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Vol.32 日本のエーゲ海でオリーブに出逢う旅 その2

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2000年1月 取材

『ペンションくろしお丸』からの朝の景色。何日か滞在したい気分だ。

朝6時。なんて清々しく悠々とした景色だろう。宿泊したペンションくろしお丸からの眺めに眠気も吹っ飛んだ!
私こと“ヒルマン佐藤”の旅の定番、朝のお散歩。持参したトレッキングパンツとシューズを『マグザム』のラゲッジスペースから取り出す。バイク旅の楽しみをスマートに詰め込めるのが、ビッグスクーターの魅力だね。特に『マグザム』の乗り味はお気に入り。車体のバランスが良いのだ!今回のマイナーチェンジで、中低速がさらに重視されたセッティングで、より扱いやすくなった。便利、快適、ルンルンルン♪
朝食を準備中のペンションのマダム(アーチャン)おすすめ、白い砂浜のビーチに向かいます。足取り軽くビーチに到着、波打ち際を歩く。風もなく、やさしく穏やかな海面が気分までほぐしてくれるのを感じる。いい気分だ。
宿に戻ると朝食だ、結構歩いたからお腹はぺこぺこ。いただきま~す!食後のコーヒーは瀬戸内を眺めながら、テラスのハンモックに揺られて飲む。う~ん、幸せ♪
ここ『ペンションくろしお丸』は、牛窓のアウトドア遊びの拠点。生粋のアウトドア派、気さくなオーナー永田昭二さんが、カヤック、MTB、ヨットセイリングなどの各種ツアーを楽しませてくれる。リピーターも多く、人気のペンション。“ヒルマン佐藤”も一押しの宿だ!特にバイク乗りの方!宿に泊まったら、永田さんがバイクで走破したパプアニューギニア冒険旅行の話を、必ず聞くベシ!(すごい話だよ!)

いよいよ到着オリーブ園。どきどきワクワク。

おいしい朝食もいただいたし、そろそろ出発しよう。オーナー夫妻に見送られながら、今回の本題『日本オリーブ株式会社』に向かう。
同じ牛窓町内だから、10分もかからず到着。『日本オリーブ』さんは、創業1949年の歴史ある老舗。レトロな趣の社屋がいい感じだ。ここ牛窓のオリーブ園に10ヘクタール、さらに、世界一のオリーブ生産地スペインのトルソタにも45ヘクタールのオリーブ畑を持っている!食用オリーブオイルのほか、化粧品も生産している会社だ。
『日本オリーブ』さんのオリーブオイルは、私のお店『カジュアルフレンチ ヒルマン』で10年以上のおつき合い。どうして使い始めたかは、どうしても思い出せないが……。品質の良さとリーズナブルな価格が気に入り、使い続けているのだ。
本日のナビゲーターは食品販売課長の竹内蒸二さん。日に焼けた笑顔が素敵な方。
まずは、食品工場見学へGO!オートメーションで行われるパッキング作業は、衛生上の理由でガラス窓越しでの見学。感心することだらけの衛生安全管理の徹底ぶり。テイスティングルームでは、専門の鑑定士が2人おり、オリーブオイルの品質を厳しくチェックしていく。『日本オリーブ』さんの主力商品でもある、化粧用・浴用のオリーブオイルは「一切の添加物を配合していない、100%純粋なオリーブオイルなんですよ」と竹内さん。そのため、オリーブ果実が本来持っている天然の保湿成分が含まれているとのこと。使用感は、さらっと馴染んでベタつかず、オイルというよりも美容液と言ったほうがふさわしい感触。さらに、お肌だけでなく身体や頭髪、爪など全身のお手入れに使うことができるのだ。品質の良さから、評価もとても高く、それなのに値段はリーズナブル。さすがは老舗、良い仕事してるね♪

