ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 燃えよ、海の老若男女たち。
キャビンの棚 心洗われるようなサウンドに包まれる「MUGEN」永瀬もも
船厨 「とっておきの鰹節とは」
海の博物誌 胃のある魚とない魚
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MONTHLY COLUMN
 英国の17歳の少年、マイク・パーリム君(少年と呼ぶ年齢かどうかはさておき)が、このほど単独世界一周の最年少記録を達成した。昨年11月に全長約15メートルのヨットでポーツマスを出港。その後、大西洋を南下してケープ・ホーンを通過した後、オーストラリア南部の沖合を経て太平洋を横断。その後、パナマ運河を通って大西洋に入り、8月27日にリザード岬の沖合に到達したという。途中、トラブルがあって港に立ち寄ったため、当初目指していた無寄港とはならなかったが、それでもおよそ10ヶ月にわたる航海を17歳の少年が成し遂げたことに驚きつつ、「確かに世の中にはこの手の若者っているよなあ」と幾人かの知った顔を思い浮かべながら、納得もした。
 ほぼ同じ時期にオランダからニュースが飛び込んできた。13歳の少女、ラウラ・デッカーちゃんが同じくヨットで単独世界一周の最年少記録を目指して計画していたところ、同国ユトレヒトの地方裁判所が、一時的に航海計画を中止し、ラウルちゃんを児童相談所の保護下に置く決定をしたのだという。計画では、全長約8メートルのヨットで9月に出航する予定だったそうだ。とりあえず計画はお預けとなったが、本人は休学しても勉強は必ず続けるし、無寄港ではなく3週間以上一人でいることはないから計画を実行させて欲しいと訴えているという。ちなみに、彼女の両親もヨット好きで、彼女はその両親の航海中に生まれたのだとか。両親はもちろんこの計画を支援している。ちなみに裁判所が中止を決定した理由は、ヨットの上に長時間にわたって1人でいる13歳の少女への精神的な影響と、2年間の休学ということを問題視しているようで、新聞を読んだ限り、ヨットの技量にいちゃもんをつけているわけではないようだ。
 このニュースを聞いたときも、知った顔の女性を数人思い浮かべ、彼女なら同じことをやりかねない(やっていたかもしれない)、などと思いつつ、大航海時代、海の覇権をかけて争っていたイギリスとオランダの関係にまで思いを巡らせては、なんだか因縁めいたものを感じたりもした。もちろんマイク君もラウラちゃんも、そんなことは露ほども考えていないだろうけれど。
 こちらといえば、今年も何かにチャレンジするわけでもなく、ふつーに夏が過ぎ去っていくのだなあ、などと感傷的になっていたころ、駆け込むようにして入ってきたチャレンジスピリットにまつわる二つのニュースを読み聞きしながら、妙に元気づけられた。
 このソルティライフのタイトルカットを描きつづけているイラストレータのTadamiさんは、1年半ほど前、自ら描いたタグボートタイプのGT-TAGを実際にデザインし、進水させた。まるでアニメの世界から飛び出してきたようなかわいらしい20フィートのボートだ。そのボートでTadamiさんは「海の駅各駅クルーズ」を行っていたが、先日、目出度く、目的を果たして無事に終了した。東京の江戸川にある海の駅を出港、太平洋岸から瀬戸内海を何日もかけてクルーズ。途中、海の駅にボートを預け、自宅に戻って仕事をこなしながらも、およそ1年かけて、最終目的地の香川県の多度津にある海の駅に入港して、航海安全祈願の絵馬を讃岐の金刀比羅宮に納めた。
 先述の若い二人とは、ジャンルも目的も内容も異なるかもしれないけれど、これもチャレンジ精神なくしてはできない。僕が特にすごいと思ったのは、Tdamiさんが航海の期間中、このソルティライフも含めて一度も仕事の締め切りを破らなかったということだ。言葉は悪いが、半ば「世捨て人」となって、ふらりとヨットで世界を一周するよりもスゴイことだと、僕は思う。
 本人は「いろいろな人の協力があってこそ無事に終えることができた」と謙遜するが、いや、もちろんそれは真実なのだろうけれど、協力した周りの人たちは、Tadamiさんの航海を口実に存分に楽しんでいたように見える。
 少年でもオッサンでも、少女でもオバサンでも老人でもいい。チャレンジや夢を成し遂げる行動は、周りの人を大いに元気づけることがあるのだ。世知辛い世の中だけに、なおさら。

