本文へ進みます

Vol.54 初夏の口福、淡路の食材宝箱を開けた旅 その2

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

2011年5月 取材

唸る美味しさ。鯛の宝楽焼きは淡路島の伝統料理、漁師の浜料理だ。

ご褒美みたいな、きれいな夕焼け。
そして鳴門海峡の潮の香りを楽しんだ後は、今回お世話になる宿『旅館いび』に戻り、温泉で汗を流す。私好みの泉質でお肌がツルツルになり、体の芯まで温まった。

風呂上がりに待っていたのは、念願の"鳴門海峡の海の幸づくし"の夕食♪テーブルにどんと舟盛り!数々の海の幸!凄い量だ。
その中でも、シーズン初頭のハモ料理が一番のお楽しみ。淡路島のハモは骨も皮も柔らかく、身に甘味がある一級品。その味は、300年も昔から料理人達をうならせてきた。
ハモはウナギ目ハモ科に分類される魚で、春は外海から淡路島沿岸に回遊し、海底の泥質を住処にしている。これから夏の産卵に向けて活発にえさを食べるため脂がのり、美味しさがさらに増していく。特にこの地域の主な漁場である沼島近海は、独特の地形から生まれる早い潮流で海底でも水が澱むことなく流れ、餌となる甲殻類や魚たちが豊富に集まる。この特別で、恵まれた環境が、最高のハモを育てるのだ。
京都や大阪では夏の高級魚としてあまりにも有名で、もてはやされているハモ。けれどハモの本場と言われる淡路島では、新玉葱を使った“ハモすき鍋”が夏の滋養食として食卓に並ぶ、庶民の味なのだそうだ。湯引き、天ぷらもうまかったが“ハモすき鍋”は淡路の新玉の味の良さも相まって、絶品の美味しさだった。リクエストしておいてよかった!

満腹。満腹。もう食べられない。ホント美味しかった。幸せだ~。
あまりにも沢山食べたので、食後の運動を兼ねて港までお散歩。月明かりもなく、あまりにも静かな闇夜に、自分の足音だけが辺りに響く。こんな状況でも海くらいは分かりそうなものだが、何も見えない。と思ったら、目の前に大きな堤防が現れた。なるほど、見えない訳だ。
堤防の上に立ってしばらくすると暗闇に目も慣れ、ゆらゆら柔らかな水面の先に大鳴門橋を望むことができた。夜風と静寂が心地いい♪ふとしたこんな一瞬が、私の旅の宝物になるのだ。このままお天気が回復することを祈りながら宿に戻り、 就寝。おやすみなさいzzz……。

宿での朝ご飯は、なぜかつい食べ過ぎてしまう。食べ過ぎ注意だ。

朝6時起床。
夕べの祈りも天には届かず、天気は残念ながら雨模様。降ったり止んだりだけど、時折激しく降る。こんなとき、雨の装備が優秀か否かでバイク旅の楽しさは天と地程の差が出るもの。
しかしながら、シンプルなバイク旅にレインスーツは大きな荷物になる。少しでも小さく、そして万が一、雨のツーリングになってしまってもいい仕事をしてくれるレインスーツが欲しい!

そんな要望に応えたのが今回使用した『YAR05サイバーテックスコンパクトレインスーツ』。背中にエアーアウトレットを配置することでムレにくい。また、裏地をなくすことでコンパクトに折りたため、さらに収納袋へ収めやすいように、タイラップ式収納ベルト付きになっている。定評のあるサイバーテックス。これで雨の日も快適にツーリングできるね。

『YJ-12ZENITH EXXS(エグザス)』。 風洞実験を重ね、差圧を利用して優れたベンチレーション効果を発揮するDPVSを新開発。

そして今回一番気に入ったギアは『YJ-12ZENITH EXXS(エグザス)』。なにしろフィット感が抜群!その訳は、別売のパッドが交換ができるため、きめ細かなフィッティングが可能なのだ。
帽体に軽量・強靭な『Flex-FRP(フレックス・エフアールピー)』素材を採用したことにより軽さと安全性を向上。そして、新開発のDPVSは風洞実験を重ね、差圧を利用して優れたベンチレーション効果を発揮する。
内装素材には吸汗・速乾性に優れた機能性素材『SilverCool TM(シルバークール)』を採用。『ZENITH EXXS(エグザス)』は、これまでの頂点を超えていくというコンセプトから開発された製品。
これはまさに、「被る応接間」。「ヒルマン佐藤」一押しのヘルメットだ!

