ソルティライフ ソルティライフ
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イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
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MONTHLY COLUMN 島で学ぶ
キャビンの棚 希代の釣り師の遊び部屋「服部博物館」
船厨 祝い事の時だけだなんてもったいない「真鯛の塩釜焼き」
海の博物誌 覚えておくと必ず役にたつロープワークの基本「もやい結び」
YAMAHA NEWS ボートショー2011 IN横浜」入場チケットプレゼント!/「大漁ネット」更新/フィッシングボート「F.A.S.T.26 S/D HP」登場
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MONTHLY COLUMN
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 今年もB&G財団が、子供たち500人を連れて3月26日から小笠原への体験クルーズを実施する。30年以上も続いているというから、第1回に参加した少年はもうアラウンド50というわけか。長く続いている魅力はなんだろう。ちょっと考えてみた。
 実は一昨年、筆者の長男が、参加資格である小学4年生になるのを待ちわびるようにして初参加した。同級生2人と一緒。うち1人は家族旅行で小笠原を体験済み。楽しかった小笠原よ、もう一度、ということらしい。もう一人とうちのは、どこか遠くの南の島といった程度の認識。結団式では、はしゃぐというより、大勢の知らない子に囲まれてしゃちほこばって緊張気味。どれだけ変身するか、さて...。
 
 5泊6日の船旅を終えた彼らを東京・晴海港に迎えに行った。
 お帰り。どうだった。
 「センジョウって、たぶん、あんな感じだろうと思った」
 ? センジョウ? そりゃ船上だろうよ。
 「いや、戦争の戦場。みんな船酔いして、廊下のアチコチに横たわって呻いていた」
 利用する<ふじ丸>は全長167メートル、2万3000総トンの大型クルーズ客船である。それほどの荒天だったとは聞いてないが。
 おまえも酔ったのか。
 「うん。だけど、精神的なものだったみたい。酔い止め薬を飲んだ瞬間、治ったから」
 繊細なのか鈍感なのか。いずれにせよ、ご存知の通り、船酔いは上陸したらすぐに治ってしまうので、わが3人組はすでに「岐阜県の友だちができた。また行きたい」などとご機嫌である。あとで解団式の様子の写真を見ると、壇上そっちのけで、新しく友だちになった子と私語に夢中だ。サイレンス・ネイビーにはほど遠い。
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 新学期、学校で言いふらして、さっそく次回は絶対に一緒に行きたいという仲間が現れた。よし、次回の目標は、オンオフの切り替えだ。などと楽しみにしていたら、残念ながら、その回(昨年)は、新型インフルエンザ禍により、あらかじめ中止となった。満を持して、この春、新参君を含めて5人で参加する予定である。
 そこで、毎度お世話になっているので、PRのお手伝いをしましょうと、B&Gからパンフレットを預かって、PTAの会合で配った。そうしたら、海は広いが、世間は狭い。息子の通う小学校の隣にある東京都中央区立月島第二小学校の金子和明校長先生が、ついこないだまで、小笠原村立小笠原小学校の校長だったというではないか。
 体験クルーズでも、小笠原の子らが東京から父島までの片道だけ参加するプログラムがある。ふじ丸が父島・二見港を出航するとき、下船した小笠原の仲間たちは漁船に乗り換えて、しばらく追いかけてくるというお別れだ。もちろん、金子先生はご存知だった。お話を聞いた。
 小笠原小の校長をされていたのはいつごろですか。
 「ええとね、平成16年4月から19年3月までの3年間でしたか」
 離島への赴任です。自分から手を挙げたんですか。
 「いえいえ、通常の異動です。実は恥ずかしながら、小笠原が東京都の島だとも知らなかったんです。位置関係がどうなっているかも。私は葛飾生まれの葛飾育ちで、船に乗った経験も、観光地の遊覧船ぐらいのものでね。行ってみて、すべてがカルチャーショック、まったく予想を超えていました」
 電車もない。5階以上の建物がないからエレベーターもない。映画館もない。時間がゆっくり流れている。朝、日が昇って、夕方に沈むまで、ずっと地球の丸さを感じていられる景色。夕焼けの茜雲が白黄オレンジ紫と刻々と変わっていく。金子先生のお気に入りの場所は、三日月山展望台ウェザーステーションだった。
 「自然に包まれていることに圧倒される生活でした」
 小笠原小学校は当時で児童数が約120人。島生まれが3分の1から4分の1で、あとは転勤組=ほぼ公務員と移住組の子らだったそう。
 子供たちは何をして遊ぶか。
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 自然はいくらでもあったから、「基地」だってすぐにつくることができる。夏場、海に即席でこさえた<プール>は、「水深5、6メートルかなあ。みんなよく潜る、よく飛び込む。頭からいくのが勇気のステータス。浮かんできたら手にはナマコをつかんでいる」
 父島には高校までしかない。「18の春」を迎えると「島に残る子はほとんどいない」。しばしの親子の別離だ。母島には高校もないので、それが「15の春」になる。島育ちは、体力のたくましさはあっても、都会に出て他人と切磋琢磨するような違った意味でのたくましさを身につけるのは、それからだ。
 反対に、体験ツアーのように、都会の子どもたちも島に行けば。
 「これまでの価値観に新たなものが加わります。つまり、自然のリズムで生きていくことの大切さや、人同士が心を開いて温かくかかわっていくことの心地よさです。自然の中で島の子とつきあっていくには、都会の子は、もう一歩踏み出す勇気が必要かも」
 金子先生はそこまで話して、おっと、という感じで筆者の後方へ視線を動かした。追ってふりかえると、壁に<腰蓑>がぶら下がっていた。
 あ、南洋踊りですね。
 「そうです。小笠原小学校では運動会で小学3年生が演技することになっているんです。歌詞は5番まであって、2番だけが日本語。あとは何語だかよくわからない」
 そういって金子先生が歌いだした。
 「♪うらめるうるりくれ~」
 とっさにメモしたまんまなので、間違いは取材者によるものだが、たしかに意味不明。息子が訪れた2年前の体験クルーズでも、この南洋踊りを披露してもらったそうだ。
 「小笠原の歴史は特異です。日本国民のほとんどは、たとえば、小笠原の発見から移住、欧米系住人のこと、戦争と戦後の占領、返還の歴史など知らないでしょう」
 そう話す金子先生が預かる月島第二小は、銀座から勝どき橋を越えたばかりの都会のド真ん中にある。
 「子どもにとって最終的な拠り所は、家族の絆とともに、ふるさとなんです。人生に困ったりつまづいたりしたときの拠り所なんです。それは、都会であっても、山とか海とか、やっぱり<自然>なんですね。たとえば、ここには隅田川が流れている。それが拠り所。そして、ふるさとが拠り所になるためには、その地域の伝統や歴史を知ることが重要なんです」
 そんな観点から、子を体験クルーズで送り出す保護者に対してこう話してくれた。
 「子どもが帰ってきて『小笠原はきれいだった、ゆったりとしてよかった』で終わるのではなく、自分が暮らす地域・環境の中で、親子のかかわりを見直すキッカケにしてほしいと思います」
 ホントは大人が行きたいんだよね。


