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Vol.58 瀬戸内と江田島、美味い地鶏と豚に出逢う旅 その2

モーターサイクル・デ・フレンチ ツーリングで全国食材探しの旅

なにしろツバメが多い。ツバメ天国だ。

私の旅の朝は早起きだ。宿の窓を開け放つと広がる青い空と瀬戸内の海。今日も絶好のツーリング日和だ♪

そんな景色の中、たくさんのツバメたちがもの凄いスピードで縦横無尽に飛び回りながら美味しそうな餌をパクッとついばむ。生涯、長旅を送る渡り鳥って最高だね。

生まれ変わったらツバメってイイかも♪

なんて、寝ぼけまなこでつまんないことを考えながらテラスで、ボーッとする。

旅の朝は早起きに限るね。

日が差してきた。朝日を全身で受け止め深呼吸。何て気持ちのいい朝だろう。朝からテンションがグッと上がった。

昨夜からお世話になっているのは、海の上に建つ『国民宿舎能美海上ロッジ』。リーズナブルで美味しい料理も堪能できる宿だ。前回も言ったがもう一回、私的にはここの温泉が大変気に入った!温泉、泉質にうるさい私“ヒルマン佐藤”も唸らせる、茶濁した湯はもちろん掛け流し。

広島唯一の温泉でもある。昼食と温泉の日帰りプランもあるからお気軽に利用できるのもいい。バイク乗りにもおすすめだ。もちろん朝風呂もいただいて、朝食の時間まで火照った体を冷ましがてら『XT250X』で周辺を散策。

足付き性の良さは大きな魅力。シート高は790cmだが、サスペンションの沈み込みが大きいから跨いで確認を。

『XT250X』は、散歩したくなる気分にさせてくれる。思い立ったらすぐ乗れる気軽さがいいね。今日も一日頼むぜ、相棒!お楽しみの朝食はレストランの客席で。窓の外はすぐ海。お料理もさることながら、さすが海上ロッジ!客船に乗っているような気分で朝食を堪能できた。

桃色に青を散りばめた真鯛。綺麗だね。

宿を後にしてまず立ち寄ったのが、『海辺の新鮮市場』。このお店のシステムは1階の販売コーナーで刺身パックなどを選び、代金を払って2階の食堂に上がると、セルフサービスで魚の炊込み御飯と味噌汁、漬物を付けて刺身定食にできる。

この“オリジナル定食”こそが、食堂で唯一のメニューなのだ。魚や蛸の炊込み御飯の定食は、なんと850円也♪しかも味噌汁は飲み放題だ!何でも、腹ぺこライダーに人気だとか。私はさすがに朝食で満腹状態だったため、断念。残念。

海鮮定食に後ろ髪引かれながら、本土と繋ぐ唯一の橋『音戸大橋』を目指す。かの平清盛が切り開いたとされる音戸、その海峡、江田島と呉を結ぶ橋が『音戸大橋』だ。満潮時でも桁下23.5メートルを確保するため、江田島側は螺旋状になっているのが特徴。なんとも面白い。見たことがないタイプの橋だった。

橋を渡ると、江田島に別れを告げ呉に突入!

1960~1969年まで生産された、古い国産車。

屋根が低いノスタルジックな風景の中を走って行くと、さらに懐かしい自動車に遭遇!偶然居合わせたオーナーと、古い車&バイク談議に花が咲く。

氏自慢のシルバーピジョンスクーターのサイドカーも見せていただいた。1960年台の「ヤマハスクーター175」は流線型のデザインが素敵な車両だったなど、世代は違えど趣味人同士。

いやはや、話題は尽きないものだね。楽しかったなぁ~。昭和の古き良き時代をたっぷり感じる古い街並と、会話を堪能できたひととき。

あれに見えるのは、潜水艦を探知するための音響測定艦。

次に立ち寄ったのは『アレイからすこじま』。名前の由来は、呉浦にあった周囲30~40メートルの「からすこじま」(大正時代に魚雷発射訓練場として埋立)という小島の名称と、英語の小道(ALLEY)からきたものだそうだ。国内で唯一、潜水艦を間近で見ることができる公園だ。

ここは、かつては旧呉海軍工廠の中心部だったとのこと。今もレンガ造の建物が多く残っていて、当時の様子を偲ばせる。時間が許せばゆっくりしたいのだが…そんな気持ちを抑えつつ、次へ!

