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Vol.14 沖縄全土から、食材が集まってくるのです。 その1

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2006年6月 取材

セントレアから沖縄へ、約2時間で到着!

ボンジュール、ハイサイ!私、ヒルマン佐藤は沖縄の大ファンなのです。かれこれ今回で6回目になる沖縄。
色々な沖縄の楽しみ方がある中、やはり職業柄でしょうか。私は食文化から沖縄に興味を持ちました。
食べることは生きること。その土地の食文化を探れば、そこに暮らす人や生き方、歴史までも見えてきます。全県が亜熱帯、日本の中でも最も魅力的で、異質さを放つ沖縄の食文化に興味は尽きません。
 
一日目
セントレア空港からあっという間に沖縄、那覇空港に到着。抜けるような青い空の沖縄をイメージしていたが、期待はずれの曇り空…。
早速、ヤマハが用意してくれた『DSC4(ドラッグスタークラシック400)』を受け取る。送っておいてもらった、ウインドシールドなどのオプションパーツを取り付けて準備完了。
食材の情報収集のため、那覇・国際通り近くの第一牧志公設市場へ向かった。
裏路地にバイクを止めヘルメットを取ると、何処からともなく三線の音色が聞こえてきた。いい感じだ。

沖縄全土から、食材が集まってくるのです。

しばしぶらぶら歩いて散策。久しぶりの市場やその周りの小道は、あいかわらず楽しい食材があふれているが、残念な事にお魚の市場はお休みだった。
色とりどりの野菜やフルーツ、店の人とのやり取りも楽しいし勉強になる。
自走の旅が多い私。だからこうやって飛行機でビューンと来てしまうと、イマイチ何処にいるか実感がわかないんだよね~。
地元の人たちと触れ合ったり、その土地の物を食べたりして初めて、自分が沖縄にいる気がして来た。でも、こんなのが旅の醍醐味だよね。

三線、弾けたら楽しいだろうな~。

のんびりしていたら、日も傾いて来たので、今夜は那覇に泊まることにした。予約したホテルはビジネスホテルで、朝食付き5,000円とリーズナブルだったのだが、ビックリするほど立派なホテル。初日からホテルに泊まるなんて、私の旅らしくないが、たまにはいいか。
チェックインを済ませ、『ドラッグスター』を停めて国際通りをブラブラ。泡盛や沖縄名産品のお店が建ち並び、観光客が沢山でとてもにぎやかだ。国際通りは戦後、いち早く活気を取り戻し“奇跡の一マイル”と呼ばれた場所。沖縄復興のシンボルだったそうだ。それほど、沖縄は戦争で深く傷ついていたのだろう。
観光気分を十分味わって、ホテルに戻る途中、近くの寿司屋に立ち寄り、泡盛を飲みながら沖縄の海産物や野菜を楽しんだ。食材話に花が咲き、とても勉強になった。こんな旅もいいね。

早朝の守礼門。まだ誰もいない。貸し切り状態?

二日目
早起きをして、チェックアウト。早すぎて、朝食が間に合わないということで、ホテルの方がパンを持たせてくれた。親切なホテルだ。
首里城の周りをクルクルと走り、バイクを止めて朝のお散歩。
しばらくすると雨がぽつぽつ降って来たので、大きな木下で雨宿りしていたら、ヤブ蚊に何カ所も刺された。坊主頭に2カ所。20度を超える気温になると、蚊が活動し始めます。あー!かゆい!
再び走り出すと、かなりの土砂降り。雨宿りがてら、ハンバーガーショップで休憩。
予定では粟国島に渡って、以前から興味があった沖縄海塩研究所の『粟国の塩』を取材するはずだったが、悪天候で断念!急きょ、読谷村の『沖縄黒糖』に変更することになった。小雨になって来た所で、読谷村の『沖縄黒糖』を目指します。
途中、バケツをひっくり返したような雨に見舞われ、凄すぎて笑いがこみ上げてくる。こりゃ凄い。

