ソルティライフ ソルティライフ
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いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
イラスト・Tadami

謹んで地震災害のお見舞い申し上げます。

この度、東日本大震災により被災された皆さまにお見舞い申し上げるとともに、
被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。


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MONTHLY COLUMN 知性だけでなく感性までもが伝わる「うみ」の表現
キャビンの棚 フランスのオートクチュールを連想させる美しいジャズ「PIANO, piano」
船厨 土用のしじみで元気を出す「しじみ汁」
海の博物誌 日暈、月暈は雨の兆し
YAMAHA NEWS 女性限定釣りイベント「シースタイルG」など/スタイルレボリューション!フィッシングボート「SR-X」登場/飛び出すグリーティングカード「カジキを釣りに海へ出よう!」/ボート免許説明会のご案内
7月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

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MONTHLY COLUMN
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 7~8年ほど前に購入したお気に入りの一冊に「海の名前」という本がある。海洋写真家の中村庸夫さんが、自ら撮影した美しい海の表情とともに、海にまつわるさまざまな「言葉」とその意味を綴ったものだ。それをぱらぱらとめくっていると、日本人にとって海がいかに特別な存在なのか、また、海は人間にとって常に美しくなくてはならない存在なのだ、そんなことに想いを馳せてしまう。 
 例えば「青い海」を表す言葉。海はご存知のように無色透明なものなのに、空の色や海底の色によって様々な表情を見せる。そしてそこが日本語の素晴らしいところで、同じ青い海を表現するにも「蒼海」「青海原」「青海」「碧海」「蒼碧の海」など見る人の心情までもが伝わる表現が数多とあるのだ。
 晴れた空を、よく「ピーカン」などという。もともとは映画業界で使われていた言葉らしいが、一節によればある銘柄の煙草の入った缶の色からきたのだという。なるほど、いかにもギョーカイ関係者が好んで使いそうな言葉である。それが「海の名前」によると、雲ひとつなく、空と海の色が一体となったような一面の青世界を表現する言葉として「水天一碧」「水天一色」が紹介されている。ピーカンよりも美しく、ぐっとくるではないか。
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 最近は横乗りブームの影響というわけではあるまいが、フネが立てる引き波のことを「ウェイク」や「ウェイキ」と、カタカナで表すことが多い。それも日本語で表すと、その形や表情によっていくつか名前があることをこの本で知った。
 フネの通ったあとにたつ白波は「跡白波」(あとしらなみ)。スクリューなどの推進器が起こす白い引き波は「暗車流」。大型船が起こす引き波は「汽船波」(きせんぱ)。船首から八の字型に広がっていく引き波を「八字波」。こんな具合だ。余談だが、ここに載せた写真はモーターボートではあるが、微速で走っているために「暗車流」はほとんど立てずに、美しい「八字波」が航跡として水面に描かれている。
 これらの日本語には、人が見た海の美しさやその表情をどうにかして第三者に伝えようとした、言葉の命名者の気持ちや感性までもが伝わってくる。他の国の言葉にはみられない表現なのかもしれない。
 先日、こうした言葉の一部を若い友人に披露したら「おやじくさい」の一言で取り合ってもらえなかった。若いとか年寄りとかいう問題ではない。これは、海への愛情の深さの問題なのだと、個人的には思っているのだが。


田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
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「PIANO, piano」ANNE DUCROS
販売/コロンビアミュージック
エンターテイメント
定価/2,500円(税別)
 海辺のボードウォークにたたずむ女性。いかにもフランスらしい、美しいデザインのジャケットに心惹かれ、手にしたのはフランスのジャズ・ボーカリスト、アンネ・デュクロがチック・コリア、ジャッキー・テラソンなど、5人の名だたるピアニストを従えて録音した「PIANO, Piano」。ヨーロッパを代表するジャズ・ヴォーカリストがときに情熱的に力強く、ときに軽快に歌い上げる。
 トレーにCDを差し込んで、まず最初に流れるのはマイルス・デイヴィスの傑作としてもおなじみの「フォア」。ジャケットの帯に書かれている「パリ、オートクチュールの最高のメゾンで個性あふれるドレスを誂えるように、ジャズを唱える」という文句が、決して誇張した宣伝コピーでないことがいきなり判明するのだ。
 1940年代にヒットしたスタンダードナンバー「My Foolish Heart」もいい。大人の恋の切なさが情感豊かに歌い上げられていて、なおかつ音も声も古さをまったく感じさせない。
 海とジャズという組み合わせは好みもあろうが、ジャンルを問わず耽美を極めた音楽の、それに見合う自然の舞台は海をおいて他にないかもしれない。



