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Vol.10 うまい豚と奥浜名湖に早春の風を感じる旅

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2006年2月 取材

カフェ『モイモイ』は、R301号線沿いにあります。

朝8時。携帯のアラームが何度も鳴っている…。今日はツーリングだったなーと、ぼやけた頭の中でスケジュール確認。寝袋の中から、外の天気を確認する。良し!晴れてる!急に頭が冴えた。
テラスに出ると、遠くに浜名湖がキラキラして奇麗だ。朝から気分がいい。しかも暖かいし、絶好のツーリング日和だ♪。
今日は自宅からのスタートだから、気分的に余裕があるね。シャワーを浴び、着替えながら、部屋の横のガレージを見ると、今回の相棒・パールホワイトの『MAXAM(マグザム)』がスタンバイ。ロー&ロングで好みのデザインだ。
走り出して5分で、行きつけのカフェ『モイモイ』に到着。ここで朝ご飯を食べて行きましょう。『モイモイ』は、自分のバイクと浜名湖を眺めながら、コーヒーや軽食が楽しめる、ヒルマン佐藤一押しのカフェ。さらに、コーヒー(400円)を頼むと、モーニングサービスとして、みゆきちゃんの愛情がタップリつまった朝ご飯までついてくる!バイク乗りは早起きして行くベシ。

船の様なMAXAM。水陸両用だったらと、想像したくなりません?

まったりしたい気分を振り切って、再び走り出す。とても気持ちいい。風もなく、こんな静かな浜名湖は久しぶりだ。
脇道に入ってMAXAMを停め、誰もいない湖畔を歩く。浜名湖を知り尽くしているはずなのに、新鮮な感覚。やさしい気持ちになれました。
浜名湖は、静岡県西部に位置する“汽水湖”(海水と淡水が入り交じった湖)で、面積は7,040ha。国内10位の大きさを誇ります。『松見ヶ浦』『猪鼻湖』『細江湖』『庄内湖』4つの枝湾があり、変化に富んだ地形が特徴で、オフ、オン問わずバイクで楽しめるルートがてんこ盛り!週末ともなれば、県内外よりバイク乗りたちがたくさんやって来る。私もoffの日は、ふらっと走りに出掛けたりします。
冬は風が強いけれど雪が積もる事もないし、一年中バイクを楽しめる温暖な気候。こんな場所に住んでいるバイク乗りの私は幸せ者だな~。
バイクも楽しいですが、浜名湖は魚たちのゆりかごでもあります。約650種の魚介類が生息していて、釣り好きにもたまらない場所。たくさんの釣り人が楽しんでいます。私は釣りをしませんが、浜名湖近くに住んでいるから、いつかは楽しんでみたいと思っていますよ。
MAXAMの登場は、実は今回で2度目。前回は『ワイズギア』のフルカスタムでしたが、今回はバックレストが付いているだけのオリジナル。カスタムも良いけど、オリジナルもカッコいいな~。低く、長い、存在感のあるデザインが印象的で、2005年のグッドデザイン賞を受賞したのにも納得だ。
個人的には、このパールホワイトが一番好きな色だけど、2006年のニュカラー・シルキーゴールドも魅力的だね。ちなみにMAXAMの色は、新色の2色が加わり6種類もあります。どれも素敵だから目移りしちゃいますね。
前回はタンデムでの快適さを楽しめたけど、ソロでも高いレベルのバランス感があって非常に乗りやすいし、何より楽しい!