バケツをひっくり返したような土砂降りでも、雨対策は万全だから笑っていられる。

海の塩と黒砂糖は、沖縄の長寿を支える食品の代表的なもの。沖縄では、黒砂糖は昔からお茶うけとして食べられていて、摂取量が多い地域。沖縄に長寿が多いのは、黒砂糖の成分に秘密があると言われている。
上白糖は、ほとんどビタミン、ミネラルが含まれていないが、黒砂糖は、鉄分、ナトリウム、マグネシュム、マンガン、リン、亜鉛、カルシウム、カリウムなど沢山のミネラルが豊富で、ビタミンB1、B2などのビタミンB郡がバランスよく含まれている。それは、体に良い天然の成分がつまったサトウキビの絞り汁をそのまま煮詰め、生産過程で水酸化カルシウム(石灰)を加えることで、アルカリ食品になり、自然の総合栄養剤になるのだ。健康ブームもあって、沖縄以外の地域でも、黒砂糖の消費量は増えているそう。
その黒砂糖の製造過程を見学体験出来る『沖縄黒糖』を訪ねてきました。通常は見学だけなのですが、サトウキビを圧縮機にかけて絞る過程を特別に体験させてもらった。ビキビキッ、バキバキッと、なかなか楽しい♪この行程で、サトウキビに含まれる75%のキビ汁が絞られるそうだ。

今は清掃中ですが、サトウキビはこの窯で煮詰められていきます。

この後、アクを取り除きながら石灰を加えて煮詰る。さらに次の窯に移しながら煮詰めて、4番目の窯までくると飴状になってくる。
それを鉄板の中に流し込んで冷やし固め、カットして完成。
作りたての黒糖は香りも良く、とても奇麗。味は口溶けが素晴らしく、旨味もたっぷりで、心が和らぐ甘みと味わい。
『沖縄黒糖』では黒糖づくり体験(要予約)もできるから、楽し~。

琉球村のシーサー。何故か口の中にお賽銭が…。

続いて訪ねたのが、水牛を引いてサトウキビを絞る、昔ながらの黒糖づくりの伝統を守っている『琉球村』。絞り方に違いがあるだけで、作り方は基本的に同じです。
小雨の中、力強く働く水牛の「しんちゃん」は、とてもやさしい目をしていました。
ここ『琉球村』は、沖縄の昔が保存されているのはもちろん、体験施設も豊富で、文化と歴史がつまった、とてもためになる場所です。
ふたつの施設は近くにあるので、ツーリングのときは続けて立ち寄れるよ。

米軍基地のフェンスが続きます。日本国内にある米軍施設のうち、75%は沖縄にあるのです。

再び走り出し、米軍の嘉手納基地周辺をクルージング。バイクで走るのは楽しいが、基地問題を考えると複雑だ…。
ゴザ(沖縄市)のゲート通りにバイクを止めて散策する。終戦後のアメリカの匂いのする店が建ち並ぶ。『ドラッグスター』で乗りつけると、大陸横断の旅の途中の様な気分になった(行った事はないが…)。
 
日が陰ってきたし、そろそろ今日の宿探しをはじめましょう。昨日はホテルだったから、今日はキャンプがしたいと思い、残波岬方面にテントが張れる場所を探して走り出すが、全然見つからない。
日も暮れて、月明かりもない状態での寝床探しは非常に困難。何度も体験していることとはいえ、とても辛いんだよね~。何度か良さそうな場所を見つけては、奥に入り込むが、必ずといっていいほど亀甲墓(沖縄特有の墓)で、結構怖いんだな。
やっとの思いで、ビーチを見つけてテントを張ることができた。気持ちのいい風が吹いてきて、星空が見えてきた。
しばらく風に吹かれた後、近くにあったマチヤグワー(日用雑貨店)で、オリオンビールと太巻き寿司一本、沖縄の棒状のかまぼこを購入して、夜空を見ながら食事を済ませた。
今日は疲れたので早く寝よう。明日は晴れますように…。おやすみなさい。

昨夜は白いビーチでキャンプ。朝方の雷は凄かった。

三日目
目が覚めると、とりあえず晴れているものの、海の向こうから雨雲が…。こうなると、私の楽しまなきゃ!モードにスイッチが入る。そのためには、雨の日用の装備が重要になってくるのだ!
サイバーテックス2を採用した『ワイズ・ギア』のクルクルレインスーツは快適そのもの。特にクルクルフードは頭の動きに会わせてスムーズに動くから、安全にも一役かっている。レインウェアを着たから安全確認がしづらいなんて、楽しさ半減してしまいます。
ウェアを着込んだら、雨がぽつぽつ降って来た。(ほらヤッパリ)
あっ!足下に小さなカタツムリを発見!雨だから出逢える生き物や風景だね。今日は雨に感謝しながら走ろうか!
黒い『ドラッグスター』も雨粒に飾られて、さらに美しさを増している気がする。贅沢に使われたクロームメッキが存在感や風格を感じさせる、ローアンドロングのボディーはずっと眺めていても飽きないし、細かなパーツの造形も、手が込んでいて感心する、本当に奇麗なバイクだ。
しかし、ドッシリしたスタイルからは想像出来ない軽快なハンドリングと走行安定性、旅が楽しくなるな。

