ソルティライフ ソルティライフ
ソルティライフ ソルティライフ
イラスト・Tadami
いつでも潮気のある生活を過ごしたい。
イメージ
MONTHLY COLUMN 今年は東京湾クルーズが面白い
キャビンの棚 海のように深く、空のように高く 「How deep is the Ocean?」
船厨 海の恵みと呼ぶにふさわしい「牡蠣とエリンギの炒め物 トマトソース」
海の博物誌 ニュートンが発見した潮汐の原理
Salty One Day Boating 伊東の海で、遊び回る。
YAMAHA NEWS

スーパースポーツの新たな世界を拓く「NYTRO(ナイトロ)」デビュー/ビッグボート「EXULT 36 Sport Saloon IPS500」デビュー/フォトギャラリー「ボートショー2012」/「出動!マリンクラブ釣査隊」神奈川県・三浦半島のコマセ五目

3月の壁紙 『Salty Life』読者限定壁紙カレンダー

※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。

MONTHLY COLUMN
イメージ
 東京ゲートブリッジが完成した。江東区の若洲と中央防波堤を繋ぐ。中央防波堤の周りはシーバスポイントが点在し、ボートでこの埋め立て地を目指したことのあるファンは多いかもしれない。しかし、ここはもともと東京都のゴミを処分するためにできたもので、車で渡るにはそれほど魅力的な場所とは思えない。それでも大田区城南島と江東区若洲をお台場を経て結ぶ東京港臨海道路が開通したことで利便性は高まった。いずれは現在のお台場のような新たな観光地になるかもしれない。また、橋そのものも様々な最新技術が導入されており、見物に値する。何よりも、橋には、船とよく似たロマンがある。
 夜間は省エネに優れたLED照明によってライトアップされ、なかなか美しいらしい。デートスポットとして注目されるが、やはりこの橋は海から眺めるに限る。夜間航行と浅瀬には充分に注意を払って出かけたいが、三枚州の外れから眺める夕景、そして日没後にライトアップされていく様は、船上でのひとときをさぞかし魅力あるものしてくれるだろう。
イメージ
イメージ
 5月には隅田川と荒川に挟まれた押上げに東京スカイツリーが開業する予定だ。全高634m、軒高495mは、自立式鉄塔としては世界でも最も高いタワーとなる。
 往来する観光船から手を振られ、照れることなく手を振り返しながらボートで川を遡っていく。勝鬨橋、佃大橋、永代橋、両国橋などをくぐり抜け、だんだんと近づくと、改めてスカイツリーが異様な高さであることを実感する。人びとで賑わう浅草を通り過ぎ、吾妻橋をくぐってすぐに右手の水路に入る。これがボートでもっともスカイツリーに近づけるコースだ。ただし、この水路は行き止まりになっているので気をつけて。
 東京は水の都市である。海から運河に入っていくとそのことを強く実感できる。江戸時代からこの都市には運河が張り巡らされ、舟運で栄えていた。沖から運ばれる荷物も、海で獲れた魚はもちろん、郊外で作られた野菜も、運河を渡る舟で江戸の隅々に届けられていた。そんな風景をイメージできる景色は、ボートで東京を走っているといくらでも出会える。
 ゲートブリッジにスカイツリー、荒川ロックゲート、海から眺める羽田空港。お台場の近代的なビル郡に屋形船。過去と現在、そして未来が交錯する水上都市と目の前に広がる東京湾はボーター達を飽きさせない。
 そうそう、間もなく花見のシーズンでもある。隅田川もいいが、浜離宮あたりにアンカリングして過ごすのも楽しみだ。

※写真はいずれも昨年の様子です。

田尻 鉄男●たじり てつお
外洋帆走部に所属しクルージングに明け暮れた大学生活、1年間の業界紙記者生活を経て、88年、プロダクションに入社。以来、日本のボーティングシーン、また沿岸漁業の現場を取材してきた。1963年、東京生まれ。



