ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN ジュニアセーラーの夏休み
キャビンの棚 人生を豊かにする食「奇跡のタッチダウン」
船厨 手早く、旨く、豪快な「マグロのかぶと焼き」
海の博物誌 星がキラキラすると雨
YAMAHA NEWS ボート免許にトライ!/東京ベイエリア・ボートドライブセミナー/「大漁ネット」更新/残価設定型クレジットのご案内
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MONTHLY COLUMN
 公益財団法人 ヤマハ発動機スポーツ振興財団が運営している「ジュニアヨットスクール葉山」では、今年から新たな試みとして、夏休みの期間を利用した野外体験学習プログラムをスタートさせた。同校の生徒たちは、日頃シングルハンダーでトレーニングを行い、個の力と個性を伸ばすセーリング指導を受けている。今回スタートさせたプログラムは、それに加えて、自然との関わりや、他人との関わりを重視し、逞しさと協調性、リーダーシップを育成することに主眼が置かれた。
 この夏、同校のスクール生たち(小中学生、および高校生)はウォーターワイズの概念を取り入れた海辺での安全講習で命の大切さを学ぶとともに、危険を知ることで自分の命を守る術を知り、毎年行われている野尻湖合宿の最終日には高原をトレッキングして仲間と協力することの大切さ、チームビルドを学んだ。
 そして8月の21日、22日の2日間では2隻のセーリングクルーザーに分乗して、伊豆大島への外洋帆走訓練に臨んだ。神奈川県の葉山港を出港して26マイル(約42km)南方に浮かぶ伊豆大島を目指し、岡田港に入港後は「大島町立海のふるさと村」に移動、グループごとに力を合わせて慣れないテントを張り、夕食は生徒自身でメニューを考えて自炊した。22日(日)は午前中に地元のインストラクターの指導のもとシュノーケリングや海浜探索を体験、昼には再びセーリングクルーザーに分乗し、母港・葉山を目指した。
 小欄は、大島クルージングをハイライトとするこれら3つのプログラムの全てに同行取材するという幸運に恵まれ、その間、様々な発見をし、子供たちとともに、とても充実した夏を過ごすことができた。
 何より楽しかったのは、それぞれの場面、環境によって変わっていく子どもたちの姿をみることだった。
「もっと巻いて! もっと!」「シートを引いて! はい、オーケー!」
 40フィートのクルーザーのコックピットで大声を張り上げてスピントリムの指示を出している小学生は、シングルハンダーに乗っているときとは別人のような頼もしさだ。
 黒姫高原で2チームに分かれて行われたトレッキングの際にも、リーダーを務めたある小学生は「ペースの遅い下級生に気を遣うなど普段ヨットハーバーではなかなか見せないリーダーシップを発揮していた」とコーチを驚かせていた。
 また、環境による変化だけでなく、数日海で彼らと接していると、生徒たちの日頃の練習で身についている基本的なシーマンシップに驚かされることしばしば。たとえば大島クルージングの際、風が無く、機帆走を強いられる場面もあったが、風が少しでも吹き始めると、生徒たちはすぐにわずかな風の変化を感じて「これならセーリングできるんじゃない?」などといっぱしの言葉を口にする。帆走中にデッキを移動する動きを見ていても危なげない。
 海や水を不必要に怖がらない、というのもここの生徒たちの特徴に思えた。桟橋でちょっとしたミスで舫いがほどけてディンギーが流れてしまったとき、彼らや彼女らは躊躇することなく海に飛び込んで泳いでディンギーを捕まえに行く(もちろんライジャケは付けて)。逆に大島で体験した慣れないシュノーケリングの際はとても慎重で、きっちりとインストラクターの指示に従っている。
 海と接することにかけては普通の子どもたちとは場数が違う。自分ができること、できないこと、海でやってはいけないこと、いいことの判断力が自然と身についている印象を受けた。
 そんな子どもたちがトレッキングや外洋帆走など、一夏の体験を経てどのように成長していくのだろうか。同校の活動場所である葉山マリーナでは、この秋、一回りも二回りも逞しくなったジュニアセーラー達の姿を目にすることができるかもしれない。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
 「奇跡のタッチダウン」
 著者/ジョン・グリシャム
 発行/ゴマ文庫
 定価/780円(上・下巻/税込み)
 「奇跡のタッチダウン」はボートやヨットはおろか、海にも関係のないアメリカンフットボールをテーマにした娯楽小説である。それでも読んでいるうちに、この小説に共感してくれそうな海の男たちの顔が次から次へと浮かんできたから不思議だ。
 NFLで大チョンボを繰り返してきたクォーターバックのプロ選手が、ついにどのチームとも契約を結ぶことができなくなり、イタリアのチームと契約し、海を渡る。様々な挫折を味わいながらもイタリアで頑張るプロフットボーラーの活躍が描かれる。
 アメフトファンならずとも楽しめると思わされるのは、彼が出会うイタリアの文化とカルチャーショックに関する内容。特に食事やワインのことに割かれたページ数の多いこと。そのシーンは見事で、アメリカ人である主人公は今まで自分が食べてきたものはいったい何であったのかと唸るほどの味に酔いしれるのである。
 特にヨットを愛する先輩諸氏に多いのだが、フネで遊ぶ人々には食い道楽、酒好きが多い。それも単に好きなのではなく、知識の深さにまで及んでいく。そして、それらの知識や体験はどうやら豊かな船遊びを送るのに必要不可欠なアイテムであるらしい。
 同じようにアメリカ人の主人公にとって、イタリアでのアメフト生活にはこの「食事」は無くてはならないもの、イタリアを知り、好きになり、よりよいプレーをするのに欠かせないものであったようだ。
 著者のジョン・グリシャムは「ペリカン文書」や「依頼人」など映画化された作品も多い人気作家だが、その守備範囲の広さには感心するばかりだ。



