ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 偉大なる航海者たち
キャビンの棚 パパファンに捧ぐ「ヘミングウェイの流儀」
船厨 漁師飯に目がない方へ「イナダのまご茶漬け」
海の博物誌 難所の通過は海の男の勲章
Salty Who's Who 世界の平和を守り子どもたちの笑顔を取り戻す!
YAMAHA NEWS ヤマハ発動機のブランドスローガン“Revs your Heart”のご紹介/ヤマハボート免許オンライン教室「2級スマ免コース」スタート/ヤマハマリンクラブ「シースタイルジェット」登場/「ボートショー2013」のフォトギャラリー/フィッシングボート「YF-24」製品情報公開/クルージングボート「SC-30eX」製品情報公開
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MONTHLY COLUMN
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 4月となり、多くの人々、特に若者たちが新しい環境の中での生活をスタートさせていることだろう。新たな航海への船出である。この激動の世の中を航海するためには何が必要か。「風任せ」という考え方も素敵な気がするが、少しばかり無謀な気もする。人生にGPSのような便利なものは存在しない。しかし、我らの行くべき道を指し示す様々なシグナルは常に発せられている。テレビやラジオから流れる誰かのコメントかもしれない。新聞や雑誌のちょっとした言説。家族や友人のさりげない一言。小説やマンガの中にだって、荒波を乗り越えるヒントがあるかもしれない。優れた航海士とはそうした些細なシグナルを見逃さないものだ。太古からそうだった。


 ミクロネシアの人びとはどこからやってきたのか。これについては東方からのルートと西方からのルートの二通りがあったとされている。西方からのルートは、フィリピンやインドネシアをはじめとする東南アジアからやってきたとされている。また、東方からはポリネシアやメラネシアから民族移動がなされたと考えられている。もともとポリネシア人もモンゴロイドを起源とする説が有力で、時期やルートは異なってはいても、太平洋の島々のルーツは同一なのかもしれない。そしてはっきりとわかっているのは、それらの移動には、荒波を乗り越える耐航性に優れたカヌーが使われ、目に見えない島々との間を自由に行き交うことのできる航海術が駆使されたということだ。GPSはもちろん、磁気コンパスや緻密な測量のもとにつくられたチャートがあるわけでもない。この優れた航海士たちは、太陽や月、星や星座の動き、魚や鯨、海鳥たちの生態、さらには海の漂流物といった情報を元に、自分たちで航海術を編み出してきたのだ。
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 パラオの中心地コロールに、小さな海洋博物館を訪ねたことがある。そこではパラオの海との関わりを示す、さまざまな展示物を眼にすることができる。竹やタコノキで編まれた盤の上に、貝殻を島に見立てて配置した独特の海図は、パラオ諸島やカロリン諸島などミクロネシア西部の代表的なナビゲーション・ギアの一つだという。また、円周上に32の方角を示す星座コンパスもカロリン諸島における航海術の根幹をなす道具といわれている。道具の使い方を含む高度な航海術は、自然に伝わったものではないらしく、選ばれた航海士がカヌー小屋にあつまり、座学を通して先人たちから教えられ引き継がれていった。
 近年、途絶えたスターライトナビゲーションと、それによる伝統的な航海技術、古代ポリネシアン・カヌーを復元しようとするハワイでの試みが、一時期日本でも話題となった。
 「ホクレア」号と航海士、ナイノア・トンプソンの名を多くの人が耳にしたに違いない。このホクレア号が初めてタヒチを目指して航海に出た1976年、ポリネシアではすでに伝統的な航海術の伝承が途絶えて久しかった。ホクレア・プロジェクトが頼ったのはミクロネシアの航海士、マウ・ピアイルクだった。ピアイルクはミクロネシアの海を熟知していたが、ポリネシアの海に関しては素人同然だ。この招聘を受けたピアイルクは、ハワイのプラネタリウムにこもって、ポリネシアの海から見える星の位置や動きを徹底的に頭にたたき込んだそうである。
 ポリネシアに引けをとらない誇り高き航海者を育んだミクロネシア。ポリネシアに比べ欧米をはじめとする先進国の文化に染まるのが遅かったことは、伝統的航海術が廃れずに残った要因の一つかもしれない。
 70年代にはピアイルクを含む十人あまりの伝統的な航海士がミクロネシアには存在していたというが、さて、いまはどうだろうか。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「ヘミングウェイの流儀」
発行:日本経済新聞出版社
著者:山口淳/ 今村楯夫
定価:1,890円(税込)
 ヘミングウェイが好きだという日本人シーマンが、みんなどこまで彼の著作を読み込んだかについては、はなはだあやしいものがあると、いわざるを得ない。しかし、「好きだ」という気持ちは皆さんも理解できるのではないか。
 男はその作家のライフスタイルにまで目を配るのだ。数百万部のベストセラーを誇っても男に愛されない作家がいる(ような気がする)のはそのせいかもしれない。
 フロリダのキーウェストでは毎年ヘミングウェイの誕生日である7 月21 日の周辺に、「ヘミングウェイ・デーズ・フェスティバル」が開催されている。そのメインイベントとして行われているのがヘミングウェイのそっくりさんコンテストだ。ヘミングウェイが愛したフローズンダイキリが飲めるゆかりのバー「フラッピージョーンズ」が会場だという。コンテスト中はあごひげを生やし、眼鏡をかけたそっくりさんが集結し、そっくりの度合いを競う。
 なぜそこまで彼の真似をしたがるのか。決してその風貌がユニークだから、などとかではなく、そのライフスタイルに対して多くの男が憧れ、敬意を抱いているからなのだろう。
 スポーツフィッシング、ボート、葉巻、椰子汁のトムコリンズ、凍らせたダイキリ、ジャックパーセル、L.L. ビーン、サンバイザーに眼鏡、ロレックス、モレスキンの手帳にパーカーの万年筆、さらに立ち居振る舞いにいたるまで。ヘミングウェイが愛した品々や趣味を真似ながら、彼がなぜそれらを愛したのかに想いを馳せるのは、悪い趣味ではない。
 本書はファッション(カジュアルとドレス)、愛用品(仕事と趣味生活)について先に挙げた物事を含む65項にわたるヘミングウェイの流儀をまとめたパパファン必読の書。
 ヘミングウェイの写真も多く、見ればいささかメタボ気味な自分の体型をも愛せるようになるかもしれない。



