ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 海の道をゆく旅。
キャビンの棚 ドラマチックな図鑑で海を知る「海洋大図鑑」
船厨 鯖の生き腐れなどと言うけれど「鯖とポテトのオーブン焼き」
海の博物誌 旗からはじまった船の通信手段
Salty Who's Who いい釣りを、いつまでも。
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MONTHLY COLUMN
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 海には道がある。港湾や港の沖に敷設された灯浮標が、その車線ならぬ航路を示している。法で決められているので、おのずと航路を通る船舶は多いいのだが、陸と違って、真ん中に草が生えていたり、轍が残るわけではないので、視認はできない。でも海には、こうした航路以外にも道がある。
 海の上に道を作るのは、行きたい港や島を決めて、海図の上に線を引くことから始まる。港から港への最短コースだったり、ランチをとるために立ち寄ってみたり、その線は必ずしも直線ではない。むしろ直線で完結することのほうが稀である。
 道なき道にマイボートで飛び出すには、それ相応の準備と肩慣らしが必要だ。でも、相手は自然。トコトンやったところで、時間ばかりが過ぎてしまって、疲れてしまう。挙句の果て、いつの間にか秋風に吹かれるというのではつまらない。
 先日、NPO法人海の駅ネットワーク・四国連絡会の主催による「海の駅合同クルーズ」に参加してみた。気軽にクルージングを体験し、さらにクルージングの魅力に接するにはもってこいのイベントだ。
 「海の駅」と「海の駅」間には、まさしく道が敷かれている。それは、この海の駅からあの海の駅まで、コンパスコースで何度、約何マイルという航路、コースという類に留まらない。係留、食、給油や買い物、もしものときの病院等、「海の駅」間でそうした情報ルートが確立されていることは、とてもありがたいことだ。安心、安全の下支えである。そしてこの海の駅とあの海の駅、最低2箇所で、マイボートの行動を掴んでいてくれることも、相当の安心につながる。繁華街に出かけて帰りの遅い子供と、それを気遣う家族のような間柄。
 いま「海の駅」四国連絡会では「海の駅」に立ち寄って、スタンプをもらうキャンペーンを実施している。それをきっかけに海に出る。自分の道を描いてみる。出会いが膨らむ。食、温泉、特産、イベント、人。マイボートクルーズでは、海の輝きも違って見える。舫いをとったあとの一杯もひと味違う。この地球で一筋しか存在しない自分だけの道を、一筆書きのようになぞってみたい。
 もしかしたらクルージングの途中ちょっとした失敗もあるかもしれない。でも、命を落とさぬ限り、迷惑をかけない限り、失敗は、何よりの夕餉の肴になる。そして、描いた道の数だけ、肴の種類は豊かになる。海は、年齢や収入を秤にかけて手加減なぞしてはくれない。そう海は甘くはないということを肝に銘じて、だから謙虚に初めは新米船長として、合同クルーズの真ん中あたりを走って経験を積むのがいい。
 ハルが波を叩く音に不安を覚え、明らかに変化する海の色にときめき、かわす岬の向こうに幾重にも織りなす緑の島々。灯台、橋脚、運搬船、フェリー。飽くことのない万華鏡の海は、夢見る力を与えてくれる。スタンプの充実とともにお奨めしたいのは、自分の航海日誌を記しておくこと。この夏も、あなたの「海の道」を航海しよう。


東嶺 義忠●ひがしみね よしただ
海の上では安全第一ながら、陸にいるときは飲むより飲まれることを好む酔いどれヨットマン。半世紀を過ごしたこれからは、21世紀にふさわしい快楽とはなにかを求め、夕暮れの街や週末の諸磯(神奈川)近辺を徘徊。1954年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「海洋大図鑑(Ocean)」
発行:ネコ・パブリッシング
著者:ファビン・クストー、他
(日本語版総監修/内田至)
定価:9500円(税別)
 ぱらぱらと何気なくページをめくっているうちに、気づくと数時間がたっている。海の物理的、科学的特徴が概論的に解説された「はじめに」、海洋の構成について述べられた「海洋環境」、海洋で育まれた生命についての「海洋生物」、詳細な「海洋地図」の4部構成。512ページからなる「海洋大図鑑(OCEAN)」は、そのどこから開いても、夢中になれる「海洋の知識」の宝庫だ。
 海は地球の三分の二を埋め尽くし、生命を誕生させた。人の住む地上に大きな影響を及ぼし、人間の存在要素に不可欠な存在であり、数億年にわたるその歴史は今も継続している。
 普段はただ美しい、気持ちがよいなどと気軽に接している海だが、この図鑑を通して海をさらに深く知ることで、いかに「海洋」が人にとってなくてはならない存在であるか、その深遠なる存在に接することの意義を確認できることになりそうだ。そして海洋に対して、地球に対して、畏敬の念を抱かせる。
 決して堅苦しい内容ではない。わかりやすい写真や図がふんだんに掲載され、短めの、平易な文章は読者を飽きさせない。編者や筆者の海への愛さえも伝わるドラマチックな図鑑だ。夏休みにお子さんと一緒に楽しむのいい。