注文を受け、オリーブ園から運ばれたオリーブの苗木。

工場を後にし、山道をクネクネ登って行くと、いつの間にか、見事なオリーブの木々に囲まれていた!
着いたのはオリーブの苗木の栽培場。数千もあろうかという苗木が並んでいて、地元のおばちゃんが丁寧に雑草を抜いている。自然と向き合う仕事だから、暑い夏などはさぞや大変な事だろう。聞けば、夏はサマータイム制で早朝からの作業になるそうだ。
愛情がこもってるね。しっかり手入れされた、元気の良い苗ばかりなわけだ♪
この苗木は販売用で一苗700円ほど、4品種を販売している。うまく育てれば5~6年前後で結実するそうだ。
オリーブの実を結実させるには、違う品種を2本以上植えるが鉄則だと教えてもらう。早速購入して、我が家の裏山にでも植えようかな。

展望台からは、遠く四国の山並みや、正面の小豆島など、 多島美の瀕戸内海が一望できる。

さらに山を登り、着いたのは展望台。おぉー!これは素晴らしい景色!牛窓が“日本のエーゲ海”と呼ばれていることには、イマイチピンと来なかったのだが、今、納得できた。
実は2年程前、牛窓のオリーブ園に来たいと思って問い合わせをしたことがある。しかしそのときは「台風の影響で実がほとんど落ち、木が折れたりして見られる状態ではない」との説明を受け、断念したのだった。念願かなってやっと来られた!って感じだ。
実際、食材の産地に来ると素材に対してのイメージが変わる。その土地に自分の足で立ち、葉を触りにおいを嗅ぐ、木に触れエネルギーを感じる。人生においても、一料理人としても、本物を見るというのは大切な事。皆さんも寒いからってこたつに入ってないで、どんどんバイクで旅して、リアルにいろんな物を見て感じてくださいね!

ローマの丘では絵を描く方が多い。そして皆さんお上手。良い趣味だね。

続けてローマの丘を見学。ここも素晴らしい場所で、絵を描いている人たちを多く見かける。とても楽しそうだ。
坂を下ると、『佐竹徳画伯』のアトリエが。実は、ここにも寄りたかったのだ。自身に大きな影響を与えた、セザンヌが描く地中海に似た牛窓の景観に強く惹かれ、後に牛窓へ移り住んだ『佐竹徳画伯』。牛窓の赤土とオリーブの緑、光溢れる瀬戸内の景観を愛し、平成9年に亡くなるまでの約40年間、このアトリエで牛窓の風景を書き続けたそうだ。このアトリエのセンスが抜群!和洋折衷で素材の使い方が絶妙だし、主張しすぎない周りの自然や人との調和、画伯の人柄が見えるようである(と、勝手に想像してみたりして)。
しかし、ここは暮らすには良さそうな場所だ。自然が豊かで温暖、海の幸と山の幸、マリンスポーツ……。もちろん、バイクで走るのにも良い道ばかり。むむ?よく考えてみれば、私の住む浜名湖周辺も同じ様な感じかな……。オリーブの木の代わりにみかんの木が沢山植わっているけどね♪(今年のみかんはとても出来が良いよ)。
これでオリーブ園の見学終了。竹内さん、案内ありがとうございました!
あっそうだ、月末にエキストラバージンオイルの注文を入れますので、宜しくお願いしま~す。

『ナスボート牛窓マリーナ』の木畑克則さんと。 開放感のある広いマリーナに、確かな技術を持つスタッフ。 安心安全のショップだ。

『日本オリーブ』さんに挨拶をすませ、牛窓の海の方を見ると、大きなヤマハの看板ときれいなマリーナが見える。
モーターボートといえば、気軽にボートレンタルが出来る『ヤマハマリンクラブ シースタイル』というシステムがあると聞いている。今日は時間に余裕があるから、チョット遊びに寄ってみた♪『ナスボート牛窓マリーナ』は、2つのマリーナを持ち、新艇・中古艇を常時30~40艇在庫している大きなマリーナだ。営業課長の木畑克則さんに、システムを教えて頂いた。カンタンに言えば「ボートを持っていなくても月々3,300円(税込)で、全国120ヶ所のホームマリーナで気軽にレンタルできるシステム」なのだ!と言うことは、バイクでツーリングしながらボートもレンタルしておけば、バイクライフとマリンライフをダブルで楽しめるってこと?いいじゃないですか~。しかし私、“ヒルマン佐藤”はボートの免許を持っていない……(涙)
しかし、それも心配無用。免許がなくても楽しめる『シースタイル ライト』がある。こちらは、入会金5,500円(税込)で、手軽にマリンレジャーを楽しむことができる。
全国約40カ所のマリーナにて、キャプテン(船長)がエスコート!海を知り尽くしたスタッフが、ボートの遊びを案内してくれるので、安心してマリンプレイを楽しめるってワケ。凄いシステムができたものだ!