菅 仁良●かん・きみなが
1962年、愛媛県今治市生まれ。大学時代からディンギーを始める。夕刊フジ記者を経て、現在フリージャーナリスト。マリンジャーナリスト会議副座長。



キャビンの棚
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「服部博物館」
所蔵・解説/服部善郎
テキスト&フォト/葛島一美
発行/日東書院本社
定価/3200円(税別)
 釣り名人と呼ばれる服部善郎氏。名物番組「11PM」ではフィッシングキャスターとして23年間にわたって国内外の釣りを、その魅力をお茶の間に伝え続けてきた「メダカ以外の魚は全て釣る」。イベントなどでよくそのように口にされていたが、いくぶん誇張が入っていたにせよ、服部名人の釣りに対する姿勢は並大抵ではない。釣りのライター、TVパーソナリティの草分け的存在として、昨年にはIGFAの殿堂入りを果たした。
 そんな服部名人がこれまで使用してきた釣り道具や仕掛けを写真とご本人の解説付きで網羅したのが本書「服部博物館」。たかが、釣り道具と思う無かれ。名人の所蔵は、日本の遊漁道具の歴史ともいえるもので、歴史的資料としての価値も高い。自宅の部屋は文字通り「博物館」と形容しても良さそうだ。
 世界初の電動リール、ご自身の腕の延長ともいえる横浜竿、世界の巨魚を相手に転戦してきたトローリングタックル。さらに、地方色豊かな国内の伝統的な釣り具や仕掛けなど。単なる娯楽を超え、貴重な資料ともいえる内容になっている。



