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人類が誕生したのはいまからおよそ6万年前のことだといわれる。アフリカで誕生した人類はそこから山を越え、海を越え、世界へ散っていき、5万年後には南アメリカの最南端にたどり着いたという。そんな人類の祖が日本にやってきたルートを辿る冒険を成し遂げた男がいる。探検家であり、医師である関野吉晴さんだ。 関野さんはアフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけで遡行する旅「グレートジャーニー」を1993年より始めた。一回目の旅は、南米のチリ・ナバリーノ島をカヤックで出発、10年の歳月をかけてタンザニア・ラエトリにゴール。その後「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」として2004年から再び旅を始め、シベリアを経由して稚内までの「北方ルート」、ヒマラヤからインドシナを経由して朝鮮半島から対馬までの「南方ルート」の旅を経て、2011年6月13日にインドネシア・スラウェシ島から石垣島まで手作りの丸木舟による4700キロの航海「海のルート」を終えた。 海のルートを本当に辿ったかどうかはいまだ不明な部分が多く、真実のほどは定かでない。しかし、関野さんはそこにロマンを求めた。 「海のルート」ではコンパスなどの近代装備を一切使わず、星を見て方角を見極めるなどして手作りのカヌーで航海を成し遂げたという。また、カヌーだけではなく、造船に使う工具(鉄器)も自分で作った。「海のルート」の出発地点のスラウェシ島に自作の工具を持ち込み、カヌーに最適な素材の巨木を数ヶ月かけて探し出した。古の航海を再現するためにチェーンソーもドリルも釘も使わない造船方法には、現地の舟大工たちも驚いたという。 本書はその造船の様子までも収めた、インドネシアから日本に至る冒険航海の記録写真集だ。 コロンブスやマゼランが航海を始める遙か前より我々アジア人はフネに帆を張り大海原を往来していた事実にはたと気づかされる。