無料になるお得なキャンペーンのご案内です。

「マリーナ百景」今月は日本海の釣りを堪能できる「マリーナ上越」
全国に点在するさまざまなマリーナを紹介します。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」今月は設計室だよりより
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

「カジキ釣り講座」壁紙を更新しました。
オフショアフィッシングの醍醐味。ボートでのカジキ釣りをご紹介します。


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【編集航記】
 先日、会津の猪苗代湖に取材で訪れる機会がありました。猪苗代湖は日本で三番目の広さを持つ、標高500mに浮かぶハイランドレイクです。湖内にはいくつかマリーナもあって、湖ではちょくちょくヨットレースもおこなわれているとのこと。カナダ人の最も住みたい場所のひとつ、オカナガンの湖を彷彿とさせます。この前、瀬戸内海の中島に行ったときに「いずれはこんな所に住みたいな」と思った矢先、猪苗代湖も候補地の仲間入りです。夢ばかりがふくらみます。(編集部・ま)

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