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Vol.50 男が熱い! 塩がうまい! 「R1」で行く夏の九州

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2010年7月 取材

富士山静岡空港。初めて利用したけど便利だね。

朝、自宅を出て富士山静岡空港へ。8:50発、10:15着の福岡行きへ搭乗。かなりお気軽な感じで、あっという間に九州に着いてしまった!

一昨年、50ccのスクーター『GEAR』で九州を旅したときは、2日かけて上陸したが、今回は全く正反対の旅である。飛行機を使い九州まで、そして、ヤマハ・スーパースポーツのフラッグシップモデル1000ccの『YZF-R1』で九州を走るのだ!わっはは~!このギャップがたまらないね。
排気量は関係ない。料理で素材の良さを引き出すように、そのバイクの美味しいところを引き出し、如何なる状況でも楽しめるのは、私“ヒルマン佐藤”の得意技だ。

今回お世話になるYSP友泉さんまで車で移動。エアコンの効いた車中から景色を見ても、正直、九州にいる気がイマイチしない。テレビを見ているような感覚。いつものバイク旅は、リアルな景色を見て、その土地の空気や香りなど、自然のさまざまなエネルギーを体感しながら移動する。「やっぱりバイク旅の方がいいなぁ~」なんてしみじみ感じつつ、YSP友泉に到着。
高い天井に開放的な店内。全体からお客様を迎え入れる感じが伝わって来る。来た人を優しく受け入れる、来るものを拒まずという感じで、とても入りやすい店構えだ。満面の笑顔で迎え入れてくださったのは店長の引地 猛さん。頼れる兄貴的存在の引地店長は、大のスーパースポーツ好きで『YZF-R1』と『SEROW250』を乗り分けて楽しんでいらっしゃるとか♪素敵です!今回は、『レンタルバイク九州』のシステムを利用して『YZF-R1(以下R1)』をレンタルしてのツーリング。
今さらながら、実は私“ヒルマン佐藤”、新型の『R1』に乗るのは初!何と言っても最大の魅力は、Moto GP世界ロードレース選手権で活躍する『YZR-M1』の技術を導入したクロスプレーン型クランクシャフトを搭載した新型エンジン。今までにない走りを乗る者に感じさせる、ヤマハ スーパースポーツモデルのフラッグシップマシーンだ。さすがにドキドキワクワク、期待も高まる。短パン、ポロシャツのお気軽旅行用スタイルから、ライディングジャケットを羽織りツーリング用スタイルへと身支度を整えると、気分も引き締まるね。すべてが準備OK。さぁ出発だ!

初めて乗るNEW『YZF-R1』。一言で表すなら、「感動」。 非常に乗りやすく扱いやすい。初心者にも優しい高性能スーパースポーツだ。

『R1』に乗ってすぐに感じたのは、反応の良さとダイレクト感。低速トルクもあるから、福岡の市街地も楽々。非常に乗りやすい。高速道路に乗ればさらに快適。今まで聞いたことのない排気音に心が躍る。メリハリのいいアクセルのツキも私好み♪移動時間が短くじっくり楽しめなかったのは、ちょっと心残りではあるが、ファーストインパクトは“ヒルマン佐藤”的には上々だ。

目指すは福岡県の西端、美しく豊かな玄界灘に突き出た糸島半島。美しいビーチに巨大な玄武岩洞『芥屋大門』や二見ヶ浦などの数々の景勝地、洒落たカフェやレストラン、芸術家たちの工房やギャラリーが多く集まる。ただのリゾート地とはまた違ったパワーと魅力をもった人気のエリアだ。福岡市から1時間以内と気軽に足を延ばせるのもうれしい。そんな感じで西九州自動車道、国道202号、県道54号を経て海沿いの道を気持ちよく走ると、『またいちの塩』の看板を発見!看板をたよりにさらに奥に奥に進むと、製塩所『工房 とったん』が見えた。玄界灘を背景にナチュラルな佇まい。時間がゆるく流れているようでホッとする空間でもあるが、妙にワクワクする。まるで、トムソーヤの世界だ!と心の中で叫んでしまった。

しかしながら、暑い!とにかく暑い!ヘルメットを取り、ライディングジャケットを脱ぎ捨てる。何はともあれ、とりあえず水分補給だ!挨拶もそこそこに、巨峰ラムネと甘夏ジュースを同時に注文。一気に飲み干す。くぅ~うまいっ!あまりの暑さに干からびそうだったから、本気で生き返った気がした。

『工房 とったん』では、塩はもちろん、塩ゆで卵、塩スイーツなども楽しめるからツーリングで立ち寄るにはもってこい。迎えてくれたのは『またいちの塩』代表の平川秀一さん。まさに「九州男児!」って感じの、強さの中に優しさを感じさせる方。

これが立体式塩田。 きらきらと太陽に照らされながら海水がしたたる。

早速、工房を案内して頂き、塩ができるまでの手順を教えてもらった。

『またいちの塩』の原料となる海水は、玄界灘の内海と外海がちょうどぶつかり合い、山と海の豊富なミネラルが混ざり合うこの場所・福ノ浦の恵み。この海水を、海がきれいな日に地下タンクへとくみ上げる。くみ上げた海水は、塩田に吊されたたくさんの竹の上からゆっくり伝わせて、太陽と風の力だけで濃度を上げてゆく。これを繰り返し、3%だった海水の濃度を13%くらいまで上げるのだそう。この作業は、天気が良ければ1週間、悪いとひと月かかってしまう場合もあるとか。