パインではありませんよ!アダンです。食べられません。

今日は、うるま市の『海中道路』を走るルート。
1時間ほどで到着すると、雨も上がっていたので、レインウェアを脱いで『海中道路』へと入っていく。抜ける様な青空ではないが、十分気持ちがいい。『海中道路』は、ごく浅い海域に土手を築いて造られた道で、『海中道路』としては東洋一なのだそうだ。
一番奥の伊計島まで走ってから引き返し、浜比嘉大橋を通り、浜比嘉島に渡っていく。別名“神々の住む島”と言われるこの島には、5年前にも来たことがある。同じ様にバイクツーリングの一人旅だった。
何の予備知識もないまま島に渡って散策をし、数時間ほど時間をつぶした。沖縄の始祖を祀った(シルミチュー霊場)などを見に行ったり、島の人と話したりと、自分なりに楽しんだ。久しぶりに来た。
こうして5年ぶりに立ってみると、浜比嘉島はあまり変わっていないように思えて安心した。旅を続けていると、以前あった道や建物が、よくなくなっている。便利になるのはいいが、思い出や風情のある道がなくなるのは、悲しい限りだ。

本家の主家は、明治末頃、チャーギ(イヌマキ)を使用して建てられた貫木屋形式の本瓦葺き平屋です。

昔からの石垣が残る集落を散策していると、勝連町の有形文化財に指定されている、築120年以上の建造物・吉本家を見つけた。
人がいたので、「見せてくださ~い」と伝えると、「見て行きなさい」との声。普段から一般公開しているのだそうだ。しかも、今も“おばあ”(沖縄では“おばあちゃん”のことをこう呼ぶ)が住んでいるのだそうだ。やはり人が住んでいることで、生活感や過去とのつながりを感じる。
サンピン茶をいただきながら、昔話から世間話、神々の話まで、ここだけが時間の流れが違う気がした。ちなみのおばあは94歳。ホント、沖縄のお年寄りが元気なことには感心する。さすがは長寿の土地だ。

梯梧(ていご)の塔の説明。読んでください。

浜比嘉島を後にして、更に南下。南に行ったならば、必ず立ち寄ってほしい場所がある。『ひめゆりの塔』だ。青い空、白い砂浜、美しい珊瑚礁、沖縄県全土が亜熱帯の楽園として名高い沖縄。しかし、第二次世界大戦で、日本で唯一戦場になった場所でもあります。
沖縄戦での悲劇のシンボルとして、知らない者はいない『ひめゆりの塔』。15年前位に初めて沖縄に訪れて、『ひめゆりの塔』を併設する『平和祈年資料館』に立ち寄った時の衝撃は、今でも忘れられない。特に、4室目の壁一面に掛けられた遺影には、言葉を失った。幼い少女まで激戦地に送り込んだ沖縄戦。戦争の異常さ、人の狂気を考えさせられる。
昭和40年代生まれの私たちの世代は、戦後を引きずる最後の世代と言われているが、ほとんどが知らない事ばかりだった…。
昔話ではなく、この悲劇の本質と真実を次の世代へ伝え、平和とは何かを一人ひとりが深く考え、意見を持てるよう育てることが大事であり、教育ではないかと思う。戦争を起こすのも人間ならば、起こさないようにするのも人間なのだから…。
愛国心という言葉は、戦争を前にしては危険なイメージがありますが、自国を愛する事は素晴らしいこと。愛する事は知ることなのだ。
初めて海外をバイクで旅したとき、私は日本を知らないなと痛感。日本に帰ったら、もっと走らなきゃと単純に思ったことが、私がバイクで旅する一つの理由でもあるのです。
自分自身を知ること、自国を知ることで、相手や他の国を初めて受け入れることが出来ると思う。『自分を愛することができない人は、他人も愛せない』って良く言いますよね。
私は今回、『ひめゆりの塔』には立ち寄らず、そのすぐ隣にひっそりと建つ『梯梧の塔』に立ち寄ることに。『ひめゆり学徒隊』と同じように、沖縄戦で戦死した私立沖縄昭和高等女学校の生徒60人が祀られている場所。
この他にも数多くの慰霊碑や壕などがあるので、沖縄に来たときには、必ず戦争の美化出来ない部分を見に行ってください。知ることは大事なことですから。

浜辺の茶屋もあれば、山の茶屋もあるそうだ。

次は同じ沖縄南部の『海辺の茶』。ここは沖縄好きの友達から紹介されていたカフェだ。
日暮れ前で、いい感じに空が色づいて来た。柔らかな風が心地いい。温かなコーヒーが心と体をリラックスさせてくれる。
暗くなるまでの間、よい時間を過ごせました。紹介してくれた友達に感謝です。

