ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
MONTHLY COLUMN 誰もが海を楽しむために
キャビンの棚 ふたつのラテンバンドの謎
「Elbow Bones & The Racketeers」
「Kid Creole and the Coconuts」
船厨 米の食感を愉しむのに意外に適う「玄米のパエリア」
海の博物誌 汽笛の警告は義務
Salty One Day Boating 東京湾は動物が群れるオアシスだ
YAMAHA NEWS 「マリンクラブ・シースタイル」WEB入会キャンペーン!/サロンクルーザー「SC-30eII」/「ヤマハボート免許教室」卒業生の声!/ヤマハボート50周年記念キャンペーン/「カジキ「大漁ネット」更新/マリンジェット取扱説明書を公開
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MONTHLY COLUMN
 ヤマハのシースタイルがたのしい。
 従来からあった会員制のレンタルボートを、社会のニーズに合わせてカジュアル化し、艇種を揃えて選択肢を増やし、全国的にネットワークすることでボート界の新たなシステムを作り上げた観がある。
 高値な遊びと思われがちなボーティングが手軽な価格で楽しめる新しい遊びのスタイルは、海へのハードルを低くした近年のヒット企画だ。友人にもシースタイルを積極的に利用し、釣りを存分に楽しんでいる記者がいるが、続けて休暇を取りにくい海好きの人にとってはありがたいシステムだ。
 多くの人々に海へ足を運ぶきっかけを提供するのは、ボートメーカーにとっては、ボートそのものを造って、販売するのと同じくらい重要な仕事。シースタイルも、きっかけづくりにはなかなかに優れたシステムだと思う。
 こういった作業って普及という分野になるのだろう。どんな産業にもハードとソフトの密接な関係が必要。たとえばワールドカップに参加したサムライブルーの面々。ベスト16で敗退したとしても、彼らの健闘ぶりを見て「ぼく(私)もサッカーをやりたい」という子どもたちが増えるはず。それと同じように、マリンレジャーにも後押ししてくれるきっかけづくり、そしてその受け皿が必要なわけで、ヤマハ発動機は様々な普及活動に手を染めてきたといえる。
 ボート免許教室の運営はそのベースとなるだろう。マリーナの整備などは究極の方策のひとつかもしれない。そのほか、ヨット教室を開いてセーリングの窓口を広くしたこと、とくにジュニアセーリング教室はセーラー予備軍を育てることに寄与し、北京五輪ではヤマハセーリングスクール出身者が日本代表にまでなっている。さらに、大小さまざまなレースイベントを開催することによるメディアへの訴求も重要。世界一周ヨットレースに参加し優勝したこと(1995年)や日本のアメリカズカップ挑戦にヤマハが大きく関与したことを知る人は少なくなっているかもしれないが、サムライブルーの活躍と同様に日本のスポーツセーリングシーンのイメージリーダーとなり、確実にその影響でヨットを始めた人たちがいたはずだ。
 そのほか、絵画コンテストやシンポジウムの文化的な側面でのボートライフの認知度のアップなど、海洋普及に寄与したヤマハの活動は数え上げれば枚挙にいとまがない。ちょっと毛色は違うが、個人的に印象に残るのが、毎年のボートショーに並んでいた参考出展の数々。ボートの近未来はこんな風になるのかと思わせてくれるワクワク感にあふれており、ボートライフの一つの提案だったように思うし、海への興味をさらに喚起させるツールのひとつだった。
 あるとき、様々なボートメーカーが集まる海洋関係のイベントで気づいたことがあった。ヤマハ発動機の関係者はいつもニコニコしているということに。このニコニコ度の高さは何なんだと思い、不躾ながら担当者に直接聞いてみた。返ってきたのが、「遊びを演出するメーカーですから」という答だった。ヤマハ発動機の創始者・川上源一氏の思いが脈々と受け継がれていることに感心したが、このあたりが普及に力を入れる同社の原点なのか。
 ボートが社会の中でどのように受け入れられ、楽しまれ、役に立っているのかを常に意識せねば、同社は単なる海に浮かぶ移動装置を作っているに過ぎなくなる。安全を第一優先に考え、そのうえでボートに乗りやすい環境を整え、生涯にわたって続けられ、楽しい思い出を残せる、社会にとって望まれるボートライフを作り出す文化創出産業としての一面をこれからも同社には忘れてもらいたくない。
 他方、ボートメーカー各社が行わねばならないのは、環境問題などへの積極的な取り組みだろう。油を撒き散らしながら海を走っていると揶揄されることもあるが、だからこそ環境への取り組みは避けては通れない。まだまだ、環境対応を先進的に行っているとはいえない業界かもしれないが、これからの社会における活動の大きな柱のひとつにせねばならないこの分野。同社に積極的にリーダーシップをとってもらいたいものである。


