本文へ進みます

Vol.29 津軽で虹色のジャガイモに出逢う旅 その1

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2007年9月 取材

津軽平野にそびえる標高1,625mの岩木山。美しい山だ。

天気は台風の影響で不安定で、雨が降ったりやんだり。たまに晴れ間がのぞいたりするものの、左手に見える大好きな岩木山の山頂には雲が掛かったままだ。それでも、レインウェアーを着るほどでもない。午前中に『YSP弘前』で今回の相棒『XJR1300』をピックアップし、国道339号で竜飛岬にむけて快走中♪こんな日の空はめまぐるしく変化し、時より感動的な景色を見せてくれる。ここ津軽で、どんな風景に出会えるのかとても楽しみだ。
今回のお目当ての食材『ジャガイモ』は、世界三大主食のひとつに数えられ、世界中で食べられている。かつては、日本で『ジャガイモ』と言えば『男爵』と『メークイン』が主流で他に選びようもなかった。しかし最近では、聞き慣れない品種がスーパーなどに並んでいるのを目にする。痩せた土地でも育つ特徴を持っているためか世界中で生産され、それぞれに色・形・特徴があるジャガイモの種類は、野生種も含め2000種以上あるとか!
ジャガイモの原産地は、南米。ペルーとボリビアにまたがる高原地帯のチチカカ湖周辺と言われている。そして日本へは、約400年前、オランダ人によってジャワ島から長崎に持ち込まれたのが最初だそうだ。

まさに風の岬!もの凄い強風も、ここの名物だ。

私の経営するヒルマンはフランス料理だけに、フランスでジャガイモが普及したエピソードを一つ。18世紀半ば、まだジャガイモが軽視されていた時代のことです。フランスは大凶作に見舞われ、庶民は飢えに苦しみました。 薬学者パルマンティエ男爵は、フランス国王ルイ16世に『庶民を救えるのはジャガイモしかない』とジャガイモの有効性を訴えました。ルイ16世はこの進言に従い、ジャガイモ栽培の普及にのりだしました。ジャガイモは瞬く間に重要な作物となり、多くの人々を飢えから救う救世主となりました。この功績を称え、フランス料理ではジャガイモ料理の名前に『パルマンティエ風』とつけるようになったのでした。
こうやって歴史を掘り返すと、ジャガイモって、とても興味深く魅力的な食材だよね。そんなジャガイモを30種類以上も生産しているのが、今回お世話になる『黄金崎農場』。伺うのがとても楽しみだが、約束は明朝。今日は津軽の旅を楽しむ事にしよう。

ケーブルカーで海面下140mの世界へ、いざ!

実は、ここ津軽の地、今年の5月に食材探しの旅で一度訪れている。前回は『セロー250』での約3000キロ、完全一人旅。楽しかった~!

※食材探しツーリングvol.25参照

そんな思い出をたどりつつ、竜飛岬を目指そう。
前回は、深い霧+とてつもない強風、竜泊ラインの絶景も全く見えず、景色を楽しめなかったが、今回はバッチリ見ることができた。そして視界が悪く怖い思いをしたワインディングも、『XJR1300』できっちり楽しめた。あいかわらず、もの凄い強風が吹いてはいたが……。しかし、これぞ竜飛岬!迫力のある景色だ。その先に見える、意外なほど近く感じる北海道が、遠くに来た気分をさらに盛り上げる。
残るは『青函トンネル記念館』!すでにお気づきの方もいますよね?!白状します!今回、竜飛岬に来たのは前回の旅のリベンジなのです!すみません!(だって悔しいんだもん)
そしてついに、念願の青函トンネル記念館を見学。海面下140メートルへの体験坑道のコースは所要時間45分だ。海面下240メートルに総延長53.85kmのトンネルがどのようにして造られたのか、実際に作業坑として使われた一角が展示ゾーンになっている。世界へ誇る大事業の足跡や、完成に導いた人々の最高の技術と情熱が伝わってくる。
しかし、本当にすごいことをやってのけたものだ。帰ったら、青函トンネルを題材にした映画『海峡』をもう一度見てみよっと♪

この場所には、なぜか曇り空がよく似合う。

竜飛岬を後にして国道339号を外ヶ浜町方面に下ると、海に向かって漁師小屋が建ち並ぶ、風情のある漁村の風景に出会うことができる。すべて陸に上げてある船小屋の長い造りの小舟が、この土地の風の強さや冬の厳しい季節を想像させる。長い間、強い海風や雪に耐えた、小屋の外板や木の電柱、黒く塗られたトタン屋根が、漁師町で育った私には懐かしく思えた。旅をしていても、こんな場所は滅多にお目に掛かれなくなった気がする。これぞ日本の漁村の原風景!貴重な場所だ。
しばしバイクを降りて歩いて回った。ふと振り返ると、『XJR』のオートバイらしいシルエットが妙に風景になじむ。その存在が、愛おしく思えた。

