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開発ストーリー:SR400

SR400の開発ストーリーをご紹介します。

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“ヤマハ魂の伝承 〜宿る技術・技能、そして魂を永久に”

“ヤマハ魂の伝承 〜宿る技術・技能、そして魂を永久に”を開発コンセプトに、これまでSRが初期モデルの1978年から長きに渡り培ってきた世界観・ブランドをこの先も残し受け継いで行くため、いかに魂を織り込み、お客さまに提供していくかを常に考えながら、新しいSR400の開発を進めました。
今回の大きなポイントは、SRらしい乗り味とスタイリングを残しつつ「二輪車平成28年排出ガス規制」に対応するか、でした。主な変更箇所は、排出ガス規制対応のためのエンジンのECU、それに伴う電装類のレイアウト、排気系の変更、キャニスターの追加。加えて灯火器類の法規対応です。

ECUは、設定変更にとどまらず、実際のサイズも大きくなってしまい、これまでのサイドカバー内に収まり切らず、シート下に動かさざるを得なかったため、シートボトムを新作して対応しました。
キャニスターは、蒸発ガソリンの外気への排出を低減する装置ですが、どうしても見えるところに配置せざるをえず、いかに小さくデザイン的にきれいに見せるか、SRのスタイリングにマッチさせるかに尽力しました。なるべくエンジンに寄せて一体感を持たせ、吊っているゴムにシボを織り込んでデザインし、さらにホースの配束も何度も見直し、見た目カッコよく、フレームと一体感が出るようにしました。
灯火器類の変更においては、ヘッドライトに使用しているレトロなガラスレンズを近代的なプラスチックに変更するか、かなり議論しましたね。結局、ガラスのヘッドライトは、SRのアイデンティティのひとつであるという結論から、SRに期待し待ってくださっているお客さまがたくさんいらっしゃることを踏まえて、部品メーカーさんにも協力を仰ぎ、ガラスレンズにこだわって新作し、法規対応しました。

部品から車体製造まで、みんなの技術と技能の伝承があってのSR

SRには、サンバースト塗装が施されたタンク(記念モデル仕様)をはじめ、フレームを避けるように複雑な曲線を持つエキゾーストパイプに、すっきりと伸びたフォルムが美しいクロームメッキ仕上げのマフラー、クリア塗装のクランクケースカバー、アールが美しく複雑な折り返しの縁をもつメッキフェンダーと、クラフトマンシップにあふれる数々のパーツが欠かせません。

また、車両の組立においても、SRは全ての組み立て工程を二人一組で行うセル生産方式で行ない、一台一台愛情込めて仕上げています。製造現場の皆さんは、長年に渡り今も愛され続けるSRのブランドに恥じない誇りと自信を持って臨んでいるのです。彼らが“プロフェッショナル集団”として目指しているのは、全ての工程を一人で行なう「一人完結組立」です。
そのため“プロフェッショナル人財の育成”にも力を注いでいます。プロフェッショナルとは、“自信が持てる、魅力がある、信頼が持てる、常に挑戦し続ける人財であること”です。一人一人が全ての組立工程を把握することは決して中途半端な気持ちでは成り立ちません。生産現場では匠人財制度を設け、最上位ランクである総合匠を目指し組立作業者の一人一人が日々、能力を磨き続けています。

SRの40年の歴史は、私たち開発の心意気だけでなく、支持してくださるお客さま、部品を供給くださる各メーカーさん、そして常に挑戦し最後までやり抜く気持ちを持った製造現場での技術と技能の伝承があってこそなのです。

変えられないところと変えるべきところの棲み分けに苦慮

改めるまでもなく、SRは40年の歴史を持ち、たくさんのお客さまに支えられてきたモデルです。現在のヤマハ・スポーツバイク・ラインアップでは、最も根幹にあり、空冷・単気筒エンジンのSRから様々なモデルへ発展して行きました。昨今、電子制御やABSに、トラクションコントロールシステムなどを装備し、この先は色々なデバイスとも繋がっていく中で、「オートバイとは、人間がさまざまなものを感じ取り操縦してこその乗り物である」ということを、制御装置のない“ありのままのオートバイ”としてのSRが改めて教えてくれるように思います。

