ソルティライフ ソルティライフ
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いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
イラスト・Tadami

謹んで地震災害のお見舞い申し上げます。

この度、東日本大震災により被災された皆さまにお見舞い申し上げるとともに、
被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


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MONTHLY COLUMN ウォーターワイズと小さな誇り
キャビンの棚 船は自然が造らせてくれる「唐桑・海と森の大工」
船厨 残暑に元気の出る「スズキのオーブン焼き」
海の博物誌 ヨット・モーターボートの保険
YAMAHA NEWS 第23回全国児童「水辺の風景画コンテスト」のご案内/フィッシングボート「SR-X説明映像」公開/「フィッシングコンテスト2011」のご案内/「ボート免許無料説明会」のご案内(関西・中部地区)
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MONTHLY COLUMN
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 昨年に比べると、明らかに天候が違った。前線の影響で、目的地の伊豆大島の浮かぶ方角から南の風が吹き付けていた。ちょっとしんどいクルーズになりそうだ。ヨットスクールのスタッフが生徒や保護者を前に、予想される海象について説明する。「ひたすらクローズで走らなければならない」こと。「子どもによっては船酔いがきつくなりそう」なこと。「予報では3日後の帰りには北風が強まり同じくクローズで帰ってこなくてはならない」ことなど。もちろんスタッフたちはベテラン揃い、ヨットもしっかりと整備され、子どもたちを安全に乗船させることは可能だ。
 いつになく真剣な面持ちでコーチの話を聞いていた生徒たちは「それでも行きたい」ときっぱりと言い放った。彼等は「海の子」である。
 昨年に続いて、公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団が運営する「YMFSジュニアヨットスクール葉山」では夏休みを利用した「大島外洋帆走訓練」を実施した。行程は神奈川県葉山のマリーナから、伊豆大島・岡田港までの往復52マイル。相模湾のヨット乗りからすれば1泊2日のクルージングにもってこいの行程かもしれないが、普段、ディンギーでヨットの練習を重ねている同校の生徒たちにしてみれば大冒険である。
 それでも、昨年の「最高のセーリング日和」とはうってかわる荒れ気味の海の中であっても「行きたい」ということができたのは、コーチたちに対する信頼はもちろんのこと、彼等のちょっとした自信と誇りの表れだったのかもしれない。 
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 昨年から同校では、セーリング指導だけにとどまらない、さまざまな自然体験学習を行ってきた。主に、自然の偉大さを知り、その中でチームワークとリーダーシップを発揮しながら過ごす体験は、彼等を少しずつであるが、確実にたくましくしているように見える。日本ライフセービング協会の協力のもと、2年連続で行った「水辺の安全教室」では、救助方法だけでなく着衣泳や落水した時の救助を待つ姿勢のとり方などを学んだ。効果はそれらの修得にとどまらず、なによりも「海での危険を察知しよう」とする姿勢を身に付けた。どんなときが危険なのか、どうすれば身の安全を確保できるのか、理屈ではなくからだで理解している。いわゆる「安全意識」が高い。それらに加わり、普段の練習で身に付けた「海との付き合い方」の基本姿勢のようなものを持っている、彼等の顔つきからはそのようにうかがえる。
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 クローズホールドで26マイルを走りきり、シュノーケリングなどを満喫し大島で2泊した後、葉山までの26マイルの航海に出港した。予想通りの北風だ。デッキ上の位置によってはひたすらスプレーを浴び続けるような海象の中で、子どもたちは航海を続けた。もちろん船酔いのためその時間のほとんどをキャビンで寝ていることしかできなかった生徒もいた。しかし、それも「海」なのだと、彼等は知っている。デッキで動く時は自然と腰が低くなる。必ず索などにつかまる。そんなことも身についている。みんな、自然の怖さを知っている。そして今もそれを体験している。
 今年の夏も多くの不幸な水の事故が起こった。だからといって、子どもたちを水辺から遠ざけてはならないという考え方もある。自然教育とは体験を通して何が危険で何が安全か、どうすれば身を守ることができるのかを伝える、つまり「ウォーターワイズ」の伝承が大切なのだと。
 航海をやり遂げた生徒たちが、出迎えた保護者に向かって誇らしく振る舞うのを見ていると、それは間違っていないように思えた。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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著者:西田耕三、高橋恒夫、瀬戸山玄、
   渡邊裕之・高橋和志(共著)
発行:INAX BOOKLET
定価:1500円(税別)
 森が豊富な栄養素を海に運び、豊かな漁場を生み出していることは、いまではよく知られた話だ。唐桑はそんな条件の揃った漁師町だ。さらに沿岸は複雑に入り組んだ三陸のリアス式海岸、そして親潮と黒潮がぶつかり合う沖合は、豊かな漁場を育んできた。そしてそこには、気仙大工と呼ばれる優れた技術集団があった。唐桑御殿と呼ばれる旧家の美しさを見れば、その腕のほどは想像に難くない。
 FRP船の誕生は日本の沿岸漁業に革命ともいえる省力化をもたらした。低コストで大きな船が造ることができ、波にも強く、仕事を大幅にらくにしてくれる。積載量も増えるから稼ぎも増えた。それでも、木造船に心を寄せる漁師は今でもいるし、船自体はFRP製だが、ちょっとした部分にあえて大工に頼んで木を使うという漁師は多い。
 本書は唐桑の木造船の技術と歴史を綴ったドキュメンタリー。半世紀にわたって、500隻以上もの木造船を造り続けてきた船大工の棟梁・岩淵文雄さんへのインタビュー、そして木造船造りの現場のドキュメントと漁業の町・唐桑の美しい風景がを紹介されている。
 ものづくりへの情熱は、それを理解する多くの使い手によって支えられるのだと思わされる。それは船に限ったことではないだろう。



