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バイク初心者必見!速くなるよりも上手くなるための、柏流ライテク論 番外編:ライテクの疑問にお応えします!

2013年6月28日
こんにちは、柏秀樹です。

以前の記事で私のライテク論記事をお読みになったみなさんに向けて、ライテクの質問を募集いたしました。応募していただいたみなさん、ご応募ありがとうございました。今回その質問に回答していきたいと思います。質問をくださった方以外の方も参考にしてみてください。


■走行中のあいさつ、どう対応する?
ヘモグロビンさん(男性)
【質問】
ツーリングで山間部を走っているときのこと、対向するライダーから、すれ違いざまに手を挙げてあいさつをされるのです。とても嬉しく、独りで走っていても心強さを感じます。しかし、それに対してリアクションを返せず、残念な気持ちになります。即座にリアクションを返せる良い方法はないでしょうか?
【回答】
いつでも片手が挙げられる技術的・精神的余裕がほしいところですが、できないならまずは直線路を含めてゆっくりの速度で基礎練習を積み上げてください。飛ばすためではなく、安全に走行するのが目的という確認の上で。

走行中のあいさつに、個人的には可能な範囲で応えたいと考えていますが、公道ですから片手走行は基本的にNGと解釈してください。無理に片手を放して応じる必要はありません。逆にこちらから手を挙げて相手が返さなかったとしても、感情的になることはないのです。


■ブリッピングのコツは?
石橋さん(女性)
【質問】
ブリッピングのやりかたを人に聞くと、
1)アクセルを回す、2)クラッチを切る(半クラという人も)、3)ギアを落とす
この動作を一瞬で素早くやるとか、同時にやるとか人によって違うようです。どうすれば上手くいきますか?
【回答】
私の場合、相当なペースで走っていてもブリッピングはやりません。シフトダウンをするためにスロットルを煽る必要はないのです。そのときに開けているスロットルを固定したままで良いんです。そこでクラッチを切るとエンジンには負荷がなくなるので、瞬時に回転が上がります。そのタイミングで瞬時にシフトダウンすればいいのです。

周囲のアドバイスを聞くのも良いですが、カーブやその手前ではやらないで、直線で完成させてから、カーブ手前で操作してみてください。


■峠が苦手、クルーザー向けのライン取りとは?
赤木さん(女性)
【質問】
峠が苦手でヘアピンカーブではスピードが出せません。カーブを攻めたいわけではないのですが、ビビってしまいエンブレに任せてやり過ごすばかり。クルーザーならではのライン取りなどあれば教えてください。
【回答】
ラインをあれこれ考えるのではなく、ちゃんと自分の車線のど真ん中を走ることが重要です。センターラインに寄ったり、ガードレールに寄ったりしてませんか?

どんなバイクでも公道を走る以上、リスクを避ける乗りかたが最優先されます。直線でふらつかないで、ドキドキしないで、滑らかな発進・加速、滑らかな減速・停止が10km/h、20km/h、30km/h、40km/hからできますか?

カーブが苦手なのは、直線での走行がきちんとできていないから。直線でやるべきことは山ほどあります。飛ばさずに、楽しく、直線の練習方法を見つけるのが最善の上達方法ですよ。


■タンデムステップに足を乗せてシート下でホールド、おかしいですか?
久保さん(男性)
【質問】
スクーターでのポジションについてです。足元のホールドが落ち着かないので、タンデムステップに足を乗せてシート下でホールドすると、少し窮屈ですが下半身が落ち着きました。 変な格好だと思うのですが、このようなポジショニングはありでしょうか?
【回答】
膝でのグリップができないスクーターですから、それもありです。ただし、それではブレーキ時の上体は腕で支えて安定させるしかありません。片方の足はフロアボードで突っ張ると、同時に右に曲がるときに右荷重へのきっかけにもなります。

足位置は指の操作と同じで、使い分けてナンボ。およそ世の中にある方法はどれも正しい。でも人やバイクの特性、路面やスピードによって使うべき優先順位が異なるだけなのです。


■安全なUターンの方法は?
サボテンさん(男性)
【質問】
緊張をせず、安全にUターンをする方法と、日頃の練習方法を教えてください。
【回答】
Uターンに必要なことは、ターン中の駆動力、あるいは慣性力の安定です。クラッチをちょっとでも切ったりつないだりすると、姿勢変化が出て転倒したり、ふらついたりします。スロットルの制御も、ブレーキの制御も同じです。直線でそれぞれの練習が不可欠。そして大きな円を描き、中規模、そして小円旋回へと入るのです。

直線での完全性がないと、Uターンは上手くなりません。また、ひとつ覚えてもそれ以外の方法を知らないと、判断ミスによる転倒の恐れが高くなります。ひとつ完成したら、次の手も考える。それがバイクライディングの面白さです。無理せず続けてください。


