ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN ● 父さんはスキッパー、母さんはボースン、そして僕がクルー。
キャビンの棚 ● 12m級の美しく迫力あるセーリングシーンを再現「WIND」
船厨 ● アフターフィッシングのお供に「シイラのフィッシュアンドチップス」
海の博物誌 ● 魚は語る
Salty Who's Who  頼もしいボートフィッシングのエバンジェリスト
海の道具 ● 海道を行く
YAMAHA NEWS ● 横浜ボートフェア2015など展示会や試乗イベント情報/実技受講エリア拡大!ボート免許取得なら好きな時間に好きな場所で学習「スマ免」/「マリン塾」で自信をつけよう!操船、離着岸、ボートフィッシングなど
9月の壁紙 ● 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

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MONTHLY COLUMN
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 先日、めずらしく新聞でヨットに関する記事を目にした。愛知県にお住まいのヨットオーナー氏のセーリングライフが紹介され、近場の島へのクルージングや、沖縄までのロングクルージングの経験が書かれていた。ヨットをよく知る雑誌の関係者の方にも取材をしつつ、ヨットの魅力や始め方なども紹介されていた。ヨットは、燃料費もそれほどかからず、世界のどこへでも行ける、大いに自然を感じることのできる素晴らしい乗り物である、と。最近ではセーリングクルーザーのスクールも人気のようだ。ヨットの魅力が再認識されつつあることは、業界に関わる者として非常に喜ばしいが、記事によればスクールの受講者の年齢層は50代から60代が中心で、決して若くはない。そういえばこの記事のタイトルも「オヤジのだいご味」であった。
 この欄でも何度か取り上げたことがあるが、YMFS(ヤマハ発動機スポーツ振興財団)が運営するジュニアヨットスクール葉山では、毎年夏休みを利用して、葉山マリーナから伊豆大島への往復クルージング「大島外洋帆走訓練」を行っている。訓練などというと大仰だが、普段はシングルハンダー(一人乗りヨット)に乗る小学2年生から高校生にいたるジュニアセーラーたちが、大人をスキッパーとするセーリングクルーザーに分乗し、葉山から大島の間、往復52海里を航海する。大島での滞在中は、シュノーケリングや天体観測、三原山周辺のトレッキングなどを体験し、海と陸の大自然を満喫するという有意義なイベントである。
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 今年は8月16日から18日に行われたが、このイベントには葉山マリーナヨットクラブのメンバーがクルーザーを提供し、何名かのクルーとともに帯同する。その人たちにこのイベントについて話を聞くと、共通していたのは「いつまでもヨットを続けて欲しい」「スクールを卒業しても葉山マリーナに足を運んで欲しい」といった、子どもたちへの期待と海の仲間としての視線だった。葉山マリーナヨットクラブ所属のセーリングクルーザー「アドニス」のオーナーであり、クラブの副会長も務める大野稔久さんは、毎回のようにヨットをイベントに提供し、ご自身は2回目の参加だった。
 「自分たち自身も大いに楽しめるところがこのイベントの魅力だと思っています。そして大人のヨット教室などと比べても上達が早いぐらいで、子どもたちが目に見えてたくましくなっていくのが嬉しい。個人スポーツの色が濃いシングルハンドヨットですが、葉山のジュニアは和気藹々としていてとてもいい雰囲気だと感じています。組織は異なりますが、同じマリーナで活動するジュニアセーラーの育成に、これからもクラブとして何らかの形で協力していきたいと考えています」(大野さん)
 筆者の数少ない見聞では、成熟したヨットクラブにはジュニアの育成部門があって、子どもから大人までが生涯を過ごせるクラブライフが存在する。葉山マリーナヨットクラブは、部外者の私からから見ても活動が盛んで、非常に充実したヨットクラブに見える。それだけに、ジュニアの育成や世代を超えたヨットクラブのあり方について真剣に考えているようだった。
 リタイヤ後の楽しみとしてヨットはとてもふさわしく思えるし、そのことに異論はない。だが、あえてハードルを高くする必要はないのだが、セーリングにはある程度の技術の習得も必要だし、長い航海を楽しもうとすれば、それなりの体験も必要だ。高齢になって始めた方の中には「ヨットは難しい」という声も実際に聞く。
 だからこそ、もしヨットにあこがれているなら老若男女関係なく、トライするのは「今」がいい。父親がスキッパー(船長)を務め、母親がボースン(甲板長)、子どもたちが立派にクルー(水夫)の役目を果たしている大小のセーリングクルーザーが日本の津々浦々を走っていたらと思うと、胸が躍る。
 さらにアメリカズカップに参戦する日本チームの誕生、東京オリンピックで活躍が期待されるセーリング競技など、これから注目されるそれらのビッグイベントも、日本のセーリングブームの到来を予感させるではないか。大いに期待したい。