船厨
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 関東地方のシーバスアングラーにとってボートでのシーバスフィッシングの最盛期は10月から11月にかけてといって良いかもしれない。特に編集部がフィールドとする東京港にはこの時期、イワシが湾内に入り、それに合わせ鳥山は立つし、エサの豊富になる平場では思わぬランカーが釣れるし、深場をジグで攻めてもいい結果が出たりと、幅広く楽しめる。
 が、鱸(シーバス)の旬は、まごうことなき「夏」である。東京港で釣りをしている方にはピンと来ないかもしれないが、とにかく夏なのである。ただし、ものの本によると西日本では秋から初冬にかけての産卵にそなえた鱸も脂が乗っていてうまいとされている。異論はないが、できれば子持ちの魚はリリースしたい。
 さて、残暑きびしいこのごろ、なかなかのサイズのシーバスが釣れたので、大きめにざっくりと切り身にして、チーズとハーブを掛け合わせてオーブンで焼いてみた。ワインでとどうぞ。
「スズキのオーブン焼き」の作り方
■材料
スズキ 1尾(3枚におろす)、にんにく 2片、オリーブ油 大さじ3、パン粉 大さじ4~5、パルメザンチーズ 大さじ2、塩、コショウ、イタリアンハーブ 適宜
■作り方
1)スズキは2~3切れづつ切身にして大目に塩コショウしておく
2)オーブン皿にオリーブ油大さじ1を敷きスズキの切身を並べる
3)2にスライスしたにんにくをのせ、イタリアンハーブ(ドライミックス)を好みで振りかける
4)パン粉とパルメザンチーズを混ぜて振りかけ、オリーブ油を回しかける
5)200℃のオーブンで15分ほど焼く



海の博物誌
 自動車事故の場合は、たとえ海に落ちたものでも、保険会社はその車を見て保険金額を決めることができる。ところが船の場合は「全損」というとたいてい海の底。調べようにも、保険金より船の引き上げ代金の方が高くついてしまう。
 そこで、ヨット・モーターボート総合保険の約款のなかには「推定全損」という項目が設けてある。「被保険船舶の行方が60日間を経過してもなおわからないときは全損したものと推定します」という具合である。
 また、捜索救助費用保険が適用されるのは、はっきり遭難したことがわかっている場合以外は、行方不明になって48時間たたないと遭難とはみなされない。さらに、行方不明になった人の関係者が、警察、水上警察、漁業組合、サルベージ会社、航空会社のどれかに捜索を依頼してはじめて、保険の対象としての遭難、ということになる。 いずれにしても海の遭難は海上保安庁が中心となって救助が行われるため、大がかりなものとなる。



ヤマハニュース

第23回全国児童「水辺の風景画コンテスト」のご案内
水辺で「発見」「体験」した事を描いてみよう!募集期間7/20~9/30
http://www.ymfs.jp/project/culture/contest/2011/

フィッシングボート「SR-X説明映像」公開
今夏登場した「SR-X」に込められたデザイン・テクノロジーの全てを紹介します。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/fishingboat/sr-x/

「フィッシングコンテスト2011」のご案内
シースタイル会員向けの釣り大会のご案内。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/event/fishing-contest/

「ボート免許無料説明会」のご案内(関西・中部地区)
取得方法、免許取得後の楽しみ方まで、詳しく知りたい方向けの説明会です。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/briefing/


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【編集航記】
 いよいよ最後の二桁号。次号は100号を迎えます。イラストレーターのTadamiさんとも話したのですが生まれては消え、かと思うと次々と新しいものが生まれていく移ろいやすいデジタル世界の中で、毎月1回、8年間もの長きにわたって、メールマガジンをお送りできたことはまことに感慨深く、ひとえに読者の皆さまのおかげと感謝します。次号は100号記念特集号としてお届けする予定で、素敵なプレゼントもご用意します。ご期待ください。
(編集部・ま)

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