呉の『プレインズ』さんに到着!山下さん、よろしくです!!

はい!お次は呉の繁華街にある美容室『プレインズ』さん。坊主頭の私には全く縁のないところ(笑)だし、何の用?って感じですが…。実はここのオーナー山下久人さんは、地元で有名なバイク乗り。この食材探しツーリングのスタッフが懇意にしているバイク仲間なのだ。山下さんは生粋の呉っ子でもあるので、今回ナビゲーターをお願いしたという次第。(お忙しい中ありがとうございます!)

山下さんはバイク乗りとしても有名なのだが、美容師としてもハイレベルな職人。技とセンスでお客様の信頼も高い、呉でも人気のサロン。挨拶とバイク談議もそこそこに、まず案内してもらったのが同じ呉市にある「リプレイモトサービス」。

ドアを開けた瞬間、テンションがギュ~ンと上がる!うぉ~!懐かしい往年の名車達がずらり!『DT1』や『TY250』、ミニトレヤマハのバイクもたくさんある!それもそのはず、このお店は古いバイクのレストアや持ち込み修理を専門に行なっているバイク屋。主に60年~70年代の車両、オフロードモデルが多く、持ち込みは県内外からあるという。

私の地元・浜松ナンバーの車両もあった!未再生のバイクからピカピカのバイクまで、所狭しと店内にギッシリ並んでいる。

2010年の年末に今の場所に移転、廃墟同然だった古い3階建てのビルが、素敵な空間に生まれ変わった。古い窓や装飾品、ドアノブや階段の手すりなど細かいところまで、どこもかしこもカッコいい!古い物好きの私にはたまらない空間だ。2階は「RePS(レップス)」と名付けられ、イベントやギャラリーとして使えるスペースになっている。

オーナーである早川さんたちのセンスも相まって、全体の雰囲気がもう抜群!垂涎のバイクは沢山あるし、フリースペースには可能性を感じるしで、本当にうらやましい!

なかなかの佇まいだ。さすがは創業大正10年!

ちょっと興奮したらお腹がすいた!もちろん、ここでも山下さんがいい仕事をしてくれました。グルメでもある山下さんおすすめ、呉の特色豊かなお店の1軒目は、デミグラスソース風のカツ丼が有名な田舎洋食「いせ屋」さん。

呉は明治の初めまで、名もない小さな漁村だった。しかし明治22年に海軍鎮守府が、明治36年には海軍工廠が設立され、第二次大戦による敗戦までの約60年間、軍港として大いに栄えた。

『戦艦大和』がここで造船されたことは、あまりにも有名だ。戦後は呉市が港湾管理者となり、貿易港として生まれ変わった。そんな歴史から、歴史や由来のあるお店が多いのだとか。この『いせ屋』さんも例外ではなく、大正10年に開店した呉で最も古い洋食屋さんだという。

せっかくだから、名物の「カツ丼」、「海軍カレー」、そして「海軍さんの肉じゃが」を注文。肉じゃがとカレーは独特ながら、イメージ通りのものが出てきたのだが、カツ丼にはビックリした!

どんぶりではなくお皿、ライスの上に揚げたカツ、その上にデミグラスソースがかかっている。どんな経緯でこのスタイルになったのか興味深いが、お味はGood job!まさに田舎洋食、懐かしくもホッとする味だった。

お持ち帰りはアルミホイルで包んでくれる。冷めても旨い!

欲張って食べ過ぎた~!お腹いっぱいなのだが、皆さんへグルメ情報をお伝えするため、もう1軒!