田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 8月初旬、有難いことにボート上から都内の花火大会を楽しむ機会に恵まれた。マリンジャーナリストたちが中心となったこの宴では、振舞われたオードブルや各種アルコール類がその場を一層盛り上げてくれたことは言うまでもない。加えて、贅沢なことに女性シンガーソングライターの方が歌を披露して、船上にも夜空に輝く花火のような彩を添えた。そのシンガーソングライターが今回ご紹介する永瀬ももさんだ。
 横浜開港150周年記念PR大使を務める彼女は、150周年にちなんで全国150箇所を回るライブ活動を終え、現在は200周年に向けて200箇所で精力的にライブを行っている。プロの方にお話を聞けることも滅多にない機会とあって声をかけると気さくに応じていただいた。海や山、空などの自然が好きで、飼っている3匹の犬とよく出かけるそう。その自然に対する気持ちから、仲間と一緒に清掃活動や生き物の繁殖活動をおこなっている。
 そんな彼女の歌声やサウンドはヒーリングミュージックのようにマイルドで、心地よさを与えてくれる。刺々しさのない澄んだ音は、「平和、自然、愛、それから素晴らしい音楽が無限に…」という願いをファーストアルバム「MUGEN」に込めたことが、ひしひしと伝わるものだった。
 「MUGEN」
 永瀬もも
 発売/日本マーキュリーレコード
 定価/3,150円(税込)




船厨
 先月号の本コーナーで「鰹節ご飯」を取り上げたところ、材料欄の「とっておきの鰹節」とは何なのだ、といったご意見をある読者の方からいただいた。
 鰹節といっても原料となる魚から産地、製造法、さらに職人の腕など、それぞれであろう。もちろん味も。鰹節発祥の地・土佐が一番という人もいれば、薩摩の鰹節こそ日本一という人もいるし、焼津の鰹節もとっておきの鰹節にするのにふさわしいかもしれない。このたび購入した鰹節(写真)は薩摩の本節であったが、築地の店主曰く、良い薩摩節の見分け方のひとつにその「カタチ」をあげていた。「美しい薩摩節は鮮度の良い鰹を卓越した技術を持つ職人が加工をしている証」というのである。
 とにかく、とっておきの鰹節は人それぞれと言わざるを得ないが、そのカツオに対する蘊蓄の2~3は備えていた方がよい。
 そして少なくとも、とっておきといいながらビニールパックに入った鰹節を使うのでは芸がない。自分で削り出す、そこではじめて鰹節が「とっておき」になるのだと思える。昔はどの家庭にも鰹節削り器があった。カンナを逆さにしたものの下に引き出しがついているものが一般的だと思うが、これにはちゃんとした名称があって「小倉式鰹節削り器」という。幼いころ母親に代わって小倉さんのお世話になった記憶を持つ読者の方も多いに違いない。
 食はイベントというのが「ソルティライフ」の基本スタンス。なればこそ、鰹節を自ら削るのは、イベントを開始するのにふさわしい儀式といえないか。
 さあ、削ろう。鰹節を購入した際にいただいたパンフレットから削り方をご紹介しておく。
鰹節の削り方
1)鰹節の尾を前方にして鰹節の頭の部分を削り器にあてる
2)鰹節は両手で持ち、カンナとの角度はおよそ40度を保つ
3)削り器は腰より低い位置に置き、体重をかけながら鰹節を前方に削る



海の博物誌
 登山家やヨット乗りのなかには「必要とあらば、いくらでも食べられます」という人がいる。激しい環境に暮らしていると、人間でも食いだめができるようになるらしい。が、たいていの人は1日2~3回の食事をして、胃や腸と折り合いをつけている。
 魚の場合も、食いだめできるタイプとそうでないタイプがあって、できるのはサバ、カツオ、マグロ、シイラ、メバル、タラなど。できないのはコイ、フナ、ウグイ、タナゴ、サンマ、トビウオ、ベラなどである。
 カツオやマグロなどは、立派な胃を持っており、エサに恵まれたときは大量に食べる。腹いっぱいになった後は、たとえイワシの群れが側を通っても見向きもしない。
 人間からみれば、こういうときの魚は始末が悪い。まきエサに反応せず、したがってハリにもかからないからである。
 いっぽう、コイやサンマなどには、一時貯蔵庫にあたる胃がない。胃を切除した人と同じで、少しずつずっと食べ続けていなくてはならない。しかしうまくしたもので、こういう魚は、簡単に手に入るものをエサにしている。


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「マリーナ百景」 今月は福島県の「磐梯マリーン猪苗代マリーナ」
全国に点在するさまざまなマリーナを紹介します。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」今月は北海道羅臼町の鮭定置網漁
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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【編集航記】
 以前、ソルティライフのルアーフィッシングの話の中で、「魚食性の魚を釣るならルアーの方が有利」というようなことを書いていましたが、先日訪れた壱岐の漁師は、生き餌を使ってサワラやタイ、ヒラマサなどを面白いように釣り上げていました。生き餌は漁場で調達。というより、最初に小さな疑似餌にイワシや小アジを食わせ、そのまま泳がせて、次の大物がそれを食うのを待つのです。漫画のような釣り方ですが、事実、漫画のように面白い。漁師も「この釣りは楽しい」と断言していました。(編集部・ま)

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