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バイク初心者必見!速くなるよりも上手くなるための、柏流ライテク論 第2回「梅雨の注意点とハンドル操作」

2012年5月31日
こんにちは、柏秀樹です。

春うららの季節を楽しんだと思ったら、もう梅雨の季節。
雨が降ったらバイクには乗らないって方もいらっしゃるでしょう。もちろん私だって雨が降ったらユーウツ。でも、ツーリングの予定だったら、そのまま出かけます。だって、雨の合間にスカッと青空になるってことがあるんです。その時の気分はまた格別なんです。

梅雨のツーリング

まずは、梅雨のライテクの前にワンポイント。

雨の時は家から出る前にレインウエアに防水スプレーをシューッとひと吹き。レインウエアは経年変化で防水性は低下しますが、染み渡るまでの時間が稼げるのが防水スプレーの良いところ。

次に吸水性の高いタオルを持っておくと何かと便利です。休憩時などではヘルメットは内部を濡らさないように扱います。もちろん頭髪もできるだけ濡らさないように。頭髪が濡れるとヘルメットのシールドが曇りやすくなります。もちろん曇り止め剤を塗っておくこともお奨めです。


さて、いよいよ本題の梅雨にも役立つライディングテクニック論です。

・車体が垂直状態であること
・アイドリング発進を心がけること

この2つを実践するだけで、雨でのスリップダウンが防げるうえ、このデリケートな操作が確実にUターンや滑らかなシフトワークに大きく作用します。しかもタンデムライディングでパッセンジャーが疲れにくくなること間違いなしの基本テクニックなのです。

垂直状態の車体
↑車体が垂直状態であることを意識する

さらには、半クラには所定の幅があり、クラッチがつながるのを3つにわける「半クラ3兄弟」という考え方があります。

半クラ3兄弟の長男は、「つながり始め」の歩く速度以下で一度レバーを止めるハジメ君。
少しつながって歩く速度で2回目のレバーを止める次男。
そして三男は歩く速度より早めの速度になってレバーを停止。
それぞれ1メートル毎にクラッチレバー位置を固定して3段階で発進するのです。

クラッチレバー操作
↑微妙な差ですが、このわずかなレバー操作が大切なんです。

その3段階目の三男が顔を出すまでアクセルは開けません。つまり、アイドリング回転のまま、ノークラッチ状態を作り、そこから初めてアクセルを開けるのです。

このアクセル操作でも3兄弟がいます。
アクセルの遊びをとってから「動き始め」のハジメ君。1ミリ開けて1メートル走ったら、次男で1ミリ開けて1メートル走って、三男でもう1ミリ開け、その後は自由です。いきなりアクセルを開けて後輪が大きく滑って大転倒というビッグバイクも少なくありません。

クラッチワークとアクセルワークの3兄弟は結局のところ、最高のトラクションを約束します。
そして、さまざまなシーンでのラフな操作が危険な状態を生み出す現実を知って欲しいのです。

また、ブレーキにも「効き始め」のハジメ君がいます。雨の日のブレーキはこれがすごく大切。ディスク盤をパッドが挟んでタイヤの回転が遅くなって始めてフロントフォークが沈んで前輪タイヤが路面に押し付けられて制動力(摩擦が大きくなる)が発生するんです。
これをいきなりガツンとやるとタイヤは路面にまだ押し付けられていない状態でタイヤの回転だけが止まってしまい滑って転ぶのです。最初のハジメ君がとても大切と言う訳です。

ワインディングのカーブの入り口で早めにブレーキをかけるだけではなく、交差点の右左折でのブレーキや、交差点の直進通過でも対向車などのリスク回避のためにかならずブレーキレバーに指を掛け、ディスク盤をスイスイッと挟み込める準備をするのが真の安全運転なのです。

どんなにブレーキが上手くても早めの準備には及びません。ABS付きバイクでも早めのレバー入力こそが最強の正義なのです。私はライディング・レッスンプロ。ブレーキ能力にも自信があります。でも、かならずブレーキレバーに指を掛けて用心深く交差点を通過しています。


また、雨の日は早めのウインカー操作と遅めのウインカーキャンセルを行います。晴天でも普段からこれを心がけて欲しいもの。これだけで運転に計画性が生まれ、クイックなレーンチェンジを自己抑制します。

周囲からも自分の動きが認識されやすく、しかもマナーの良い上品な運転に見えるのです。クイックなレーンチェンジがカッコイイと思っている方は即刻それをやめる方が良いと提案したいのです。普段からクイックなレーンチェンジをしていると、ミラーに映っていないクルマやバイクを見落としやすいからです。しかも路面が滑りやすく、一気にスリップダウンするかもしれないからです。

梅雨の時期のライディングはイヤだと思わず、むしろ絶好の上達チャンスと思って「ハジメ君」達と仲よくなるために、あちこちへ出かけましょう。

もちろん、ゆっくりと息を吐く呼吸管理と上体の脱力管理はマスト。そして考え過ぎで、ライディングに関するノウハウが頭をよぎって訳がわからなくなったら、ひとまず「笑って!」下さい。笑いながら転倒する人は基本的にいませんから。

ではまた、どこかの道でお会いしたら、ピース!

雨の日のツーリング

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