ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 魚を獲るのは楽しい
キャビンの棚 江戸の暮らしを支えた「水売り」の世界
「道三堀のさくら」
船厨 冬の味覚を鍋で。「アンコウ鍋」
海の博物誌 黒潮と親潮、どちらが透明?
YAMAHA NEWS 「ボートショー2010 IN横浜」入場チケットプレゼント!/マリンジェットのレンタルが4月よりスタート!/「EXULT」スペシャルサイト公開!
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MONTHLY COLUMN
 九州と対馬のほぼ中間に位置する玄界灘・壱岐諸島周辺は、対馬海流と日本海流が洗う絶好の漁場である。
 その島々のひとつ、壱岐本島の目の前に浮かぶ長島に生まれ育った漁師のYさんの漁に同行する機会があった。Yさんは昭和36年生まれの48歳、まさに働き盛りの漁師だ。
 Yさんはいわゆる後継者だが、学校卒業後すぐに漁師になったわけではない。
 「30歳までは家電製品の販売をやっていたけれど、小さい頃から(家業の)漁業を見てきて、自分もそろそろ一本立ちしたいと思ったのがこの道に入った動機。魚が獲れたときは儲かる、だめなときは自分のせい。そんな世界が性に合っていた」という。そして「なんといっても魚を獲るのは楽しい」と断言する。
 「陸の人も子どものころ魚釣りに熱中した記憶を持っているだろうし、大人になっても釣りが好きな人は多い。自分にとってはそれと同じ。あれこれ工夫して魚を獲ったとき、いまでも子どもの頃に魚を釣り上げたときと同じ興奮が味わえるんだ」
 12月から6月にかけてはマグロの季節。対馬と壱岐の中間に位置する七が曽根周辺まで15海里ほど船を走らせ、一本流しで釣り上げる。漁は夜中の12時に出船、まずエサとなるイカ釣りにはじまり、その後、本命のマグロを狙う。獲物は50キロから100キロクラス。
 「40~50キロだったら最低でも月に10本は釣れないと商売にならない。その中で大物が何本かかるかが楽しみ。以前、130キロのマグロがかかったときは船にあげるのに2時間かかった」
 そう話すYさんの顔はスポーツアングラーのそれと何一つ変わらない。
 夏から初冬にかけては「落とし釣り」の季節。この漁法が面白い。まず、疑似餌に鰺や鰯を食わせてそのまま泳がせ、それらを食いにやってくる大物を狙う、まるで漫画のような漁なのだ。獲物はタイ、ブリ、ヒラマサ、ヨコワ、イサキなど。もちろんこれもまたマグロと同じく、Yさんにとって楽しい仕事のようだ。
 マグロの季節は夜中の12時から夕方の5時まで、落とし釣りの時期は朝の5時から夕方の5時まで、働きづめの日々が続く。
 「休みの日はほとんど道具を作ったり船を掃除したりして過ごしているかな。趣味? それはもちろん魚釣りだよ」
 本人は「楽しいから続けられる」とはいうけれど、荒れた海に一緒に行ってみると、やはり素人にはきつい。そこがプロとアマチュアとの大きな差なのだろう。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 水事情のよろしくない海外に出むくたびに、日本の環境に改めて感謝する方は多いのではないか。なにしろ日本では、水道をひねればそのまま飲める水が出てくる。昨今はそれでも浄水器を付けたり、飲料用にミネラルウォーターを買い求める向きもあるようだが、それでも日本の水道水は飲める。小樽や大阪などでは水道水をペットボトルに入れて販売しているほどだ。
 日本では江戸時代には既に「上水」と呼ばれる水道が整備されていた。1654年には玉川上水が建設され、17世紀の終わりまでには亀有、青山、三田、千川の各上水が整備された。ところが江戸時代の後半になると神田と玉川以外の上水が廃止される。江戸の川向こう、つまり隅田川より東の地域は、生活に欠かせない水を「水売り」から買い求めていた。
 「道三堀のさくら」は、そんな江戸時代後半に活躍していた「水売り」の世界が描かれている。雨の降らない日々が続き、水が不足するなかで、主人公・龍太郎がいかに川向こうに水を届けるか。また、いかに美味い水を造るか。山本一力が綴る時代小説では定番ともいえる「男の仕事に対する情熱」は、ここでも男っぷりの良い主人公を通して描かれ、さらに恋愛小説の風味までも加わっている。
 水を汲み、そして川向こうへ運搬するのはもちろん「船」だ。江戸の運河に様々な船が行き交ってたことも小説を通してうかがえる。小説のテーマとは異なるが、船乗りの気質や交流が描かれているところが我らにとっては楽しい。
 「道三堀のさくら」
 著者/山本一力
 発行/角川文庫
 定価/740円(税込)