明るい色の『SR』も好きだが、基本色のブラッック『SR』はキリッと締まるね。

装備がいいから雨でも気分は軽い。宿を後にして、昨日夜景を楽しませてくれた大鳴門橋の道の駅まで走ることにした。

そうそう、ここから旅の相棒は『TMAX』に代わって、ブラックの『SR400』にバトンタッチ。雨に濡れ、水滴がブラックのタンクに映える。始動の時、どうも昔からの癖で燃料コックとチョークレバーを探してしまうが、新型はインジェクション。
もちろんあるはずもない。キーをひねりニュートラルを出す。やさしくキックペタルを踏み込めばエンジンは目覚める。逆に頑張ってキックすると、機嫌を損ねるみたいだ。
始動の癖こそ変われど『SR』は偉大なるスタンダード。愛すべき存在だ。大鳴門橋までのワインディングで、改めてその楽しさを感じた。

大鳴門橋は1985年開通。何度見ても美しい橋だなー。

道の駅で『SR』を停め、渦潮を眺める。
今回は大鳴門橋を走らなかったが、かなり前に来たとき早朝に渡ったことがあった。それはそれは深い霧が出ていてかなり怖かったっけ。橋から覗いてみた鳴門の激しい渦潮が大きく、恐ろしかった思い出がある。

あの時、あんなに近く感じた渦潮。離れた場所からみると結構な高さがある。それだけ渦が大きかったってことかなぁ~?疑問を解決したかったが雨脚は強くなる一方。春の嵐だな。

神戸名物の“イカナゴのくぎ煮”をお土産に購入。 兵庫県の播磨・明石、神戸・垂水、淡路島北部の地方では、各家庭でイカナゴのくぎ煮を作る。

久々の本格的な雨のツーリング。 こんな時は、頭の中を切り替えるに限る。いつもの私のハードな旅のスタイルから外れて一転、のんびり雨宿りを楽しんだりして雨足が弱まるのを待ってみるも、あまりに降り続く雨にギブアップ!取材もままならないような荒れた天候に、帰路につく選択を選んだ。

もちろん、ただでは帰らない。帰り道、昼ご飯に淡路島で人気の海鮮食堂『魚増』さんに時間ギリギリで到着!お目当てのタコ天丼を注文する。どんぶり一杯にカリッと上がったタコ、タコ、タコ♪成井さんの“究極のタマネギ”に始まり、豊かな海の幸(ハモも美味しかったなぁ~)、そしてシメの“タコ天丼”。
淡路島はまさに食の宝箱。若狭、志摩、紀伊の国などとともに皇室に食料を貢進する国(御食国)として、朝廷の食卓を支えていた歴史。さらに遡れば、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冊尊(いざなみのみこと)の二神にまつわる「国生み神話」で、日本発祥の地とした伝説の地。食文化的にも歴史的にも興味は尽きない地域。雨で消化不良の旅だったけど、それ故に「また来たい!」と強く思わせる淡路島の旅になった。

ヒルマン佐藤のお料理教室
【野菜の王様タマネギ万歳!】

■タマネギとは?

アジアから地中海沿岸が原産のユリ科の野菜。原産地からヨーロッパヘ、そして16世紀には米国ヘ伝わり、日本には江戸時代に長崎に入ったとされています。

本格的に栽培され始めたのは明治4年。米国系の品種『イエロー・グローブ・ダンバース』が北海道で春まき栽培用の『札幌黄』へと品種改良されたのが始まり。その後、明治18年には『イエロー・ダンバース』が大阪で秋まき栽培用の『泉州黄』に、大正時代にはフランス系の『ブラン・アチーフ・ド・パリ』が愛知で秋まきの早生種『愛知白』になり、現在の基本品種となりました。