ただSRは40年つくり続けてきたことを踏まえ、どうしても変えられない部分がある一方で、法規対応や時代のニーズに応えながら変えるべきところは変えていかなければならず、その変えられない箇所と変えるべき箇所の棲み分けと、その開発には苦労しました。
例えば今回も、セルモーターを付けるか否か議論しました。やはりデコンプレバーを握って、思い切りキックを踏み抜いてエンジンをかける……という儀式がSRの魂でありアイデンティティである。キックでエンジンを始動し、乗り手のモチベーションも高めて行くのがやはりSRの魅力なので、付けなくて正解だと思っています。

音量や排気ガスといった規制が厳しくなるタイミングでは、モデルを進化させなければなりません。規制が厳しくなる=技術も進歩しているはずですので、SRのエッセンスを変えずに守りながら、先端の技術をきちんと織り込んで、時代のニーズにあったより良いモデルに進化させていくのが、先代から受け継がれてきたSRを開発する者の使命なのではないでしょうか。

堀川 誠
SR400開発プロジェクトリーダー
(ヤマハ発動機株式会社 PF車両開発統括部SP開発部)

「プロジェクトリーダーを任されたとき、正直プレッシャーはありませんでした。なぜなら、開発チームの部門ごとのプロジェクトチーフを筆頭に、メンバーみんながSRが大好きで、SRをいかに良くして世の中に出して行くかというSR愛にあふれていたので、安心して引き受けることができたんです」


音響解析を用いてつくりあげたSRらしい心地好い音色・鼓動感

規制対応のタイミングを好機ととらえ、SRらしい心地好い音色、歯切れの良い排気音にこだわってつくり込みを行ないました。
そもそも“SRらしい良い音”とはどういうものなのか……。過去のキャブレター仕様から2016年モデルのFI車両まで、膨大な量のマフラー音を聞き比べて、目指すべき音をまずプロジェクト内で共有しあったんです。
そして、歴代車両の中でキャブレター仕様のモデルの中の1台を最も“SRらしい音”と置き、その排気音を解析。その結果、音量が少し大きい方が聞こえが良く、ビッグシングルらしい低音があり、さらに歯切れのいいサウンドだと心地好い、つまり「音量」「低音」「歯切れ」の3要素が導き出されたんです。

その3つの要素をNEWモデルに織り込んで、SRらしさを感じられる排気音を目指しました。とは言え、キャブレターとFIの車両ではマフラーの構造が全く違う上に、より良い自然環境を実現するための排出ガス規制をSR不変のスタイリングを変えないままで実現するとなると、できることは限られています。相当厳しい条件ではありましたが、ヤマハには伝統の音響解析技術や、過去のSR開発担当者が色々トライした軌跡も残っていますので、それらも参考にして“SRらしい音色”をつくり込んでいきました。
マフラーの外見はこれまでとほぼ変わっていませんが、中身は全く別物。目には見えない中の構造を大幅に変えることで、規制に対応しながらも、これがベストと思える排気の音色にチューニングしているのです。

SRらしい音色を決定する作業は、感性の部分。まさにヤマハが最も大切にしているところです。今までに開発に携わってきた先輩たちの意見も仰ぎながら、「単気筒エンジンのSRらしい中低速域での鼓動感、音色のベストバランスは何か」を突き詰めていきました。
これも先輩方が、キャブ車のようなトコトコ感が出るよう苦戦してFI化した2016年モデルがあってこそできた挑戦ですね。

中村 純也
SR400エンジン実験プロジェクトチーフ
(ヤマハ発動機株式会社 PT開発統括部第2PT開発部)

「中低速の領域で、SRの単気筒らしい歯切れのいいサウンドが、今まで以上に気持ちよく感じられるようになっています。ぜひ、多くの皆さんに堪能いただきたいですね」


心地好い排気音・鼓動感を感じながら
日常領域でのスポーツ走行の楽しさを改めて提案

今回のモデルチェンジを機に改めてSRの歴史を見直してみました。
今でこそ、SRはクラシックなジャンルのオートバイに分類されますが、発売が開始された1978年当時ですら他のモデルに比べたら馬力も低く、それほど最先端の性能を持ち合わせたバイクではありませんでした。にもかかわらず“ヤマハスポーツ新時代”という打ち出し方をしていました。
発売当時ですら、高回転・高性能化が進むモデルにかなわなかったのに、なぜ“ヤマハスポーツ新時代”なのか……。おそらく、時代がどんどんハイパフォーマンス方向に振れていく中、あえて「日常の速度域でいかに楽しむか」ということを当時の開発者は非常に重要視していたのではないかと思うのです。