山下さんおすすめの2軒目は、佐世保バーガーのお店「キッチン かたおか」さん。店まで案内してくれた山下さんは、予約のお客様が入っているとのことで、残念ながらここでお別れ。山下さん、ありがとうございました!!

ここで、皆さん、お気づきになられましたか?「なぜに呉で佐世保?」と。おそらく戦後に由来はさかのぼるのだろう。と私は想像しているのだが、謎はつきない。

ここでいただいたのは、もちろん「佐世保バーガー」800円也。九州の佐世保バーガーも食べたことはあるが、それよりもかなりボリュームがある気がした。

ケチャップ味が強めなのがとてもアメリカ的。丁寧に作られているなぁ~と感じられ、だからか、とても美味しかった。1日限定20食らしいので、売り切れ要注意!

店を出て、お隣の帽子屋さんのショーウィンドウを覗く。土地柄か海上自衛隊の帽子がズラリ。興味が湧いたので何気なく立ち寄ってみた。話を聞けば、海上自衛隊の特約店で、大正2年の創業以来三代にわたって、呉史とともに歩んできた有名なお店だとか。

バイクの駐輪場は正面脇。なんとうれしい、無料のスペースが。

思いがけない歴史との出会いの後、いつか訪れてみたいと思っていた「大和ミュージアム 呉市海事歴史科学館」に。

入り口を入ってすぐ、1/10スケールの大和の模型に驚愕!実際の大きさは想像するしかないのだが、実物はタンカー並みの戦艦。1/10と言えど、デカイ!

そのほか、呉海軍工廠の設立から現在の呉までの歴史を知る展示物が多数。じっくり見ていたら一日かかってしまいそうな内容とボリュームだ。時間がなかったため、サラリと見て回るのがやっとだったのが心残り。

日本の近代化の歴史そのものである「造船」のまち呉市が、その文化と歴史を通じて平和の大切さを伝えるために開設した施設だ。

次回はぜひ時間をかけて見学したいと思った。

世界遺産に登録された『原爆ドーム』。慰霊に訪れる人は絶えない。

そして、広島に来たらやはり行かねばならぬ。今回の旅、最後の目的地は『原爆ドーム』。呉から小一時間、私がこんなことを言うのも珍しいのだが、意外に遠かったかな。

けれど、途中の路面電車が良い雰囲気で、ノスタルジックな古い車両から近未来的な新しい車両まで見ているだけで楽しい道のりだった。

日も傾きかけた時間に到着。ここを訪れたのは何年ぶりだろう。周りの木々も成長している気がした。けれど、やはりこの場所に来ると心が締め付けられる。こうして、江田島と呉を中心に楽しんだ今回の旅は終了。旅をする私にとって、広島は一種独特なイメージがあるのだが、江田島や呉はちょっと違った。

上手く言葉にできないのだが、なんと言うか、広島よりさらに不思議な魅力と奥深さを感じる土地。とでも言えばいいのだろうか。非常に興味深い、感覚を残してくれた土地だった。また、旅したいなぁ~。

“ヒルマン佐藤”シェフのこれは覚えておくベシ!

ポークアンドチキンさんの江田島コーチン(名古屋コーチン)を調理しました。素材が良いので単純にタイムとローズマリー塩コショウでソテーしただけ、ディジョンマスタードを添えましたが、必要は無いですね。皮の美味さ、しっとりとした身質や味の濃さ、完成された味わい、塩すら要らないと感じる程でした。メチャ美味かった!恐るべし江田島コーチン!

今回のルート

取材協力

■国民宿舎能美海上ロッジ■
広島市江田島市能美町中町1265
TEL.0823-45-2335

■プライベートサロン プレインズ 美容室■
広島県呉市本通2丁目3-4(四つ道路バス停前)
TEL.0823-23-7540

■RePLAY Moto Service■
広島県呉市吉浦新町1丁目6-21
TEL&FAX.0823-31-7747

■呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)■
広島県呉市宝町5-20
TEL.0823-25-3017
FAX.0823-23-7400

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