キャビンの棚
イメージ
「Clapton」
レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン
エリック・クラプトン
定価/¥2,600(税込み)
イメージ
「Explorations」
レーベル: Ojc
ビル・エバンス・トリオ
輸入盤参考価格/¥ 1,000
 海という言葉は、「広さ」や「深さ」を形容するために用いられることが多い。また愛をささやく時にもしばしば使われる。たとえば奥サンに常軌を逸した釣行の多さを攻めたてられたような場合、「君の心は海のようだ」などといってごまかす。あるいは相手の目をみつめ「君の瞳は海のように深い」などといってその場を切り抜ける。使い方とタイミングが難しいが、一般的にはロマンティックな風情があると思われている。
 「How Deep is the Ocean?」というジャズのスタンダードナンバーを歌い上げるのも効果的かもしれない。ビリー・ホリデイも歌っていたこの曲の歌詞。

 How much do I love you?
 I'll tell you no lie
 How deep is the ocean?
 How high is the sky?


 「海のように深く。空のように高く。嘘など言うものか。それほど君を愛している」 超訳するとこんな感じかな。
 それにしてもだ。ジャズに詳しい方にとっては当たり前なのかもしれないが、同じ曲なのに何故、演奏する人によって、こんなに雰囲気が異なるのか理解に苦しむことがある。
 編集部のキャビンの棚にある「How Deep is the Ocean?」は4曲。ビル・エバンスが2曲、マイルス・デイビスが1曲、そしてエリック・クラプトンが1曲。2曲あるうちのエバンスの1曲は名盤と言われる「Explorations」に収められている。でも、ジャケットに印刷された曲目をチェックでもしない限り、これが「How Deep is the Ocean?」だとは気づかないのではないか。美しければいいか。
 話しは戻って奥サンである。窮地に陥ったらギターでも抱いてエリック・クラプトンのように渋く“不器用な男”風にこの曲を弾き語ろう。もしくはビル・エバンスのようにピアノを奏でるか。マイルスのトランペットは近所迷惑になるかもしれない。いずれにしろうまくいけば、年間の釣行回数が2、3は増えるかもしれない。健闘を祈る。



船厨
イメージ
 これまでに何度も書いてきたことだけれど、「牡蠣の旬はアールが付く月」だ。そして小欄では決まったように4月が近づくと慌てるようにして牡蠣をいただく。牡蠣の味は産地によって異なるけれど、それぞれ特徴があって、どこのも美味い。無骨な外観、豊潤な味わい。「海の恵み」と呼ぶにまことにふさわしいありようだと思える。
 ところが昨年から今年にかけては少しばかり牡蠣を取り巻く環境といおうか、状況が少し異なっている。近所(といっても関東地方の片田舎だけれど)の魚屋でよく仕入れていた岩手産の殻付き牡蠣は店頭から消えてしまった。
 周知の通り、岩手と宮城は日本有数の牡蠣の産地であった。ところが昨年3月11日の大地震によって、三陸の牡蠣棚は全滅といっていいほどの、大きな被害を受けた。そして三陸の牡蠣は、北は北海道、西は九州に至るまで、各地の牡蠣養殖でタネとしても使われていた。つまり三陸の牡蠣養殖のダメージはそれらの産地にまで影響を与えることとなった。
 また、品薄となった日本への牡蠣の輸出量が増加したため、お隣の韓国では牡蠣の価格が高騰したなどという噂まで耳にする。
 三陸の牡蠣生産者が、被災前の状況に戻ることなどを目指す「牡蠣復興支援プロジェクト」という活動があることを、今回初めて知った。三陸の牡蠣を前払いで購入するオーナー制度で、売り上げの一部を東北各地の生産者に分配し復興に役立てるというものらしい。ワインと美味い牡蠣料理を口にしながら「そんな支援なら参加してもいいかな」と思う。いや生産者のためなんてかっこいいこと言うつもりはなく、小欄の食い意地を満たすために、なんだけどね。
「牡蠣とエリンギの炒め物 トマトソース」の作り方
■材料(3~4人分) 牡蠣2パック(16粒)、エリンギ1パック、玉ねぎ1個 、 にんにく1個 、トマトピューレ1カップ、白ワイン 50cc、イタリアンハーブソルト適宜、 塩少々、オリーブオイル大さじ4