田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「WIND(ウインズ)」
●制作:フランシス・コッポラ
●監督:キャロル・バラード
●出演:マシュー・モーディン、ジェニファー・グレイ
 2017年にアメリカのバミューダで開催予定の「第35回アメリカズカップ」の日本参戦が4月に発表され、その動向が注目されている。
 「アメリカズカップ」はヨットレースの「F1」などと形容されることもあるが、その歴史はF1などの比ではなく、始まりは1851年にさかのぼる。近代オリンピックよりも古い世界最古のスポーツトロフィーとして知られており、かつて日本からは3回に渡って挑戦チームが送り込まれ、ヤマハも挑戦艇の建造に携わったことがある。たが、残念ながらいずれも予選で敗退している。
 ヨットファンにとって、アメリカズカップで繰り広げられたドラマの記憶は、世代によって異なるだろうが、1992年に制作された映画「WIND(ウインズ)」は、アメリカズカップ史上、デニス・コナーがはじめてカップをアメリカ以外のチーム(オーストラリア)に奪い取られた1983年から、自らの力でカップ奪回を果たした1987年に至る復活劇が下地となっている。映画ではそんなドラマに絡めて若者のセーリングにかける夢や恋も描かれており、そんなところも楽しみのひとつだが、なによりも印象に残るのは、当時のアメリカズカップ使用艇だった12m級ヨットの迫力あるセーリングシーンだ。コンピューターグラフィックでは決して再現できない、本物のセーリングがスクリーンに映し出されるのだ。制作総指揮はフランシス・コッポラ。セーリング指導にはニッポンチャレンジのスキッパーも務めたピーター・ギルモアがあたった。
 もちろん現在のアメリカズカップの価値が下がっているわけではないだろう。しかし、一般の人から見たら「これがヨットなのか」と疑問を抱きそうな、近代的な「セーリングマシーン」で行われるアメリカズカップに興味を失ったファンもいる。そしてそんな彼らのなかには12m級こそが最後のアメリカズカップ艇だと考えている者もいる。
 日本ではVHSビデオとレーザーディスクが発売されたが、DVD化されることはなかった。今は、中古ビデオ(再生できる機械があればのハナシ)か海外版DVDを手に入れるしかない。



船厨
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 カジキ釣りなどの外道として扱われることの多いシイラだが、実は、アングラーをとても楽しませてくれるゲームフィッシュでもある。特に、真夏に大海原で楽しむキャスティングによるシイラフィッシングは仲間同士、または家族で楽しむのにうってつけだ。食べても美味い。以前にも触れたことがあるが、シイラの体表には腸炎ビブリオ菌などが付着していることがあり、まれに食中毒を引き起こす。下処理と調理に同じまな板を使わないようにしたり、流水を使いながら裁く、食べ過ぎないなどそれなりの気遣いが必要だが、刺身にしても美味い魚である。それでも不安なら、フライや唐揚げがお勧めである。
 夏から初秋にかけて、ポイントさえ見つければ比較的よく釣れる魚なので、持ち帰る機会も多くなる。というわけで、今月のオススメ料理はシイラのフィッシュアンドチップス。たくさん作って、仲間とアフターボーティングの釣り談義を美味しく楽しみたい。


「シイラのフィッシュアンドチップス」のつくり方
■材料(2~3人分)
シイラの切り身6切(そのほかの白身魚、タラやメカジキなどでもOK)、じゃがいも(きたあかりや男爵などホクホクのじゃがいもがおすすめ)4個、小麦粉1カップ、卵1個、水120cc、サラダ油、ハーブソルト、スパイス、塩、胡椒各適宜

■作り方
1)じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま輪切りし、5分程水につける
2)シイラは見た目の程良い、食べやすい大きさに切り水気を拭き取る
3)小麦粉、卵、水、塩(小さじ1)を混ぜあわせる(好みでハーブソルトやオールスパイス、ナツメグ、市販のシーズニングパウダー等を加える)
4)鉄鍋や深めのフライパンにサラダ油を深さ2cm程入れ、中温に温め、水気を拭き取ったじゃがいもを入れ蓋をする。5分程たったら蓋を開け蒸気を飛ばし、美味しそうなキツネ色になったら取り出し塩、胡椒をふる
5)4)の油で中温のまま、シイラの切り身に3)のころもを付けてキツネ色になるまで中火で揚げる。
※ディップを作ってもよし、または塩、胡椒、バルサミコビネガー等を付けて頂戴する



海の博物誌
 魚はいろいろな形で音を出す。人間に水の中の音は聞こえないが、夜中などに海中に集音マイクを入れると、騒がしいくらいに水中生物の「声」が聞こえるらしい。
 魚に声帯はないので、厳密に言うと声ではなく、彼らは歯や顎などいろいろな部位をこすり合わせたり、浮き袋を使ったりして音を出す。そしてその音には意味もある。
 バミューダ諸島の珊瑚礁に棲むイットウダイの仲間は、珊瑚礁の中に隠れ、他の魚が縄張り入り込むと「グーッ」という音を出して威嚇する。また逆に、自分よりも大きな魚が現れると「トントン」という音を出しながら退散するのだという。そのほかにも産卵期になると「ブーブー」という音を出し求愛するニベやグチのような魚もいる。
 水槽で飼っている魚に餌を与えるときに、あらかじめ魚が餌をとるときに発する音を録音しておいて、それを流すと魚は餌を求める行動をとるそうだ。