船厨
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 「鯖の生き腐れ」という言葉がある。国民的大衆魚のひとつなのに、ひどい言われようだとも思うが、鮮度が落ちるのが早く、関東地方では生で食されることは珍しい。それでも、「関鯖」に代表されるように、漁師自身を含む生産者の努力によって鮮度が保たれた、ブランド品の鯖もいまでは多くある。
 釣りのターゲットとしてもまずまずの人気だが、いささか引きがもったりしている感もあり、ルアーフィッシングなどではどちらかというと外道扱いだ。
 7月の終わり、神奈川県・真鶴沖で今シーズン初めてのシイラ釣りにシースタイルを利用して出かけた小欄だったが、釣果は今ひとつ。そこでイナダ狙いのライトジギングに切り替えたが、あがってきたのは鯖ばかり。苦笑しながら「なにも釣れないよりはマシ」とばかり丸々とした鯖を3本ばかりクーラーにキープした。
 その日はジャガイモとトマト缶を使ってイタリアンな鯖料理を試みる。「鯖の生き腐れ」とはいえど、「腐っても」鯖である(もちろん腐ってはいない)。これがなかなか美味い。 
 鯖は秋が旬。シーズンはまだ先の話かもしれないが、しめ鯖や鯖の焼き寿司、オリーブオイル焼きなど、好物のレシピがあれこれ思い浮かんでくる。楽しみだ。
「鯖とポテトのオーブン焼き」の作り方
■材料
鯖1尾(切り身2枚)、ジャガイモ4個、角切りトマト缶1個、ローズマリー適宜、パセリ適宜、オリーブオイル適宜、塩、胡椒適宜

■作り方
1)ジャガイモは茹でて、薄切りにする。
2)鯖は3枚におろし塩、胡椒をする。皮に切れ目を入れる。
3)オーブン皿にオリーブオイルを敷き、その上にジャガイモ、鯖の順に敷き詰める。鯖の切れ目にローズマリーを挟む。
4)上から角切りトマト、パルメザンチーズをかけ、さらにオリーブオイルをかけ回す。
5)約300度に熱したオーブンで約30分焼き上げる。
6)最後に微塵に切ったパセリを振りかけて出来上がり。
※トマト缶ではなく工夫したオリジナルのトマトソースなどを使うともっと美味しくなりそうです。



海の博物誌
 船と旗の関係は、古代エジプトやギリシャ、ローマの時代からあったといわれるが、通信手段としての信号旗は14世紀になってから用いられたと思われる。
 イギリスの記録では、エドワード7世の頃には艦隊内の全艦長を旗艦に呼び集める時と、敵艦発見を知らせる時のためにすでに2種類の旗が用意されていた。
 また、1672年にはイギリス海軍により操船や作戦の命令を伝える信号法も確立。18世紀後半から、イギリス、デンマーク、フランス、アメリカの各国で、信号旗に文字や単語を当てはめて、簡単な通信文を綴ることのできる信号書が作られていた。
 現在の国際信号旗は、1927年の国際会議により討議された結果、1931年に改定された国際信号書に基づいているもので、文字旗26枚、数字旗10枚、代表旗3枚、回答旗1枚の計40枚の旗で構成されている。
 ヨットレースでもコミッティから競技艇への連絡に旗は用いられる。五輪のセーリング競技がテレビで放映されていたら、どんなときにどのような信号機が使われているか、観察してみるのも面白い。