■作り方
1)トマトソースを作る。玉ねぎ、にんにくをみじん切りにし、鍋にオリーブオイル大2を熱し中火で炒める。トマトピューレと白ワインを加えてイタリアンハーブソルトで味を整え5分程煮る。
2)熱したスキレットにオリーブオイル大2を入れ、洗って水を切った牡蠣と薄切りにしたエリンギに塩を少し振り、炒める。
3)牡蠣に火が通ったら1のトマトソースを適量(好みで)加え3~5分程煮る。
※このままいただいてもいいですが、パスタにからめてもよく合います。



海の博物誌
 海面は規則的に高くなったり低くなったりしている。これを潮汐(ちょうせき)という。語源については、潮は「さししお」であり、汐は「ひきしお」であるからという説と、朝の「しお」を潮といい、夕方の「しお」を汐というためとする説がある。
 さて、古事記には『海幸山幸』の話があり、また、室町時代から戦国時代にかけて活躍した村上水軍は、満潮・干潮の予報をする潮汐表を残している。このように、日本人の潮汐の知識はかなり古いのだが、なぜ潮汐が起こるかという原因・原理については誰も手をつけなかったようである。
 それを説き明かしたのは、アイザック・ニュートン。「すべての物体はその質量の積に比例し、互いの距離の二乗に反比例するような力で引き合っている」という万有引力の法則で説明したのである。ややこしい計算によって得られる理論的な潮汐の高低差は、月によるものが53.6cm、太陽によるものが26.7cmである。その他の惑星による影響は、一番近い火星でさえ月の百万分の一に過ぎない。
 そういえば、間もなく潮干狩りシーズンだ。



Salty One Day Boating
 「伊東」。その地名を聞くとなぜか体のまわりの空気が温かく感じる。パブロフの犬とまではいかなくても、特にここ数年の中では最も寒さが厳しい冬と言われ、都会の冷気に晒されていると彼の地の魅力は別格に思えてくる。そういえば数年前に南仏のリゾートを訪れたときも、観光客やオーナーの多くはイギリスやドイツ人で、皆一様に温暖な気候を求めてバカンスにやってくると言う話を聞いた。温暖な気候と海がセットになれば、そこに人が集うのは万国共通なのだろうか。

 さて今回訪ねたのは、その伊東と宇佐見の間にマリーナを構える、伊東サンライズマリーナ。もうご存じの方も多いと思うが、道の駅とマリーナが併設された全国的にも珍しい形態のマリーナであり、敷地内には物産、食事に加えて温泉までもが整えられている。さすが湯処、伊東という名に恥じない施設となっている。
 受付を済ませて安全レクチャーを受けると、このマリーナの航行範囲の大きさに期待が高鳴る。北は真鶴半島西側から南は観光名所として有名な城ヶ崎までとなり、この中には初島も含まれている。昨年の台風による被害でビジター桟橋が使用できないこともあり、今のところ初島への上陸は不可能だが、復旧次第利用できる可能性もあり、そうなると航・釣・食が整った魅力的なエリアになることはまちがいない。
 少々ラフなコンディションでも、しっかりと前に進むYF-23を利用して航行エリアを回ってみることにした。ここであいにくと言ったらおかしいが、この日はまさにボートクルージングにはベストなコンディション。風も波もなく、おまけに魚の気配すら感じられないほどの穏やかな相模湾をボートは軽快に進んでいく。最初にめざしたのはマリーナから目と鼻の先に浮かぶ、初島。相模湾のデイクルージングでは定評のある初島は、伊東からだと1時間もかからない。初島に着いたら、今度は熱海へ。初島から眺める熱海の町の上には、冠雪の富士山が顔を覗かせている。さらに熱海から南に目を向ければ、ゴルフコースで有名な川奈岬が、その裏には観光スポットの城ヶ崎が待っている。視線を向ける毎に雄大な景観美に目を奪われ、こうして気の向くままにボートを走らせることができるのも、シースタイルならではの楽しみ方だ。
 あえて付け加えるなら今回のようにクルージングを楽しむのであれば、回遊魚との遭遇に備えてタックル一式を備えておくことをお勧めしたい。なんといっても、ここは相模湾であり、大物に巡り会えるチャンスはその人の心構えにあると言われるほど、魚影の濃い海だ。冬ならばナブラ打ちでブリ、夏から秋にかけてはシイラのサイトフィッシングも楽しい。もちろんカツオ、さらにマグロまで狙える。最近では大物が釣れる機会が増えている。季節に合わせた回遊魚を狙うのも選択肢としては大いにありだ。ちなみにサンライズマリーナの進士さんによれば、夏のアンカリング+シュノーケリングメニューの人気も高いとか。こうして話を聞くと。駆け足でボートを利用するよりも、週末にゆっくりと楽しむシースタイルが伊東には合っている。
 温泉+シースタイル。ウィークエンドバカンスとしては最強のコンビではないだろうか。


