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Vol.19 ルビーの如く輝く紅玉に至福を感じる旅 その2

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2006年11月 取材

生産者との話は、ものすごく勉強になる。 思い入れのある『紅玉』なら、なおさらだ。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。“ヒルマン佐藤”です。
お待たせしました、前回の続き『ルビーの如く輝く紅玉に至福を感じる旅』その2。
 
『カジュアルフレンチ ヒルマン』では、オープン(1996年)当初から毎年、長野県の紅玉を取り寄せ、秋の定番として「紅玉のタルト」がメニューに登場。お客様はもちろん、私自身も待ちわびている、思い入れのある大切な食材のひとつが、この『紅玉』なのだ。
真っ赤な紅玉が鈴なりに実る様を見て、舞い上がり気味の私。リンゴ作りの達人・中澤卓三さんのリンゴ園から、まずは中澤さんが所属している『ジョナサンの会』と『紅玉』の話を♪
この会は、早取りのために酸味が強くなってしまう、すっぱいだけのイメージを持つ紅玉の名誉挽回と、『紅玉』と言う品種を守りたいと言う生産者の集まり。そのため、早取りせず、蜜が入るまで樹上で完熟させてから収穫するという。完熟し、本来の美味さを持つ『紅玉』は、香り高く、甘みの中にさわやかな酸味がとけ込んだ、素晴らしい味わい。安全性にも取り組み、非常に頑張っている会なのだ。

宙に舞う『紅玉』にウットリしちゃうな。

そして、長野県真島地区で、松坂堅二さんらJAグリーン長野の職員よる指導・管理の下、栽培日誌の提出や土壌検査、有機質肥料による健全な土作りを基本とし、除草剤や科学肥料は厳しく制限されているのだとか。条件にそぐわなければ、『完熟紅玉』として出荷できないという徹底ぶり。一般の『紅玉』より収穫時期を遅らせることで、品質の高い紅玉を生産しているのだが、この栽培方法にはリスクも多いという。
まずは、樹への負担が大きく、樹勢が弱りやすいため、翌年に実がつかないこともあるということ。
そして、収穫時期を遅らせることで実が柔らかくなり、日持ちが悪くなる(紅玉は常温1週間低温1ヶ月位)こと。
さらに、収穫には熟練した、中澤さんのような生産者の経験が不可欠!ということ。タイミングが重要なのだ。
 
『紅玉』の生まれ故郷は、アメリカ・ニューヨーク州で、1800年頃に発見されたことから、その歴史が始まる。
このリンゴに初めて注目した、ジョナサン ハスプルークの名前を取って、『紅玉』の米名は『ジョナサン』。『ジョナサンの会』の名はここから来ているのだね♪
日本では、1871年(明治4年)から『紅玉』の導入が始まり、生産が広がって行った。
しかし『紅玉』には複数の呼び名があり、混乱を招いていたため、1900年(明治33年)に、名前を『紅玉』に統一。その名残で、今でも東北の一部では、お年寄りなどが『千成(せんなり)』や『満紅(まんこう)』などの名前で呼んでいるのだそう。
かつては、リンゴの主力商品だった『紅玉』だが、価格の暴落や新品種の登場、消費者の嗜好の変化などで、デリシャス系の『ふじ』へと品種更新が進んでいった。そのため、減産されて行くことになり、一時期はあまり見かけることがないほど減ってしまったのだ。
しかし、お菓子作りや料理などの加工品としては『紅玉』はとても向いていて、ほかのリンゴでは太刀打ちできないほど個性のある高い品質には、根強い人気があり、需要も増え、最近ではスーパーでも見かけることが多くなるほどに回復している。

『真島フルーツセンター』は、季節のフルーツや野菜を直売している。

徐々に人気が復活している『紅玉』だが、増産には当然ながら時間がかかる。最低でも3〜5年ほど(!)。生産者の高齢化や後継者不足など、問題は多々あると聞く。
そんな中、中澤さんのリンゴ畑は、大正時代から残るリンゴの木が、今も元気に沢山のリンゴの実をつけていた。聞くと、寿命はあるものの、古い木ほど実のしまった良いリンゴができるのだと言う。しかし、『紅玉』のたわわに実るこの畑は、幸せな風景だ……。
 
中澤さんのリンゴ作りへの情熱は真っ赤に熱く、まるで『紅玉』の真紅のごとく感じた。素晴らしいね!!
 