もの凄い量の夕食!おなかがペコペコ、いただきま~す。

もうすぐ日が沈む。今夜の宿に向かおう。日が暮れると雨が本格的に降ってきた。レインウエアーを着込み、ひたすら走り続け、3時間ほどで宿に到着。思ったより遠かったし、時間も掛かってしまった。
今夜は日本百名山に選ばれている岩木山のふもと、嶽(だて)温泉に宿を取った。昔ながらの湯治場の風情の残る温泉街・嶽温泉は、青森県内では代表的な温泉地のひとつで400年近くの歴史があるそうだ。お世話になるのは『小島旅館』さん。到着が予定よりだいぶ遅れてしまったが、ずぶ濡れの私を快く迎え入れてくれた。さらにありがたい事に、バイクを玄関先まで入れて良いとのこと。バイク乗りには嬉しい気遣い!
まずは温泉を頂く。泉質が良いことで有名な嶽温泉は、乳白色の硫黄泉。温度も丁度良く、神経痛や皮膚病等に効き目があると言われている。これは極楽、極楽。
温泉を上がると食事の準備が整っていた。名物のマイタケ釜飯や季節のお料理はどれも旨かったが、一番驚いたのが、トウモロコシ『嶽きみ』。お盆過ぎから9月過ぎまでがシーズンで、香りが良い。さんざん美味しいトウモロコシは食べ来たつもりだが、これは驚きのうまさだ!“ヒルマン佐藤”イチオシ!
出かける前は、キャンプにしようか宿を取るかかなり迷ったが、美味しいお料理とゴキゲンな温泉、深夜はひどい雨の降り方だったし、宿を取って正解だった♪
明日は紅色のジャガイモに会うため、朝から『黄金崎農場』に伺う約束。天気が良ければいいが……。
★TO BE CONTINUE★

インカの目覚めのマッシュポテトと自家製ベーコンのステーキ

今回のお料理はマッシュポテト(ポンムピューレ)フランス料理の付け合わせよく付いてきますよね。話題のジャガイモ、インカの目覚めを使いましたが、男爵やキタアカリなどでも十分美味しくできます。他の素材との相性が良いからお肉料理に魚料理に大活躍!私も個人的にも大好きなお料理です。美味しくキメの細かいなめらかなポンムピューレを作るポイントは、『ジャガイモをゆっくり茹でること、ゆであがったジャガイモはお湯から上げること、バターはよく冷えた物を使うこと、出来るだけ細かなこし網を使うこと』。
意外と簡単にできますが、上質できめの細い物が出来れば感動のあるお料理になりますよ。他の具材を混ぜ込んだり、グラタンやコロッケなどお料理のレパートリーも増やせるからチャレンジしてみてくださいね。

材料

  • ジャガイモ(インカの目覚め) 1kg
  • 牛乳 200cc位
  • 無塩バター 150g位
  • 塩(茹でジャガイモ用) 適量
  • 塩 適量

①ジャガイモを茹で、裏ごしをする。

zoom
材料はいつものごとく シンプルですよ~♪
zoom
ジャガイモは強めに塩を入れ沸騰し始めたら火を弱め20分~30分かけてゆっくり火を通します。
zoom
あら熱が取れたらジャガイモの皮をむきます、この間に牛乳を火にかけて温めておいてください。
zoom
黄金色はインカの目覚めの特徴、 綺麗ですね~。
zoom
こし網で裏ごしをします、 ぬれフキンを使うと 楽に出来ますよ。
zoom
綺麗に裏ごしが出来ました! ジャガイモらしからぬ鮮やかな色。

②ピューレを仕上げる。

zoom
火を中火にして4,5分から煎りをし、余分な水分を飛ばします。
zoom
温めておいた牛乳を1/3の量を少しずつ混ぜながら入れます。 (ここではあまり混ぜすぎないで!この後入れるバターがデンプン質を包んで粘りを押さえます)。
zoom
さいころ状に切っておいた冷えたバターを50グラムほど入れ更に混ぜます。 (バターは出来るだけ 冷えた物で 舌触りが良くなります)。
zoom
ピューレの堅さを見ながら同じ行為を繰り返します、ジャガイモの収穫時期、種類で分量は大きく変わります。 (ここでお好みで塩を あくまでも素材の味が引き立つ程度で)。
zoom
ビストロヒルマン自家製ベーコンは絶品!(とんきい牧場産使用、食材探しの旅vol10参照)市販の物でもOK

③完成

zoom
綺麗でワイルドな料理に なりました!こりゃたまりません!
zoom
クゥ~我ながら天にも昇る 美味さ!!是非試してみてね♪
zoom
素材の違いを知ることは お料理を知ることですね。
ページ
先頭へ