船厨
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 まご茶漬けと呼ばれる漁師料理がある。元々は房総の名物料理「なめろう」をご飯に載せ、手っ取り早くかき込むためにお茶をかけ回したというのが由来のようだ。一方、刺身を漬けにして、それをご飯に載せてだし汁をかけたまご茶漬けもある。こちらは伊豆方面でポピュラーである。
 伊豆に近いあるマリーナのハーバーマスター氏は「子どものころから、まご茶漬けばかり食わされて、嫌でたまらなかった」と笑う。確かに子どもにとっては魚が生臭く感じられるかもしれない。ただし、魚に限らず海鮮とは概して「生臭い」ものかもしれず、それなのに多くの日本人の大人はそれを好む。
 釣れたイナダを伊豆スタイルのまご茶漬けにした。なかなかイケる。魚嫌いにならずに大人になれて本当に良かったと思える。

「イナダのまご茶漬け」の作り方
■材料(4人分)
イナダ 1尾、醤油 大さじ4、酒 大さじ2、みりん 大さじ2、万能ねぎ 適宜
■作り方
1)イナダは三枚におろし、刺身の要領で切る。
2)醤油、酒、みりんを合わせ小鍋で煮切って冷ます。
3)冷めたら2に1のイナダを入れ暫く冷蔵庫にいれ味をなじませる。
4)あつあつのご飯を茶碗に盛り
3のイナダをのせ好みで万能ねぎ小口切りをのせ、熱い茶を回しかける。




海の博物誌
 世界中に点在する難所を航海することは船乗りの勲章ともいえる。有名なのは南アメリカ大陸の南端、ケープ・ホーン(ホーン岬)だ。強風、荒天の日が多く、潮流も速い。このケープ・ホーンを通過したことのある船乗りは、女王陛下の前でテーブルに足を載せて酒を飲んでもいいという逸話が生まれたほどだ。
 日本にも難所といわれる海域がある。四国の今治沖に位置する来島海峡は「日本三大急流」の一つに数えられるほど潮が速く、流れも複雑。古来より座礁や衝突などの海難が発生している。「灘」と呼ばれる海域にも難所が多い。江戸時代に大阪から江戸に物資を運んでいた弁財船は紀伊半島と伊豆半島の間に横たわる遠州灘を波が荒く風の強い海域として注意を払っていた。風を見ながら一気に通り抜けるという航海プランが一般的だったようだ。