船厨
 ダッチオーブンといえば野山でキャンプするときに使う調理器具というイメージが強いが、持っているとあれこれ料理のイメージが広がってきて、結局は海でも使うことになる。
 Y氏は自らダッチオーブンの販売もする、知る人ぞ知る日本のダッチャーだが、キャンプやキッチンではもちろん、自らシーカヤックも楽しんでいて、山に海にとダッチオーブンの活躍の場を広げている。
 マグロのかぶと焼きは、そのY氏の得意料理のひとつ。深めの同型のダッチオーブンをふたつ使うことで、大きなマグロの頭でも余裕を持って焼けるのだ。マグロのかぶとをダッチで焼くことの利点は、ひとつに比較的短い時間でこんがり、むら無く焼けること、そして旨味が逃げずに味わいが豊かになることだ。これをマスターすれば(といっても超簡単)感謝祭やクリスマスに特大の七面鳥を焼くことだってできる。
 何かと肉の鉄板焼きが中心になりがちなバーベキューのメニューだが、こんな食材を使って豪快に振る舞うことができたら、そして喜んでもらえたら、バーベキュー・マスターとして大いに楽しくなってくるにちがいない。 
マグロのかぶと焼き
●材料
マグロのかぶと(ネット通販などで簡単に入手できます)
●作り方
1)マグロのかぶとの切断面を下にしてダッチオーブンに入れ同じ型のダッチオーブンをふたとして使い密閉する
2)鍋の下と上部(ふた)から炭火を用いて中火で約60分間焼く



海の博物誌
 大気汚染が進んだ都会では、星を見て明日の天気を占うなどという風流なことはできないが、海では観天望気はまだ健在である。
 「星がキラキラすると雨」そしてそれとよく似たタイプで「星がまたたくと日中風が強まる」というのもあるが、どちらも的中率70%程度以上のアテになることわざだ。
 星の光は、何層にもなった大気を通り抜けて私達の目に入る。それがまたたいて見えるのは、性質の違った空気の層を通り抜けるときに光が屈折するためである。
 またたきが激しいのは、その屈折が激しくなったとき、つまり大気中の空気の流れが異常になったり、低気圧や前線が接近しているときである。
 したがって、星がチラチラした後の日は、天気が崩れたり、強風が吹いたりすることになる。
 ただし、日頃から星を見慣れていないと、またたき方の違いが分からないから、自分の星を一つ決め、天気のよい日に眺めて普通の状態を知っておくとよい。



ヤマハニュース

ボート免許にトライ!小型船舶2級取得体験レポート
ジュビロラグビーの矢富勇毅がボート免許にチャレンジしました。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/acquire/voice/class-2/

東京ベイエリア・ボートドライブセミナー(無料・9月11日12日開催)
マリンスポーツの醍醐味を映像とトークで紹介する講習会のご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/event/briefing/drive-tokyo/

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」今月は佐賀県有明海の海苔養殖
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/pro-fish/tairyo/

残価設定型クレジット取扱開始のご案内
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/ymvc/


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【編集航記】
 今年の夏は観測史上最高の暑さだったそうで、確かに連日うだるような暑さが続きました。海辺ではともかく、都会では「今日は過ごしやすい」と思える日が一日たりとも無かったような気さえします。でもボートやヨットに乗っているとこの暑さも気持ちよく思えるから不思議です。残暑厳しい日が続きますが、暑気払いはやはり海の上に限ります。(編集部・ま)

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