タマネギは、血栓溶解作用を持つ硫化プロピルや抗酸化作用を持つケルセチンなど多くの薬効成分を含み、生活習慣病(ガン、糖尿病、動脈硬化、高脂血症)に悩む現代人に最適の野菜と言われ、気管支ぜんそくの発作抑制・骨粗しょう症の改善にも効果があると言われています。また、タマネギに多く含まれるオリゴ糖は低カロリーで熱に強く、腸内の善玉菌の働きを助ける作用もあるようです。

料理では、デザート以外なら何でも来いの万能野菜。調理法もさまざまで、辛みが少なければ生食もできるし、スープ、炒め物、揚げ物、ホントにいろいろ。『ヒルマン』では毎年、新タマネギを大量にスライスして飴色になるまで炒め、一年分のストックを作っています。これがランチで出すカレーやオニオングラタンスープの味のベースになっているんですよ。使い道が多く、体にも良い事ばかりの“たまねぎ”は、まさに野菜の王様ですね♪

モネ風早生タマネギのファルシ

かなり昔に手に入れたモネの料理書をまとめた洋書。料理好きでも知られたモネの感性や生き方を垣間見ることができるレシピは、見ていてとても楽しい。この中の一品を、ヒルマン風にアレンジしてみました。タマネギの種類(固さ)で料理にかかる時間は変わるので、素材と対話しながら美味しく仕上げてください。

材料

  • 早生タマネギ 4個
  • ゆで卵 1個
  • ローストチキン 1本
  • 鶏レバー 50g
  • アサツキ 少々
  • パセリ 少々
  • グリエールチーズ(具材用 50g、焼き色用 10g)
  • 塩コショウ お好みで

zoom
モネの料理書では白タマネギを指定していますが、今回はそれに近い早生のタマネギ『七宝』を使用。もちろん、成井さんちのです。タマネギの皮をむき、沸騰したお湯で15~20分程茹でます。※竹串がすっと通るくらいに茹でること。
zoom
タマネギ以外の材料はこちら。ローストチキンは近くのお肉屋さんの惣菜コーナーで購入。具材はアイデア次第!いろいろチャレンジしてみると楽しいですよ!
zoom
全ての具材を粗く刻み、混ぜ合わせます。
zoom
くり抜いたタマネギに具材を詰め、上にグリエールチーズをのせたらバットなどに並べます。下部が焦げ付かないように水を一カップ程度入れ、180度のオーブンで25分くらい焼けば出来上がり!★オーブンがない場合は鍋にフタをして弱火で仕上げてもOK!★ダッチオーブンなら生のタマネギから無水で調理が可能なので、ひと手間省けてラクラク、しかも美味しい!
zoom
パーティーやアウトドア料理にピッタリ!一晩おいても美味しいし、冷製にしても生きる料理だから多めに作っておいてもいいですね。
zoom
ナイフを入れるとタマネギからエキスと香りがあふれて、上品な味わい。食べるごとにウットリしてしまいす。お好みで塩をして召し上がれ!

タマネギとバゲットのチーズスープ

食べきれなかったバケット(フランスパン)に、チーズ、おいしいタマネギがあれば簡単に極上スープができちゃいます。タマネギはゆっくり加熱することで甘みが増すので、柔らかくなるまでゆっくり炒めてくださいね。ポイントは、ブイヨンを入れたら加熱しすぎないこと!

材料

  • タマネギ 2~3個
  • バケット 適量 ※余り物や固くなったものでも可
  • ミックスチーズ 適量
  • 塩コショウ 適量
  • バター 適量
  • 熱いブイヨン 適量

zoom
タマネギは成井さんちの中間種『アンサー』を使用。※スーパーで手に入る黄タマネギで代用できます。
zoom
基本的な材料はこれだけ、簡単でしょ♪※パンは食パンでも構いません。
zoom
1センチ程度に切ったパンを鍋に敷き詰め、チーズをたっぷりのせます。その上にパンを重ね、さらにチーズをたっぷり盛りましょう。
zoom
スライスしたタマネギを、ゆっくり、柔らかくなるまで炒めます。ゆっくり加熱することで甘みと旨味がアップ!
zoom
炒めたタマネギを、鍋のパンとチーズの上にのせ、熱いブイヨンをヒタヒタになるまで注ぎ入れます。フタをして中火で5分程加熱すれば出来上がり!
zoom
やさしい薄味が基本のお料理です。お好みで塩コショウをしてください。
ページ
先頭へ