ところで、みなさんはきちんと整備された新車のSRに乗られたことがありますか?乗られたことがない方は、おそらくクラシック系のトコトコ走るオートバイというイメージを持たれているのではないでしょうか。実は「スポーツしよう!」と思った時に自分の扱える範囲内で十分なスポーツ走行ができる、ものすごく楽しいオートバイなのです。
時代が進んでも、街中の速度域やワインディングロードでスポーツ走行する時の速度域は、実はそんなに大きく変わっていません。その中で最大限に楽しめるモデルとして、SRは初代の頃からつくりあげられてきたのではないかかと思います。 きちんとスポーツモデルとして楽しめる本質的な部分は、“スポーツ新時代”と打ち出した時から、ずっと変わらない。だからこそ、さまざまな規制に対応しながらも、新しいSRを出し続けていく意義があると思います。

今回のモデルチェンジは、単に「排出ガス規制への対応」と思われがちですが、実は結構大変な作業なのです。エンジン性能に大きな影響を及ぼすだろうなと思いながらも「日常領域での心の高揚感は維持したままで」とか「官能性能は変えずに」とか、私は商品企画の立場なので、簡単に提言します(笑)。ですが、開発はとても大変だったんじゃないかな。色々な対処方法がありますが、規制に対応しながら、ある部分の楽しさをキープするのってすごく難しいことです。お金のかかることでもあるし。それをやってのけるのは、さすがウチの開発陣だなあと自賛したりして。

さらに今回、日常の中の非日常ではありませんが、いかにワクワクしていただくか、その要素の一つとしてSRらしい歯切れのいい“音色”というコンセプトがありました。
モデルを開発するにあたって、お客さまからの要望を取り入れることもありますが、今回はわれわれヤマハから、オートバイの楽しみ方の再提案として、“スポーツ新時代”のころから受け継いでいる、自分が扱える範囲内の速度域で、心地好い音色や鼓動感を堪能しながらいかに心を躍らせていただくか、スポーツ走行を楽しむことを改めて提案したかったのです。

小説家の方とか漫画家の方が、インタビューを受けられる時に、「キャラクターが勝手に動き出す」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。 SRもそういう類のものかもしれません。お客さまご自身がそれぞれにつくりあげてきた歴史ですとか、ずっとこう40年間あり続けたSRらしさというものが自らストーリーをつくりあげているんのではないかなという部分もあります。今回のSRは、「SR自身がこうありたい」という姿になったのではないかと感じています。

SRはすごくシンプルなオートバイです。けれども、何か足りないか?と問われれば、実は何も足りなくなくて。普通に走っている分には、ライディングに集中できてとても楽しい。そうでありながら、ハンドルやマフラー、シールドにシートなどなど、長い年月で培ってきたアクセサリーがたくさんあって、自分色に染めることも可能な懐の深いモデルです。

SRの特徴って、おそらく“乗って楽しい、見て楽しい”というヤマハの普遍的な部分に共感くださる方に支持されていることではないかと思います。それも、免許を取ったばかりの10代の若者から、ベテランライダーですというご年齢の方まで、またお仕事もわれわれのような会社員から学生さん、美容師さんとかデザイナーさんにミュージシャンと、多様なマインドを持った色んな方に愛されているのが特徴ですよね。カスタムを通じセパレートハンドルとアメリカンスタイルといった多彩なバリエーションを、同じ1台で楽しめるモデルというのはなかなかないと思います。

“ヤマハスポーツ新時代”から一貫して受け継いでいる、「軽快でスポーティな走行を日常領域で」という不変的な魅力に、さらに磨きのかかったビッグシングルならではの歯切れよい鼓動感が楽しめるSR。ぜひ多くの方に堪能いただきたいですね。

加藤 新
SR400商品企画
(ヤマハ発動機株式会社 MC戦略統括部商品戦略部商品企画1G)

