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Vol.47 富士レインボー。駿州大宮に本物のニジマスの味を知った旅

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2009年9月 取材

出かけの給油、『VMAX』の給油口を探して あたふたしてしまった(笑)。

駿州大宮。今の富士宮の事である。日本一の富士を近くに感じることのできる周辺の道路は、ツーリングのメッカ。一年を通して沢山のバイク乗りが訪れる場所だ。
特に、富士宮の朝霧高原や白糸の滝などのスポットは、東京や浜松から2時間程。私もバイクでふらりと走りに来たりする。今回の『食材探しツーリング』のお目当ての食材は『ニジマス』。もちろんシェフである私こと“ヒルマン佐藤”が見に行くのだから、ただのニジマスではない!その名も『富士レインボー』!カッコイイ名前だよね。実は料理人の間でも、この完全無投薬の『富士レインボー』は噂になっており、以前から興味のある(食べたい♪)食材の一つだったのだ。
そして!もう一つの大きな楽しみが!!それはもちろん!今年4月にリリースされたばかりの新型『VMAX』に乗れること!!見るのも乗るのは初めてだから、楽しみでしかたがなかった。1985年米国向けに誕生した初代『VMAX』は、モーターサイクル史上に残る名車。今でも世界中に多くのファンを持つその人気は絶大だ。
24年の時を経て生まれ変わった新型『VMAX』は、私に何を感じさせてくれるのか!もうドキドキしちゃうね♪

初代『VMAX』が誕生してから24年。その歳月は静かに、そして熱く流れ…。 いま、その沈黙を破り新たな伝説が誕生した。ニュー『VMAX』。

出発は朝7時。今日は日帰り、往復で350キロ程のツーリングだからお気軽である。そして新型『VMAX』に「はじめまして!」うひょ~~!これは凄い!!大迫力だ!いゃ~、もの凄い!!カッコイイ!スッゲー!……と、見た瞬間から唸りっぱなしである。『VMAX』のファーストインパクトは想像以上だ。

さて、早速身支度を整えイザイザ!走り出してすぐにいきなりの通勤ラッシュ……。しまった!今日は平日だった(取材は日曜日が多いので)!もう少し早く出発すべきだったと反省。

しかし!快適なのだ!『VMAX』!取り回しがとにかく良い、重さを感じさせない、低速域の安定感はもの凄くドッシリしていて、なおかつ軽快♪

浜松ICより東名高速で富士ICまで移動。『VMAX』の怒濤の加速と路面に吸付くかのような直進安定性を、バッチリ楽しむことができた。

途中、富士川SAでブレイク。コーヒーを片手に『VMAX』を眺めながら、走りの余韻に浸る。ワープしているかのような加速感は、私が今まで体験したことのない感覚。見てくれの迫力とは裏腹な、バイクとしての扱いやすさ、「押さえどころはすべて押さえてある」といった、開発者たちの自信が表れた完成度の高さを感じずにはいられない。

性能やテクノロジーは然ることながら何より美しい。これはもう芸術作品の域だね。

あっという間に富士山の近くに到着。 でも、やはり富士山は雪がある方が雰囲気あるよね。

高速を降り国道139号線で朝霧高原方面に向かう。約束の時間にはまだ余裕があるので表富士のワインディングを『VMAX』で走ってみた。

なんて楽しいんだ!ニュートラルなハンドリングにコーナリング中のトラクションを感じる安定感。非常に乗りやすい。タイトなコーナーの続くセクションでも不安を感じさせない。

もちろん乗りやすいだけではない。重量車、大排気量シャフトドライブのダイレクトなトルク感がライダーに伝わってくるのだ。「『VMAX』に乗っているぞ!」ということを実感させてくれる。直線の続く高速道路も楽しかったが、一般道はさらに楽しい。なにしろワインディングが楽しい。『VMAX』は“スポーティー”なのだ。想像以上のワインディングでの楽しさで、時が経つのも忘れる程楽しめた♪