取材協力
伊東サンライズマリーナ
●〒414-0002 静岡県伊東市湯川571番地19
●定休日:火曜日(7~8月は無休)、年末年始
●営業時間 :4~9月 8時半~17時半(土日祝 8時~18時)、10~3月8時半~17時
●E-MAIL:mformmail@ito-marinetown.co.jp
●ホームページ:http://www.ito-marinetown.co.jp/marina/
●TEL:0557-38-7811


イメージ
イメージ
イメージ
首都圏のオーナーが集う伊東サンライズマリーナ
イメージ
天気に恵まれていれば、常に富士山が見える。素直に気持ちがいい
イメージ
初島フィッシャリーナ。ビジター桟橋が復旧できれば、係留も可能とのこと
イメージ
東洋のモナコといわれる熱海。密度の差異こそあるものの、海から眺めると良く似ている
イメージ
ナブラが見えれば釣り心に火が付くが、この日は一度もチャンスが無く…
イメージ
帰港で待ち受けていたのは、オーナーさんの釣果。立派なオニカサゴだ
イメージ
ボウズでも嵐でも伊東には道の駅がある
イメージ
飲食店も充実。写真の伊豆中ばんばん食堂では、海の幸がリーズナブルに味わえる
イメージ
伊東と言えば温泉。マリーナの温泉もよし、温泉街に足を伸ばすもよし



ヤマハニュース

スーパースポーツの新たな世界を拓く「NYTRO(ナイトロ)」デビュー
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/cruisingboat/nytro/

ビッグボート「EXULT 36 Sport Saloon IPS500」デビュー
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/bigboat/exult36ss/

フォトギャラリー「ボートショー2012」
横浜ボートショーでデビューしたNewモデルをチェック
http://global.yamaha-motor.com/jp/boatshow2012/

「出動!マリンクラブ釣査隊」神奈川県・三浦半島のコマセ五目
レンタルボートで楽しむ、日本各地のフィッシングレポートをご紹介します。
http://sea-style.yamaha-motor.co.jp/report/


今月の壁紙
『SALTY LIFE』読者限定
3月の壁紙カレンダーはこちらからダウンロードできます。
イメージ


バックナンバー
『SALTY LIFE』のバックナンバーはこちらからご覧になれます。


【編集航記】
 間もなく3月ですが、東京ではまだまだ寒い日が続きます。さて、メールマガジン「ソルティライフ」では公式Facebookページを設けています。ウォールには取材のこぼれ話や編集達が書ききれなかった海への想いなども発信していきます。よとしければ、お気軽に「いいね!」を。またFacebookを通して多くの仲間に海やボート、ヨットの楽しさをお伝えください。
(編集部・ま)
ソルティライフ公式Facebookページ 「Yamaha Motor Nautical Mile」

■ 『SALTY LIFE 』について
メールマガジン配信サービスにご登録いただいているお客様に定期的に配信するマリン情報マガジンです。
■ お問い合わせに関するご案内
『SALTY LIFE』は送信専用のアドレスより配信しております。
「配信の停止」についてはhttps://www2.yamaha-motor.co.jp/Mail/Saltylife/をご参照ください。
お問い合わせに関しては、marine_webmaster@yamaha-motor.co.jpまでご返信ください。
※お使いのブラウザでHTMLメールを表示できない場合は、こちらのサイトからもご覧いただけます。
ページトップへ
『SALTY LIFE』
〒438-8501 静岡県磐田市新貝2500
発行:ヤマハ発動機株式会社


Copyright(C) 2012 Yamaha Motor CO.,LTD. All rights reserved.
掲載文章および写真の無断転載を禁じます。