ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN サースデイ・フィッシング
キャビンの棚 トラウトの美しさに思いを馳せる 「シューベルト ピアノ五重奏曲 〈ます〉」
船厨 応用も利く「しめ鯖」のいろいろ
海の博物誌 落ちた人から目を離すな!
YAMAHA NEWS マリンジェット2011年モデル 「MJ-VXS」「MJ-VXR」 新発売/「マリン事業50年の歩み」更新/ボートドライブセミナー/「大漁ネット」更新
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MONTHLY COLUMN
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 今から20年ほど前に、初めてオーストラリアを旅したとき、パースの市内をゆったりと流れるスワン川に沿って、河口の港町・フリーマントルまで、まる一日かけて自転車で走った。距離もさることながら起伏の多いコースに辟易しながらも河口までの間にいくつもあるマリーナやヨットクラブを訪れては写真を撮らせてもらい、彼の国のマリン文化に感動した。
 夕方、あるヨットクラブでは目の前の川面でヨットレースが行われていた。日付を見ると平日である。このときはじめて「ウェンズデイ・レース」なるものが比較的一般的なものだということを知った。
 最近では先進国に取材旅行することが希なので、それほど平日のレースを実際に見たわけではないが、カナダのケロウナという街を訪れたときも、オカナガン湖にあるヨットクラブが夕方にレースを行っていた。この日もやはり平日で、文字通り水曜日だった。
 もちろん日の長い夏にしかできないだろうが、仕事を定時に終え、マリーナに出かけるというのはなかなかオツだ。住・職・遊の地理的環境がそれぞれお互いに近いからこそできるのかもしれない。人によっては、定時に退社することすらはばかれる雰囲気の職場に身を置いているかもしれない、仕事と遊びのメリハリがない、ケジメがない、と思われる人もいるかもしれない。それでも、ウィークデイの真ん中である水曜日に海に出て、フネにしたしむことのできる幸福な機会は増える。


 先日、平日の午前中に一件あった仕事の打合せの後、都内のマリーナに一目散に移動し、午後からマリンクラブ・シースタイルを利用してボートを出した。このところ、土日の取材が多く休みが取れなかったこと、またしばらくの間、休みが取れそうにもなかったこと、それなのにシーバスの活性が高い東京湾のベストシーズンがずんずんと過ぎ去っていくことに焦っていたこともあって、平日にボートを予約してあった。
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 木曜日だったので「サースデイ・フィッシング」だ。その日は強い雨が降っていた。平日ということもあって、東京湾で釣りをしている物好きな輩はまったくといっていいほど無く、釣り場はどこへ行っても独り占め状態だ。そして平場に出現した鳥山も独り占め。魚の活性はすこぶる高く、一年分のシーバスをこの日に釣ってしまったというぐらい楽しむことができ、陰で舌打ちしていそうな同僚には申し訳なかったけれど、大いにリフレッシュすることができた。
 そして「マリーナで平日の午後にフィッシングトーナメントを開催してくれれば楽しいだろうに」「全てのシースタイルのホームマリーナで半日コースを設定してくれれば」「そういえば海外ではウェンズデイ・レースってやってるよなあ」などと考えていた次第である。
 ただし、半日コースを利用する場合は仕事を片付けた午後からに限る。釣れても釣れなくても、仕事を控えた午後にあわせて早い時間に帰港するのは精神的に至難の業だ。少なくとも僕の場合は。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「シューベルト ピアノ五重奏曲 〈ます〉」
レーベル/ユニバーサル ミュージック
クラシック
参考価格/1,800円
 音楽が、主題となった事象の、これまでに気づかなかった美しさや悲しさ、楽しさといったものを教えてくれることがある。ドビュッシーの「海」では海の荘厳を、ハービー・ハンコックの「処女航海」では夜明け前にフネを出すことの胸膨らむ期待感を。ビル・エバンスの「シースケープ」では、全てを包み込む海の優しさを教えてくれた。シューベルトのピアノ五重奏曲〈ます〉からは何を感じることができるだろう。
 〈ます〉は、ある歌詞に曲付けされた歌曲だ。その内容は「川を泳ぐ美しい鱒を眺めていたら、釣り竿を担いだ漁師がやってきて、澄んだ川の水をかき混ぜ濁らせて、釣り針を鱒から見えにくくして釣り上げる」さまを歌ったもの。ウィキペディアによると、実際には、「男はこのようにして女をたぶらかすものだから、若いお嬢さんは気をつけなさい」という意味の寓意となっているらしい。なるほど、漁師とはいわず、トラウトだって多くのアングラーをたぶらかして虜にさせている。
 底に秘められた寓意はさておき、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスによる独特の編成曲の美しさは、川のせせらぎの清涼感、「トラウト」という魚の美しさを感じるには充分すぎる。