道に迷ってしまった……。近くまで来ているはずなのになぁ~。

さて、食材探しツーリング本題に向いましょう。少し迷いながらも、今回お世話になる『功刀養鱒場(くぬぎようそんじょう)』に到着。温かく迎え入れてくれたのは功刀芳康さんと奥様の愛子さん。大きなオートバイ『VMAX』の大迫力に、しばしお二人ともビックリした様子。挨拶がてら相棒『VMAX』の紹介もさせてもらった。

さぁ!では早速、絶品と名高いニジマス『富士レインボー』に会いに行こう!養鱒場はお宅の敷地内にあるので、徒歩で向かう。富士山からの大量の伏流水が流れ込む清流・芝川沿いにあり、とても恵まれた環境の中、ニジマスたちは悠々と泳いでいる。

さてここで『富士レインボー』の説明を。日本の養鱒場は戦前から始まったのだが、ピークを迎えた昭和50年以降衰退の一途をたどっているのだそうだ。ニジマス養殖は、養殖技術の最も進んだ養魚の一つとは聞いていたが……。魚の形をしていれば売れる、ただ育てて売るだけ。そんな風潮がはびこってしまい、生産効率を求め過ぎ、管理体制を越えた状況の中で無理矢理育てられるといった養殖形態が蔓延。その結果、生き物としては当然弱く、さまざまな病気などの免疫力も弱まってしまうため、投薬が必要になる。自然に反した無理のある育ち方と投薬で、臭みがある、水っぽい、美味しくないなど、本来美味しいはずのニジマスに対する悪いイメージが消費者や私たち料理人に根付いてしまった。悲しいことだね。しかし、抗生物質やワクチンなどの薬が必要不可欠という養鱒業の常識を覆し、薬を一切使わずにニジマスを育てることに成功したのが、この方。この道45年の功刀さんである。

芝川そのままの水。うまい!贅沢な味わい。

自然の魚は薬など使わなくとも立派に育つ。ならば自然に近い環境に戻せば薬などいらないのではないか?そんな気持ちから投薬をやめたと言う。ニジマスは大変美味しい魚で、ポテンシャルがとても高い魚だと教えてくれた功刀さんは、もともと料理人でもある。その経験と感覚からまず、池にいるニジマスは食材(欧米等ではニジマスは高級魚なのだ)だと考える。安心安全は当たり前。そして美味しくなければ売れる訳がないと。

自分が食べたくなるような食材としてのニジマスを育てること。当たり前の様に聞こえるが、その苦労、試行錯誤の繰り返しは並大抵のことではなかったはず。当然、幾度となく失敗もしたそうだ。『功刀養鱒場』では、ニジマスの人工採卵・受精・孵化はもちろん、稚魚から食用魚にまで育て、ニジマスの一生を飼育・管理している。

恵まれた自然環境の中、美味しく安全な食材としてのニジマスを育てたい。そんな強い気持ちがいつしか、ニジマスを飼う感覚からニジマスに飼われるという逆の感覚になって行ったそうだ。日々魚の気持ちになり、声をかけ、魚のストレスを感じ、餌やりのタイミングや量など調整して行く。自然に逆らわず育てていくことで、魚本来持っている能力を最大限に引き出す。だからこそ、病気にかかりやすいニジマスに投薬を一切しない、健康で元気なニジマスを育てることに成功したのだ。そうして手塩に掛けて育てたニジマスを初めて食べたとき、「これは夢か!?」と思ったほどに美味しかったと、功刀さんは当時の思いを振りかえる。今までのニジマスとは何もかもが全く違う。自信と誇りを持って消費者のみなさんに食べて頂ける。『富士レインボー』の誕生である。命名したのはもちろん、功刀さんだ