豊崎 謙●とよさき けん
セーリング・ジャーナリスト。オリンピック、アメリカズカップ、世界一周ヨットレースなど日本人が活躍するヨットレースを中心に取材活動を行ってきた。(財)日本セーリング連盟の広報委員としても活動。同連盟が発行する機関誌J-SAILINGとブログの編集、執筆を担当している。マリンジャーナリストコンファレンス(MJC)、日本海洋記者クラブの創設メンバーでもあり現役メンバー。



キャビンの棚
 「ナイト・イン・ニューヨーク」 EMIミュージック・ジャパン
 「Best of Kid Creole and the Coconuts」Island UK
 先日、街角で20年以上前に大ヒットした曲が流れていた。筆者は当時、その曲の入ったLP盤を所有しており、とても気に入っていた。そこで、CDを手に入れようと探し始めた。記憶では、そのLPは「Kid Creole and the Coconuts」のもののはずだった。ところがいざ探し始めてみるとその曲の入ったアルバムがどうしても見つからない。そこで曲の錆で唄われていた「A NIGHT IN NEW YORK」というフレーズから探したところ、それはそのまま曲のタイトルであり、「Elbow Bones & The Racketeers」なるバンドの「NEW YORK AT DAWN」(原題)というアルバムに収録されていた。
 単なる記憶違いだったのか、それとも思いこみだったのか悩んだが、さらに調べると、「Elbow Bones & The Racketeers」は「Kid Creole and the Coconuts」のリーダー、オーガスタ・ダーネルによる変名プロジェクトであることが判明。また、「A NIGHT IN NEW YORK」を唄うヴォーカリスト、ステファニー・フラーは「Kid Creole and the Coconuts」にも参加していたこともわかった。
 混乱に輪をかけたのは、筆者が持っていた(と記憶している)あのLPのジャケットデザインと、「Elbow Bones & The Racketeers」のそれとはまったく違うような気がすることだ。ジャケットデザインが気に入って買ったLPだったので、間違いないと思う。単なる勘違いにしては、このふたつのバンドが結びついていたことも気にかかる。うーん。
 夏らしいアーティストといえば、サザン・オール・スターズであったり、チューブであったり、人それぞれ、いろいろあげることができるだろう。今年は、必死になって捜索した曲のおかげで新たなお気に入りが追加された。「Elbow Bones & The Racketeers」と「Kid Creole and the Coconuts」は20年以上も前のバンドなのだが、R & B をベースにラテンの香りをちりばめたファンキーな曲が多い。スカのようでもあるしビッグバンドのようでもあるが、今聴いてもまったく古さを感じさせない。特に「A NIGHT IN NEW YORK」は、ワクワクする夏の幕開けに聴くにはぴったりなサウンドである。(編集部・ま)



