本文へ進みます

Vol.12 森の恵みと情熱、家族の絆を見た旅 その1

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2006年4月 取材

昨日は1日中、雨。今日は晴れて良かった~。

ああ〜、よく寝た。日差しでテントの中がオレンジ色に輝く。晴れてるんだ♪ 昨日は凄い雨で取材を中止、やむなくテントで一泊したのでした。おかげさまで(?!)いつもより3倍の睡眠時間がとれたのだが、寝すぎて体が痛いっ!
この場所は今回お世話になる『シイタケブラザーズ』のシイタケ山への入り口。テントから外をのぞくと、青空をバックに今回の相棒・ブラックの『TMAX』が見えた♪モーターサイクル・デ・フレンチでは2度目の登場となる『TMAX』。前回のブルーより、このブラックの方が好みだな〜。迫力があるよね。
ヤマハのいろいろなビッグスクーターを食材探しの旅で乗ってきましたが、約半年ぶりに乗り込んだ『TMAX』は、他のモデルとは別次元のスポーツ感。改めてしっかり楽しめた。さすがにヤマハが、ビックスクーターのカテゴリーに入れずに、スポーツバイクとして位置づけているだけある。今日は晴れで路面もドライだから、もっと楽しめるぞ!

春の使者・フキノトウ

そんな事を考えながら、テントからはい出てバイクを眺めていると、足下にフキノトウを発見。周りを見回せば、ツクシやタンポポ、春の草花たちが昨日の雨の恵みを受けて、生き生きしまくり!
そうだ、皆さん『シイタケブラザーズ』って何?って感じですよね。簡単に説明すると、自然豊かな川辺町で、本物の味にこだわったシイタケを育てている、若き3兄弟のこと。彼らは、生産効率にとらわれることなく、本物のシイタケの味を追求し、着実に成功の道を歩んでいるのです。現在、15万本の“ほだ木”(原木)を保有し、年間の生産量は50t以上!最若手にして、岐阜県内一の生産量を誇っているというから、スゴイ!
お客様の何気ない一言から、ブランド名、会社名として、8年前から『シイタケブラザーズ』を名乗り始めたそうだ。「届けたいのは本物への情熱」。元気印いっぱいの、生産者さんです。

春の日差しは、エネルギーがいっぱい。

約束の時間まで後少しあるから、土手でひなたぼっこ。春の日差しがポカポカ気持ちいい。あんなに寝たのにウトウトしていたら、ブラザーズの三男(泰弘さん)登場!泰弘さんは、元々機械関係の技術者だったそうですが、父親と2人の兄が試食販売する姿に、農業の楽しさや、やりがいを感じ、共に自分も働こうと10年勤めていた職を辞め、就農したそう。 挨拶を交わし、早速天然しいたけを見学に行きます。ウキウキ♪まずは、天然の大きなサイズのシイタケが生える場所を、見せてもらうことにしました。

これだけの大きさだと、採りがいがある。

デカ!いきなりジャンボ~!大きいだけではなく、とても肉厚。これは凄いぞ!触ってみると、すごく弾力があり、鼻を近づけると、爽やかで良い香り。
厳しい冬の寒さや雪を耐えたシイタケは、4ヶ月の時を経て、春を感じ、密やかに育っています。“森のアワビ”と呼ばれるこの風味は、まさに幻の味です。

生産者も、料理人も。お客様の喜ぶ顔が見たいのです。

ここでちょっと私ネタを…。実は私“ヒルマン佐藤”は、レストランを経営する前、自分の進む道に迷っていた時期がありました。料理の道に入った以上、自分の店を構えるとか、料理長になるというのは、当然の目標なのですが、それに対して迷いがあったのです…。
そんな時、旅をしながら(もちろんバイク旅)いろいろな生き方をする方々と出逢って話をする機会に恵まれたのでした。こうして、自給自足やエコロジカルな生き方に憧れたりして、何か良い方法はないかと、さらに色々見て回るように。そんな気持ちで旅を続けていると、不思議なことに、自分にとって必要な人と巡り逢うようになるんですね。人のつながりができていき、時間が経つにつれ、見えなかったものがおぼろげながら、見えてくるようになったのです。出逢った方たちは皆、楽をしている人などいるわけもなく、人生を楽しみながらも、何かしら“しがらみ”の中で生きているのだと思えたのです。
やがて、尊敬するバイク大先輩から何気なく出た言葉で、吹っ切れました。私は結局、自分に自信がなくて、現実逃避をしていたにすぎなかったのです。半分、人間嫌いになっていた私は、結局、人の中で生きて行く他ない事を痛感。そして行き着いたのは、人や世の中のためになる職業を選ぶ事、目標であった自分の店を構え、お客様が幸せになれるようなお料理を出す事…。今、自分の出来る事は、料理人の道しかないと確信したのです。
そうと思えば、早かった。半年後には『レストランヒルマン 1996年』をオープンしていました(笑)。お料理を通して得る、様々な喜びや自分自身を表現できる事には、やりがいと幸せを感じます。この仕事は私の天職です。

