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閃きプラットフォーム開発レシピギャラリー

Recipe 7 2Dコードリーダー

開発のポイント

  • 1 読み取る素材に合わせて性能を適正化することで低価格を実現
  • 2 マイコン型EPS32チップとGPIOを搭載し、自働化にも対応
  • 3 持ち手は3Dプリンター製で、現場に合わせてカスタマイズ可能

製造現場では、部品の納入確認や製品のトレーサビリティ(*1)管理などで2Dコードが頻繁に使用されています。しかしそれを読み取るためのリーダーは実は過剰なスペックのものが多く、特に工業用途で推奨されるものは1端末あたり20~30万円の価格水準が一般的です。この2Dコードリーダーは現場のニーズとそれに適したスペックに特化することで、機材費を安く抑えることができました。読み取る2Dコードの素材(紙、金属、樹脂など)や用途に応じて性能を作り込み、導入しやすい機能と価格で業務効率化を支援します。自由度の高い通信制御にも対応。持ち手(筐体きょうたい)は3Dプリンター製で、現場に合わせてカスタマイズが可能です。

*1:製造や生産の過程、あるいは流通などをさかのぼって追跡できること

石井 正浩さん
ヤマハ発動機株式会社
FA展開推進グループ

開発者の声

私はこれまで組み立て工場で製造技術の仕事に携わってきて、より低コストな設備開発を研究するために現在の部署に移ってきました。現場の作業環境には改善したい点が多くありましたが、特に非効率だと感じたのは2Dコードの数字を書き写す作業者がいたことでした。工場にはさまざまなパーツが納入されてきますが、ほとんどのものにJANコードやQRコードが貼付されています。リーダーで読めば数秒で納品状況が更新できるのに、作業者は手書きで数字を転記したり、数字をキーボードにひとつひとつ打ち込まなければなりません。それを余儀なくされていた理由は、汎用のリーダー端末が高価格なものばかりだったからです。特にファクトリー系と呼ばれるものは「高機能、タフで壊れにくい」とうたわれ、1端末あたり平均20〜30万円のコストがかかります。これでは「現場に数台入れてみるか」とはいかないですよね。
このリーダーには汎用のチップに加えて、EPS32というマイコン型チップとGPIOを搭載しました。自由度の高い通信制御に対応しているだけでなく、照明の操作設定や自働化にも対応しています。
読み取りも紙、金属、樹脂などさまざまな素材で使用できます。昨年はフレーム加工を行う職場で、トレーサビリティ管理のために導入していただきました。導入前までは、2Dコードを読むためにフレームを転がしたりのぞき込んだりと作業者の負担が大きく、改善を求める声が上がっていたそうです。このリーダーは端末と作業者とを紐づけてID管理できるので、どの工程で誰がいつ処理したか、読み取るだけでさまざまなデータが更新できるようになりました。ほかにも部品の納品管理など、紙ベースの事務作業でも使っていただいてます。読み取る素材が紙だけの場合は機材費を安く抑えることができるので、導入しやすいと大変好評でした。持ち手は3Dプリンター製なので、用途に合わせてカスタマイズも可能です。現場に合った適正スペックのリーダーにすることで、汎用品より導入コストをかなり下げられると思います。多くの現場で業務効率改善に役立ててほしいですね。

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