次に、濃度の上がった海水を鉄の大きな平釜に移し、薪で火を焚いて2日間、一定の温度を保ちながらスープを作るようにゆっくり時間をかけ煮詰めてゆく。このとき、アクをすくい、雑味や不味になるものを取り除く。

さらに小釜で1日煮詰め、1日かけて結晶した塩を掬い上げて行くのだが、この作業中の火加減は特に重要。強すぎれば粒の大きな塩辛い塩になり、弱いと苦みが出てしまうのだそう。掬った塩は杉の樽で1日寝かせて、にがりと塩を分離させる。これは杉の樽だからなせる技で、プラスチックではダメなのだそうだ。

最期に、寝かせ終わった塩を遠心分離機で処理し、工房とは別の作業所で小さな不純物を除去。これがまた細かい作業で、しかも、すべてピンセットなどを使った手作業というから、大変。

これだけ自然の力と人の力を使って丁寧に丁寧に作られた塩は、袋詰めされてようやく私たちの手元に届くわけ。作り始めてから完成まで3週間から1ヶ月。う~ん、これは料理を作るのと一緒だね。

一番結晶。少量しかできない美しい塩、綺麗だね。

『またいちの塩』を味見させてもらった。ふくよかな塩味の後にさまざまな味が重なってくる。口の中に海が広がる感じ。この感覚はとても楽しい。自然の豊かさがハーモニーを奏でる味に思わずニンマリ。
長い日数をかけているが、その行程は瞬間芸の連続、まさしく職人の世界。平川さんも納得のいく美味しい塩を作るため試行錯誤を繰り返して来た。薪の種類や火加減、海水の味だって毎回変わる、天気や湿度も変わる。
この場所で塩を造り始めて約10年、先人達の技術や製法は多々あるものの、やはり造り手の気持ちが味に表れるはず、スタッフ皆の気持ちが揃っているからこそ皆が喜ぶ“究極の塩”が出来るのだろう。決して効率的でも楽でもない塩造り、この素晴らしい“またいちの塩”をこれからも造り続けて欲しいものである。また再び立ち寄りたい場所が出来た、次回訪れるのが楽しみだ。
話を聞けば、平川さんも和食の料理人なのだとか、何となく納得だ。

ビーチは目の前。『ナッティドレッド』の“糸島バーガー”。

見学を終え、工房の前に広がる素晴らしい福ノ浦の景色をしばし堪能。今日は急ぎ旅ではないから、ちょっとのんびりさせてもらってから、『工房 とったん』を後にした。糸島市志摩野北の海岸沿いを走っていると、小洒落たカフェが立ち並ぶ界隈へと差しかかった。天気もいいし、海は綺麗だし、どこのカフェもお客さんでいっぱいだ。小腹がすいたので『糸島バーガー』なるものをいただいた。ご当地バーガーは最近のブームなのか、どこに行ってもこればっかり。 食傷気味だったのだが、この『糸島バーガー』は、バンズからパテまで自家製!これは本当に美味しかった♪

海に山。芸術に食。いろんなものが集まっている。聞けば、糸島には「糸島に必要な人」を呼び寄せる不思議なパワーがあるのだとか。糸島、侮(あなど)れないね。次回はじっくりギャラリー巡りでもしてみたいものだ。ゆっくり楽しんだところで日も傾き、美しい夕景が目の前に現れた。今晩は福岡の街に繰り出して『名物水炊き』を食す予定。楽しみだなぁ
続きは第2話で!

“ヒルマン佐藤”シェフの、これは覚えておくベシ!

『塩のガレット キャラメル風味』
そば粉のガレット生地に”またいちの塩”トッピングに”花塩”を使いました。 シンプルだけど、とても美味しいのです。 「またいちの塩」の美味しさで深い味わいになりました。

【塩とは?】

私たち人間はもちろん、地球上のほとんどの生命は塩なしで生きてはゆけません。なぜなら、すべての生命は海が起源とされ、血中のイオン濃度塩分を体内で交換するという生命の維持を図るシステムが、すべての生物に備わっているからだと言われているのです。ですから、現代人の塩分の取り過ぎは問題なのです。旨みのある天然塩などを使えば、少ない塩で素材の味を引き出すことにつながり、減塩の効果はあると思います。ときに、精製塩(塩化ナトリウム99%以上)が悪者のように扱われたりもしますが、他の食品からもミネラル分は補うことができるので、バランスの良い食生活心がけることの方が大切だと思います。余分な塩分を体外へ排出すると言われるカリウムも、黒砂糖から摂取できますから。要するに、塩と言う食品の捉え方と、使い方なのだと思います。日本でも世界でも、さまざまな素晴らしい塩が存在しています。色や味や香り、野菜と相性のいい塩、肉料理に抜群に合う塩、その個性もさまざまです。色々試してみてお好みの塩を見つけてください。

もちろん『またいちの塩』は、その中でも格別の味でした。私のお気に入りの塩の一つになりました♪

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