船厨
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 もう少し温度の加減がうまくいけば白くなったのだろうか? 少し狐色がかかって、見た目はまるでケーキのようだ。あまりにも旨そうなので、金槌で割ったあと欠片を口に入れたら滅法しょっぱかった。塩なのだから当然か。
 「真鯛の塩釜焼き」。祝いごとなどでしばしば登場する。かくいう小欄も、あるパーティー会場のど真ん中に陣取られた大きな塩釜焼きを見て、早速翌日に作ってみたのである。
 塩釜焼きの由来を、これは便利とばかりネットで調べてみた。
 「戦国時代、朝鮮出兵の際、秀吉が玄海灘の鯛を大阪の母に届ける際、旨味を逃さないために、鯛を塩で包んで焼いたのが始まり」というような説が圧倒的に多く記述されている。どうやらある料亭のホームページに記載されていたものがベースとなって、あちこちで引用されているらしい。
 もうひとつ見つけた記述によると「赤穂で潮の干満差を利用して製塩する際、海水と一緒に塩田に引き入れられた鯛を、製塩中の熱い塩の中に入れて食した」というような内容。
 どちらが本家なのかはわからないけれど、きっと両方とも正解なのだと思う。いずれにしろ、冷蔵庫もなかった時代、人は魚をより美味しく食べるために、さまざまな保存方法や調理法を編み出した。鮨もそうであるし、干物もだ。そしてそれらは現代でも十分に通用する調理法として引き継がれている。
 塩釜焼きの作り方は至って簡単だ。家庭に大型のオーブンがなければ、スポーツマンズクッカーのような楕円形の鉄鍋でも代用できる。どうぞお試しあれ。今回はハーブとガーリックを使ったイタリアンで。写真にある塩に描いた魚の絵の下手さはご愛嬌。
「真鯛の塩釜焼き」
●材料:真鯛1尾、塩を1~2kg(鯛の大きさに合わせて)、卵白2~3個分、イタリアンハーブ適宜、ニンニク1~2個

●作り方
1)真鯛の腑、鱗を取り除き、よく洗う。
2)塩と卵白をよく混ぜ合わせる。塩1kgに対して卵白2個分が目安。鯛の大きさに合わせて必要な分量を調節する。
3)適当な大きさに切ったニンニクとハーブを真鯛の腹に詰め込む。表面にもイタリアンハーブを載せる
4)オーブン皿に2の塩を敷き、(
3)の真鯛をその上に乗せ、真鯛にハーブを振りかけさらに塩で真鯛を包むように塩で固める。
5)200°のオーブンで約1時間焼いて出来上がり。ダッチオーブンを使用する際は、上下から弱火で約1時間熱する



海の博物誌
 靴の紐を結んだり、ネクタイを締めたり、日常生活にもロープワークと呼べるのはけっこうある。しかし、船の上のロープワークはちょっと質が違う。どのような結び方でも、力がかかればさらに締まり、解くときは簡単に解けるものでなくてはならない。錨やセイル、あるいは船全体につないだりするため、大きな力がかかるし、その結び目に人命がかかっていることもあるのだ。
 「もやい結び」は、よく締まって解きやすく、しかも簡単。船で使用する“結び”の代表格である。見た目にはややこし映るかもしれないが、覚えておくと得をする結び方だ。
 靴紐を結ぶときに最初に紐をからめる要領で、ロープの端(短いほう)をくぐらせ、次に元(長いほう)を緩めながら端を引く。すると端のほうが輪をくぐっている形になる。端を持って、元の裏を通し、さらに輪をくぐらせて締める。この結び方の特徴は、ロープをいくら引っ張っても輪の部分が締まらないことである。


※下記URLにてロープワークの動画をご覧いただけます。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/acquire/rope-movie/



ヤマハニュース

ボートショー2011 IN横浜」入場チケットプレゼント!
1,000組 2,000名様ご招待!
http://global.yamaha-motor.com/jp/boatshow2011/

漁船や沿岸漁業の情報「大漁ネット」~北海道尾岱沼 ホタテ地蒔き養殖
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/pro-fish/tairyo/

フィッシングボート「F.A.S.T.26 S/D HP」登場
達人たちを唸らせる、高速ハイパフォーマンスモデル。
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/fishingboat/fast-26sdhp/


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【編集航記】
 先日、1月25日が「ホットケーキの日」であることを初めて知りました。何でも一年でもっとも寒いとされるのが1月25日で、その寒い日にホットケーキを食べてあたたまろう、ということらしい。ホットケーキで身体があたたまるかどうかはともかく、「○○の日」というのは一年中、それこそゴマンとあるようです。ちなみに「釣りの日」は10月10日。「ト・ト」と読んで、この日にしたらしい。さて、ボートの日は? ないようですね。どなたかアイデアをお持ちではありませんか?
(編集部・ま)

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