Salty One Day Boating
女性アングラー
井上美和さん


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 あえて肩書きをつけるとしたら「女性フィッシングブロガー」となるだろうか。井上美和さんはアメブロの女性アングラー人気ランキングでは毎週のように1位、facebookでも5000人以上の釣り仲間とつながる人気者である。とはいえ、特にタレント活動をしているわけではない。だからおしゃべりも失礼ながらどこか木訥とした印象を受ける。そして、その分、誠実さもにじみ出る。
 「釣りを始めたのは3年前、結婚してからです。主人に都内の運河でナイトシーバスに連れて行ってもらったのですが、そのときに面白いように釣れて、それからはまりました」
 よほど釣りが楽しかったのだろう。調理師免許を持ち、一時は調理師の道を目指していたが、今は都内の大手釣具店にパートとして勤務。件のブログは釣具店のスタッフブログとしても組み込まれて人気を集めている。
 強烈なファイトが楽しめる雷魚やナマズの陸っぱりにはまり、海ではご主人と二人でゴムボートを浮かべ、キスやカワハギといった釣りを楽しんできた。そして、免許取得、今ではシースタイルの会員にもなっている。いまのところ館山湾がメインフィールド。つい最近も船長として仲間を率いてボートフィッシングを楽しむ様子をブログに掲載した。
 「ブログをはじめたのも釣りがきっかけなんです。とにかく楽しかったので自慢したいなと思って。ただ、いまでは文章ひとつ書くにもすごく気をつけています。釣りの楽しさを分かって欲しいから、読む人にそれが伝わるように」
 冒頭に表現した「誠実さ」は言葉だけでなくブログの文章からも伝わる。今年のボートショーでは主催者の特設ブース「シーサイドカフェ」にスタッフの一員として参加。マリン業界にとって頼もしいボートフィッシングのエバンジェリストの一人となっている。



Salty One Day Boating
 街道を行く、といえば大歴史小説家・司馬遼太郎の全43巻からなる未完の紀行文集である。が、こちらは海の道の話。
 海には航路はあってもそれは目に見えず、車のようなガードレールもなければ車線も引いてない。轍さえもない。航跡があってもそれはあくまでも前を行く船が行こうとする場所に導いてくれるだけだ。陸地が見えるところならばまだ目標のたてようもあるけれど、陸地を離れれば後は見渡すかぎり波頭が見えるばかり。
 昔の船乗りたちは大したものだと思いを馳せながら見つめるのはGPSプロッターの画面である。
 自分がどこにいるのか、どの方向に進んでいるのか、画面を見ればたちどころに判ってしまう便利な器械で、車のカーナビに比べてもその依存度は数倍高い。
 さらに使いこなせば、海に道を引くことだってできる。
 方法は簡単。カーナビと同じように、目的地を地図画面から設定するだけ。ただし、その前にしておかなければならないことがある。それは道幅となる、コースの幅を設定すること。つまり、地図画面上に引いた線からどれだけ外れたらアラームを鳴らすかを予め決めておくのだ。
 例えばその幅を5メートルと設定すれば、中心線から船が左右どちらか5メートル以上外れるとアラームで知らせてくれるというわけだ。目に見えない10メートル幅の海道を、アラームを鳴らさず真っ直ぐ進めば、目的地にドンピシャ到着できるというわけ。
 とはいえ、機械だから、機嫌を損ねることだってあるかもしれない。そんなときのためにも海の男、海の女を自任するなら、GPSを使いこなすだけでなくフネにはチャート(海図)を積み、三点方位法などクロス法による位置出しぐらいはマスターしておきたい。それと潮の流れや他船の動きなどには要注意。ワッチは怠りなく!



ヤマハニュース
横浜ボートフェア2015など展示会や試乗イベント情報
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/event/schedule/

実技受講エリア拡大!ボート免許取得なら好きな時間に好きな場所で学習「スマ免」
パソコンやスマホで学科を勉強して2級ボート免許取得を目指すコースです。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/online-license/

「マリン塾」で自信をつけよう!操船、離着岸、ボートフィッシングなど
ボートで遊ぶための技術を基礎からしっかり学べるレッスンのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/marinejyuku/



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【編集航記】
関東地方では連日の猛暑続きのあと、残暑も感じることのないまま秋になってしまった感があります。この季節、毎年思うのはあれやこれやとやり残したことばかり。私としてはもう少し日本の夏の海を楽しみたかった。とはいえ仕事柄、他の人よりかなり海の上にいる時間が長いのはありがたいこと。秋、そして冬。私のマリンシーズンはまだまだ続きます。
(編集部・ま)

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