おぉー!これは懐かしい『モトバイク』。私の友達はいまだに現役で乗っているよ♪

マリーナを後にして牛窓の古い街並を散策。
牛窓は、古くから海上交通の要衝として栄え、江戸時代には参勤交代の大名や朝鮮半島からの文化使節団「朝鮮通信使」が立ち寄っていたという歴史ある町。生きた歴史を感じることのできる場所だ。ここは、バイクを降りて歩いてみるのが良いかもしれないね。
細い路地の奥の階段を上ればひしめく家の瓦や煙突、広がる瀬戸内の眺めは心に刻まれる風景になり、本当に良いバイク旅になった。

"ヒルマン佐藤"シェフの
これは覚えておくベシ!

お料理はグリーンサラダ、オリーブオイルとシェリー酒ビネガーを 使ったビネグレット(ドレッシング)で和えました。 シンプルですが素晴らしく美味しいですよ!

『オリーブとは?』
樹木としてのオリーブは、モクセイ科の植物で、古くは「ホルトの樹」と言われていたそう。オリーブの木は、世界に約500種以上あると言われていて、品種により直立性・開張性・中間性のものとさまざま。成長が早く、品種や栽培条件によって異なるのだが、10m以上にもなる物もあるそうだ。生育に最適なのは、平均気温14℃~16℃の温暖地とされているのだが、最低-7℃、最高41℃の環境でも生育することができるというから、かなり丈夫。また、樹齢が長いのも特徴で、南ヨーロッパでは樹齢1000年を超える木もあり、今もオリーブの実を実らせているのだそうだ。
オリーブオイルは、数ある植物油(オイル)の中で唯一、果肉から油を搾るオイル。オリーブの実の性質上、すぐに実が傷んでしまうため、収穫した実を貯蔵することができないのだ。そのため、良質のオリーブオイルを得るためには、収穫後できるだけ早く採油しなくてはならないのだという。しかも、実を遠距離輸送できないため、工場は農場に近いところにあるのが定番。
オリーブオイルを採る方法は「圧搾法」「遠心分離法」「パーコレーション法」の3つ。他の植物油の場合、加熱処理や化学処理、精製を行うが、バージンオリーブオイルは採ったそのまま。まさに油性のジュースなのだ。
現在では、オリーブオイルの効能は科学的にも証明済み。悪玉コレステロール値を下げる働きをもつ「一価不飽和脂肪酸」と呼ばれる、オレイン酸を70%以上含有。継続して摂取していくことで、悪玉コレステロールだけを低下させる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞といった血管の病気を防ぐ効果もあるといわれている。ヨーロッパの各地では、健康のため、毎日スプーン1杯のオリーブオイルを飲むという習慣が続けられているほど。オリーブオイルが人々の生活に密着しているんだね。
お料理ではコクや風味を加えるほか、食材の持味を引き出す相乗効果も。ワインと同じように、品種で味や香りの性質が全く違い、とても奥の深い世界。まさにオリーブオイルは“味わう”もの。お料理によってはオリーブオイルが決め手になる場合もあり、比較的たっぷり使うの美味しく食べるコツ。和食や中華にも合うし、パン、サラダ、魚介の煮込み、焼いた肉、お菓子などなど、使い方は多種多彩。食材と同じように“味わう”感覚で楽しむと自分の好みが見えてくるはず。さらにオイルの個性で使い分けたりすれば、料理の世界が一気に広がるので、試してみては?
世界各地で生産されているワインの世界と全く同じで、オリーブオイルも高価で綺麗な瓶のものが美味しいとは限らない。単純に、『自分が美味しいと思うか、美味しくないと思うか』で判断してみたとき、お気に入りのオイルと出逢えるはず。まさにオリーブオイルは文化だね。

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