船厨
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 土用の丑の日。本来、土用とは古代中国に端を発する自然哲学の思想である「五行」からくる暦で、年に4回、季節の変わり目におとずれる。また土用の丑の日とは、土用の期間中の丑の日(十二支)のことで、これも年に数回ある。ところが、なぜか日本では土用の丑の日といえば、夏のそれを指すことが多く、7月の終わり、または8月のはじまりに、─ちなみに今年の夏の土用の丑の日は7月21日と8月2日の2回あるのだけど─鰻を食べる習慣があるのだ。
 真夏を控えた季節の変わり目に夏ばて予防、または弱った身体に精を付けようと始まった習慣のようだ。
 さて、土用と言えば鰻と並んで「しじみ」も注目される。しじみには冬と夏の二回の旬があるが冬の「寒しじみ」に対して、夏のしじみを「土用しじみ」と呼ぶ。身が小さく地味な存在だけれども、もともと肝臓にいい、母乳の出が良くなるなど「健康食」として知られ、鰻と並んでこの時期、ありがたがられる。
 そういえば筆者は、第一子が生まれる直前、宍道湖で「妊婦にいいから」と辟易するほどの大量のしじみを振る舞われたことがあった。母乳を出すのは筆者ではなく、女房の方なんだけどね。
「しじみ汁」
■材料
水、酒、しじみ、味噌、ネギを適宜
■作り方
1)鍋に水、酒、しじみを入れ、貝が開くまで火にかける。
2)煮立つ寸前に火を弱め、味噌を溶かす。
3)椀によそい、好みでネギを振りかけ出来上がり。
※酒がポイント。風味がよくなります。



海の博物誌
 海の上では何するにも天候に左右されることが多い。ことに雨や強風は航海を台無しにしてしまう。そこで、ついつい空を仰ぐことになるのだが、例えば夜間航行の際、さえざえとしているはずの月がかすみ、外側には光の環ができていたりする。
 昔から「太陽や月に暈がかかると雨になる」と言われている。地方によっては「暈をかぶる」ともいうが、これは太陽あるいは月が薄い雲にさえぎられてぼんやりしていて、周りに大きな光の環が見える状態をさす。こうなるとやがて雨雲がやってくるというわけである。
 しかし、実際にはこのことわざの的中率は約60パーセント。これを80~100パーセントの確率にするためには、同時に、そのときの雲の流れを見る必要がある。 日暈・月暈は、低気圧の外側にできる巻層雲に、太陽や月の光が反射してできる。つまり低気圧が近いということには違いないが、低気圧はそのまま遠ざかることもある。低気圧がそれて行くときは、低い位置にある雲が東から西へ流れるようになる。逆に、それずにやってくるときは、低いところに雲があり、南から北へ流れている。そして次第に雲が多くなって雨になるのである。
 もちろん的中率とは関係なく、観天望気は覚えておくと役立つことが多い。



ヤマハニュース

女性限定釣りイベント「シースタイルG」など
マリンクラブシースタイルが企画する体験型イベントのご案内です。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/event/

スタイルレボリューション!フィッシングボート「SR-X」登場
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/fishingboat/sr-x/

飛び出すグリーティングカード「カジキを釣りに海へ出よう!」
開くとカジキが飛び出す驚きのカードを釣り仲間に贈ってみては?
http://global.yamaha-motor.com/jp/yamahastyle/entertainment/papercraft/popupcard/scene3/

ボート免許説明会のご案内
ボート免許の説明、取得方法、免許取得後の楽しみ方まで
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/license/briefing/


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【編集航記】
 海難の原因で比較的多いのは、機関トラブルと見張り不十分による座礁や衝突と言われています。いずれにしろ、日頃の点検整備や、ルールやマナー、心得の遵守によって防ぐことのできるものばかり。夏になると水の事故が注目されやすくなりますが、どうぞ、この夏、ルールやマナーを守って、素晴らしい、そして素敵な思い出として心に残るマリンレジャーの休日をお過ごしください。
(編集部・ま)

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