船厨
 大航海時代、船乗り達に恐れられていた病気のひとつに「脚気」があたった。脚気がビタミン不足が理由のひとつであることは今では常識だが、当時はその理由が解明されるまで相当の時間が必要だった。
 日本でも江戸時代に脚気が流行したことがある。理由は江戸っ子が玄米でなく白米、いわゆる銀シャリを好んで食べるようになったからだとされている。
 玄米とは米を精白する前の状態の米のこと。白米よりビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含むため、このところは健康食品として、白米に混ぜてご飯を炊いたりするなど、それなりに人気がある。
 しかし、玄米は普通の米とは異なり、充分に水分に浸すなどして炊かないとどうしても堅くなってしまい、お世辞にもうまいとはいえないかもしれない。
 ところが、この玄米にぴったりの料理法があった。パエリアである。もともとヨーロッパでは米は主食ではなく野菜として利用する傾向がある。またパエリアなどは、少々芯が残っていた方がうまいと感じる向きも多いのでは。その点、最初から堅めで歯ごたえのある玄米はパエリアに最適なのだ。
 調理は貝、烏賊、海老など好みのシーフードを使って。あまりにもうまくて食べ過ぎては健康もへったくれもありませんからご注意を。
玄米のパエリア
●材料(4人分)
えび8尾、いか1杯、ムール貝8個、鶏もも肉1枚、たまねぎ1個、ニンニク1片、白ワイン100cc、コンソメ1個、オリーブオイル、塩、コショウ、カレー粉適宜、玄米(アルファ化玄米)250g

●作り方
1)玄米を研ぎ1時間ほど水に漬けておく。(アルファ化玄米でない場合はこの後30分下茹でしざるに上げておく)
2)えびは殻付きのまま背わたを取る。いかはわたを抜き輪切りにする。ムール貝はよく洗いひげ根を取る。鶏もも肉は一口大に切り塩コショウする。たまねぎ、ニンニクはみじん切りにする。
3)スキレットでオリーブオイルを熱して中火でニンニクとたまねぎのみじん切りを炒める。
4)鶏もも肉、いか、えびを加えさらに炒める。軽く火が通ったら白ワインを加える。
5)玄米を加えさらに炒める。湯200ccにコンソメ、カレー粉少々を溶かして加える。ムール貝を均等に並べて入れ、蓋をして中火で沸騰させる。
6)沸騰したら弱火にし7~8分煮る。
7)蓋を外し、塩コショウで味を調え、強火にし残っている水分を飛ばす。



海の博物誌
 車で走っているとき、路地から軽トラックの後ろ端が出てきた。こういう場合、たいていの人は、クラクションを軽く鳴らして警告する。または止まる。いずれも、安全運転義務にもとづく運転操作である。
 船の道交法にあたる海上衝突予防法では、海上でこのような立場になった場合は疑問信号として汽笛の短音を5回以上、「ブッブッブッブッブッ」と鳴らすよう定めている。 船の場合は路地から飛び出されることはない代わり、正面から、または側面から来る相手が、衝突を避ける行動をしているかどうかわからないことが多い。しかも、船は小回りが利かない。そのために、早めに警告する必要があるのだ。
 また、自分が相手を避けるために何かの行動をしているときは、
(1)進路を右に転じているとき 短音1回
(2)進路を左に転じているとき 短音2回
(3)機関を後進にしているとき 短音3回
 を鳴らすことになっている。



Salty One Day Boating
 春先から東京湾のシーバスが好調で気をよくし、すっかり色気づいたソルティ編集部は6月もまた、シースタイルの日々を過ごした。6月の第二土曜日。前回、爆釣となった5月の釣行から3週間ほどたっていたのだが、思った以上に、パターンは変わっていた。沖目に出ていたシーバスは、どうやら湾奥へとその住処を移していたようだ。
 頭でわかってはいるものの、以前の興奮がどうしても頭と身体に残っているものだから、前回同様のポイントを最初に回ってみる。面白いほど釣れたシーバスは某所で一度だけバイトがあったものの、すっかり反応しなくなっていた。だが、これもまたシーバスの、というか釣りの魅力だ。
 さっさと頭を切り換えて、ボートを湾奥のポイントへと向けたのであった。
 それにしても。この東京湾をボートで走るたび思うのはその風景の変化の速さである。以前は東京タワーが圧倒的な存在感を放っていた東京も、最近では哀れなほど霞んでしまう。
 レインボーブリッジあたりの風景はまるで宇宙都市だ。陸地にいると圧迫されて気づかないが、海から見ると本当に面白い。多摩川の河口では羽田空港の新滑走路の工事が進んでいて、ボートで走行できるエリアがずいぶんと限られたのは少々釣り好きとしては残念だが、様々な人工物がまるで巨大な動物のように見える。
 以前あるテレビドラマでも「キリンを見に行こう」と主人公が好きな女の子を連れ出すシーンがあって、おそらく川崎辺りの巨大クレーンを眺めつつ、しっとりと語り合う場面を記憶しているが、探せば象でもライオンでも出てきそうなのが東京湾なのだ。

