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Vol.18 ルビーの如く輝く紅玉に至福を感じる旅

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2006年10月 取材

Gマジェのメーターは気温を表示できるのだ!他の車種もついているのかな?


ボンジュール、皆さん『紅玉』って知っていますか?リンゴの名前ですよ!
私のお店“カジュアルフレンチHillman`s”では、オープン当初(1996)からデザートメニューの秋の定番として『紅玉のタルト』が登場するのだ。ときどき、お客様から「紅玉って何ですか~?」と質問されたり、「ベニタマのタルトください」と、ご注文を受けることも……。昔からあるリンゴの品種ですが、知らない方も大勢いるよう。
私たち料理人とって『紅玉』はとても大切なリンゴ。今日はその“至福リンゴ”に出逢いに行って来るぞー。
 
今回の相棒は、きれいなホワイトの『グランドマジェスティー400』。余裕の400ccで高速も楽々、食材探しツーリングでは2度目のGマジェ。『vol9天城の名水で育つ人々と日本一のわさびを訪ねる旅』で伊豆に行って以来だ。大人っぽいデザインは、個人的にもお気に入り♪
目的地までスマートに移動出来るビッグスクターは、相変わらず快適だ。朝5時に出発。長野方面に行くときにいつも通るルート、浜松西I.C.から東名高速道路→東海環状道路→中央自動車道→長野自動車道→上信越自動車道と乗り継ぎ、10時に須坂長野東I.C.に到着。走行距離約350km。カウルの性能もいいし、シートも良いから、このぐらいの距離なら余裕がありすぎるぐらいの疲れ知らず♪

仁王門に掲げられた『定額山』とは、善光寺の山号のこと。

まずは、今日の一番目の目的地、善光寺へ。
『遠くとも一度は詣れ善光寺』。長野には何度も来ているのに、不思議と訪れたことがなかった。人が多い場所は苦手だから、どうも足が向かなかったような気がする。
善光寺は、古くから特定の宗派に属さず、全国的な信仰を集めている珍しい寺。善光寺に詣ると仏の世界に導かれると云われ、年間700万人が全国から参拝しに来るんだって。
善光寺に安置されている如来様は、欽明天皇13年(552年)、仏教伝来の際に、百済から日本へ渡った日本最古の仏像だそう。
印度毘舎離国(びしゃりこく)の月蓋(がっかい)長者が一人娘の如是姫(にょぜひめ)の病気が治ったお礼に、竜宮の黄金を求めて鋳奉ったのが、阿弥陀如来である善光寺如来様なのだ。
しかし、この如来様、なかなか波瀾万丈な人生(?)を送っていらっしゃるのだ。百済から日本へ渡ってきた当初は、仏教に反する人たちによって難波(なにわ)の堀江に沈められてしまった。このときは、信濃の本田善光が見つけて持ち帰り、信濃の座光寺(元善光寺)に安置されたのだと言う。ここで平穏な日々は長く続かず、その後、川中島の戦いで武田信玄により甲斐に移され(甲斐善光寺)、さらには織田信長、豊臣秀吉などの時の権力者の手に渡り続けていた。
しかし、慶長三年(1598年)、徳川家康により、やっと信濃に戻されたのだ。人生の厳しさを身を以て教えてくださる善光寺如来様、ありがたや、ありがたや。
ちなみに現在の本堂は、宝永四年(1707年)に再建されたもの。

善光寺仲見世通りの背の低い街並には旅情がある。

駐輪場に『Gマジェ』を停め、善光寺仲見通りを見て歩く。どこか懐かしいような感覚に、不思議と落ち着いた気分になる。ゆっくりとしたペースで土産物屋を見て回るのは、楽しいし旅情があるな。
途中、大好きな『おやき』を売る店を見つけた。選んだ『おやき』の具は、野沢菜。こいつが一番好き。結構ボリーュムがあるから、軽いランチ感覚だ!
そのあと、老夫婦の営む土産物屋で七味と七味入れを購入。江戸時代から、善光寺参りのお土産として親しまれている善光寺の七味は、東京両国の薬研堀、京都の七味本舗の七味と共に、三大七味として有名。善光寺の七味は、しょうがを使っていて、体が温まるのが特徴。独特の風味が癖になる。辛党にはおすすめ!これはバイク旅の土産にピッタリだね。コンパクトでかさばらないし、痛まない。
参道をさらに進んで、重要文化財の三門へ。が、改修中で、全体にカバーがかかっており、見ることができなかった。残念。

圧倒的に年齢層が高いが、若い人たちも結構、お参りに来ている。

山門をくぐると、善光寺の本堂が現れる。凄い迫力だ!しばらく足が止まってしまった。既に「来てよかった~」モード♪
ぼーっと本堂を眺めていると、東京から観光で来ていた3人組の女の子から、撮影してとのリクエスト。気分良くパシャリとシャッターを切る。こんなシーンがあると、観光気分も盛り上がるね。
観光気分が盛り上がったところで、お参りをして、おみくじをひいてみた。“中吉”。いい感じだ♪あれこれするなと書いてあるが、これって期限はいつまでなのかな?