森を守るために間伐は重要な事。それが“ほだ木”になるのだ。

ふらふら迷っている当時に、『シイタケブラザーズ』と同じ岐阜県で出逢ったのが、シイタケ栽培でした。
“ほだ木”ではなく“菌床栽培”でしたが、そのとき読んだ本には、「原木栽培は重労働で、木を切るため自然破壊」的な事が書いてありました(実際は自然破壊などしません)。小資本ででき、安定した生産が可能なシイタケ栽培。個人的にもシイタケやその他のキノコは大好きな素材でしたので、当時はとても魅力的に感じ、本気モードでした。
しかし、これまた、旅で知り合った農業関係者の友人から、シイタケは中国産のものが大量に入ってきていて、値崩れが激しく、シイタケのみでの生活は無理だとの助言があり、断念したのでした。13年前の事です。多少の思い入れもあり、今は自宅で少量のシイタケ栽培をしていて、毎年春と秋に楽しんでいます。と、私の「シイタケ回想話」はここまでにして…。
当然、『シイタケブラザーズ』の作るシイタケは、私の作るシイタケとは大違いです。いったいどんな秘密があるのやら??「当たり前の事をしているだけですよ」と、泰弘さんは言います。とは言え、今の時代、当たり前の事をすることが、一番難しいと思いますが…。

本伏中の“ほだ木”。シイタケ菌が原木内によく蔓延するように、2ヶ月に1度、天地返しを行う。

それでは、ここで、シイタケ栽培の基礎知識を勉強しましょう。まずは、“菌床栽培”と“原木栽培”の違いを。
“菌床栽培”は、おがくずに栄養剤や水を混合し、一辺が20cmほどの大きさのブロックにして、殺菌後、シイタケ菌を植え付け、空調された施設内で3ヶ月ほど培養させ、その後、シイタケを発生させる方法。“菌床栽培”は、重い“ほだ木”から解放され、なおかつ、安定した収穫量が得られるのが利点と言えます。対して、“原木栽培”は、山からナラやクヌギなどの広葉樹の幹を切り出し、1mほどに切り分けシイタケの菌を植え付けます。そして、250日から300日間、自然の環境を利用して培養し、ハウスでシイタケを発生させるという、自然を活かした栽培方法です。
ここ数年注目されている「スローライフ」「スローフード」にピッタリ、時代に合っていると思いませんか?!しかし、原木1本(5〜10kg)を1日に2000〜3000本動かすのは重労働。おまけに、気候や天気に左右されるため、安定した生産が難しい。“効率優先の菌床”、“本物の食感と味の原木”と言う訳なのですが、私はやっぱり“原木栽培”に惹かれます。これが理想ですよね。

太陽と森と水。豊かな森に感謝。


しかし、夢や理想ばかりでは、世の中通じない事の方が多いのも現実。“菌床栽培”のシイタケは、その効率性から生産者が増え、価格も抑えられるため、今ではシイタケ消費量の9割以上をしめているそうです(中国産を含む)。
一方、重労働で自然環境に左右されやすい“原木栽培”は、年々生産量が落ち込み、後継者もほとんどいないという状態なのだそう。また、中国産の輸入しいたけ(菌床栽培)の登場によって、価格競争が一層激しくなり、“原木栽培”の生産者はさらに減り続けていると聞きます。とても悲しいことです。
食べ比べてみるとすぐに分かることですが、“原木栽培”のシイタケは、肉質が硬く、口に入れた時の風味、また後味は甘味さえ感じます。ナラやクヌギなどの硬い木を、時間をかけ自然の力で分解し、シイタケを発生させるからこそ、本物のシイタケの味・香り・歯ごたえが生まれるのです。ところが、“菌床栽培”は、シイタケ本来が持つ旨さを、“効率”と言う魔法の中に置いて来てしまったようです。急いで得ようとしても、時がそれを許さない。かかるべき時間には、お料理と同じで、しっかりとした意味があるのです。
生産効率のよい“菌床栽培”のシイタケは、わたしたちの食卓に多くのぼるようになりましたが、本物のシイタケの味を忘れてしまう(知らない)ほどの事態になっています。日本の誇るべき本物の自然食材、安全で体にいい“原木栽培”のシイタケを、もっと知って欲しいし、もっと食べもらえるようになればと、願うばかりです。