■転倒時の被害を最小限にするテクニックは?
野田さん(男性)
【質問】
雨でヌルヌルの橋を渡っているとき、前輪がスリップして転倒。右肘を骨折しました。転倒しない安全快適を目的としたライテク解説は多くありますが、万が一転倒したときの被害を最小にする方法はほとんど見たことがありません。柔道でも受身は基本ですし、ご教授お願いします。
【回答】
私も転倒経験はたくさんあります。前輪スリップによる転倒は肩から落ちて頭を強く打つこともあるので、モトクロスで使用しているネックブレースは頚椎保護、鎖骨骨折の防止に効果的です。

知り合いのモトクロス元全日本チャンピオンは、柔道の受身のトレーニングをしていました。効果はあったと思いますが、なによりも大切なのは、予防医学と同じで、基礎練習を徹底して技術レベルを上げて、その上で速度を落とすこと。それこそが最大の安全マージンになります。バイクはクルマと異なり、アクティブセーフティこそがキモになりますね。

単独走行で転倒しても、発煙筒を多く焚くなど、即座に二次被害の防止をしたいです。他人の事故でも、できるだけのサポートはマストですね。


■乗れる機会が少なく、盆栽バイク化。どうすれば?
匿名希望さん(男性)
【質問】
年に数回しか乗ることができず、盆栽バイクになってしまっています。読解しても実践する時間がない場合、大切なのは何ですか?半年も間が開くとストレスを感じて、楽しく乗れません。
【回答】
乗りたい気持ちがあれば、クルマの少ない直線でゆっくりと発進し、ゆっくりと停止する。これを繰り返します。上体の脱力、目線、姿勢などを意識すれば、人がバイクを操ることに、凄い作業量が要求されていることに気が付くはず。だから、本来なら退屈は感じないはずです。退屈するとしたら、バイクへの接しかたが不明瞭だからかもしれません。遠くへ行くことやスピードを出すことではなく、バイクに接する楽しさを見いだすこと。そうなれば、いろいろなところへ行きたくなるでしょう。

あるいは、実は時間を作ってまでバイクに乗ろうとしていないのかもしれません。積極的になれない理由の多くは基礎技術不足が考えられます。スキーもゴルフも練習するから上手くなり、楽しめる。バイクも練習しないで上手く乗ることはできません。バイクライディングはスポーツです。クルマとは根本的に異なる乗り物ですから。

どうか、じっくりトライし続けてください。プロに習うのが賢明かもしれません。きっと、もっと安全に楽しく、バイクの価値・効用が見いだせることでしょう。


■総括「今よりちょっと」
読んでくださったみなさん、ありがとうございます。ライディングのヒントになったでしょうか。そうであれば嬉しいです。

いろいろお伝えしましたが、わかっていただきたかったことは、「テクニックは目的じゃない。大好きなバイクをいつまでも安全に楽しく走り続けるための手段」だということ。そして、テクニックは十分にあるほうが良いけれど、不十分でも工夫次第でいくらでも安全性と楽しさが手に入るということ。

ブレーキが苦手だったら、カーブの手前でも交差点通過でも早めに操作を開始すればいいのです。カーブで無理に頑張るから危ないんです。深いバンク走行とか、速く走るのがカッコイイなどという思い込みは捨てて、あえて「今よりちょっと」速度を落としてトライしてみる。すると、きっと今までにないほど自分のこと、テクニックのことが客観的に見えてくるはず。それが本当の楽しさなんです。しかも安全性も何倍もアップします。

「今よりちょっと」というこの決まり文句こそがすべてと思ってほしいです。バイクは、ちょっと欲を出すと、いきなり限界が来るのが怖い所ですが、ちょっと控えめにすると、いきなり大きな安全マージンが生まれるのがいい所。たとえば、Uターンが下手だったら降りればいいのです。下手なことは素直に認めて、上手くなるための処方箋を探して、じっくりゆっくり問題解決すればいい。練習してすぐに上手くなる人もいます。でも、人と比較しないでマイペースでやればいいのです。等身大の自分をちゃんと見ること……それが、バイクと仲良くなるため、事故を起こさないため、そしてライダーとして賢く成長するための大きな秘訣です。

バイクテクニックを習得するには練習が必要だけど、難しいことはやらずに、簡単なことを注意深く、何度も正確にやるようにしてほしいです。呼吸と目線と脱力の3点セットを意識しながら練習を重ねましょう。そして、みなさんには「速くなるより、上手くなれ!」と言いたい。ちょっと速度を落として練習すれば、きっと上手くなれます。

ライディングテクニックに卒業はありません。バイクに乗り続ける限り、「ちょっとだけ」体の使いかたを意識し続けて、「ちょっとだけ」危険の所在を意識ながら、「ちょっとだけ」上達の喜びを感じていきましょう。

そして笑顔で走り続けよう!

またどこかで会ったら、ピース♪


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