船厨
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 小誌のゲームフィッシュの定義は「カッコイイ魚に限る」は独断だけれど、シーバスが好きなのはそうした理由からだ。だからシーバスを狙っていてほかの魚にルアーを横取りされたときなどは少しばかり腹が立つ。しかし、魚槽に思わずキープしてしまうのはこうした外道ばかりだから一貫性がない。東京湾でシーバスを狙っていると、とてつもなく旨いアイナメや、クロムツ、タチウオなどがかかって、スズキに飽きた舌を愉しませてくれることがある。なぶらがたつとサバやワカシなども釣れて、こうなると生きた魚ではなく調理後の魚を思いうかべながらロッドを振る始末だ。
 サバが釣れたのでしめ鯖にした。
 サバは「鯖の生き腐れ」といわれるほど鮮度が落ちるのが早い。そこでしめ鯖が発案されたとされている。このときのサバはもともと釣ってすぐに生き絞めにしたので鮮度には申し分はない。また、さすがに秋の鯖だけあって、脂ものっていてまことに旨い。
 さて、このしめ鯖を二次加工するという手もある。敬愛する素敵なママさんアングラーに教えていただいた「炙りしめ鯖」は、しめ鯖の皮に軽くバーナーで火を当てるだけ。実際に試すと独特の香ばしい風味がたまらない。またある料理本をめくっていたら「焼きしめ鯖」というのもあったので試してみた。これはしめ鯖を普通にしっかりと網で焼き、かぼすをたっぷり絞りかけて食す。酢が独特の風味を引き出してくれる。ともにおすすめだ。
「しめ鯖」(2~3人分)
●材料
鯖 1尾、塩 大さじ2、酢 1カップ、砂糖 大さじ1、薄口醤油 小さじ1
●作り方

1)サバは三枚におろし腹骨を削ぎ落とし、小骨を取る
2)サバは両面に塩をまぶし受け皿に乗せたざるに乗せ2~3時間おきさばの水分を出す
3)サバの表面の塩を水で洗い流し、水気をよくふき取る
4)酢に砂糖と薄口醤油をあわた合わせ酢に30分から1時間、時々返しながら漬け込む
5)好みの漬り具合で取り出し、皮を引いて7ミリ程の厚さに切る



海の博物誌
 山の事故でも転落は多いし、日常生活でも窓から落ちる人はいる。もちろん、海でも船から落ちることがあり、落水と呼ぶ。
 落水に気がついたときは、まず大声で全員に知らせ、落ちた人から目を離さないようにしなくてはならない。船は急に止まれないし、荒れた海では波が大きく、目印を覚えておくというわけにもいかないからである。ちょっとでも目を離すと、落水者は波にのまれて見えなくなってしまうことがある。
 次に大切なことは、落水者が出たら、すばやく救命具を落水者めがけて投げること。これは落ちた人がつかまるためのものであると同時に、落水者の位置の目印にもなる。
 なお、落水者に気がついたとき、あわてて船の針路を変えてはいけない。目印が何もない海では、いったん向きを変えてしまうと方向の感覚が鈍るので、必ずワッチ(見張り)を立てるのが大切。
 いずれにしてもボートやヨットに乗る場合は、必ず救命胴衣を身につけたい。



ヤマハニュース

マリンジェット2011年モデル 「MJ-VXS」「MJ-VXR」 新発売
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/marinejet/

「マリン事業50年の歩み」マリンジェット・漁船を更新
ボート、ヨット、ジェット、船外機などヤマハマリン事業の歴史を紹介します。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/history/

ボートドライブセミナー(無料・11月14日千葉/21日神奈川)
マリンスポーツの醍醐味を映像とトークで紹介する講習会のご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/event/drive-kanto/

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」~今月は設計室便り
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/pro-fish/tairyo/


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バックナンバー
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【編集航記】
 10月に浜名湖のシーバスのトーナメントに挑戦。かってしったる東京湾とは異なり、なにやら雲をつかむような雰囲気が新鮮でした。11月には広島でジギングのトーナメントにチャレンジです。これらの大会は、ボートフィッシングの魅力を多くの人に体験して欲しいとねがってマリンの業界団体である日本舟艇工業会が全国各地でリードして行われているもの。日々の釣りも楽しいものですが、チームごとに競うボートフィッシングもなかなか魅力があります。今年参戦できなかった方は、来年ぜひチャレンジを。

(編集部・ま)

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