Salty One Day Boating
海を愛するニューヒーロー
シージェッター海斗
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 「シージェッター海斗」は宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」から生まれたヒーローだ。海底にヒメラニアン帝国を築くウミナリ族の「地球征服」という野望から地球と子どもたちを守る。そのシージェッター海斗に思いもよらぬピンチが訪れたのは2011年の3月。海上でヒメラニアン帝国と闘うための愛艇「イスラスタ号」が2011年、震災により流失してしまったのだ。萬画館のリニューアルオープンが近づいていくが海斗のイスラスタ号は流失したままだ。
 このままでは子どもたちが危ない─、その話を聞いたヤマハは、「何とか海斗と海斗を応援する子どもたちの力になりたい」と、このほど最高速度500ノット、最高潜行深度10000メートル、全機能を音声制御可能というスーパーマシン(いずれも製作者による公称)のベースとなるマリンジェットを贈呈したのだった。
 海斗の誕生は2004年に遡る。石巻に縁のある宮城県出身の萬画家、故・石ノ森章太郎氏が石巻の町おこしに「萬画」を利用してはどうかと市長に提案。その後、2001年に、同氏の記念館として「石ノ森萬画館」が完成。2004年には「石巻を全国に発信できるヒーローを育てたい」との想いから、石ノ森プロと萬画館の指定管理会社・街づくりまんぼうとの協同プロジェクトによって「シージェッター海斗」が誕生した。海斗のモデルは石ノ森章太郎が描き残した膨大なラフスケッチの中から決定した。同年夏からは館の隣を流れる北上川で水上オートバイを駆使した水上ショーも行われるようになり、人気を博す。ところが震災によって萬画館も休館、ショーもできなくなってしまった。
 街づくりまんぼうの木村仁さんは「休館中は炊き出しなどで私も子どもたちと接する機会が多く、子どもたちの喜ぶ笑顔が見たいとの思いが日に日に強くなっていきました。そして1日も早く萬画館を再開すると約束したんです」と震災直後の想いを振り返る。海斗で街に元気を取り戻したいとの想いは従業員だけでなく多くの関係者にとっても同じだった。
 今回のリニューアルオープンに合わせて制作された実写映像版「シージェッター海斗 特別編」では、仮面ライダーシリーズを手掛けるスタッフが制作を担当するなど、15分という短編ながら素晴らしい内容に仕上がった。テーマソングや劇中主題歌には遠藤正明さん、影山ヒロノブさん、きただにひろしさん、水木一郎さんといったアニソン界の大御所たちが作詞、作曲、歌にと参加している。
 「安く上げようと思えば自分たちで作ってしまえたかもしれません。でもやるからには本物を作りたかった」(木村さん)
 萬画館で上映されているこの実写版にはヤマハが提供した新しい「イスラスタ号」も颯爽と登場する。フリースタイルのテクニックを取り入れた水上アクションシーンも楽しみな見所の一つだ。水上ショーは今年の夏から再開予定だという。
 「基本的に個別インタビューには応じられない」という海斗だったが、実写版の中で海斗からのメッセージをしっかりと受け取ったのでご紹介したい。
 「すべての命を慈しむ心がある限り、海斗は君たちを味方する!」



ヤマハニュース

ヤマハ発動機のブランドスローガン“Revs your Heart”のご紹介
https://www.yamaha-motor.co.jp/profile/brand/

ヤマハボート免許オンライン教室「2級スマ免コース」スタート
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/online-license/

ヤマハマリンクラブ「シースタイルジェット」登場
全国16ヵ所のマリーナでマリンジェットがレンタルできます。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/jet/

「ボートショー2013」のフォトギャラリー
ヤマハブースの様子、プロダクト、海遊びの魅力をご紹介します。
http://global.yamaha-motor.com/jp/boatshow2013/gallery/

フィッシングボート「YF-24」製品情報公開
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/fishingboat/yf-24/

クルージングボート「SC-30eX」製品情報公開
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/cruisingboat/sc-30ex/


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【編集航記】
先日、春雨に濡れながら東京港のシーバスフィッシングを楽しんできました。釣果はかなり満足いくものでしたが、やはり雨混じりの天気は残念。日頃は「冬の海もまた楽しい」などとかっこつけている小欄ですが(嘘偽りではなく本当に楽しいのですが)、ボートで遊ぶなら晴れていて、暖かく、風も波もない日に越したことはないというのもまた偽らざる本音です。とにかくいい季節になってきました。海で会いましょう!
(編集部・ま)
ソルティライフ公式Facebookページ 「Yamaha Motor Nautical Mile」

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