先進国向けのスポーツモデルやスクーター関係の企画を担当。
「SRはなぜか年に何回か乗る機会がある、いや、正確に言うと乗りたくなって周りの人に借りて乗る不思議なオートバイなんです。自分の中で、乗りたくなる理由ははっきりしないのですが、原点に立ち返りたいのか、なんとなく拠り所みたいな存在ですね」


SRの世界観を3つのカラーリングデザインで表現

基本的なことはずっと変わらないSRですが、世の中は変わって行きます。それぞれの時代に、それぞれのデザイナーが、その時代にあったカラーリングで表現することにより、お客さまに受け入れられ、ずっと生き残ってきたのではないかと思っています。

今回のモデルチェンジでも、それを意識して、SRらしい世界観を3つのカラーで表現しました。
まずは、SRの持つ本質的な価値を提供する「ヤマハブラック(ブラック)」、次に、形式にとらわれないSRの価値を、世代を超えて提供する「グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)」、そして新たな技法を用いて、SRの伝統的な価値観を追求した40周年記念モデルの「ベリーダークオレンジメタリック1(ブラウン)」の3色です。

本質的な価値を提供する:ブラック

乗ること自体を楽しむような、オートバイの本質的な価値を追求し、SRが持っている、飾らない “The motorcycle(これぞ、オートバイ!)”としての魅力を表現したのが、ブラックです。
私自身もそうですが、長年変わることのない、オートバイらしいシンプルなフォルムから、初めて乗るオートバイとしてSRを選ぶお客さまもたくさんいらっしゃいます。そういった若い世代のお客様に楽しんでもらえるよう、オートバイに乗るときの目線を意識して、ハンドル回りはブラックを配色し洗練された印象にしています。

また、ブラック系のSRに乗っていらっしゃるお客さまは、シンプルな革のジャケットに黒いヘルメット、そしてシルバーのアクセサリーと、ダーク系の落ち着いた服装にメタリックのアイテムを取り入れている方が多い印象です。そんなスタイルに馴染むようブラックと金属感のバランスを図りました。
ハンドルバーを始め、ヘッドライトボディに前後のハブ、リアサスペンションのスプリングをブラックにする一方で、タンクにシルバーの音叉マークを配し、サイドカバーではメッキの金属調のエンブレムでオートバイのカッコよさを表現しています。

ライフスタイルになじむ親しみやすさ:ブルー

従来、オートバイと言えば男らしい重厚なイメージがあるかと思いますが、今の時代の幅広い世代の方に愛されるSRとしてリラックスした、柔らかさ、さわやかさを演出することでお客さまのライフスタイルにより溶け込むのではないかと思い設定したのがこのブルーです。
例えば、趣味を楽しむ特別な空間にインテリアとして飾っておき、時々カフェに出かけるといったリラックスした使い方のようなイメージです。
カジュアルな服装で乗ってもらえるようシートはブラウンにし、サイドカバーは雑貨のように親しみやすさのあるエンブレムを採用、タンクには「YAMAHA」のロゴをあしらっています。
このブルー、実は光の加減で異なる魅力を持っているのです。ガレージでオートバイをいじっている時など室内では落ち着いた印象ですが、外に出してみるとメタリックを含んだカラーの反射がきれいでさわやかな印象です。SRでは新たな印象のカラーですが、SRの持っている「形式にとらわれない」価値を様々な性別・年代の方に提供できればと考えています。

記念モデルとして究極のSR:ブラウン

お客さまは、どういったSRの姿を求めているのか。SRの持っている伝統的な価値はどういうものなのか。とことん追求したのが40周年記念モデルのブラウンです。
イメージとしては、SRを知り尽くしているオートバイが大好きなお客さま。休日に乗って楽しむだけでなく、ガレージで磨き上げ、それをめでることにも歓び感じていただける方が、乗って、磨いて、眺めて楽しめるようなものにしています。