Salty One Day Boating
岡田正文さん
釣り人による、釣り人のための団体
ジャパンゲームフィッシュ協会 事業部長
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 本州に黒潮が近づくと、本格的なカジキ釣りシーズンがはじまる。今年もすでに和歌山県をはじめ各地でトーナメントが開催されている。日本で開催されるカジキ釣りのトーナメントの代表といえば、なんといっても静岡県の下田市を会場に毎年行われている「国際カジキ釣り大会=JIBT」だろう。今年は7月20日から22日にかけて開催され(21日は強風のため競技はキャンセル)、93艇448名の選手が参加して熱戦を繰り広げている。 
 今年のJIBTの釣果を見ると、ポイント対象となったカジキは2日間で16尾。そのうちキャッチされたカジキは4尾。残りの12尾はすべてタグ&リリースによるポイントだ。またタグ&リリースの比率は10年ほど前から上昇しつつある。
 「こうした結果を見ても我々が提唱してきたことが実を結んでいる」と語るのは、JIBTの主催者「NPO法人 ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)」の事業部長・岡田正文さんだ。岡田さんがJGFAに職員として加わった20年前に比べると会員に限らず釣り人の、そして岡田さん自身の釣りに対する意識も大きく変わってきた。
 横須賀の海辺に生まれた岡田さんは子どものころから釣りに親しんできた。好きなことで食べていけるならと、就職先は釣り具メーカを選んだ。「スポーツフィッシングとは何か」について触れ、考え始めたのは、釣り具の開発のために出会った多くの先進的アングラーの言葉や態度に触れてからだ。昨年亡くなった服部名人もそんな一人だった。
 会社の釣り具部門の縮小と多くの釣り人との出会いがきっかけでJGFAに転職することとなったが、それから「いい釣りをいつまでも」というJGFAのスローガンが、一部のスポーツアングラーのためのものではなく、すべての釣り人にとって必要なスローガンであることに気づいた。
 “スポーツとしての釣りを楽しみ、その感動を記録として残しておきたい。そしてそんな感動が得られる自然環境を、釣魚をいつまでも守っていきたい”─ JGFAの理念が身に染みるのに時間はかからなかったようだ。
 岡田さんのいるJGFAではその理念を実現するための様々なプログラムを行っている。カジキ釣り大会でも取り入れられている「タグ&リリース・プログラム」もそのひとつ。キャッチ&リリースと混同されるがそれだけではない。「よく間違われるんですがうちはフィッシングではなくゲームフィッシュ(釣魚)の協会です」というように、タグ&リリースの目的は「移動や分布、成長といった魚の生態を知ること、将来、その魚の資源保全を果たすための有力な基礎データとなりうる」ことが主眼だ。
 「下田の大会で釣れるカジキよりその1ヶ月後に行われる常磐の大会のカジキの方が大きい。1ヶ月かそこらでそんなに成長するものかと不思議だったけど、いまは黒潮にのって南洋から昇ってきたカジキは銚子沖で一度離れる。常磐沖の大きめのカジキは餌をふんだんに捕食して大型化した別の群れではないかと考えられています」
 そんな仮説もタグ&リリースによって生まれた。そして、魚の生態について知り、思いを巡らすことは、釣り人の魚へのいつくしみを育くむことになる。
 5年ほど前からJGFAが提唱しているのは「バッグリミット」だ。一部の渓流などで行われているキープ制限を海の釣魚に対して独自に決め、実行しようというもの。例えばカンパチは「サイズ問わず1尾まで」。ヒラメは「全長40cm以上2尾まで」。人によっては少し厳しく感じる制限かもしれない。
 「釣ることを制限しているわけでなく、資源保護のために持ち帰りを制限することを提唱しています。厳しいですか(笑)。でもそんなに食べないでしょう」
 確かにその通りだ。JGFAの提唱するリミット通りでなくてもいいだろう。まずは、「いい釣りをいつまでも」というスローガンを共有することから始めたい。岡田さんがそうだったように、そのことに時間はかからないだろう。



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【編集航記】
 毎年、夏休みには山へキャンプに出かけることが多いのですが、今年は海に近い山間で2泊3日のキャンプをすることに決めました。真ん中の1日は、近くのマリーナからマリンクラブ「シースタイル」を利用してボートフィッシングを楽しむ予定です。これまで漠然と描いていた計画「キャンプ&ボートフィッシング」の実現です。夕飯の食材を調達することができるかどうか。いまから気が気でありません。
(編集部・ま)
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