浜名湖の唯一の島、『つぶて島』。『だいたらぼっち』が、おにぎりについた石粒を吹き飛ばし、浜名湖に落ちたのが『つぶて島』だそうな。

お昼を回ったことだし、そろそろ『とんきい』に向かいましょう。と、走り出して30分足らずで到着。
『とんきい』の自慢は、食肉産業展“銘柄ポーク好感度コンテスト(味覚部門)”で堂々の第一位となった豚肉、静岡型銘柄豚『ふじのくに、浜名湖そだち』。強豪、鹿児島産黒豚などを抑え、日本一のおいしい豚肉と評価されたお肉なのです。私のお店『ヒルマン』でも、もちろん使っています。
『とんきい』のお肉との出逢いは、7年ほど前。『ヒルマン』で“口下手な生産者が集う会”という食事会をしたことがきっかけでした。集う生産者の生産物を、私が調理するというものだったのですが、ただ調理するだけではつまらない。そこで、食材を提供してくださる生産者に事前に会いに行って話を聞き、畑を見て、生産者の考えやこだわりを理解しようと考えました。(もちろんバイクで行ってます。こんなところが“モーターサイクル・デ・フレンチ”のルーツ?)そのときに焼いたバラ肉の味、香り。それはもう、ヤバウマ!!それから、『とんきい』とのお付き合いが始まったのでした。
なぜ美味しいかは、後で説明するとして……。
とりあえず、代表の鈴木芳雄さんに案内してもらいながら豚舎を見学。豚舎は、直売所から10分ほど離れた場所にあります。35年経つという年季の入った豚舎は、ある意味、迫力がありますね。
まずは、老朽化が進んだ豚舎の隣に間もなく完成する、新豚舎へと案内してもらいました。明るい室内は、さながら近未来のよう。早く豚の入った状態を見てみたい。
それでは、実際に豚のいる豚舎へ行きましょ~う♪入り口の脇に餌が置いてあったのですが、そう!この餌に秘密があるのです。豚肉の味の8割は、餌で決まると言われています。ここの牧場の餌は、非遺伝子組み換えの良質なとうもろこし、大豆かす、少量の魚骨粉を自家配合した、全くの無添加。安心な餌なのです。獣医による豚の衛生管理も、月に2回行っているそう。

母豚はお乳をあげるとき“グウグウグウ”鳴いて子豚を集めます。

豚舎に入ると、母豚がズデ~ンと横たわっていた。でかい!そして子豚がお乳を飲んでいる。可愛い!
子豚は生まれてすぐに歩き出し、母豚のオッパイを探します。乳首によって乳の出る量が違うため、激しくけんかをして、自分の乳首を決めるのです。そして離乳するまで、その乳首で育つそうな……。生まれてすぐに、生きて行くための戦いがある。強い子孫を残す、自然の仕組みですね。
離乳が終わり母豚から分ける時も、子豚が寂しがるので完全に離さず、数日は母豚の近くに置いて、様子を見てから分けます。このように、小さい頃から豚にストレスを与えない配慮も大事だそう。

直売所に戻ってきました。

豚舎を後にして直売所に戻ります。加工所では、奥さんのみつえさんが、手慣れた手つきで豚肉を切り分けていました。
写真でも分かると思いますが、『とんきい』の豚肉は、差しが入り、やわらかく、抜群の保水力があります。『ヒルマン』でも、豚肉を仕入れてからある程度熟成させて使用するのですが、全くと言っていいほどドリップ(生肉を保存しておいて自然に出る水分)が出ません。香り高くジューシーで、旨味の強いのが魅力ですね。
ここで、美味しいだけではない、気になるお肉にまつわるお話をひとつ。肉などの中に含まれる良質の動物性タンパク質は、神経伝達物質“セロトニン”の濃度を適度に保つ役割を持っているそうです。この“セロトニン”が、人体にとってとても重要なものだということが最近分かってきました。なんと、“セロトニン”の濃度が低いと“うつ病”になりやすく、自殺者が増えるという統計が出ているのだとか。
さらに、肉に含まれる“アナンダマイド”という分質も、脳を刺激し、幸福感を与える働きがあるとのこと。肉を適度に食べる事によって幸せな気分になり、精神的にも安定するというわけ。
ですから、「年を取ったら肉を控えて、魚中心にする食事がいい」というのは間違いで、健康な高齢者ほど肉を敬遠していないそう。健康の秘訣、バランスの良い食事には、豚肉などの肉類を欠かすことはできないのです。
安心して食べられる『とんきい牧場』の豚肉は、現代人たちにとって、とても大切で、必要な食べ物なんですね。