芝川の水温は年間を通じて13℃前後。この温度が重要なのだ。

実際、県の調査でも他の養鱒場のニジマスより旨味成分がずば抜けて高いことが解り、数値的にも立証された。その美味さの噂を聞きつけたさまざまなジャンルの料理人たちからも注目され、評価を受けている。無投薬などで養鱒ができる訳がないと、周りの養鱒業者からは変わり者扱いされたが、この偉業を成し遂げた今は、逆に水産試験場やさまざまな人たちが『功刀養鱒場』を視察に来るようになっていった。

しかし一方で、養鱒池は法律の関係もあり、一度やめてしまうと二度と再生できないという難しさもある。減る事はあっても増える事のない業種なのだと言う。池を維持し、良い食材を作りたい人たちがさらに増えていってほしいと、功刀さんは願っている。

養鱒場として素晴らしく恵まれた環境と、キラキラした池の中ストレスなく泳ぐニジマスたちの姿。そして、ニジマスを心底愛する功刀さんの、その真っ直ぐな気持ちの強さに感動を覚え、見学は終了した。

何だこの美味さ!今までのニジマスとは全く違うよ。

もちろん、試食もしましたよ~!刺身にイクラにスジコそのほかイロイロな食べ方を堪能させていただいた。

その中でも感動したのが“刺身”。これが本来のニジマスの味か!おいしいな~。身質、食感、旨味、脂の質と甘み、今までのニジマスとは全く違う。ニジマスへのイメージがガラリと変わった!ニジマスの日本の食文化への貢献度はかなり大きい。養殖魚で安心・安全・美味しい、本来のニジマスの味と可能性を知ることができた。

イャ~、勉強になりました!!二人三脚で頑張っている功刀さんご夫婦に感謝!本当にありがとうございました。近いのでまた遊びに(食べに)来ますね♪

今日はお天気で良かった。富士山の近くに来て見えないと悲しいからね。

帰りは再び富士周辺を軽くツーリング。肩の力を抜いて『VNAX』を楽しんだ。乗れば乗る程、『VMAX』に潜在している何かが私の中に伝わってくる感覚。それは、開発者たちの想いや技術の中から生まれた味わいなのか……。

まるで生き物のような、内なる叫びを感じるそんなバイクだ。

『The Art of Engineering、ヤマハの至宝です。
降臨、ニューVMAX。
そのメッセージは、日本から世界へ、そして、日本から日本へ。』

このマシンは再び世界のバイク乗りを虜にすることだろう。

“ヒルマン佐藤”シェフの、これは覚えておくベシ!

『富士レインボーのグリエ』
トマトとケッパーレモンの酸味の利いたバターソースで。 パリパリに焼いた皮目、身はミディアムレアに仕上げました。

ニジマスとは?

ニジマスはサケ目サケ科に属する淡水魚。別名・レインボートラウト。名前の由来は、繁殖期になるとオスに現れる虹色の光沢を発色することからきています。

外観は体全体に黒点があり、エラから尾ビレにかけての体側部に赤から赤紫色の模様があるのが特徴。全長は一般的には約40cm程度ですが、大きいものになると1m以上になるものもいます。

ニジマスは他のサケ科の魚と違い、一度の繁殖行動では死なず、数年にわたって繁殖行動を行います。海に下るタイプは“スチールヘッド”と呼ばれますが、同じニジマスです。肉食性で水生昆虫や落ちてきた昆虫、小魚などを食べています。原産地はアラスカ、カナダ、アメリカなどの太平洋東岸で、日本には1877年(明治10年)にニジマス卵10,000粒が北米より寄贈されたのが始まりです。

ニジマスの塩焼きが最高ですが、欧米でも昔から高級魚として愛されていただけあって、西洋料理にも実によく合います。寄生虫の心配が全くないので生食も安心して食べることができます。

栄養素は、低カロリーで上質のたんぱく源。ビタミン類やカルシウムなどの栄養素がバランスよく、DHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富です。中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれ、成人病予防に効果があるようです。大小のニジマス、それぞれの個性を生かした様々な味が楽しめる大変魅力ある食材です。

気軽に楽しめることから、釣りの対象としてもとても人気のある魚です。

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