ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 船遊びの天敵
キャビンの棚 涼しげな木陰のような空間を創る「ZEE AVI」ジィ・アーヴィ
船厨 「スルメイカの浜煮」
海の博物誌 右小回り、左大回り
YAMAHA NEWS 「マリーナ百景」更新/「マリン体験レポート」FR-23 東京湾クルージング/「2010 ヤマハマリンカレンダー」ご予約受付中!/「EXULT(イグザルト)36 Sport Saloon」新発売/「Fishing Mate 23Cuddy EX」新発売/「ベイフィッシャー 23」新発売
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MONTHLY COLUMN
 先日、千葉県の木更津市でミニボートフェスティバルが開催された。子ども向けのミニボートの体験乗船(なんと実際に操船できる!)、各メーカー艇の体験試乗、ミニボートオーナーによるハゼ釣り大会などのイベントが行われた。木更津の町おこしを目的とした市民イベントとの共催で多くの人々が会場を訪れ、ボート体験試乗には長蛇の列ができた。何より、ボートを実際に操るこどもたちの生き生きとした姿はとても印象に残った。
 さて、そんな幸福感に包まれた世界の中で、「こんなはずじゃなかった」と、おそらく苦悩に満ちた数十分を過ごした子どももいた。東京湾の自然観察体験会の船で、船酔いを体験したのだった。船の上で、海からすくい上げた小魚やウミウシや蛸などを手づかみで楽しそうに観察している子供たちを尻目に、その子は顔を上に向けることもできず、ただひたすら時が過ぎるのを耐えていた。
 船酔いは、医学的には「動揺病」と呼ぶ。要するに日常とは異なるへんてこな動きに身体が対応できずに、自律神経失調となり、気持ちが悪くなる。個人差があって、酔わない人もいる。これが、船酔い経験者のわたしから言わせるとたちが悪い。どんなに彼らが明くる励まそうとも、こちとらダメなときはダメなんである。かえって鬱陶しいのだ。
 ただ、学生時代のクルージングクラブで、ある先輩が投げかけた言葉は今でも心に刻み込まれている。
 「船酔いで吐くなんざ、小便するのと同じだ。とっととすっきりしてお前も働け」
 なるほど。船酔いは正常な人間の営みの中で起こりうる、まっとうな生理現象なのだと思えば、惨めな気持ちも少しは薄らぐ。
 船酔いには体調や心理的な側面も作用する。嫌々ながら船に乗ったとき(実は仕事でたまにある)、極端な寝不足のとき、宿酔のとき(このケースにおける気持ち悪さは原因が曖昧)に船酔いは起こりやすい。
 で、果たして対処法はあるだろうか。まずは原因を自ら起こさないこと。船に乗るときはうきうきと、当事者意識を持って。体調を整え、前日には深酒をせず、たっぷりと睡眠をとることが肝腎だ。満腹や空腹も良くない。そのほか現場では、「なるべく前側の遠くの景色を見る」「キャビンよりは風当たりのいいデッキにいる」「指をかむ」「飴をなめる」などの対処法がある。酔い止め薬も効果があるだろう。
 そして最も効果的なのは「慣れる」ことではあるまいか。ちなみに若者より、年齢の高いものの方が船酔いは起こりにくい。要するに年かさのベテランが船酔いをしなくなるのはこのためだ。車の場合はその傾向があからさまだから納得できる。
 ボート遊びにとってあまりにもネガティヴな存在なだけに、業界で「船酔い」に触れられることは少ないような気がする。だが、実際に起こるのだから仕方がない。そもそも、そのうちに慣れるもののために、海の素晴らしさを放棄するなんてばかげている。
 木更津の船の上で吐いていた子どもは船が嫌いになってしまっただろうか。「船で吐くのはオシッコするのと同じだなんだぜ」とでも言ってやれば良かった。

田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 ビーチ・ボーイズ、ジャック・ジョンソンと、アメリカで育まれたサーフ・ミュージックの紹介が続くなか、今回取りあげるのはマレーシアのボルネオという手つかずの自然環境をバックグラウンドにして、静かなアコースティックギターやウクレレを奏でるジィ・アーヴィという若干23歳の女性シンガー。
 12歳でクアラルンプールに移住して以来ずっとその地に住んでいるという彼女のデビューのきっかけは22歳のとき。誕生日に自分で撮った弾き語りをYou Tubeに載せたところ、レーベルからのコンタクトを含む約3,000ものメッセージが寄せられたのだそう。その前からも自作の曲を載せ続けた積み重ねがあっての反響だとは思うが、そんな夢に描いたようなサクセスストーリーもあるものだと、インターネットが持つ可能性をつくづく思い知らされてしまう。
 マレーシアで生まれ育ったとはいえ、歌うのは流暢な英語。このデビューアルバムはジャック・ジョンソンのブラッシュ・ファイアー・レコーズで制作されたもの。彼との音楽性は大雑把に考えれば類似していると言うことができるものの、ジィ・アーヴィから発せられる音には、リスナーが気持ちよくまどろんでしまうような性質がある。
 「ZEE AVI」
 ジィ・アーヴィ
 発売/ユニバーサル・
     インターナショナル
 定価/2,500円(税込)




