ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
イラスト・Tadami
イメージ
MONTHLY COLUMN ニッポンの海を楽しもう
キャビンの棚 海の男の心意気を堪能できる映画「ラムの大通り」
船厨 あっという間にできあがる「塩鮭の燻製」
海の博物誌 洋上のローテクとハイテク
YAMAHA NEWS

スポーツボート「SX210」「AR190」新登場/マリンジェット2012モデル/「シースタイルフェスタ」マリンクラブのイベントレポート

12月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

MONTHLY COLUMN
イメージ
 11月の始めに、宮城県の塩釜を訪れた。ボートフィッシングのトーナメント「BOAT GAME FISHING 2011 in塩釜」を取材するためだった。大会前日の夕方に塩釜に入って、ホテルに荷物を放り込み、取材スタッフの仲間と雨の中、近くにある小さな小料理屋に駆け込んだ。客は僕ら以外になく、おばちゃんとの会話も弾んだが、そのうちに話しの内容はあの日の出来事にいきつく。こちらはもっぱら聞き役ではあったが、津波で兄を亡くしたというおばちゃんの話は身につまされる。
 自分自身を冷たい人間だとか、他人に無関心な人間だと考えたことはないけれど、それでも大きな勘違いをしていたのかもしれない。3月に起きたあの地震は東日本に甚大な被害をもたらし、多くの日本人が悲しみ、そして「頑張ろう日本」との合い言葉を唱えた。でも、そんなことをいわれなくたっておばちゃんは生きて行かなくてはならない。その小料理屋にいた3人の中で頑張っているのはおばちゃんだけだ。僕はたいして頑張ってはいない。「頑張れ」といってはいけない「頑張ろう」といえ、そんな風潮が一時期はあった。いまもあるのか。でも実際のところ僕にいえるのは「頑張ってるんですね。これからも頑張ってください」だった。


イメージ
 塩釜での「BOAT GAME FISHING 」は今年で二回目を迎えたが、自粛ムードもあって大会の実行委員会では中止も検討されていた。それでも実施にこぎ着けたのは、このイベントを「宮城の、東北のプレジャーボート復興の第一歩にしたい」という強い思いがあったからだという。もちろん主催者達はマリンを商売にしている人たちだから、プレジャーボートの復興を願うのは当然といえば当然なのだろうけれど、それでも多くのプレジャーボートオーナーやスポーツアングラーがその思いに応えた。みんな海に出たい、海で遊びたい、釣りをこれからも楽しみたいと願ってやまない人たちだ。
 大会は11月6日に開催された。この日エントリーした25チームのうち、多くは仙台の南南東・亘理沖の海域を目指した。メロウド(小女魚)が群れるポイントで、バーチカルジギングでメロウドを餌としているワラサを狙う。世界三大漁場とうたわれる仙台沖の海は今だってその名に恥じることなく豊饒だ。水中に躍るルアーに良サイズのイナダが無邪気にアタックしてくる。全ての参加艇はあっという間に検量分をキープし、時間をかけてサイズアップを狙っていった。
イメージ
 豊饒なのは沖合だけではない。ロックフィッシュの愛好家達は松島湾沖の島や岩場のさらしを中心に主にアイナメを狙っていた。この日は驚くような大型は出なかったけれども、各艇ともなかなかのサイズをキャッチしていて検量所に釣果を持ち込んだ。
 表彰式の会場は塩釜港内に建つ観光拠点「マリンゲート塩釜」だ。周辺の信号機はまだ消えたままだったが、もう営業を再開していて、レストランや土産物屋もある。会場は多くのスポーツアングラーの熱気であふれていた。みんな釣り談義に花を咲かせ、軽口を交わしている。その光景は他のフィッシングトーナメントと何ら変わりのないものだ。 
 前夜の小料理屋のおばちゃんと重ね合わせ、笑顔をたたえた人々の中には、もしかしたら悲しみをこらえている人がいたかもしれない、いまも想像を超える苦労を強いられている人もいたかもしれない、そんなことも考えた。でも、きょうはみんなが海に出て釣りを楽しんだ。そこにいたのはだれよりも海の魅力と海が与えてくれる力を知り、享受している人々だった。「プレジャーボートの復興」なんてどうでもいいことだ。「頑張ってください」なんて言葉も不要。あえて言うなら「楽しんでますね。これからも楽しんでください」だ。
 今年も残すところ一ヶ月。みなさんも、どうか素敵なマリンライフを。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
イメージ
「ラムの大通り」(1971年/フランス)
監督:ロベール・アンリコ
出演:ブリジット・バルドー/ リノ・ヴァンチュラ
販売元: ハピネット・ピクチャーズ(絶版中)
 アメリカで禁酒法が実施されていた1920年からの14年間、カリブ海からアメリカへせっせと酒を密輸する海の男たちがいた。その密輸船が頻繁に出没したフロリダ沖の海が、ご紹介する映画のタイトルにもなっている「ラムの大通り」だ。
 67年に「冒険者たち」でアラン・ドロンと共演し、大型スクーナーを母船にトレジャーダイビングを試みたリノ・ヴァンチュラが、ここでは密輸船の船長に扮している。「ラムの大通り」はこの密輸船の船長の冒険物語をコミカルに、風刺を織り交ぜたストーリーに加えて、カリブの美しい海が楽しめる。ジャマイカのキングストン、キューバのハバナなどの街並み、バーやレストラン、ホテルなどは次代が移り変わっても魅力たっぷりで、カリブ海に対する憧れをかき立てる。
 そしてストーリーはさておいて何よりも嬉しいのは、場面場面で海の男の心意気や誇り、フネを愛する心、海を愛する心がくみ取れるところ。禁酒法がどのような法律だったかはさておき、主人公は当時は紛れもない犯罪者ではあるのだけれど。
 残念ながらこのDVDは絶版中。読者の皆さんには申し訳ないが、世に出回る貴重な中古DVDの一枚を編集部で手に入れてしまった。悪しからず。