泰弘さんの説明には、自信と情熱を感じる。


さて、この“原木栽培”にこだわる『シイタケブラザーズ』さん。彼らは、想像以上のこだわりを持ってシイタケ栽培に取り組んでいます。
今の時代、収量を増やすため、増収剤や殺菌剤、殺虫剤などの農薬が使われているのが現状です。しかし、『シイタケブラザーズ』では、こうした薬剤を栽培の全ての行程において、一度も使わないというから、このこだわり、心意気は並じゃありません。その信念の真ん中には、「自分達の子供にも安心して食べさせられる」自信があり、これこそが“循環型農業”を守っている原動力となっているのです。そのこだわりの栽培方法の詳しくは、次号で説明しましょう。
楽しく説明を受けていると、尚人さん(長男)と千洋さん(次男)が登場!これで、『シイタケブラザーズ』が揃いました!!(かなり嬉しかった!)尚人さんは、北海道大学農学部卒業後、農協に勤め、3年後Uターン。大学の頃は、キノコ類と植物との共生に関する研究をし、農協時代もキノコ類の種菌検査や開発に携わっていた、根っからのキノコ好き。千洋さんは、アパレル会社を退職後2年間、アメリカで農業研修。ビックベントコミュニティカレッジ、ハートネルカレッジに通い、カリフォルニア州の広大な野菜農場で、アメリカ人やメキシコ人と共に働く経験を持つ。さまざまな経歴を経て、シイタケ栽培に情熱を注ぐ3兄弟。彼らと話をしていると、とても気持ちがいい。妥協せず、純粋に、正しい事をしているという信念や自信が、パワーとなり、みなぎっているのだと感じずにはいられません。
そして、そのパワーは、生産しているシイタケにも!今回はここまで。次回はシイタケのお話の続きと、『シイタケブラザーズ』ファミリーのお話です。お楽しみに~。

ジャガイモのソテープロバンス風

私もキャンプツーリングの時によくこしらえる、お料理を紹介しましょう。キャンプといえど、お料理にイメージを持つ事と全体のバランスを取る事が大事です。せっかくだから、お米に頼らず、お料理のお供はパンでいきましょうか。ワインを選ぶようにパンも選びますが、今回はフランスパンの基本『バケット』。私の一番好きなフランスパンです。あなたの街や旅先の有名なパン屋さんに立ち寄って、パンを荷物に忍ばせてのキャンプツーリングなんて、ヨーロッパのバイク乗りみたいでカッコイイ~!お試し有れ!

今回のメニューは『ジャガイモのソテー プロバンス風』ポイントは、ジャガイモをカリッと香ばしく、焼き色を上手に付けること。オリーブオイルでゆっくり炒めると、ジャガイモの甘みが出て美味しいし、天然のシイタケは、歯ごたえや味・香りが良いので食べごたえがあります。これに簡単なスープでもあれば完璧ですよ。

材料

  • ジャガイモ 2~3個(メークイン又はシンシア)
  • 『シイタケブラザーズ』天然シイタケ 3つ(厚めのスライス)
  • 黒オリーブ 1/2缶(種入りでも美味しい)
  • オリーブオイル 適量(結構多め)
  • フランスパン粉 大さじ1(普通のトレイパン粉でも可)
  • 白ごま 小さじ1
  • 醤油 小さじ1
  • 塩・こしょう 適量
  • 仕上げ用オリーブオイル 大さじ1

レシピ

①ジャガイモは皮を剥き一センチ角位に切る(水にはさらさない!)

zoom
ピラー(皮むき)は便利だから、 必ず持って行きます。
zoom
痛みの少ない素材をチョイスすると、 安全だしラクチン。
zoom
出掛ける前に、材料を 洗っておいたりしておくとスマート。

②中火のテフロンのフライパンに、たっぷり目のオリーブオイルでゆっくり焦がさないように炒める。
(あまり動かさないで焼き色が付いたジャガイモを一つずつ裏返してゆく感覚で)

zoom
オリーブオイルは万能に使えるから、 キャンプには便利ですよ。
zoom
焦らず、ゆっくり炒めましょう, 美味しくなりますよ。
zoom
早く出来れば良いってものではないのです。 かかるべき時間はかけるべき。 これぞ、料理の極意!

③シイタケも焼き色を付ける(焼きすぎないで!)

zoom
旅先で、良い素材を見つけて使うのも、 楽しいものです。
zoom
深めのテフロンのフライパンは、 中華鍋のように使える万能選手。

④ニンニクを入れ、軽く焼き色を付けるように炒める。

zoom
まな板を使わない切り方を覚えるべし!

⑤お醤油少々、塩、こしょうして、パン粉を適量振り入れ、余分な油を吸わせる。(お好みで白ごまを入れる)

zoom
ペッパーミルは必需品です。
zoom
自家製パン粉は、フライ以外にも色々使えるのです。

⑥強火にして黒オリーブを入れ、さらに香りがたつまで炒める。

zoom
黒オリーブは贅沢に、 たくさん使ってください。
zoom
キャンプだし、大胆に、 切らずに使いましょう。
zoom
オリーブからも油が出るから、 香りが回るように炒めます。

⑦仕上げに、香りだしのオリーブオイルと、黒こしょうをかけて完成!

zoom
出来上がり~!ホクホクのお芋、 シイタケの食感がたまりません。
zoom
フランスパンも親指を軸に切るとカッコいいですよ。
zoom
こんな食べ方も良いでしょ?
zoom
ワインが欲しくなるところですが、 ペリエで我慢。
zoom
今日は、フライパンのまま ワイルドに行くとしましょう!
zoom
うま熱!しあわせ~~~!
zoom
大切な人と一緒なら、 お皿に盛りチョットお洒落にね。

TIPS

zoom
外でお料理も良いものです。
zoom
愛用の“アウトドアお料理キット”。 使いやすいですよ。
zoom
ヨーロッパのミリタリー クッキンググッズは使えます。
zoom
バッチリ収納できました~。
ページ
先頭へ