記念ロゴをあしらったタコメーター、革風のシートサイド、ゴールドホイールなど記念モデルは語るポイントがたくさんありますが、特にこだわった3つに絞ってお話しますと、まずはサンバースト塗装です。歴代の記念モデルにはサンバースト塗装のタンクが採用されているのですが、思わず見とれてしまうような奥行きのある仕上がりを匠の技が最大限活かされるよう、今までのサンバーストからさらに進化させた手法で実現しました。
次にタンクの真鍮製音叉マークです。素材の魅力を存分に活かした存在感、味わい深さに注力しました。真鍮の素地が出ている状態なので、磨けば美しい輝きを放ちますし、また、永く付き合うほど独特の風合いが出てきます。
3つ目はサイドカバーのSRエンブレムです。上品さと存在感を兼ね備えたエンブレムを目指し、電鋳工法ならではの緻密さと金属ならではの仕上げにより、YAMAHAのクラフトマンシップを表現しています。

タンクの造形美を強調するノーグラフィック(スタンダードモデル)

SRの魅力の一つにティアドロップ型タンクの造形美が挙げられます。
ストライプのラインもSRらしさを感じるポイントの一つなので記念モデルでは用いていますが、タンク自体のラインの美しさを強調しようとスタンダードモデルのブラックとブルーについてはあえてストライプのグラフィックなどを思い切って一切取り払っています。タンク自体そのものが美しく、光の反射でタンクのふちにストライプのようなラインが入るのでそれ自体を楽しんで欲しいですね。

SNSなどでタンクやフェンダーに映り込む景色の写真をアップしているSRのお客さまを多くお見かけします。ブラックとブルーのタンクはよりきれいに景色が映り込み、SRとでかけた先での楽しみがより広がるのではないでしょうか?

SRらしさとは時間をかけて培っていく“愛着”である
愛着が生まれるためには余白が必要

SRらしいデザインとは何か……。
SRとは? SRの良さとは? SRらしさとは?と、SRのことをひたすら考え続けていたところまるで「人間らしいとは何なのか」みたいな哲学的なところにまで及んでしまいました。
SRは空冷・単気筒でオートバイの原点を体現し続けるモデルです。それを表現するとはどういうことなのか、すごく悩みました。答えがあるようでなく、人それぞれ色々な解釈があって、それ自体がまさに40年続くSRらしさでもあるので大変苦労しました。

私、自分のSRの気持ちがわかる気がするんです。
エンジンのかかりが良くない時は、「もうちょっと休憩したい」と言いたげに感じるので、しばらくそっとしておくとやる気になってくれたり、信号待ちで回転数が高すぎるときは全身で表現して伝えてくれたりするんです。時に素直じゃないときもあったりして、それを乗り越えてどんどん仲良くなって行くところが良いのです。
私自身SRへの想いが通じ合う過程を楽しんでいるので、お客さまにも同じように嗜んでもらうにはどんなカラーリングデザインで表現したら届けられるのかなど、お客さまのことを考えていくなかで自然に生まれてきたのが“愛着”という表現でした。

その“愛着”が沸いていくために欠かせないのが、“飾りすぎない”、“完成されすぎない”ということでした。SRらしい基準をクリアしたところでとどめておいて、あとはお客さま自身が色んな形で入り込めるよう、お客さまがそれぞれのSR物語をつくっていけるような余白を残してデザインしたのです。

これまでのSRでもずっとお届けしていた価値ですが、今回も長く付き合うほど愛着の沸くようなモデルに仕上がったと自負しています。お客さまそれぞれの楽しみ方ができるような要素をたくさんちりばめています。
是非たくさん乗っていただき、SRと色んな場所に出かけて思い出をたくさんつくってください。時に磨いたり、眺めたり、撫でてみたり、みなさんならではの楽しみ方で、長く乗ってください。

発売直後はもちろんですが、この先、3年、5年、10年と時が経ってみなさんがどんな物語をSRと紡いでいるのかそれを見届けたいですね。

伊澤 佳奈
SR400カラーリングデザイン企画
(ヤマハ発動機株式会社 デザイン本部プランニングデザイン部)

カラーリングデザイン企画を担当。
子どもの頃から自転車などの乗り物が大好きで、ずっとオートバイに乗りたいと、大学生の時に免許を取得。SRの持つ、まさにオートバイと聞いてイメージするスタイリングに一目惚れしブラックのSR400を購入。
「SRオーナーとしてデザインに携わることができてすごく嬉しい。でも、お客さまだけでなく社内にSRに携わってきた方がものすごくたくさんいて、SRの歴史の重みを感じ、正直苦しいときもありました(笑)」と振り返る


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