こちらは、昨年の12月にオープンしたばかりの『農家のレストランとんきい』。オーガニックをコンセプトにしたレストランです。

お昼ご飯は、直売所北隣に昨年12月にオープンした『手作りバイキング農家のレストラン』でいただくことにしました。
“地産地消”(地域でできたものは地域で消費しましょうと言うこと)をコンセプトに、新鮮野菜と豚肉を使ったメニューが並ぶ、オーガニックレストランです。ランチ1575円、ディナー1980円と、リーズナブル。メニューも安心して食べられる懐かしいお母さんの味からデザートまで、多彩です。お腹も気持ちも大満足でした。ごちそうさまです。
明るい木のぬくもりあふれる店内は、家族連れや若者のお客様が大勢いて、とてもにぎやか。お店作りやコンセプトもさることながら、『とんきい牧場』で働く方々の、やさしい気持ちがあふれている気がした。これからも安心でおいしい豚肉作り続けてください。

オレンジロードの途中にある『浜名湖国民宿舎』には、立寄り湯もあるよ。

さてと、帰りますよ~。お腹も気持ちも満足しましたが、ちと、走り足りません。
私のお気に入り『奥浜名オレンジロード』を走って帰りましょう。この道は、引佐町奥山から三ヶ日町大谷をつなぐ広域農道です。浜名湖も展望できる、おすすめのワインディングロード。こんな道もMAXAMはスムーズにこなして行くデザインと走りが融合し、意外なほど楽しめた。やるな!MAXAM!
途中、白梅が咲いているのを見つけました。来月はもう桜だね。待ち遠しいけど、桜と美味しい話は次号、ヒルマン佐藤の“地元ツーリング第2弾”でのお楽しみ。

"ヒルマン佐藤"シェフの
これは覚えておくベシ!

■ 豚肉とは
豚はもともと、人が長い年月をかけてイノシシを改良して、現在の理想の形にした経済動物です。家畜としての歴史は古く、一万年前から飼われ、食べられていたようです。
豚は本来、綺麗好きで頭の良い動物。土浴びが大好きな理由は、体に寄生虫が付くのを嫌うためです。
「捨てる所がない」と言われるほど利用価値の高い家畜である豚は、栄養面でも優れ、牛肉に比べビタミンB1が10倍も含まれています(ビタミンB1は疲労回復、精神安定などに効果が期待できると言われています)。
また、良質のタンパク質や鉄分、コラーゲンが豊富。このコラーゲンに美容効果があると言われているのは、みなさんご存じの通り。
さらに、豚の脂身は、コレステロールを低下させる効果も期待できるとか。
人の体に良い物を多く持ち合わせた豚は、まさに健康食品です。
 
■美味しい食べ方
それでは、ご家庭でもよく登場する、ポークソテーの美味しい焼き方を紹介しましょう。焼き方、火の入れ具合によって、味が全く変わってしまうのが豚肉の面白さでもあります。
ポイントは、少し油を多く入れて脂身を良く焼くこと。高温の油に脂が溶け出し脂質が落ちて、あっさりしてるのにコクがある焼き上がりになります。
そして、片面をよく焼き、焼いていない面から少し水分が出るかでないかぐらいで、肉を返します。返して軽く焼いたら、あとは余熱で30秒くらい、中が少しピンク色になるくらいで焼き上がれば完璧です!
寄生虫がいるから完全に火を通さなければいけないというのは、迷信です。焼きすぎないことで、美味しさは格段に上がりますよ。
 
蒸し豚も美味しい!
固まりのまま蒸し、スライスしてサラダや炒め物に使うと、しっとり柔らかく旨味が強く仕上がります。
上手な蒸し方は、300gの湯が沸いた状態で25分~30分ぐらい。串を刺して肉汁が透明なら出来上がり。5分ほど休ませてから切るといいですよ。
豚肉のビタミンB1はタマネギ、ニンニク、ニラなどと合わせて食べると吸収が5~6倍になるそうですよ。
 
■ 相性の良いワイン
白ワインならスパイシーな香りのアルザスのワイン『ゲヴュルツ トラミネール』がいいね。
赤ワインならライトボディーの『ボージョレー』がよく合います。

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