中澤さんのリンゴ畑を後にして、松坂さんと『真島フルーツセンター』へ戻る。
大きな冷蔵倉庫の中で出荷を待つ『紅玉』や、これからシーズンに入る『南水』などを見せてもらった。ブドウや桃など、さまざまな季節のフルーツを取り扱う直売所もあるから、ツーリングの途中に立ち寄りたいね。
皆さん、ご協力ありがとうございました!!
 
みなさんにお礼を言って外に出ると、小雨まじりのはっきりしなかった空模様が、とうとう本格的に雨粒を感じる天気に変わってきた。
ここでレインウエアーの出番。私のお気に入り『Y’s GEAR』のクルクルクルクルレインスーツは、コンパクトだから突然の雨でもスピーディ着られ、性能も文句ナシ。本当に助かる。良い道具を持つと雨も楽しめるってもんだね。

『渋温泉』に到着。夜間瀬川支流の横湯川沿いに広がる温泉街。

次の目的地は、志賀高原のふもとにある『渋温泉』。
R403からR292で、1時間もかからずに到着。いつもは野営の多い私だが、この日は珍しく宿を取ってみた。
『渋温泉』は、以前から訪れたいと思っていた場所。老舗の旅館が建ち並び、九つの外湯巡りが有名で、すべての外湯を巡ると『九(苦)流し』厄よけになるといわれている。
渋温泉街を『Gマジェ』で下見がてら軽〜く散策。雨に濡れた石畳が『Gマジェ』のライトに照らされ、キラキラ反射して綺麗だ。
迷路のような細い路地を抜けた所に、足湯を発見!迷わず、入る!気持ちいい〜〜!最近よく旅先で足湯があるよね。今までは、あまり入る気がしなかったけど、入ってみると結構良いものだね♪
予約してあった『もやいの宿 いかり屋』さんに、チェックイン。純和風の造りがいい感じ。

綺麗なデザインのGマジェは、純和風の旅館の前に置いても馴染むね。

浴衣に着替えて外湯巡りに、いざ、出発〜!
と、宿を出ると、玄関脇に停めさせてもらっていた『Gマジェ』に、やさしく傘が差してあった。宿の方の心遣いに、さらに心が和んだ。
9カ所の外湯巡りは『渋温泉』の宿泊者のみに鍵が貸し出される仕組み。湯巡り手ぬぐいにスタンプを押して行き、すべてにスタンプが押せたら『高薬師』さんにお参りをする。というのが正しい巡り方。『高薬師』さんは、厄よけのほか、願いが叶うご利益があるそうだ!『渋温泉』は、10カ所ある『湯田中渋温泉郷』のひとつで、歴史は古く、1300年前の奈良時代までさかのぼる。江戸時代には葛飾北斎や小林一茶などに愛されたそうだ。また、ここには約40本の源泉があり、すべての旅館が源泉掛け流しなんだって!うれしいな〜。
しばらく歩くと、温泉娯楽の王道・射的を発見!もちろん遊ぶ。おばちゃんにコツを伝授され、思った以上に楽しめた。
カランコロンと下駄をならしながらの外湯周りは楽しい。行き交う人たちも、とても幸せそう。もちろん私も幸せ♪
歴史ある木造旅館が建ち並ぶメインストリートを歩くのは、なんとなく懐かしいような不思議な風情があっていい。キャンプでは味わえない、また違った楽しみがある。
こんな旅にビッグスクーターはピッタリ!『Gマジェ400』なら、なお良いね。