●偶然見つけた新ポイント

 アメリカのフライフィッシングの方々が使っているようだが、「カーティスクリーク」という言葉がある。「カーティスくんの小川」ってことだが、誰にも知られていない秘密の釣り場を指したり、人知れずこっそりと釣りに行くときに使う隠語だ。実はこの日、そんな「カーティスクリーク」を見つけたことが、動物の発見と同じく一大事だった。
 とはいってもそれは、まったく偶然みつけたもの。午後になってやや風が強くなり出したものだから、それを避けて運河内に移動。いつもの釣り場に行こうとすると、ある事情で迂回せざるを得なくなり、まったく人通りのない(海の上なのだから当たり前なのだが)運河を走ることになったのである。ところがこの運河がなかなか良い。片方の岸は緑に覆われ、バードサンクチュアリになっている。風と波と潮の影響もまったく受けず、ひとりでの釣行でも安心してキャストできる。最初はボラがもの凄い勢いでボートの周りを泳ぎ回っているのでどうかな、と思ったが、岸際の超シャローにむかってミノーをキャストしたところ、いきなりその浅瀬からシーバスが飛び出してきた。深場の「ガツン!」も魅力だが、シャローから飛び出すバイトは視覚的にも興奮する。また、この日は他の場所でなかなか釣れなかったものだから、喜びもひとしおなのだ。
 これだからボートフィッシングはやめられない。


取材協力
ニューポート江戸川
●〒134-0084 東京都 江戸川区 東葛西3-17-16
●TEL: 03-3675-4701/FAX: 03-3675-4703
●ホームページ: http://www.newportmarine.co.jp/
ニューポート江戸川は会員制のマリンクラブ「Sea-Style」のホームマリーナのひとつ。「Sea-Style」は全国約130ケ所のホームマリーナで気軽にボートをレンタルし、楽しむことができます。また、ニューポート江戸川ではマリンクラブ「Sea-Style」の他に、会員制「ニューポートマリンクラブ」を主催。40ftにもなる大型艇もオーナー感覚でクルーズできます。お花見河川巡りなど、オリジナルクラブイベントも豊富。マリンレジャーをおもいっきり満喫できます 。



すっかり観光地となってしまったお台場のフジテレビ。SF映画に出てきそうだ
レインボーブリッジは見慣れてしまったが、ある角度、ある場所から見るとこれもまた未来都市の風景のよう
若洲から中央防波堤にかけて完成しつつある橋。まるで巨大な動物が向き合っているように見える
風を避けて湾内の運河を目指す
秘密の場所で釣り上げたシーバス


ヤマハニュース

「マリンクラブ・シースタイル」WEB入会キャンペーン!(8/31まで)
全方位移動を実現したジョイスティック・スターンドライブ・システム搭載

映像で見よう!サロンクルーザー「SC-30eII」製品情報
ヤマハマリン事業の50周年を記念したプログラムをご紹介します。

「ヤマハボート免許教室」卒業生の声!
免許を取得された方に、ボート免許教室についての感想をお聞きしました。

免許もボートもお持ちでない方へ「ヤマハボート50周年記念キャンペーン(7/31まで)」
ボート免許教室の受講とマリンクラブ入会をセットにしたお得なキャンペーンです。

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」 今月はディーゼルエンジンのメンテナンスその3
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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【編集航記】
 フリーダイビングの世界選手権。つまり素潜りで潜水の深さを競う競技が沖縄で行われました。世界選手権といっても、ただいま佳境のサッカーワールドカップとはかなり雰囲気が異なっているようで、先日テレビで昨年の様子を見たときは、日本代表選手をはじめ各国の選手が一軒家に下宿しながら、共同生活をしている様子が映し出され、日本人選手のひとりが食事当番で「日本のカレーのすごさを教えてやる」と意気込んでいました。海はひとつ。海で活躍する様々な人々を応援したいと思います。(編集部・ま)

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