船厨
 どうにも見た目はグロテスクなのに美味いものというのがある。あまりにも当たり前の食材なので深く考えたことはないかもしれないが、伊勢エビや蟹などはその代表格。顔を正面からまじまじと眺めていると、エイリアンそのものだ。
 アンコウもそんな魚介のひとつだろう。実際にアンコウを見たらとても食べる気になれない、それほど奇妙な魚だ。身体はぬるぬるで、裁きにくく、そのため独特の「つるし切り」が生まれたと聞いている。
 さて、アンコウはその姿ばかりではなく、もう一つ変わったところがある。食材として、その身肉よりも、キモをはじめとする各部位の方がうまいとされている点だ。それらの部位と身肉を証して“七つ道具”と呼ばれている。まずは居酒屋などで、「アンキモ」として飲んべえにはおなじみの「キモ」。そして「ヒレ」「カワ」「エラ」「ランソウ」「イブクロ」「ニク」。一般に売られている鍋用の食材には、だいたいこれらがバランスよくパックされているはずだ。
 アンコウ鍋といえばワリシタを使うのが一般的だが、今回は味噌仕立てを試してみた。アンコウは2月が旬。大いに楽しもう。
アンコウ鍋(2~3人分)
●材料
味噌 大さじ5、みりん 大さじ1、酒 大さじ1、塩少々、水 900cc、アンコウ400g、白菜、長ネギ、春菊、エノキ、シラタキなど適宜

●作り方
1)鍋に水、味噌、みりん、酒、塩、水をよく混ぜ、中火でひと煮させる
2)一度熱湯にくぐらせたアンコウを鍋に入れ、弱火で一煮立ちさせる
3)好みの野菜を入れてできあがり



海の博物誌
 海の水は濁っているより澄んでいるほうがやっぱりいい。灰色がかった東京湾より、珊瑚や熱帯魚が見える沖縄の海のほうが、何といってもきれいだし、安全な感じがする。
 海水の透明度は、船上から直径30センチほどの白い円盤を沈めてゆき、それが見えなくなった時点の深さを計り、それを何度か繰り返して平均値を出す。東京湾の透明度が1メートルから2メートルという場合は、白い物を水面から1メートルから2メートル入れるともう見えないということである。このハイテクの時代に、信じられないような原始的な方法だが、これでコト足りているということらしい。
 さて、日本の周りを流れる海流、北から親潮と南からの黒潮のどちらが透明度が高いかというと、親潮は10~15メートル、黒潮は30~40メートルで、黒潮の方が断然澄んでいる。
 これは親潮がプランクトンなどをたくさん含んでいるのに対し、黒潮は少ないため。この場合、魚にとっては、透明度の低い親潮のほうがエサが多くて好ましい水だといえるのだ。



ヤマハニュース

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【編集航記】
 会員制マリンクラブ「シースタイル」のメニューにいよいよマリンジェットが追加されました。特殊小型免許を持っている会員ならば、有料の講習を1日受講すれば全国のマリンジェットレンタル運用のホームマリーナでマリンジェットをレンタルすることができます。その後、はじめてのマリーナを利用する場合は、最初の1時間でローカルルールや水域情報を学ぶことができるので安心して利用でき、かつ、初心者でもマナーを逸脱することもなさそうです。今年の夏の楽しみのひとつですなのですが、ひとつ心配が。メタボ気味の体系に合うウェットスーツは果たしてあるのか。 (編集部・ま)

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