船厨
イメージ
 いったいどうしてこんな調理法が生まれたのか。世の中には興味深い料理がいろいろとあるが、燻製もそのひとつだろう。普通に考えたら貴重な食材を煙で燻すなんてあまりにもったいない。
 それでも人類はこの調理法を発明した。その歴史は石器時代に遡るといわれている。おそらく、狩猟で得た肉類、または魚類を長期保存するための知恵として生まれたものなのだろう。最初は洞穴にでもぶら下げていた魚か肉が焚き火の煙に燻されて、食べてみたら旨かった、そんな怠慢から生まれたのではないかと想像できる。その後、人類はその燻製をより旨くする方法を編み出していったようだ。塩漬けとの併用、スパイスの調合など。いまでも紅茶などを混ぜて燻すなんて洒落た人は多い。
 燻製には主に3つの方法がある。「冷燻」「温燻」「熱燻」で、この順番で保存性は損なわれていくけれど、今回の塩鮭の燻製におすすめしたいのは熱燻だ。なぜかって、脂ののった鮭の旨味を充分に残しながら、燻製独特の風味を同時に味わえるから。そして時間がかからないというのもいい。ダッチオーブンや鋳鉄製の蓋付きスキレットを使えば煙がモクモクなんてことにもならないから家のキッチンでも手軽にできてしまう。
 ご飯と、もちろん日本酒、ワインにだって合う。どうぞお試しあれ。
「塩鮭の燻製」の作り方
■材料(4人分)
塩鮭の切り身(甘塩)、スモークチップ
■作り方
1)プレヒートしたスキレットまたはダッチオーブンにアルミ箔を敷きその上にスモークチップ適量をまぶし煙が出始めるまで強火にかける
2)煙が出始めたら網を載せ、その上に鮭の切り身を並べ蓋をして蓋をして弱火にする
3)10分から15分間燻せば出来上がり



海の博物誌
 かつて洋上での通信手段といえば、旗、音響、光が主で、それに煙などが用いられた。いずれにしても人間の五感に頼るところが大きく、視力、聴力の届く範囲が信号の限界でもあったわけだ。
 でも現在のマリンレジャーでみると電装機器や通信の発達は驚くばかりだ。
 もとより、陸上に比べればポジションを把握しておくことがより大切な洋上では、いち早くGPSを取り入れ、今ではナビゲーションの主力として当たり前のように広く普及している。ハンドベアリングコンパスやチャートすら積んでいないボートがあるのだから。
 また携帯電話は当たり前、さらにはパソコンを搭載してインターネット通信での情報交換、天気図だってネットで入手できてしまう。
 自宅、あるいはオフィスに居ながらにして、大海原にいるヨットレースの最新情報を映像やテキストでリアルタイムに拝める時代。
 でも自然を相手にするスポーツだけにその楽しみは、やはり五感に頼るところが大きいことはいうまでもないし、楽しみとして残しておきたいところではある。



ヤマハニュース

スポーツボート「SX210」「AR190」新登場
ジェット推進システムから生み出される卓越した走行性能
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/sportboat/

マリンジェット2012モデル
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/marinejet/

「シースタイルフェスタ」マリンクラブのイベントレポート
9月「三浦フィッシャリーナワーフ うらり」にてイベントを開催しました
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/event/report/2011/0924/


今月の壁紙
『SALTY LIFE』読者限定
12月の壁紙カレンダーはこちらからダウンロードできます。
イメージ


バックナンバー
『SALTY LIFE』のバックナンバーはこちらからご覧になれます。


【編集航記】
 冬になって嬉しいことは、海がすいているところ。嬉しいなんていったら本当はいけない立場なんでしょうけれど、それでも、ボートで走っていたり、特に釣りをしていて、他のフネに出会わないというのはなかなかいい。月並みな言葉ですが「我らにシーズンオフはない!」
(編集部・ま)

■ 『SALTY LIFE 』について
メールマガジン配信サービスにご登録いただいているお客様に定期的に配信するマリン情報マガジンです。
■ お問い合わせに関するご案内
『SALTY LIFE』は送信専用のアドレスより配信しております。
「配信の停止」についてはhttps://www2.yamaha-motor.co.jp/Mail/Saltylife/をご参照ください。
お問い合わせに関しては、marine_webmaster@yamaha-motor.co.jpまでご返信ください。
※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。
ページトップへ
『SALTY LIFE』
〒438-8501 静岡県磐田市新貝2500
発行:ヤマハ発動機株式会社


Copyright(C) 2011 Yamaha Motor CO.,LTD. All rights reserved.
掲載文章および写真の無断転載を禁じます。