船厨
 浜煮とは文字通り浜で煮たもので漁師料理の典型である。ただ、編集部の長年にわたる漁業の取材経験のなかで、浜煮に遭遇した経験はほとんど無く、実際に漁師やそのおかみさんが浜で料理をしているシーンはテレビの中でしかお目にかかったことがない。我々庶民はこのテの料理にはめっぽう弱い。つまり、新鮮で豪快で美味い魚介料理だ。
 さて、家庭で、マイボートで、新鮮な魚介を手に入れるのも、豪快な料理を楽しむのも腕次第。新鮮な魚介を手に入れる腕に乏しければ、迷わず信頼できる魚屋に行けばよい。
 「スルメイカの浜煮」ではいかのはらわたをふんだんに使う。スルメイカは秋から冬にかけて肝臓が肥大するので、この料理はこれからが旬ということになるだろう。スルメイカの鮮度を見分けるコツは三つあるといわれる。まずはさわってみて足の吸盤が吸い付いてくるもの。茶色っぽい赤ではなく、黒赤か白いもの。そして身の締まっているもの。
 ちなみにイカに限らず魚介は値が安いときの方がうまいというのが定説。魚は大漁のときの方が品がよいのだ。
スルメイカの浜煮
●材料
するめいか1杯、酒50cc、醤油25cc、みりん25cc、砂糖 小さじ1弱、水100cc、万能ねぎ 適宜

●作り方
1)イカは軟膏を抜き取り、肝が破けないようにそっとはずし、胴と足を分ける
2)足を胴に詰め、水、酒、醤油、みりん、砂糖の煮汁でさっと煮る
3)肝はすみ袋をはがし裏ごしし、煮汁と合わせて一煮たちさせる
4)イカを食べやすい大きさに切り皿に盛り 3)を掛け、万能ねぎの小口切りをのせる



海の博物誌
 高速道路で、急に中央分離帯がなくなって対面交通になったりすると、ブレーキに足が伸びる。あるいは山道でセンターラインがなくなったときのとまどい。対向車が突っ込んで来ないかと心配になるものだ。
 だから、中央分離帯もセンターラインもない海で、ましてや港の入口など見通しの悪いところで突然対向船が現れたら、きっと急ブレーキをかけたくなることだろう(ボートにブレーキはないが)。
 その危険性を少なくするために、海の交通法規の一つ、港則法に規定がある。それは、港内においては、防波堤、埠頭その他の工作物の突端または停泊船舶を右舷に見て航行するときは、できるだけこれに近寄り、左舷に見て航行するときはできるだけ遠ざかって航行しなければならない、というもの。
 つまり、右回りは小さく、左回りは大きく回れ、ということだ。船は右側通行が原則なので、理にかなっているし、原則を守っている船なら自然にできることだろう。


ヤマハニュース

「マリーナ百景」 今月は紀伊水道が眼前に広がる徳島県の「小松島マリーナ」
全国に点在するさまざまなマリーナを紹介します。

「マリン体験レポート」 FR-23 東京湾クルージング
ボート、マリンジェットの遊び体験や免許取得体験など様々なレポートをお届けします。

「2010 ヤマハマリンカレンダー」 ご予約受付中!

クルーザー「EXULT(イグザルト)36 Sport Saloon」新発売
先進のデザインと最高の品質を追求したサロンクルーザーを発表しました。

フィッシングボート「Fishing Mate 23Cuddy EX」新発売
オールシーズン、オールウェザー、釣三昧をクローズドカディが実現。

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ワイドでフラットなデッキが特徴。様々なマリーンシーンに対応したモデル。


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【編集航記】
 木更津でおこなわれた「みなと木更津 海まつり」は、なかなかたのしいイベントでした。ステージでは前号のCD紹介で取り上げた永瀬ももさんが熱唱。前回、ボートの上で聞いたときは音響設備が貧弱だったのですが、今回は歌のうまさがこれでもかっていうくらいに伝わってきました。『YOKOHAMA Twilight』のメロディが頭の中でリフレインしています。何かと海辺に縁のあるシンガーとして、応援しています。(編集部・ま)

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