北谷は若者の街。テーマパークのようだ。

さてと、日も暮れたし、普天間へと今夜のお宿を目指して走り出します。
途中、『美浜タウンリゾート アメリカンビレッジ』に立寄りました。大きな観覧車が目印で、映画館やレストランなどいろんなお店が沢山!ここは日本か?と思わせる様ような演出の効いた街並がいいですね。こんな風景に『ドラッグスター』は、ハマリ過ぎです。
普天間に入り、宿の近くのキングタコスで腹ごしらえ。欲張って頼みすぎ、予想以上の量でかなりヤバかったが完食。お腹が一杯。
さてお宿に到着。ここは、ゲストハウス『フリーダム ベバス』。格安の宿です。一泊ドミトリーなら2,000円と、うれしい限りの値段!個室を頼んでも3,000円~で、さらに1週間滞在なら割引もある。ここを拠点にツーリングを楽しむ、なんていうスタイルもいいかも! 客室も清潔で掃除が行き届いているし、宿泊してる方とゆんたく(お話)を楽しんだりと、快適な宿でした。この手の宿が沖縄には数多くあるそうなので、利用しない手はないね。
さて、1話目はここまで。“アグー”や“カヌー”の楽しさ満載の2話目もお楽しみに~。

フランス産レンズ豆とランチョンミートのチャンプルー

今回は、沖縄に来たのでフランスの食材と沖縄でよく使われる食材でこしらえてみました。
このランティーユ(lentille 仏)は私の大好きな食材のひとつ。自家製のベーコンと一緒に煮込んで付け合わせにしたりデザートで使ったりとさまざま。
ランチョンミートとは肉の缶詰で、別名はソーセージミート。沖縄特産品であるかのごとく扱われているが、じつは全て輸入品で、沖縄家庭料理の定番食材としてどの家庭でも常備されている。日本に輸入されているランチョンミート缶詰は、実に9割を沖縄県内で消費しているというから驚きだ。
この二つの食材に沖縄産の新タマネギを使って作る、簡単で美味しい一品です。
パンを片手に食べればお腹いっぱいになりますよ。

材料

  • フランス産レンズ豆(フランス以外でもOK) 適量
  • ランチョンミート 大一缶
  • 新タマネギ 中一個
  • 塩、胡椒

①レンズ豆を下茹で7分ぐらい(半茹で状態)


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今回の主材料はこれだけ。
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まずはお湯を湧かします。
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ランティーユ(lentille・仏語)=レンズ豆。形状がレンズのような形をした豆のことで、特にオーベルニュ地方のものはおいしい。
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あまり膨らむ豆ではないので、食べる量を茹でてください。
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沸騰したお湯で7分ほど下茹でをします。
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ツーリングの料理は、できるだけ簡単で、明日に備える栄養たっぷりのものがいい。

②玉ねぎを透き通るまで炒める

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沖縄の新タマネギを、大きめのみじん切りにします。
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レンズ豆は、まだ完全に火が入っていない状態ですから、好みの固さまで時間をかけて炒めて行きます。
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火加減は中火のままですが、ガスボンベが気化熱で冷え、火が弱くなります。手でボンベを暖めると火力が多少強くなります。冬はカイロをあてたりすると良いですよ。

③下茹でをしておいたレンズ豆を加え、さらに炒める

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下茹でしておいたレンズ豆を加え、さらに炒めます。
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レンズ豆は、まだ完全に火が入っていない状態ですから、好みの固さまで時間をかけて炒めて行きます。
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火加減は中火のままですが、ガスボンベが気化熱で冷え、火が弱くなります。手でボンベを暖めると火力が多少強くなります。冬はカイロをあてたりすると良いですよ。

④ランチョンミートを加え、焼き色が付くように炒める

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ランチョンミートもダイス型に切り分けます。
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レンズ豆に火が通ったら、ランチョンミートを加え、肉に焼き色が着くよう、さらに炒めます。
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ここまで来たら、ちょこまか動かさないで、たまに全体をひっくり返すつもりで混ぜます。
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ランチョンミートの脂と旨味が全体になじんできたら、こしょうを少しふります。沢山食べたいからうす塩が基本ですが、塩加減はお好みで。
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買っておいたサンドイッチと一緒に。黒糖パンでもいいですね。
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まめ料理は大好き。なんと言っても力が出ます。
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はぁ~~~~。美味しいし、眺めはいいし、気分は最高!
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