地方でさまざまに変化する藁の積み方を見るのは、旅人にとって楽しみなことのひとつ。

さて、そろそろ待ち合わせの時間。本題に戻って、麗しの紅玉ちゃんに会いに行くとしよう。
待ち合わせ場所はJAグリーン長野の真島フルーツセンター。予想以上の渋滞で少し遅れての到着となってしまった(ゴメンナサイ)。
今回お世話になるJA職員の『松坂賢一さん』は、とても気さくでやさしそうな方だ。早速、紹介していただくリンゴ農家さんの農園に向かう。
走り出して5分で到着。「わぁ~!」と思わず声を上げてしまった。一面のリンゴ畑には、真っ赤なリンゴが鈴なりになっていていたのだ。子供の頃に行ったリンゴ狩りのときとは、明らかに違う風景(多分リンゴの品種は色の薄いフジだったのだろう)。何て幸せな風景だろう。木の下で思わず踊りたくなる様な気分だ!(中腰で両手を上下させる、変な喜びの踊り?)
まずは、リンゴ農家の『中澤卓三さん』にご挨拶。中澤さんは、大正時代から続くリンゴ農家に生まれ育ち、JAのリンゴ部会長を長く務めたリンゴ栽培の超ベテラン。『紅玉』の他に『フジ』、『秋映』、『シナノゴールド』などを生産しているのだそう。『フジ』は言わずと知れた知名度No1のリンゴ。今、長野県では、この『フジ』に種類の違うリンゴを交配し、育成した長野県オリジナルの中生種に、品種切り替えを進めているのだ。
生まれた新しい3品種は『秋映』『シナノゴールド』『シナノスイート』。3種類合わせて『リンゴ3兄弟』!味、ネーミング共に人気上昇中だ。

これは、『シナノゴールド』。これからさらに黄色みが増す。

『秋映』は『千秋』+『つがる』の交配品種で、甘味が強く、酸味はほどほど。果汁がとても多く、完熟させると果色が暗紅色になるのが特徴。
『シナノゴールド』は『ゴールデンデリシャス』+『千秋』の交配種で、鮮やかな黄色が特徴。甘酸っぱく、ジューシーで味も濃く、歯切れの良い食感。
『シナノスイート(あじぴか)』は『フジ』+『つがる』の交配種で、平成5年に生まれた品種。程よい甘さに少なめの酸味、果汁が多く、リンゴ界のサラブレット的存在なんだって。
どれも美味しそう。『紅玉』以外にも魅力的なリンゴが沢山あるんだ。うっかりしていると時期を外してしまい、食べられなくなってしまうかも。私はリンゴが大好きだから、今年は『りんご3兄弟』を制覇するぞ~。
 
と、リンゴの話が始まったところではあるが、今回はここまで。
次回はいよいよ、真打ち『紅玉』が登場。
さらに、大人なデザインの『グランドマジェスティー400』に似合う、歴史ある石畳の温泉街を心地よく楽しみながら、深まる秋も満喫。
お楽しみに!

骨付き子羊の瞬間燻製

ツーリングでも簡単に出来る!基本はフライパン一つ!こんなに簡単で、材料も少ないのに十分満足出来るお料理を、ヒルマン佐藤が今回も教えちゃいます。
子羊(Agneau アニョ)は昨今の子羊ブームでスーパーでも手に入りやすくなりました。
アウトドアでは、食べやすい骨付きを選びます。それだけじゃなく、子羊は骨の周りが一番美味しいですからね。私は自宅から冷凍の状態でクーラーボックスに入れ、ゆっくり解凍させています。解凍しすぎたら携帯用の瞬間冷却剤が便利。
 
子羊はスモークすると肉の個性が引き立ち。脂身が甘くなり、風味がグッと増します。余分なソースは必要なし、これで十分です。
ポイントは、肉を焼くときに骨をしっかり焼くことと、焼いた肉を5分ほど休ませてから、スモークすることくらい。お好みですが、子羊は完全に火が通っていない程度が美味。火の入れ具合は何度か試してマスターしていってくださいね。
ポイントだけしっかり押さえれば、必ず成功するお料理です。子羊の美味さ引き立つ調理法をおためしあれ!

材料

  • 子羊のスペアーリブ(骨つきのロースでも可)
  • 塩、胡椒

用具

  • テフロン加工フライパン
  • 焼き網
  • 蓋になるもの(アルミの容器など)
  • 勲材スモークウッド(今回は桜。アウトドアショップに売っています)

①子羊の肉を骨ごとに切り分ける

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今回使う燻材と子羊の肉はこれ。
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これは子牛、これでも美味しい。
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この状態にして軽く塩コショウします。

②肉を焼く

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強火でテフロン加工のフライパンでソテーします。肉を焼くと言うより骨を焼く感覚で。肉に完全に火を入れる必要はありません。
※ここで焼いた肉を5分間休ませるのがポイント。

③瞬間的にスモークする
※この行程の前で休ませないと、肉汁でスモークの火が消えてしまいます。

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子羊を焼いたフライパンをペーパータオルで軽く拭きスモークウッドを崩した物を適量、全体的入れます。
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燻材の入ったフライパンを強火にかけます。煙が勢い良く上がってきたら、弱火にして網に載せた子羊に煙をあてます。
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効率的にスモークされるように蓋をします。
※完全に蓋をすると火が消えてしまうので注意!
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サクラと子羊の香りの煙が食欲をそそります。
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肉が飴色に色づけば出来上がり。 シンプルな調理法だけど、子羊の個性が引き立つ料理です。
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さぁー完成です。クロワッサンと共に、お好みで塩やディジョンマスタードなどを付けても美味しい。痛みにくいピクルスがあれば、なお良いですよ。

④食べる

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旅の途中で見つけた気の利いたパン屋で、多めに買ったクロワッサン。飲み物はドリップしたコーヒーかペリエで決まりです。
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上手に食べれば、ほら、この通り!
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お料理も、馴れると調理道具をあれこれ使わなくとも、アイディア次第で何とかなるもの。気に入った場所でさらりと、昼食を自分で作って食べる。ホント幸せ、楽しいですよ~。
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