手作りで季節感がたっぷりある夕食。心がこもっていて美味しかった~。

宿に戻り、夕食だ〜!もうお腹ぺこぺこ。
『いかり屋』さんの名物・蛇紋石焼き料理(煙が立たず素材が引き立つ石器)は抜群。季節感あふれる手作りのお料理は、十分すぎるほどの量とお味で大満足だ。
食後は、あまり見ないテレビなんか見ちゃったり、宿の湯に入ったりして、のんびり。
外を見ると、どしゃ降りになってきた。よかった、キャンプじゃなくて…。
 
翌朝は早起きをしてお散歩。雨も一応上がったが、まだはっきりしない天気だ。朝食を済ませ、『いかり屋』さんと『渋温泉』を後にした。
本当にまた来たいと思える温泉だ。あ〜楽しかった。

R292を志賀高原方面に登ると、また雨が降ってきた。

帰りは、志賀高原から山田温泉に抜けるルートを選択。
R292 の木戸池を過ぎ、蒸気の上がる『平床大噴泉』を右に曲がって、志賀高原のシンボル的な笠岳を登る。舗装された林道を抜けて行くと、素晴らしくキレイな紅葉に出会った。秋のツーリングの醍醐味だね。
笠岳を越えると、広々とした『山田牧場』が見えてくる。牛がすぐ近くを歩いていて、ビックリした〜。温泉の湧くキャンプ場にもなっているから、覚えておくといいね。『山田牧場』を過ぎると『山田温泉』『五色温泉』『七味温泉』など、秘湯が目白押しだ。
短いルートだけどヒルマン佐藤のおすすめルートだよ。ただし、11月初旬〜5月下旬まで閉鎖だから、来年の初夏を待ってね。
いゃ〜長野のツーリングいいね〜。温泉はいろいろあるし、食べ物はおいしいし、景色も最高!

う~ん。何度見ても良いデザイン。 DOHC4バルブCVTの滑らかでトルクフルなエンジンも魅力だ。

今回の旅の相方『グランドマジェスティ400』は、私のお気に入りのビッグスクーター。片道500キロほどあるツーリングなら、やはり排気量は400ccを選びたい。ましてやパッセンジャーがいるなら、なおさらだ。精悍の中に上品さがあるデザインは、大人のバイク乗りにおすすめだし、私も好き。オフホワイトのカラーリングも、いっそう大人の雰囲気を感じさせる。
 
高剛性のアルミフレームのおかげで、高速時の振動やブレもなく、高速道路でのアスファルトに吸い付くような安定感は、安心感となり、旅を快適にしてくれた。さらに、60Lの大型トランクは、フルフェイスヘルメットを2つ入れてもまだ余裕があるし、油圧の開閉ダンパーで開け閉めにも高級感がある。リモコンのシートオープン&キーシャッターや、5段階の可変式シートなどの装備は、簡素な車から高級車に乗り換えたような気分になる。
この、ちょっとした心遣いや質感がうれしいね。天気はイマイチだったけど『Gマジェ』のおかげで、快適な良い旅ができた。
 
明日からの仕事も頑張れるってもんだね♪

"ヒルマン佐藤"シェフの
これは覚えておくベシ!

写真はTarte aux pommesリンゴのタルト(紅玉)。
カジュアルフレンチHillman`sの秋冬の定番デザート。のばした生地の上にアーモンドのクリームを入れリンゴを並べとかしたバターとグラニュー糖で焼き上げます。
フランスの家庭ではリンゴのタルトは頻繁に作られていて、フランスのフルーツ消費の中でリンゴが一番消費されているほど。
写真のリンゴのタルトやキャラメルで仕上げたタルトタタン、クリームの生地を流し込んで焼いたアルザス風のタルトなどどれも私の大好きなタルトです!
生で食べるリンゴも美味しいけど、私はやっぱり火を入れたリンゴが好きだな。

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